こんばんは!
学習塾STRUX塾長で、ストマガを監修している、橋本拓磨です。
先日、東京大学の英語について解説した動画をUPしましたので、ぜひご覧ください!
「この動画みたいに〇〇大学について解説してほしい!」とか、「この塾長の記事でも〇〇大学が知りたい!」ということがあればぜひTwitter等で教えて下さい!
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こんな質問に答えてるよ
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さて、今回も大学シリーズ。同じ「東京」がつく大学でも、これまた来年度から大幅に入試も大学名も変わる「東京都立大学」についてお伝えできればと思います!
首都大学東京から名称変更。「東京都立大学」をピックアップ!
東京都立大学は、今はまだ「首都大学東京」という名称の大学。2020年4月から「東京都立大学」というもとの名称に回帰することが決まっています。
名称も変更され、かつ近年の安全志向も相まって、関東圏では非常に人気が高くなっている大学です。
人気が高い分、色々注目されていますし、例によって大きく入試形式を2021年度から変更すると決まっているので、今回はこのことについて触れていきます。
いちばん「高大接続改革・大学入学者選抜改革を汲み取っている」東京都立大
そもそもの変更点は、ざっくり分けて以下の通り。
- 前期試験の英語を「共通テスト」のみで判定(学部独自の試験を廃止)
- 調査書を配点に含める
もともとはこれに「外部入試の点数も加味して、4技能をきちんと見る」というところがありました。もっとも、それは延期になってしまったのですが。
実際の文科省の高大接続改革のページでも
・調査書や志願者本人が記載する資料等の積極的な活用を促す。
・大学教育を受けるために必要な「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」を的確に評価するため、「大学入学共通テスト」の積極的な活用を図るとともに、個別大学における入学者選抜においても教科・科目に係るテストの出題科目の見直し・充実などに取り組む。
各大学は、受検生に英語の試験を課す場合、4技能を総合的に評価するよう努める。
とあるように、入学者選抜の改善点をひととおり盛り込もうときちんと対応しているわけです。多くの大学が調査書など「入学後の指導の参考にする」という程度で提出しか求めないのに対し、このように(配点は非常に小さいですが)得点に盛り込む姿勢を見せているのはすごいことです。
ただやはり、その中でもきちんと自分たちの大学の色を見せようとしているところはあるでしょう。このあとでもそれはお伝えしていきますが、例えば共通テストの英語を使うものの、配点比率は今まで通り4:1に直したり。調査書の点数を見るといっても10点だけだったり。
ただ、今までの入試から変わることは明らかなので、そこはきちんと確認をしておきましょう。
前期試験の英語を廃止し、「共通テスト」でのみ英語を見る
それでは、ひとつひとつの変更点を確認していきましょう。1つ目が英語の独自試験を廃止し、共通テストでのみ見るということ。
これは以前立教大学の際にもお話したことです。
ただ、立教大学と大きく違うところとしては、やはり国公立なのでそもそも1段階選抜で共通テストの点数を要求している点と、リスニング・リーディングの配点を従来どおりに戻そうとしている点が挙げられるでしょう。
詳細は学部によって異なるので、こちらのページを参考にしてほしいのですが、例えば法学部で言うと以下のような配点になります。
共通テスト | 個別試験 |
---|---|
英語350点 (R280,L70) |
英語なし |
国語200点 | 国語150点 |
地歴公民数学 200点 *1科目選択 |
地歴公民数学 150点 *1科目選択 |
ー | 調査書10点 |
750点 | 310点 |
英語の能力は共通テストでしか判断されないため、みっちりその対策をしておく事が必要になります。基本的に共通テストのほうが点は伸びやすく、点数を安定させやすいため、なるべく高い点数を狙うことになるでしょう。
共通テストは本来は「リーディング100点、リスニング100点」に変更され、これを採用する大学が多いようですが、東京都立大学ではどの学部も今まで通りの「リーディング4:リスニング1」の配点になると予定されているので、リスニングについても過剰に意識する必要はありません。さらに今まで個別試験で出されていた英作文等も必要がなくなるため、リーディングにしっかり絞って、素早く正確に情報処理をする必要が出てきます。
マルオくんは賢いので気づきましたが、実はもともと「英語の外部試験」を利用する予定で入試の配点が決められる予定でした。外部試験を使うから、独自で英語試験を実施する必要はないよね、ということで独自の英語試験を廃止したわけです。
しかし蓋を開けてみると英語の外部試験の成績提供システムは使わないことになってしまい、はしごを外されてしまったわけです。もう入試まで1年と数ヶ月しかない状態でそうなってしまったわけですから、いまさら個別試験の問題をつくるわけにも行かず、結局共通テストのみで対応することになってしまったというわけですね。
ただ、2022年度入試以降はなんらかの4技能に関わるテストが行われたり、個別試験が復活したりする可能性もありますので、ここは注意しておく必要があるでしょう。
「調査書」が配点に含まれる
これを聞いてびっくりする人も多いのではないでしょうか。「調査書なんて推薦の人しか使わないから……」と今までは思っていたかもしれませんが、入学者選抜改革で
筆記試験に加え、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」をより積極的に評価するため、調査書や志願者本人が記載する資料等の積極的な活用を促す。
各大学の入学者受入れの方針に基づき、調査書や志願者本人の記載する資料等をどのように活用するのかについて、各大学の募集要項等に明記することとする。
と書かれています。ただ点数を取るだけではなく、その他のいろいろな活動もなにかの参考にしてくださいね、という方針になっているわけです。
都立大は大胆にも、これを点数化して配点にねじ込むようにしているわけです。詳細は募集要項が出るまでわからなさそうですが、法学部であれば10点ぶん(配点全体の1%以下)のみ見られるという形です。
ただ学部によっては1500点中の50点(都市基盤学科)のように配点が大きいところもあり(とはいえ3%ですが)ます。正直ここで合否が分かれるということはまずないので、過度に気にする必要はありませんが、頭には入れておくべきでしょう。
なにか変わった対策が必要?
やはり気になるのが対策の仕方ですが、結論から言うと「今まで通りきちんと取り組む」事が重要です。
もちろんそのためには普段の勉強はもちろん「どう出題されるか」の部分をぎりぎりまで情報収集しておく必要があります。今年は入試の傾向も細かい変更が予想されるので、特に今後も注視していきましょう。
今回は「首都大学東京」改め「東京都立大学」の入試変更について見ていきました。今後更に変更になるところも予想されるので、志望者は動向をしっかり確認していきましょう!
それでは!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。
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