関西学院大学傾向と対策

関西の有名私大、関関同立の一つ、関西学院大学。
その中でも、今回は商学部を例に取って見ていきたいと思います。

商学部ではビジネスのゼネラリストを目指すための科目を履修できます。経済学部との違いとしては、経済学では経済全体の仕組みを明らかにすることを目的としているのに対して、商学部では個々の企業の仕組みや行動原理を明らかにすることを軸としています。

そのため、履修科目としては、経営学や経済学の基礎的な知識から、プレゼンテーション能力の向上やエクセルやワードの基本的な使用方法といった実用的な知識を学べる科目が幅広く用意されています。

卒業後は大企業を中心に多彩な進路があり、就職率の高さでも定評があります。また、公認会計士と税理士の資格取得では関西の大学でもトップクラスの実績を維持しており、経済界の様々な場面で活躍できる人物となれるでしょう。

2025年度入学入試から、学習指導要領の変更により、一部大学で配点・科目の変更などが予定されています。順次記事を更新しておりますが、この記事は変更前のものとなりますので、配点等は必ず大学公式HPを参照してください。

Part.1 関西学院大学の試験・出願情報

関西学院大学の入試は一般的な私立大学同様、全学部方式と個別学部方式に大きく分かれていますが、一つ特殊な「関学独自日程」というものもあります。

試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月1, 2日(全学日程)、2月3, 4, 6, 7日(学部個別日程)、2月5日(独自日程)
共通テスト 不要(一部利用可能な方式あり)
2段階選抜 なし
出願時期 1月
科目 独自試験:
外国語(英語など)
国語・選択科目 (世界史B・日本史B・数学・地理・政治経済)

全学部方式(「全学日程」)は2日程あり、学部によっては片方しか受けられないことがあるので注意しましょう。学部個別日程は文系学部で受験が可能です。法学部など一部の学部では2日程受験できるようになっています。

関学独自日程は、英語と数学が必須になるもので、一部学部では共通テストが必要な場合もあります。定員は少ないですが、併願として活用することもできます。

Part.2 関西学院大の配点と目標点

ここからは、関西学院大学の配点と目標点数について触れていきます。今回は先程あげた「商学部」について確認していきましょう。
配点と目標点数については、最低点をもとに考えていくことになります。配点からどの科目でどのくらい確保すべきなのか把握しましょう。

配点・科目

独自試験
英語 200点
国語 150点
選択科目 100点

配点は、英語200点、国語100点、地理歴史 (日本史又は世界史)100点、数学1A2B 100点で、国語・地理歴史・数学の中から2科目を選択します。多くは「国語・日本史」、「国語・世界史」、「国語・数学」という選択になるでしょう。文系学部はどの学部であっても基本的にこのような配点になりますが、英語200点以外は多少変化します。

目標点数

合格最低ライン目安
280/400点
パターン1:標準
英語 150/200点
国語 70/100点
社会・数学 80/100点
合計 300点
パターン2:英語が得意
英語 180点/200点
国語 60/100点
社会・数学 60/100点
合計 300点
パターン3:選択科目が得意
英語 130/200点
国語 80/100点
社会・数学 90/100点
合計 300点

次に、目標点数を確認しましょう。こちらでは「商学部・学部個別日程」を見ていきます。合格最低ラインは過去の点数を見ていますが、全学日程中心になったのは2021年度からのため、あくまで参考程度に見てください。

文系の場合、合格最低点としては2021年度は60%〜65%で、基本的にはそれ以下で推移していましたが、他の年度だと68%程度まで上がる年度もあります。理系の場合もものすごく低いというわけではなく、だいたい50%台中盤から62%程度です。

目標点は英語・国語+もう1科目、という選択の場合を前提に見ていくことにします。文系3科目であれば基本的には7割を目指しておけばいいです。ただ、過去3年の最低点を見て68%程度まで上がっている学部(商学部など)を目指す場合は、もう少し高い75%あたりを目指しておくとなおいいですね。数学はこれより多少点数が低くても得点調整が行なわれるため、心配しなくても大丈夫でしょう。

模試一覧
5月 河合全統共通テスト模試
6月 エール学園関関同立学力判定模試
9月 駿台・ベネッセ大学入試共通テスト模試
10月 河合全統共通テスト模試、駿台・ベネッセ大学入試共通テスト模試
11月 エール学園関関同立学力判定模試
12月 夕日丘予備校関関同立プレ模試

大阪にあるエール学園、夕日丘予備校では、関関同立の問題形式に近い模試を受けることができます。大手予備校だと関関同立の冠模試が実施されないこと、また、これらの模試は関関同立のキャンパスで実施され、入試本番の雰囲気を体感できるということからぜひ受験しておくと良いでしょう。「共通テスト利用」での受験を想定している人は各予備校の「共通テスト模試」を受けることで、自分の実力値を把握するとともに本番形式に慣れる練習ができます。

併願校・志望変更

関学の他学部
経済学部•社会学部等
関西学院の他大学
同志社・立命館・関西大学、近畿大

基本的にほとんどの学部が「全学日程」と「学部個別日程」「関学独自日程」のどれでも受験が可能です。「関学独自日程」は共通テストの複数科目、もしくは数学が必要なため、いわゆる文系私大3科目で受験をする人は選択肢から外しておきましょう。逆に国公立を志望している人であれば日程によっては使いやすいかもしれません。理系学部は全学日程しか使えないため注意しましょう。

基本的には個別日程・全学日程の両方を受験することをおすすめします。なるべく合格のチャンスを増やしておきましょう。

また、他の大学が第一志望で関学大を併願校として使う場合は、全学日程・個別学部日程から都合が合う日程を選択しましょう。特に全学日程は全国多くの会場(西日本中心)で受験が可能ですので、地方在住者でも検討して良さそうです。

関西圏の似たような私大を受験していくのであれば、同志社・立命館・関西大学など同レベル〜少し上を狙うのもいいですし、少しレベルを下げて龍谷大、近畿大などを受けておくとレベル的に見てもバランス良く受験できるはずです。関西圏以外の会場でも受けられるため、近場の大学(関東なら日東駒専レベルなど)で押さえられるようにするのがおすすめです。

浪人できないという場合はもっとレベルを下げた滑り止め大学まで決めておきましょう。

関西学院大学の受験相談事例集

STRUX受験相談

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 関西学院大学の受験相談事例集

Part.3 科目別の勉強法と攻略法

最後に関西学院大学の勉強法と傾向対策を見ていきます。
基本的には文系なら対策の優先順位は英語>社会>国語、理系なら数学>理科>英語という形になるでしょう。ただ、国語や理系英語は入試が近づくと対策できる時間も限られてしまうため、英語・数学については高1・高2のうちに固められるのであれば固めておきたいところです。

英語

どの学部であっても長文問題3つと会話文1つ、文法2つ(選択肢問題・整序問題)の合計6問の出題となっています。長文問題3つはハードですが、内容理解が必須の問題のほかに空所補充や和訳も多く、そちらのほうが注力すべき内容でしょう。空所補充の場合は内容から意味をある程度推測する必要もあるため注意が必要です。文法問題の比重も高く落とせないため、単語・文法・語彙から着実に固めるようにしましょう。

国語

現代文、古文の1問ずつで、難易度はそこまで高くないのですが、古文の問題数が多いため時間との戦いになります。問題形式は共通テストなどに近く、さらに活用・主語・漢字の読みなどの問題も織り交ぜられるため、過去問を多めに対策をしておく必要があるでしょう。文学史などの対策の必要はありませんが、時間を意識して、かつ単語文法の基礎をおろそかにしないように問題演習を重ねておく必要があります。

社会

こちらはすべて穴埋め問題と内容理解問題になっているため、他の大学同様「高3の夏前には全範囲を履修する」ことを目標にしておきます。それ以降、一問一答と私大向けの問題集で対策をしていきます。世界史で言えば東南アジア、ラテンアメリカなどニッチな範囲を問われることもあり、そのなかで正誤問題が問われるためどうしても内容が細かくなってしまいがちです。地域・テーマごとに細かい知識を押さえておくようにしましょう。とはいえ基本部分を答えられるようになっておくことが最も重要です。

数学

文系数学は穴埋め2問、記述1問、理系数学は穴埋め3問、記述1問です。問題のレベルとしては基本的ですが、各分野の融合問題が多いうえ、計算量もて多くなっています。共通テストなども使って早く・正確に解く練習をしておきたいところです。理系の場合は数3から2問、数1A2Bから2問ということが多く、1A2Bの穴埋め問題も侮ることはできません。穴埋めだからといって簡単なわけではないので、目標点を取れるよう「どの問題から解くか」をまず初めに判断しましょう。