慶應義塾大学看護医療学部傾向と対策

看護系の中ではトップクラスの慶応義塾大学看護医療学部。ここでは総合大学の特徴を活かし、看護学だけではなく幅広い分野の学問を学ぶことが可能です。講義・演習科目では、その専門性を高めるために積極的に他学部の教員を招いています。

また、医療系に医学部・看護医療学部・薬学部を擁する大学として、三学部の連携も図られており、三学部合同教育プログラムが必修科目として実施されております。それぞれの立場を尊重しながら交流を深めることで、専門職の連携を実践的に学ぶことができます。

休校期間には独自の海外研修プログラムも用意されており、看護医療を学ぶ早い段階で海外の医療に触れることも可能です。幅広い視野を培った上で、看護の立場でできることを考えていきたいという学生には特に向いているでしょう。

Part.1 慶應義塾大学看護医療学部の試験・出願情報

ここでは、一般選抜を中心に見ていきます。慶応看護医療学部では、入試問題の傾向はほぼワンパターンとなっています。
そのため、入試問題の傾向に沿った対策を考え、手順に沿って一つ一つ攻略していきましょう。

試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月11日(一次)
2月20日(二次)
共通テスト 不要
2次試験 あり
出願時期 12月末~1月
科目 1次:英・小論文・選択(化・数・生)
2次:面接

他の理系学部とほぼ同様の入試科目ですが、小論文が必須になっており、選択科目は「数学1A/2B」「化学・化学基礎」「生物・生物基礎」からの選択となります。

一次試験を通過した場合二次試験で面接が実施されますが、2020年度は新型コロナウイルスの影響で中止となっています。

Part.2 看護医療学部の配点と目標点

先述の通り、慶応医学部の配点や入試傾向は毎年ほぼ一定であるため、その分やるべきことも明確になりやすいです。傾向を知ったうえで優先順位の高い分野から重点的に取り組み、得意科目・苦手科目によって「どの科目で点をとって合格するか」の戦略を立てると良いでしょう。

この戦略によって合格率を高めることができるので、様々なパターンを基に参考にしてみてください。

配点・科目

英語300点、その他選択科目200点です。小論文は一次試験の際に実施されますが、一次試験の評価には影響せず、二次試験の選考に使用されます。

英語の得点比率が高いので、まずは英語でしっかりと点数が取れるよう対策しましょう。

選択科目は数学、化学、生物の中から最も自信のある科目を選びましょう。特にその中で得意科目がない場合は、併願校の試験で必要となる科目を選択すると良いです。

目標点数 *矢印は得点換算

合格最低ライン目安(一次)
300点
パターン1:標準
英語 200/300点
選択科目 125/200点
合計 325点
パターン2:英語が得意
英語 250点/300点
数学 75/200点
合計 325点
パターン3:選択科目が得意
英語 160/300点
選択科目 165/200点
合計 325点

過去2年の合格最低点は55%〜60%です。ただ最低点は前後する可能性が大きいため、基本的には最低点より高めのラインを狙っておく(65%程度)と良いでしょう。

英語と選択科目のどちらが得意科目かによって目標点は変化しますが、英語であれば細かい単語・文法の問題が多く、数学であれば基本的に空所補充であるため、部分点はもらえない形式であることに注意しておく必要があります。

数学を選択した場合は5問中3問は完答したいところです。

模試一覧
5月 第一回全統記述模試
8月 第二回全統記述模試
10月 第三回全統記述模試
慶大プレ
11月 早慶オープン

マストで「慶大プレ」と「早慶オープン」を受けていきましょう。「早慶オープン」は早慶の志望者のほとんどが受ける模試なので、自分が現在どのくらいの立ち位置にいるかを把握することができます。

また、「慶大プレ」では入試難易度が本番に近く、過去問と同様の形式の問題が出題されるため、本番を想定した試験を受けられます。

模試ではA判定を狙っていきたいところではありますが、良い判定が出なかったとしても見直しや復習を重ね、本番までに合格可能性をあげていきましょう。

併願校・志望変更

特殊性の高い学部なので、「慶應に絶対行きたい」という場合か「看護・非医学部医学科の医療系学部に行きたい」となるかによって併願校は変わってきます。

私大医学部でひと通り見ていくのであれば、偏差値だけでなくその大学の国試までの教育システム、授業の評判なども確認しながら選ぶと良いでしょう。

慶応内
理工学部、薬学部、総合政策学部、環境情報学部、経済学部

「慶應義塾大学に行きたい」ということであれば、他の理系学部(理工、薬など)が良いでしょう。ただ、それらの学部だと小論文の代わりに理科・数学が両方必要になる場合がほとんどです。ほかにもSFCの2学部も小論文と数学or英語で受験が可能です。

経済学部は文系学部ですが、国語・社会が不要(小論文は必要)となるので受けやすいでしょう。科目としてはそれらの学部を受験することは可能ですが、学ぶ内容が大きく変わることになるのでなんとしても慶應に行きたいという場合は検討してみてください。

看護・医療系学部
北里大、杏林大、帝京大

私大の看護系・医療系学部を併願する場合は、「将来何になりたいか」を明確にした上で併願先を探すようにしましょう。

一括に看護・医療と言っても幅広いため、看護師になりたいのか、助産師になりたいのか、医療技師系に進みたいのかによって適切な大学・学部が異なります。

看護学部であれば北里大・杏林大・帝京大などがあります。技師系が学べるところでも同じような大学群がありますので、それらをめざすのが良さそうです。

これらの看護系学部も受験するという場合は、試験科目が「英語・現代文」や「英語・理科1つ」などのパターンが多いため、化学選択や生物選択が良いかもしれません。

Part.3 科目別の勉強法と攻略法

さて、ここからは具体的な攻略法をみていきます。科目が少なくシンプルなため、まず最優先で得点配分の高い英語を固めましょう。ほかの慶應の学部や一般的な理系学部を受験する場合は、早めから数学の対策も始めておきます。

どの科目も高3の夏あたりには基礎が固まっていて、応用問題や長文をどんどん演習している状態になり、その頃から小論文に取り組んでいく形です。

英語

基本的な長文問題を含んだ8問程度が出題されます。頻出問題としては、「単語の一部のスペルと意味だけがわかっていて(例:_ac_____、細菌)、単語を完成させる問題」や通常の穴埋め式の文法問題などがあるので、このあたりは気をつけて対策しておく必要があります。

ジャンル別の英単語帳(「リンガメタリカ」など)や英検準1級レベルの単語まで触れておきたいところです。

長文はものすごく難易度が高いというわけではないですが、設問数が多いため解くスピードを上げておきましょう。

数学

数学はすべてマーク式問題で、一部図示の問題や求める過程を書かせるものもあります。
1A/2Bの中で比較的偏りなく全範囲から出題されます。数3は出題範囲には含まれておりませんが、1A/2Bだけでも十分な量があります。

早めから対策をして高2から高3の夏前には「青チャート」などの問題集の最難問以外は完璧に解けるようになっておきましょう。

化学

化学は慶應らしい空所補充・記号問題ばかりですが、一部化学式を完成させる問題などがこれに加わります。
出題数は3問でひたすら文章を読み語群から空所補充するスタイルなので、過去問等で形式について確認しておく必要があります。

生物

生物は化学と比べると空所補充は少なく、計算問題やDNA転写の問題など基本的な実験問題を中心に出題されています。
「標準問題精講」や「重要問題集」を入念に解いていれば正解できる問題ばかりですが、初見の問題もまれに出題されるため、「この実験は何を問うているのか?」ということは常に気をつけながら問題を解く必要があります。

小論文

課題文型の小論文で、「100〜200字の本文内容の記述」と「600字程度の本文内容と意見」の2問構成になっています。

指定文字数は600~700字で、小論文の形式自体はほかの慶應の学部と同じようなものなので、夏くらいに基本的な小論文の作法を添削や「落とされない小論文」などで身につけつつ、看護・医療系のテーマに関する情報を書籍や小論文の対策本などで多少把握しておくだけで十分対策できるでしょう。

試験までの余裕に応じて個々の対策量は変えていきたいところです。