こんばんは!STRUX塾長の橋本です!
さて、今回も大学別の分析シリーズ。「上智大学」について見ていきましょう。
上智大学は2021年度、今年の入試から大きく傾向が変化しました。つい先日行われた上智大学入試の「今年からの変更点」もピックアップしながら見ていくことにしましょう。
上智大学の試験情報
入試制度について
上智大学の入試形式は「TEAP利用型」「共通テスト併用型」「共通テスト利用型」の3つに分けられます。この記事では従来からあった「TEAP利用型」と、受験する人の多い「共通テスト併用型」について見ていきましょう。詳しい入試の制度に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
期日(TEAP利用) | 2月3日 |
共通テスト | 不要(共通テスト併用型では必要) |
科目(文学部の例) | 独自試験: ・国語 ・選択科目(地歴) 外部試験:TEAP |
科目としてはオーソドックスなものですが、以下の組み合わせをきちんと確認しておきましょう。
- TEAP利用型:TEAP+英語以外の科目の独自試験
- 共通テスト併用型:独自試験(1〜2科目)+共通テスト3〜5科目
学部・学科によって大きく違いますので、詳しくは大学HPを参照しましょう。特に共通テスト併用型では、独自試験が以下のように特殊なものになっていますから、過去問やサンプル問題をしっかりチェックしておくことが重要です。
- 文学部英文学科:英語適性試験(長文読解と英語小論文)
- 総合人間科学部心理学科:心理学のために理解力と思考力を問う試験
- 経済学部経済学科:数学
学科ごとに求めたい能力を個別試験で測り、それ以外を共通テストの点数で測るという形式になっていますね。今年度の入試の解答や標準的な解答例が公式でUPされているので、確認してみましょう。
併願のパターン
上智大を第一志望とする場合の併願パターンと、「TEAP利用」「共通テスト併用型」の併用の方法を見ていきましょう。
「TEAP利用型」と「共通テスト併用型」の使い分け
上智大学の場合、同一学部同一学科の入試でも「TEAP利用型」「共通テスト併用型」「共通テスト利用型」の3回受験のチャンスがあります。
「共通テスト利用型」は共通テストの点数「のみ」で合否を判定する形式で、ほとんどの場合合格最低点が高めになる傾向がありますから、メインの受験としては避けるべきです。なるべく受験機会を増やすためには、原則としては「TEAP利用型(全学部統一)」と「共通テスト併用型(個別学部)」の両方を受験するのがおすすめです。そのために、上智大学を第一志望とする場合は、TEAPの高スコア取得も見据えた早めの英語対策が不可欠になると思っておいてください。
学部個別試験は特色が強く一見対策しづらいですが、出題難易度は今までの上智大学入試と大きくは変わりません。上智大学の学部別の過去問のうち、個別試験で新たに出題される部分のみ対策をしておきつつ、今年度の過去問も踏まえて出題方式を冷静に分析して、学部によっては背景知識を押さえる必要があります。
他大学との併願はマーチレベルから幅広く
関東圏で上智大学を目指す場合の併願校としては、マーチレベルの大学となります。上智大学で共通テスト併用型を受験する場合やTEAP利用を使う場合は、マーチレベルの大学でも比較的負担なく受けられる大学の選択肢が多くなります。
おすすめは立教大学。英語がTEAPや英検の点数で置き換え可能なため、上智合格レベルのTEAPの点数(例えば308点以上など)や英検準1級が取れていれば十分なアドバンテージを英語で確保できます。その他青山学院大学も共通テストを多くの科目で求めているため、併願はしやすくなるでしょう。
例年でも上智大学で勝負できるレベルの人は明治大学、法政大学などにも合格している人が多いため、このあたりで数校、さらに外部試験を利用できる方式も活用しながら日大レベルまで広げておけば安心です。
上智大学の配点と目標点数
上智大学の配点と目標点数については学部・入試形式によって大きく異なるため、全てをまとめるのは難しいです。今回は文学部英文学科の「TEAP利用」「共通テスト併用」を例に見ていきましょう。
上智大学の科目・配点(文学部英文学科・TEAP利用)
外国語(英語) | 150点 |
国語 | 100点 |
選択科目(日本史B/世界史B) | 100点 |
英語150点、国語100点、社会100点の350点満点です。英語はTEAPの点数を換算することになり、独自試験はありません。国語は60分、社会は90分の試験時間です。
上智大学の科目・配点(文学部英文学科・共通テスト併用型)
独自試験 | 100点 |
英語RL(共通テスト) | 50点 |
国語(共通テスト) | 50点 |
選択科目(地理歴史・公民) | 50点 |
共通テストを併用した学部個別試験では、共通テスト3科目が各50点、独自試験が100点という配点になっています。独自試験は75分で、英文学科の場合は長文読解+英語による小論文という形式になっています。
目標点数
次に、目標点数を確認しましょう。入試形式が大きく変わっており過去の入試統計があまり参考にならないので、目標点数のみ見ていくことにします。
目標点の例(TEAP利用):合計265/350点(76%)
英語(TEAP) | 125/150点 |
国語 | 70/100点 |
社会 | 70/100点 |
TEAP利用型は全学部統一のため、求められる点数は比較的高めになります。学部によっては8割近くになることも想定して取り組む必要がありますので、注意しておきましょう。
この高得点を取るためにはTEAPで高スコアを取るのは必須条件。出願資格としては撤廃されましたが、点数換算して使われることから300点超えはマスト、合格には310点前後が必要になるでしょう。早くから受験して何度も高スコアを目指して練習するべきです。
社会は論述問題も語句問題も課されます。対策が非常に重くなるため、高得点を狙いすぎるよりは国語などを安定させていくほうがよいでしょう。語句自体はそこまで難しくありません。
目標点の例(個別試験・共通テスト併用):合計195/250点(78%)
独自試験 | 65/100点 |
独自試験 | 45/50点 |
国語 | 35/50点 |
社会 | 45/50点 |
個別試験も、共通テストが入試に含まれたことで最低点は上昇するはずです。今までは60〜65%程度の最低点が多かった大学ですが、大きく上昇し8割近くを目指しておかないといけないでしょう。共通テストはトータル3科目90%近くを目指すくらいの学力でないと、独自試験にもTEAP利用にも太刀打ちできません。
上智大学 科目別の勉強法と問題攻略
最後にかんたんに上智大学の勉強法と傾向対策を見ていきます。各科目の対策はあくまで「TEAP利用」の
時系列・やるべき科目と対策
TEAP利用も活用することを考えて、なるべく早く英語を固めきることが最重要になります。理系や経済学部で数学受験をする場合は数学も早くに始めますが、TEAPは何度も受験できることを踏まえるとやはり英語最優先にしておきましょう。高2のうちにはTEAPを1回程度受けられる状態にして、高3の6月辺りには準1級を取れるくらいのレベルで問題演習を進めるべきです。そうすると余裕を持って社会・国語や理科も演習が可能になります。
英語
英語はTEAP対策のつもりで最優先して進めます。TEAPは4技能すべて求められますが、まずは単語文法からスタートしリーディングを固めてから、他の3技能に移ることになります。この順でTEAP高スコアを取れるように学習していれば、高3の10月頃から「上智大の英語」などで全学部形式の長文演習をしておくだけでも十分上智の個別試験レベルに引き上げることが可能です。
国語
TEAP利用の国語は現代文・古文・漢文すべて必要になります。そこまで難易度が高いわけではないですが、安定させられるように繰り返し解いていきましょう。
日本史・世界史
こちらは他の大学同様「高3の夏前には全範囲を履修する」ことを目標にしておきます。国公立大と同じくらいガッツリ論述が課されるため、一問一答メインで進めつつ、9月ごろからは「段階式論述のトレーニング」などで字数の多い論述訓練をしておきましょう。教科書や資料集もその都度活用し、使える表現を入れていきます。
数学
数学はほとんどがマーク式問題、一部理系で記述式問題が課されます。丁寧に解いていけば解ける問題が多いですが、取れる問題と時間がかかる問題の見極めは必須です。高2のうちには1A2Bを固め、高3の夏前には数3を完璧にして、こちらも高3の夏に演習ができるようにしておきましょう。
物理・化学・生物
理科は記述式の問題が多く、しっかり演習をしておかなければ解けません。夏前には全範囲の予習を終わらせ、夏から基本の確認とともに共通テストレベル〜入試レベルの問題に取り組めるようにしましょう。
まとめ
今回は2021年度以降の「上智大学」の入試の傾向と対策についてお伝えしました。学部によって大きく入試形式が異なりますので、必ず自分の志望学部について入念に確認をして、早速対策をスタートさせましょう。
お知らせ!
学習塾STRUXはいつでもオンラインでの無料体験&授業を実施しています。志望校に合わせた計画作成を行っているので、今後の勉強内容を固める上でお気軽にご相談ください!
それでは!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。
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