こんばんは!STRUX塾長の橋本です!
さて、今回も大学別の分析シリーズ。今回は「東北大学」について見ていきましょう。
東北大学の試験情報
東北大の入試の場合は前期試験・後期試験があり、後期試験は経済学部・理学部でのみ受験可能です。今回は文系の「文学部」、理系の「工学部」について、前期試験に絞ってみていくことにしましょう。
学部によって微妙に配点が異なるため、必ず自分が志望する学部の内容を確認しておきましょう。
参考:東北大学学生募集要項(令和3年度)、あくまで過去の入試要項ですので、一部変更の可能性もあります。必ず公式の「最新の」要項をチェックしましょう
期日(個別試験前期) | 2月25日・26日 |
共通テスト | ・共テ:個別の配点例 600:1000(文学部) 450:800(工学部、理学部) |
2段階選抜 | あり(ほとんどの学部で3〜4倍) |
科目(個別試験) | 例 文学部:英語・数学・国語 工学部:理科・数学・英語 |
学部・学科によって配点はまちまちですが、どの学部も共通テストの配点より個別試験の配点の割合のほうが大きくなっています。最も個別試験の比率が高い医学部医学科で共通テスト250:個別950ですが、個別試験には面接200点分も含まれています。差が小さいところでも保健学科の500:750で、やはり半分は超えない計算です。
併願のパターン
併願については私大併願時のパターンと、国公立で志望校変更、後期受験をする場合のパターンを参考にしていきましょう。
私大はMARCHレベルを中心にして、不安であればそれ以下も
国公立受験でまず考えなくていはいけないのが、私大の併願。東北大学合格レベルから考えると、MARCHレベルを4科目以上の共通テスト利用で確保できると理想的です。4科目以上のものであれば最低点も80%前後になることが多く、3科目型(85〜90%)より合格の可能性が高まります。
ただ、あくまで共通テスト利用は保険的な扱いになることが多い(定員が少ないため、年度により最低点が前後しやすい)ため、浪人できないという人は他に安全圏の私大、MARCH〜日東駒専レベルの個別試験を受けておくと安心でしょう。
国公立の後期と「志望校を下げる」目安
東北大の一部学部では後期試験もありますが、多くの場合は他の大学の後期試験を受験することになります。東北圏であれば周辺の国公立大学(岩手大、福島大など)になります。関東圏まで広げてもいいでしょう。
東北大から「志望校を下げる」とする場合は、共通テストの点数があまりにも低いという場合にどこにするかを予め決めておいて、本番の点数次第で前期試験の受験校を変える、というやりかたが基本です。東北大であればだいたい共通テスト8割前後がボーダーになるため、これを多少下回るくらいまでは十分チャレンジも可能です。ただ、確実に1年で国公立に行きたい場合は8割を下回ったら下げる、としてもいいでしょう。逆に7割前後まで下がってしまう場合は、他の志望校に切り替えてもいいでしょう。ただ、東北大の場合、2段階選抜は予告倍率に達せず実施されていない年度が多いです。個別試験の配点も高いことから、二次試験での逆転を狙ってチャレンジするという選択も有りではあります。
東北大学の配点と目標点数
つづいて、東北大学の配点と目標点数について確認していきましょう。今回は「文学部前期試験」「工学部前期試験」を例にとって見てみます。今回は2021年度入試を参考にしています。
東北大学の科目・配点
経済学部
共通テスト | 600点* |
国語(個別) | 400点 |
数学(個別) | 200点 |
英語(個別) | 400点 |
*共通テストは国語・数学・理科基礎・外国語100点、地歴公民2科目200点。
文学部の場合は共通テスト全体の配点と国語・英語の配点があまり変わりません。全体の中でも理科基礎は50/1600、英語・国語は500/1600とその差は大きくなっています。社会も200点分あるため、英語・国語を最優先にしつつついで数学、最後に社会という順で力を入れる必要があります。
工学部
共通テスト | 450点* |
外国語(個別) | 200点 |
数学(個別) | 300点 |
物理・化学(個別) | 300点 |
*共通テストは国語・数学・理科・英語100、社会50。
工学部の場合も同様に、配点の一番大きい科目(数学)で400/1250、小さい科目で50/1250と大きな差があります。理系の場合も英語が300点と、侮ることは出来ません。
目標点数
ここでは代表としてあげた学部の「合格点」の目安を見ていきましょう。東北大学の場合は「合格最低点」を公表しておらず、公式のパンフレット(http://web-pamphlet.jp/tohoku/2021p/html5.html#page=89)で「合格者の平均点」のみ公表しています。ここでは、令和2年度(2020年度)の入試の合格者平均点を見ていきます。
合格者平均点
文学部一般入試(前期)の合格者「平均」点
- 2020年度:1082.71/1600点(67.7%)
共通テストの「合格者」平均は2020年度で488.82/600点(81.4%)でした。
工学部建築学科の合格最低点
- 2020年度:858.50/1250点(68.7%)
共通テストの「合格者」平均は2020年度で369.75/450点(82.2%)でした。
参考:令和2年度入試の実施結果
他の学部についても大きくは変わりません。基本的にはどの学部でも概ね68%前後で推移しています。
目標点の例(文系・文学部の例):1150/1600点
だいたいボーダーが65%あたりで推移しているため、だいたい75%くらいは目指しておきたいところです。目標点数的には最低点+30〜50点程度を目指しておきたいです。
共通テスト | 750/900点→500/600点 |
外国語(個別) | 280/400点 |
国語(個別) | 250/400点 |
数学(個別) | 120/200点 |
共通テストの平均が81〜83%程度である事を考えると、だいたい730〜750点程度はやはり狙っておきたいところです。理科基礎は6〜7割でも問題ないですが、それ以外の科目の配点が高い(特に社会)ため、社会は絶対に9割、それ以外も8割を切らないように調整したいところ。それに合わせて個別試験の点数も考えていくことになります。点が取りやすい英語を中心に据え、数学・国語は多少点が低くても良いように見積もっておきます。
数学が苦手であれば、数学で5割弱を狙い、国語・英語でもっと点を狙っておくべきでしょう。
目標点の例(理系・工学部の例):920/1250点
共通テスト | 750/900点→375/450点 |
外国語(個別) | 125/200点 |
数学(個別) | 210/300点 |
理科(個別) | 210/300点 |
理系でも基本的に目指す点数は変わりません。共通テストで81〜83%、それ以外は各科目7割前後を目安に狙っておくことになります。場合によってはもっと英語の目標を下げて数学・理科に振ってもいいでしょう。得意苦手や学校の授業進度から戦略を練ることで合格に近づきます。
東北大学・科目別の勉強法と問題攻略
最後に、科目別の勉強方針を軽くまとめておきましょう。
時系列・やるべき科目と対策
基本的にはどの大学とも同じく、文理ともに数学と英語が鍵を握ることになります。理系の場合多少英語の点数がぶれても数学・理科で取り戻すことも可能ですが、それでも半分を切るようだと苦戦することになります。文系の場合も国語の高得点は狙いづらいことから、英語で7割近くは狙いたいところです。
英語
東北大学の英語は長文2題、会話文1つ、英作文1つとなります。語句問題などを除いては記述式の設問が多く、問題文も国公立の中でも長め(900語前後)となっています。英作文は書籍などの抜粋から日本語を英語に直す、というパターンで、適切な英語に置き換える練習をきちんとしておく必要があります。ここは点を落としたくないところでもあるため、高3の夏前には始められるようそれまでに単語・文法や解釈の基本は固めておきたいです。
数学
東北大学の数学は記述問題で、文系でも半分、理系だと7割以上はノルマにしておきたいところ。部分点を少しでも取れると大きいので、記述の解答も意識した演習を続けていくべきですね。
そのように本番解いていくためにはもちろん基礎を早めに固めることが最重要です。高1・高2で数1A2Bは完璧にした上で、理系なら高3夏前までに数3を固め、文系でも夏には入試問題の演習が出来るようにしておきましょう。
国語
東北大の国語は現代文2題と、古文・漢文が1題ずつ出題されます。現代文は評論問題だけでなく、国公立では珍しく小説問題も出題されます。文学的文章の読解は共通テスト対策で多く取り組みますが、記述練習はどうしても不足してしまうため、過去問演習を怠らないようにしておきましょう。古文・漢文も文章量が多く、時間内に解くだけでも精一杯ということもあります。必ず文法・句法などまで完璧にした上で、スムーズに読めるように対策をして臨むようにしましょう。
理科
理科は物理・化学が必須となる学部が多いですが、一部では生物・地学も選択可能です。出題自体はオーソドックスですが、一部理由の記述などが求められるようになってます。時間内に正確に解くためには全範囲を正確に理解しておく必要と、頻出の実験系問題などを押さえておく必要とがあります。学校のペースだけだと終わらないことが多いため、必ず高3の夏前までに予習をする形で全範囲終わらせるようにしましょう。
まとめ
東北大学は個別試験の配点が高く、文系でも数学・理系でも英語の対策を怠ることが出来ない大学です。早めに必要な科目と配点を把握した上で、対策をスムーズに進められるようにしましょう。
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それでは!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。
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