こんばんは!STRUX塾長の橋本です!
あけましておめでとうございます。今年もガンガン更新していくので、改めてよろしくお願いいたします!
さて、今年もしばらく「大学入試の志望校別対策シリーズ」を進めていきましょう。今回は、「慶應義塾大学総合政策学部」および「慶應義塾大学環境情報学部」について見ていきましょう。どちらも「SFC」と言われる慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスにある学部で、少し特殊な形式になっているので、対策をする場合は注意しましょう。
慶應義塾大学総合政策学部/環境情報学部の試験情報
今回は一般選抜を中心に見ていくことにします。総合政策学部も環境情報学部も入試科目は同じです。
期日 | 2月17日(政)18日(環) |
共通テスト | 不要 |
科目 | 独自試験: ・小論文 ・選択科目 (数学または情報/ 外国語/ 数学および外国語) |
他学部同様小論文が実施されますが、もう一つの科目は選択が可能になっています。こちらは多様な選択肢から選択が可能で、以下のような定義となっています。
- 数学
- 数学1A2B、確率分布も出題範囲
- 情報
- 社会と情報・情報の科学
- 外国語
- 英語・英語+ドイツ語・英語+フランス語から選択
「数学または情報」や外国語の場合、どれを受験するかは当日決定できます。理系または国立志望で数学が得意の場合は数学、文系の場合は英語で受験するのがよいでしょう。
併願のパターン
科目が少ない分併願も慎重に考える必要があります。慶応内の併願にせよ他大学の併願にせよ、総合政策学部・環境情報学部を受験するより科目数は増えるということは考慮しておくべきでしょう。
慶應内での併願先:総合政策学部・環境情報学部、法学部、商学部、経済学部
慶應義塾大学に行きたい、ということであれば、形式が全く同じ学部の総合政策学部・環境情報学部はどちらも受験するのがおすすめです。また、慶應義塾大学のなかでも文系学部であればほとんど小論文がありますから、自分の興味範囲に近い学部を受験して良いでしょう。ただいずれの場合も英語・小論文に加えて数学または社会が必要になるため、こちらの対策も別途しておく必要があります。
他大学併願の場合は要注意
他大学と併願する場合もそもそも科目が足りない上、基本的に古文や漢文も必要になります。国公立志望の場合はむしろ総合政策学部を小論文の対策だけで併願として受ける、ということも可能ですが、他の大学を併願として受ける場合はある程度それらの科目を対策する必要があるので、気をつけるようにしましょう。早めに併願校を考えておくことがポイントです。
慶應義塾大学のの配点と目標点数
慶應義塾大学総合政策学部/環境情報学部の配点と目標点数については、最低点をもとに考えていくことになります。配点からどの科目で確保すべきなのか考えていきましょう。
慶應義塾大学総合政策学部/環境情報学部の科目・配点
小論文 | 200点 |
数学/情報/外国語/数学及び外国語 | 200点 |
小論文の配点が他の科目と均等で全体の配点の半分を占めているため、小論文も侮ることができません。
目標点数
ここからかんたんに目標点数を確認していきます。
例年の合格最低点(総合政策学部)
- 2020年度:246/400点(61.5%)
- 2019年度:261/400点(65.3%)
例年の合格最低点(環境情報学部)
- 2020年度:246/400点(61.5%)
- 2019年度:250/400点(62.5%)
科目間の得点は調整されています。年度によって点差が大きくでていますが、小論文などの影響もあるため、実際はもう少し高めの点数を目指しておく必要があります。
参考:2020年度一般選抜得点状況、2019年度一般選抜得点状況
過去2年の合格最低点は60%〜65%ですが、最低点より高いラインで合格している人も多いこと、小論文の難易度・採点にはブレが大きいことから、もう少し高いラインを狙っておく必要はあります。
科目毎の平均点は公表されていませんが、科目間で調整は行われるためそこまで気にする必要はないでしょう。小論文ではない方の科目できちんと点を確保できることが最重要です。
目標点の例:合計280/400点(70%)
小論文 | 130/200点 |
選択科目 | 150/200点 |
最低点自体はどちらの学部でもあまり変わらないため、共通の目標としています。基本的には合格最低点+10%程度を目標にしておくべきです。小論文は安定しづらいため低めに見積もっておき、その分を英語・地理歴史のうち得意な方でカバーするようにします。
慶應義塾大学総合政策学部/環境情報学部 科目別の勉強法と問題攻略
最後にかんたんに慶應義塾大学総合政策学部/環境情報学部の勉強法と傾向対策を見ていきます。
時系列・やるべき科目と対策
選択科目で何を選ぶかにもよりますが、何れにせよ英語・数学は高1・高2の早いうちから対策が必要となります。小論文についても配点が大きく、かつ慶應義塾大学特有の問題も多いため、高3の夏休みには過去問を使った演習と情報のインプットをすべきです。
英語
慶応SFCの英語は例年通りであれば大問3つ構成で、全て長文となります。ものすごく長い文章というわけではなく、段落4つほどのものですが、内容一致問題と空所補充問題からなっているうえ文章自体は難解なテーマも出されます。そのため解く際にどのテーマから解くべきなのか、解きやすいものはどれかということはひとつひとつ確認してください。
対策は一般的な長文読解対策となります。単語のレベルはそこまで難しいというわけではないので、基本からきちんと確認していけば高得点も狙いやすいでしょう。時間内に解けるような練習だけ忘れずにしておきましょう。
数学
数学はすべてマーク式問題で、数Bの「確率統計」も出題されるため、勉強すべき範囲が多少広がっています。また、一般的な入試問題の数学と比べても数と式・式と計算の分野や三角関数の分野の根本的な理解を問う問題が多く、解きづらくなっています。問題の難易度がものすごく高いというわけではないですが、幅広い対策が必要にはなるでしょう。最難関レベルの国公立を第一志望にしている人であればむしろ解きやすいレベルです。
対策としては、あくまで数2Bまでの出題ですから、高2までの授業内でしっかり数学1A2Bの基本レベルは完璧にしておくことが重要になります。
情報は割愛します。基本的には英語または数学を選ぶべきでしょう。
小論文
総合政策学部・環境情報学部の小論文は他の学部の小論文と少し異なります。それは、「文章の読み方」や「資料の捉え方」といった部分も問題にされていること。他の学部の問題だとほとんどの場合、文章を読んだ上でその要約と自分の意見、といったくらいの設問ですが、たとえば総合政策学部であれば「いずれの資料も英語圏のものであり、日本の状況にはそのまま当てはまらない。日本に置き換えて読み直すとどう日本を分析できるか」というふうに、一歩踏み込んで答える必要があります。他にも慶應義塾大学のゼミのシラバス(講座案内)からどれを取ってどう学びたいか、といったことを聞くようなものなど、年によって特殊なものが出されることが多いです。
こういった問題を含めて1つのテーマで4〜5題出題されるのが慶応SFCの小論文です。この対策には両学部の過去問を対策するのはもちろんですが、早めから小論文形式に慣れておき日本語能力を養うこと、またその中で批判的思考・論理的思考を養うことは必須です。そのうえで、余裕があれば総合政策学部では政治分野の時事問題、環境情報学部では情報系のテーマなどの頻出範囲を軽く触れておくとさらに解きやすくなります。
まとめ
今回は2021年度以降のSFC「慶應義塾大学総合政策学部/環境情報学部」の入試の傾向と対策についてお伝えしました。入試改革によって大きく傾向は変わらないと予想されますが、小論文の対策が一番たいへんなものの一つでもありますので、徹底的に過去問演習を繰り返していきましょう。
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それでは!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。
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