学習塾STRUX編集部連載


京都大学の入試傾向と対策をチェック!目標点から逆算した早めの勉強が鍵

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こんばんは!STRUX塾長の橋本です!

 

今回の「大学入試の志望校別対策シリーズ」は、久しぶりに国公立大学。最難関大学の一つに数えられる京都大学について、入試の特徴や形態、点を取るための戦略を確認していくことにしましょう。

 
 
 

京都大学(一般選抜)の試験情報

期日 2月25日/26日
共通テスト 必要(比率は学部による)
科目(個別試験) 文科系:
英語・国語・数学・社会1
理科系:
英語・数学・国語・理科1〜2

共通テストと2次試験の比率が学部によって大きく異なり、比率が高いところで共通テスト1:個別試験2、低いところでは共通テスト1:個別試験7となっています。学部によっては一部科目の点数は1段階選抜(足切り)のためにだけ使用するというところもあります。

学部によっては1段階選抜ギリギリのラインまで共通テストは失敗できますが、そうもいかない学部もいくつかあるため注意しましょう。

 
 

併願のパターン

文系/理系ともに至極一般的な受験科目です。ただ、国公立に絞って受験したい、なるべく京大の合格可能性を高めたい、という場合は注意が必要かもしれません。

 

私大の併願:関関同立レベル+近畿・南山などで押さえる

「どうせ私立には行かない、京大しか行く気がない」などであれば国立一本で私大併願をしない、というのも特に現役生ならなくはないですが、できれば1,2つでも受けておくことをおすすめします。浪人生であればもう少し数を増やして受けておきたいですね。これをすることで「全落ち=結局今のレベルがわからない&行く大学がない」ということがなくなります。

関西圏に絞るのであれば、原則京大を目指すレベルであれば関関同立レベルは合格できるはずですから、このあたりを一般入試または共通テスト利用で確保し、不安であれば近畿大、南山大、甲南大などを滑り止めとして取っておきましょう。

関東圏まで視野にいれるなら慶應義塾大学、早稲田大学なども選択肢に入れてよいですが、比較的これらの大学はきちんと対策をしておかないと受かりづらいため、「あまり共通テストに自信がない……」「京大の勉強で手一杯……」という人は避けてもいいでしょう。共通テストで全科目(5教科7〜8科目)合計85〜90%を取れる、という場合は早稲田の共通テスト利用も選択肢に入ります。

 
 
 

国公立の後期と「志望校を下げる」目安

国公立志望だと「志望校を下げるべきか?」ということもよぎるはずです。もちろん「絶対京大にチャレンジしたい!」という場合は、1段階選抜の目安を超えていれば出願してよいかと思いますし、そうでない場合でも原則として志望校変更は共通テストの結果を見て判断ということでよいでしょう。そのため、あらかじめ共通テストで「何点くらいならここに下げる」ということを決めておくと良いでしょう。下げるとしたら各県の国立大学あたりになるでしょう(近隣であれば滋賀大学、奈良大学、和歌山大学など)。

後期試験も同様に、実施している近隣の国公立、またはほかの旧帝大レベルを出願しておくとよいですね。

たまに「同じレベルの東大と迷う……」という人がいますが、基本的には入試形態も科目も大きく異なるためあまりおすすめはしません。理系であればまだいいですが、文系の場合2次試験で必要な社会が増えるため、勉強量が大きく増えてしまいます。どちらかに絞った対策をしましょう。

 

 

京都大学の配点と目標点数

つづいて、京都大学の配点と目標点数について確認していきましょう。学部によって大きく目標点・配点ともに異なるため、今回は文系/理系それぞれ代表的な「経済学部」「理学部」を例にとって見てみます。

京都大学の科目・配点

文系(例:経済学部)

共通テスト 250点*
外国語(個別) 150点
国語(個別) 150点
数学(個別) 150点
地歴(個別) 100点

経済学部は「共通テストの社会1科目・発展理科1科目、個別試験の数学300点・英語200点・国語150点」という形で理系枠でも受験が可能ですが、ここでは文系枠の話で進めます。文系枠の場合は個別試験でも社会が1科目必須。多くの人は対策しやすい世界史または日本史を選ぶことになります。

文系枠の場合、共通テストは「国語50点・地歴公民2科目で50点・数学1A・2B合わせて50点・理科基礎2科目で50点・英語50点」となります。英語のリスニングは50点のうち12.5点を占めます。社会は2次試験で選ぶ1科目ともう1つですが、このもう1つは何でもOKです。勉強時間を極力減らしたいのであれば地理・倫理政経あたりがおすすめです。

経済学部の場合共通テストが占める比率が31%とそこそこ高いので注意しましょう。

 

理系(例:理学部)

共通テスト 225点
外国語(個別) 225点
数学(個別) 300点
国語(個別) 150点
理科(個別) 300点

共通テストの内訳としては「国語50点・地歴公民1科目25点・数学1A+2B合わせて50点・発展理科2科目50点・英語50点」。リスニングは同じく12.5点です。

理系学部は比較的共通テストの比率が低く、理学部では19%にとどまっています。その分2次試験において数学300点、理科が2科目で300点など、非常に大きなウェイトを占めています。理科は物理/化学/生物/地学ですが、一部学部(医学/薬学)は地学を選ぶことが出来ず、工学部は物理/化学しか選ぶことが出来ません。何れにせよ地学は教材も少ないため、原則物理/化学受験がおすすめです。いずれかが極端に苦手、という場合はそこを生物に置き換えましょう。

 
 
 
 

目標点数

京都大学では2段階選抜を導入しているため、共通テストの点数も重要になります。この共通テストのいわゆる「足切り」を突破しないとそもそも個別試験を受験できないので注意しましょう。

ここでは代表としてあげた学部の「1段階選抜の基準点」と「合格点」の目安を見ていきましょう。

 

1段階選抜の基準点

基本的には「3.5倍」が予告倍率となっており、この倍率を超えている学部は1段階選抜が実施されます。ただ、一部学部ではそもそも実施されないということもあります。

足切りの基準点は非公表ですが、各予備校のボーダーから見て82,3%を超えていればまずもって足切りにかかることはないと考えていいでしょう。場合によっては7割台でも足切りされないこともあります。これらは学校等で実施される共通テストリサーチから受験者数をある程度参考にするのをおすすめします。

 

総合人間科学部などは、一部科目は1段階選抜のためだけに使用します。こういった学部を狙う場合は2次試験特化の勉強をしつつ、足切りを超えるラインを目指しておくという戦略も可能です。

 
 

合格最低点と平均点

ここでも経済学部(文系)と理学部の点数を見ていきましょう。

 

経済学部(文系)の合格者最低点
  • 2020年度:491.55/800点(61.4%)
  • 2019年度:490.80/800点(61.4%)
経済学部(文系)の合格者平均点
  • 2020年度:523.15/800点
  • 2019年度:528.66/800点
理学部の合格者最低点
  • 2020年度:629.35/1200点(52.4%)
  • 2019年度:749.55/1200点(62.5%)
理学部の合格者平均点
  • 2020年度:705.09/1200点
  • 2019年度:821.47/1200点

 

参考:入学者選抜実施状況

他の学部については必ず大学公式の点数をチェックしておくようにしましょう。

 

受験者全体の平均点は公表されていません。合格最低点を見ると基本的には62〜64%になっています。2020年度の理学部が大きく凹んでいますが、例年から見ると特殊事例としていいでしょう。

 
 

目標点の例(経済学部文系の例):550/800点

経済学部では2018年度に最低点が525点と高めに出ていますから、これを超える点、かつ普段の最低点+1割位を目標にしておくと、だいたい540〜550点は狙っておきたいところです。

共通テスト 220/250点
外国語(個別) 110/150点
国語(個別) 80/150点
数学(個別) 70/150点
地歴(個別) 70/100点

国語の点数は安定しづらいため、それ以外の英語・地歴で点を取りたいところです。また、数学は人によって得意・不得意が分かれるため、数学が大の苦手、というひとは数学は20〜30点程度の目標にして、国語と地歴で残りの点をさらっていくというやり方も可能になります。逆に数学が得意なら数学で80〜90点を取れば、英語で多少ミスをしてもOKになります。

 

目標点の例(理学部の例):770/1200点

理学部の場合は700〜750点の中で最低点が大きくブレているため、少し余裕を持っておく必要はあります。今回は770点、ということで設定しましたが、心持ちは800点近くも目指しておきたいところです。

共通テスト 195/225点
外国語(個別) 135/225点
数学(個別) 200/300点
国語(個別) 60/150点
理科(個別) 180/300点

文科系と比べると不安定な国語の配点が低いため、英語より数学・理科で着実に点をとることを目指しましょう。もちろん英語が得意であれば英語で高得点を目指してOKですが、文系と違い「ものすごく数学/理科が得意!」という場合はその2教科3科目で満点近く取れるだけで合格できる配点になっています。極端な場合数学/理科で240点ずつ、共通テストで87%程度取れれば、英語+国語で100点/375点とれれば十分合格できます。

自分の得意/苦手に合わせて目標点数を設定しましょう。

 
 

京都大学・科目別の勉強法と問題攻略

最後に、科目別の勉強方針を軽くまとめておきましょう。

時系列・やるべき科目と対策

文系・理系によって変わってきますが、難易度が非常に高い手前、英語と数学は高1〜高2の夏前には基礎を固めておいてほしいというのが正直なところです。文系であれば学校の授業のペースに合わせて青チャート系の参考書の問題は解ける状態、英語も共通テスト1年前の段階で「時間をかければすべて解ける」という状態にしたいです。理社も高得点が必要になりますから、理社に高2からしっかり取り組むためにも英数の早めの教科は必須でしょう。これで高3の夏あたりから「京大の27カ年」シリーズなどで過去問演習を固めておけば

 

英語

英語は長文は意外と少ないのですが、長文を題材にした英作文・和訳の癖が強く、これらを最高難度まで対策しておかないと点数が安定しません。

共通テストレベルの英語が時間内にしっかり読み切れるくらいまで長文読解を固めたら、英作文(和文英訳/自由英作文)の例文暗記や和訳(「透視図」など)の練習を厚めにしておきましょう。

 
 

国語

国語はここ数年漢文が出題されるようになってしまいました(今までは出ていませんでした)。ただものすごく難易度が高い、というわけではなく、きちんと共通テストレベルまでこなせるようになっていればよいでしょう。古文も学校の授業などで早くから文法を固めておき、慣れておきます。

点数は安定しづらいですし、記述の量としても多いため、きちんと過去問をこなして解き方・読み取りのコツを掴んでおきましょう。

 
 

地歴

地理・歴史はほとんどの人が歴史を選ぶのではないでしょうか。いずれも空所補充・単語短答の問題と論述問題がバランス良く出題されます。高2の中盤から予習を進め、高3の夏前にはすべての歴史の流れがつかめている状態、もっと言えば歴史用語も教科書の太字はすべて覚えている状態にしておきましょう。それ以降は一問一答と論述用の参考書、そして教科書の記述を見ながら練習を繰り返し、秋からは過去問を利用していきます。単語の一問一答で一定の点数は見込めますから、取りこぼしのないようにすべきですね。

 
 

数学

京都大学の数学はすべて記述問題で文系5問・理系6問出題です。高得点を狙うには2問完答・3問部分点は最低ラインとなります。中には非常に難しい問題も出題されますので、どの問題で点を取るか?という点はきちんと計算しておくべきです。解き始めるときに必ず全ての問題を見渡して、解けそうなところから手をつけていきましょう。

理系の出題範囲は数3が多いというわけではなく、1A2Bからも比較的難易度の高い問題が出題されます。高3に入ってもきちんと数1A2Bの演習は怠らないようにすべきですし、数3にもなるべく早めに手をつけられるようにしておきたいところです。

学校の授業は数3が入試ギリギリまでかかるところも少なくないですから、数3については1A2Bがある程度目処が立ったら予習を始め、「青チャート」の基本的な問題や「大学への数学」シリーズ「1対1対応」などで演習を重ね、最終的に過去問や「上級問題精講」などで固めていきましょう。

理科

理科も学校の授業のペースが遅く、進学校でも9月〜10月に終わるということが少なくありません。これも社会のように、高3の夏前には一通り全範囲終わっており、かつセミナーなどの問題は完璧に解けるという状態にしておきましょう。理科で高得点を狙いたいという場合はもう3ヶ月程度前倒しでスケジュールを組むのもおすすめです。

 


 

まとめ

京都大学は最難関大学で、各科目のバランスも非常に重要になります。記述量の全体的に多い試験で、じっくり考えて解く力が求められてくることになりますから、なるべく早くから受験を意識した勉強を少しずつでも進めていきましょう。

 
 

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それでは!

 
 
 
 

ライター:橋本拓磨

東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。

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