さて、前回、「なにをやればいいかわからないまま勉強を進めてはいけない!」という話をしました。
前回の記事はこちら!
漠然と勉強しても、いつまでも志望校にたどり着かない、という話だったと思います。
では、その「志望校」に向けた勉強をするためには何が必要なのか?というと、勉強についての「計画」なんですね。
よく「計画を立てないといけないよ!」と言われることもあると思いますが、なかなか「なぜ計画を立てないといけないのか?」「どんな計画を立てればいいのか?」は掴みづらいかもしれません。
今回はこの「勉強計画」について、なぜ重要なのか・どうやって立てるのかについてお伝えしていきましょう!
計画の重要性などについては以下の動画でも解説しています。
そもそもなぜ、計画が重要なのか?
受験勉強は「志望校と現状の学力の差を埋める」ことだという話を前回しました。
この「差を埋める」ために勉強をしていくのですが、ただ「差を埋める」だけなら正直何も考えなくても、勉強していればいつかは埋まります。
ただ、受験は「受験日」が決まっています。どんなに正しい勉強をしていても、ゆっくりやっていては入試本番までに終わりません。受験勉強に割くことができる時間は限られているわりに、やるべきことはたくさんあるため、どういう順番でやるか、どんな優先順位でやるかが大事になるんです。
この「どういう順番・どんな優先順位」について決めるのが「計画」の役割です。
「計画」=「差を埋めるために何をやるべきかを決めたもの」
なぜ、限られた時間で差を埋めるために「計画」が必要なのでしょうか。今回もたとえ話から入ってみましょう。
計画=「地図」
計画の話をするときに、よく「方向音痴」の人の話をします。
方向音痴の人が例えばある駅にたどり着いたとしましょう。僕もよくやらかすんですが、駅について目的地に向かおう!というときに、方向音痴だと「とりあえず、右に進もう!」といったふうに、なんとなくで進んでしまうんですね。
これで目的地にたどり着けるといいんですが、そのまま違うところにたどり着いてしまうこともあるわけですね。そこで地図を開いて「あ、逆だった!」となると、ものすごく時間がもったいないですよね。
これを防ぐためには、駅についたときにはじめに正しい地図を見て目的地にどう向かうかを確認しておくことが重要です。
「〇〇改札を出て右に進んで、そのまままっすぐしばらく進めばつくな」というのが地図を見てわかれば、あとはそのとおりに進めばよいわけです。
これをそのまま勉強に置き換えてみましょう。
受験生の皆さんはいわば、受験については「方向音痴」です。何度も受験や受験勉強を経験しているわけではないですから、これは当然のことです。
受験について方向音痴だと、目的地=志望校に向かって勉強をするときに、何からやればいいかわからず「とりあえずこの参考書から始めよう!」というふうになってしまいます。
これで間に合えば良いんですが、この参考書が入試に関係なかったり、今の自分には難しすぎたりすると致命的です。先程も言ったように入試までにかけられる時間は限られているので、この時間内にやりきれないということが起こってしまいます。
これを防ぐために、先程の方向音痴の例と同じく、先に地図を見ておくことが大事で、その「地図」の役目を果たすのが「学習計画」だというわけです。
計画を見てそのとおりに勉強していけば、今何を勉強すればいいのか、何から勉強するべきなのかというのがわかりますし、ペースを間違うこともありません。
計画を「地図」の役割で使うことで、「今、やるべき勉強」にフォーカスすることができます。
だから、計画を立てて勉強することは大事なんですね。
計画の立て方は「差を知る」→「参考書で埋める」
ではそういう「計画」はどうやって立てればいいのでしょうか。
これまで計画を立てようとして挫折した経験がある人は多いと思いますが、やはり「とりあえずある参考書を使って計画を立てる」という状態だとどうしても限界があります。計画を立てるには、きちんと「志望校までの差」を知って、それを埋めるようにしていく必要があります。
計画の立て方としては、
- 志望校までの差を出す
- 差を埋めるための参考書をリストアップする
- 月ごとに参考書を埋める
のステップが重要です。
志望校までの差を出す
まずは、志望校に必要な学力と現在の学力を出し、どのくらい差があるのかを出す必要があります。
模試の成績や今学校で習っていること、単語の暗記具合などから現状がどのくらいの成績か洗い出し、それと志望校の過去問を照らし合わせて「どの分野はどのレベルからどのレベルまで必要か」というのを決めていきます。
例えば早稲田大学商学部志望で、「ターゲット1900」レベルの単語帳はほぼ覚えられていて「Vintage」などもほぼ解けるけど英語の構文が取れない、という場合。単語はすでに早稲田のレベルに達していますが、文法はもう少し高いレベルが求められるのでもう1ランクアップしたいですし、構文は長文を読む前提になる知識なので2レベルほどアップしなければいけません。
ただ、これを自分の力だけで正確に出すのは非常に難しいです。できれば学校の先生や塾の先生に頼るのがいいでしょう。ストマガを監修している学習塾STRUXでは、このようなレーダーチャートを使って「現状と志望校にどのくらい差があるのか」を出しています。
この「ストマガ」でも、以下のような記事など「志望校別記事」で各志望校ごとの勉強順・レベルを公開しているので、これを参考にするのも良いでしょう。
差を埋めるための参考書をリストアップする
差がわかったら、その差を埋めるための参考書を洗い出します。例えば早稲田の商学部に向けて文法を1ランクアップさせるには「頻出英文法語法1000」、解釈を2ランクアップさせるには「入門英文解釈の技術70」「基礎英文解釈の技術100」の2冊をするなどですね。
すべての差を参考書で埋められるように洗い出すことがこのステップです。これもストマガだと先程の大学別傾向と対策の記事にまとまっていますし、学習塾STRUXでは以下のような「参考書リスト」というかたちでまとめています。
このように参考書まで洗い出せば、「あとはこの参考書をやるだけ」という状態になるわけですね。自分で参考書を決めるとこれもやはり悩むことが多いため、相談できる人がいるといいでしょう。
月ごとに参考書を埋める
参考書のリストアップが済んだら、それを年間のスケジュールに落とし込みます。基本的には高3の12月には遅くとも志望校の過去問を中心とした勉強に切り替えるべきなので、高3の11月までに全ての参考書を終わらせられるように参考書を並べていきます。
このときにもちろん多少「この時期は忙しいから……」「この参考書はこのくらいかかるから……」というふうなことも考えて立てるのですが、ポイントはあまり深く考えすぎたり、細かく立てすぎたりしないことです。細かく立てたほうがやりやすいように見えますが、自分で立てた計画は往々にして遅れたり早まったりするものです。そんな計画を緻密に立てすぎるのは時間がもったいないですし、何より遅れたときにまた立て直す必要があったり、少しずれただけでうまく行かなくなったりしてつまずいてしまうことがあるんですね。そのため、年間の計画に落とし込むときは「だいたい1ヶ月位あれば終わるかな」くらいのかんたんな計算で並べていくようにすればよいです。
それも大変だ、という場合は、少なくとも「高3の夏前までに全範囲の基本を身につける」「高2の間に英語の文法Vintageレベルは完璧にする」といったざっくり度合いでもよいです。受験から逆算しておおまかにこの時期にこういうことをやる、というふうに決められるだけでも、ペースは把握しやすくなります。
学習塾STRUXではこういうかたちで、参考書リストを年間のスケジュールに落とし込んでいます。
毎日の勉強計画を立てるポイント
受験までの計画が立ったら、そこから毎日の勉強計画に落とし込むのがゴールです。毎日の計画まで落とし込むことで、「今日、なんの勉強をすればいいか」がすぐにわかるので勉強にとりかかりやすくなるという効果があります。
ただ、ここでも重要なのは「細かく立てすぎない」ことです。もちろん計画は具体的に立てたほうが取り組みやすくなるんですが、自分で計画を具体的に立てすぎるとこれもやはり時間がかかりすぎてしまいますし、なにより遅れてしまったときの立て直しが大変になります。
おすすめは、「1週間でどこまで進めるかをざっくり決める」ことと、「この参考書は1ページどのくらいで終わらせるかを決める」こと、そして「予備の時間を設ける」ことです。
例えば「入門英文解釈の技術70」は1週間で21個進めて、そのために1ページあたり20分で終わらせる、というふうに決めておきます。そして、日曜日に復習の時間と終わらなかったところの予備の時間を設けておけば、少し遅れたとしてもそこで取り戻せるというわけですね。
ペースはなるべく具体的に決めるべきですが、毎日細かくたてるというよりはざっくりと「いつまでに終わらせる」くらいの目安だけ決めて、なるべく「計画を立てる・修正する」に時間を取られないようにしましょう。これで、計画の「やることが明確になる」というメリットを最大限生かした勉強が可能になります。
困ったら相談!
今回は計画の重要性と立て方についてお伝えしました!自分で計画を立てるのもけっこうたいへんなので、もし少しでも困ったことがあれば塾や学校の先生に相談しましょう!
学習塾STRUXでも、無料体験や無料勉強計画作成会などで計画の立て方・実際の計画のプレゼントを実施しています!ぜひそちらもご活用ください!
次の記事では、計画を使った「自学自習」の重要性とコツをお伝えします!