大阪公立大学傾向と対策

大阪公立大学傾向と対策

大阪公立大学は2022年に大阪市立大学と大阪府立大学を統合して設置された大学。学部の選択肢も多く、公立大学ということもあって関西圏の国公立志望なら受験の選択肢に入れる人も多いのではないでしょうか。阪大や神戸大学から志望を下げるときの選択肢としても使いやすいので、統合された今の大学は元の大学よりもだんだん偏差値が上がっていくことも予想されます。

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ある程度基本が身についている状態からスタートすると、大阪公立大学合格に向けた高3の1年間での勉強計画はこのようになります。

*スマホの場合は画面をピンチで拡大、PCの場合は画像をクリックで拡大表示できます。

▼文系

▼理系

大阪公立大学は文系と理系で勉強時間・内容が大きく変わってきます。

文系・理系それぞれの計画を示していますが、どちらの場合も原則として
・高3の9月までにはすべての科目について習っていない範囲がない状態
・高3の10月には併願校の過去問演習
が最低ラインになります。

計画は1年間になっていますが、高1・高2の学校で習った内容は完璧になっていないとスタートラインにすら立てない、ということが起こります。 遅くとも高2から受験勉強を進めて、高2の秋以降は数学3や理科・社会の予習もスタートさせましょう。

Part.1

大阪公立大学合格に必要な勉強時間

大阪公立大学の必要勉強時間

学習塾STRUXで算出している「参考書リスト」では、大阪公立大学合格に必要な勉強時間は次のようになっています。

勉強時間の目安*学校の授業を活用し、高校基本から勉強する場合
文系:2342時間
理系:3543時間

▼英語の勉強時間

▼国語の勉強時間

▼数学(文系)の勉強時間

▼数学(理系)の勉強時間

▼物理の勉強時間

▼化学の勉強時間

▼生物の勉強時間

▼総勉強時間(文系)

▼総勉強時間(理系)

それぞれの参考書に3周取り組んだ場合の目安時間で、実際は基礎の定着度合いや理解のスピードによって前後します。

1年間でこれらの参考書をやり切るとすると、1日あたり文系であれば6.4時間、理系であれば9.7時間の勉強が平均して必要です。3年生だけの勉強では間に合わないことがわかりますね。部活などをしているのであれば、遅くとも高2から少しずつ勉強を進めておくのが賢明です。

Part.2

大阪公立大学合格のための勉強法

ここからは大阪公立大学入試の具体的な攻略法をみていきます。入試の傾向として基本的に「大阪市立大学」の入試内容・構成を踏襲していることが多いです。

大阪公立大学・英語の対策

大阪公立大学の英語は「大阪市立大学」とほとんど同じで、第1問・第2問が文法・和訳問題などを含む700語前後の長文問題、第3問が和文英訳で、学部によって難易度・テーマが分かれています。全体的に難易度が高く、長文の量がかなり多いので速読力が求められるため、日ごろから単語・構文の勉強が欠かせないでしょう。また、和文英訳はかなり差がつきやすいので十分な演習量を確保する必要があります。

大阪公立大学・国語

大阪公立大学の国語は大問1・2は現代文が出題され、文学部だけ大問3が出題されます。大問3では古文・漢文が出題され古文・漢文がそれぞれが独立した形式で出題されます。さらにほとんどの問題が記述式で文章もかなり長文なので、記述力と速読力が求められます。

大阪公立大学・数学(文系)

大阪公立大の文系数学は大問4問構成で、全体的に計算力だけではなく、証明問題や図示問題も出題されるため、論理的思考力も試されます。まずは『チャート式』などで典型問題の解き方をマスターし、『文系数学の良問プラチカ』をつかって総合力をつければバッチリです。

大阪公立大学・数学(理系)

大阪公立大の理系数学は4問構成で全問数3の知識が必要となっています。特に微分・積分分野からの出題が頻出で、複素数平面やベクトル、数列や極限、二次曲線などの融合問題も出題されます。理系数学は大阪府立大学の傾向が反映されていることも多いため、余裕があれば大阪府立大学の過去問にも取り組みましょう。

大阪公立大学・物理の対策

大阪公立大学の物理は6問構成で、基礎的・標準的な問題だけでなく深い考察力が求められる問題も出題されます。ただ、難易度は標準レベルなので、教科書レベルの問題をきちんと解けるようになることが合格に大きく近づきます。

大阪公立大学・化学の対策

大阪公立大学の化学は大問3問構成です。大阪市立大学の過去問をベースにしていることもあり、理論・有機・向きの3分野から満遍なく出題されます。また問題文が長文で問題が多種多様なので速読力が求められます。ただ、問題自体はそこまでレベルが高くないため、『セミナー化学』などの学校教材を用いてしっかり基礎を固めるところから始めましょう。

大阪公立大学・生物の対策

大阪公立大学の生物は4問構成で、そのうちの2題が大阪市立大学、残りの2題が大阪府立大学の過去問をベースに出題されます。そのため、大阪公立大学の生物では知識を問う問題が多数出題されるだけでなく、論述問題や考察問題も多数出題されるという少々面倒な構成になっています。まずは『セミナー生物』などを使って基礎知識を定着させ、そのあとに重要問題集を使って応用問題の解き方を学べばばっちりです。

大阪公立大学の受験相談事例集

STRUX受験相談

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 大阪公立大学の受験相談事例集
Part.3

大阪公立大学の試験・出願・配点情報

大阪公立大学は最近できた大学なので情報が少ないのが現状で、過去問も数年分しかない状況ですが、基本は大阪市立大学の過去問をベースにしているため、市立大学の過去問を用いればきちんと対策を立てることができます。今回は大阪公立大学の「一般入試」に絞って解説をしていきます。

大阪公立大の入試・出願について

一般入試
期日 2月25日・26日
共通テスト 必要
得点比率 共通:二次=約1:1
2段階選抜 あり
科目 英語・国語・数学or英語・数学・理科

大阪公立大学の入試も、一般的な国立大学と同じスケジュールで実施されます。共通テストと個別試験の比率は入試や学部によって違いますが、1対1前後のところが多くなっています。共通テストの点数による2段階選抜、いわゆる「足切り」は、前期試験で倍率が6倍を超えた場合に実施することがありますが、医学部は倍率に関係なく共通テストの点数で2段階選抜を実施しています。

大阪公立大学の配点・科目(文系)

先述の通り、大阪公立大はデータが少ないため、2023・2022年度の最低点を参考に配点などを記述します。文系では経済学部を例に見ていくことにしますが、学部によって一部配点や選択できる科目は異なるため注意してください。

配点・科目【文系】(経済学部)
共通テスト 475点
外国語 150点
数学 150点
国語 150点

大阪公立大文系は学部によって入試科目や配点が違います。2次試験では英語・国語が必須で、経済学部・商学部では数学が加えて必要になります。例えば文学部であれば2次試験の科目は英語・国語の2科目のみで、それぞれ200点の総点400点となります。一方で経済学部の2次試験は英語・数学・国語の3科目で、配点は各科目150点の総点450点です。

大阪公立大学の目標点数(経済学部)

合格最低ライン目安
590点
パターン1:標準
共通テスト:370点
英語:80/150点
数学:60/150点
国語:80/150点
合計:590点
パターン2:英語が得意
共通テスト:370点
英語:100/150点
数学:50/150点
国語:70/150点
合計:590点
パターン3:数学が得意
共通テスト:360点
英語:80/150点
数学:80/150点
国語:70/150点
合計:590点

大阪公立大文系のベーシックな合格ラインとしては「英語・国語80点」「文系数学60点」。国語はブレやすく、数学は得意・苦手の波が強いため、これをベースに他の目標得点を調整していきます。

留学していたなどで英語が圧倒的に得意な場合、英語は100点超えも十分可能で、人によっては満点近くを狙えることもあります。逆に数学が得意であれば数学で2問完答・残りを半分ずつという形でとるだけでも十分なアドバンテージになります。

模試一覧
5月 河合全統共通テスト模試
8月 河合全統記述模試
9月 河合全統共通テスト模試
10月 河合全統記述模試
11月 河合全統プレ共通テスト
駿台atama+プレ共通テスト

大阪公立大を受験する人であれば、マストで「マーク模試」を受けていきましょう。これに加え、入試1年前の「共通テスト同日試験」などを受験できるとよりよいです。これに加えて関西圏で行われる「大阪公立大模試」などを受験できればそれを、難しければ河合塾の「全統記述模試」などを受験するのもいいでしょう。

最初からA判定を狙うのは大変ですので、10月、11月の「全統記述模試」「全統プレ共通テスト」でAがでたらラッキー、くらいのつもりで、狙う判定としてはBあたりを目指し徐々にあげていければOKです。夏の模試ではD判定〜E判定で十分ですが、マーク模試は夏あたりでは6割〜7割をすでに安定して取れている状態にはしておきたいところです。

併願校・志望校変更
併願校:関西大学・関西学院大学・立命館大学・近畿大学
共通テスト利用:関西大学・関西学院大学・近畿大学
後期試験:大阪教育大学・京都府立大学など
志望校変更:京都府立大学など/td>

私大の併願をする際は、関西学院大学や立命館大学などを志望する場合が多いです。立命館大学は受験方式が多種多様なため大阪公立大学と相性がいいですが、入試の難易度は高めなので注意しましょう。

共通テスト利用入試を利用すれば、関関同立レベルの大学は4科目以上利用する形式で8割弱で突破できるため、比較的出願しやすい傾向にあります。こちらも共通テストの得点率に自信があり、8割以上が安定して取れるのであれば出しておくとよいでしょう。

後期試験で併願する場合には、同じく関西圏の公立大学が中心となります。学部選択によっては大阪教育大なども選択肢に入るでしょう。

大阪公立大学の配点・科目(理系)

大阪公立大理系も学部によって配点は違うものの、ほとんどの学部では英・数・理が入試科目として課されています。英語よりも数・理の配点が高いのでその点は注意が必要です。ここでは理学部を例に挙げてお伝えしますが、学部によって一部配点や使える科目が異なるため注意してください。

配点・科目【理系】(理学部)
共通テスト 475点
外国語 100点
数学 200点
理科 200点

大阪公立大の理系では数学・理科の点数比率が高いのが特徴的です。理科は学部によっては他の難関国立大学のように2科目が必要です。圧倒的に多いのが「物理」「化学」の組み合わせの選択で、次いで「化学」「生物」の組み合わせです。数学や計算に苦手意識がある場合は物理を避けてもよいですが、入試の難易度が下がるわけではないので注意が必要です。学部によっては地学も選択できますが、併願校の受験科目や対策難易度を考えるとお勧めできません。

大阪公立大学の目標点数(理系)

合格最低ライン目安
640点(科類により異なる)
パターン1:標準
共通テスト:370点
英語:60/100点
数学:130/200点
理科:100/200点
合計:660点
パターン2:数学が得意
共通テスト:370点
英語:50/100点
数学:160/200点
理科:120/200点
合計:690点
パターン3:理科が得意
共通テスト:370点
英語:60/100点
数学:130/200点
理科:150/200点
合計:710点

理系のベーシックな合格ラインは、数学が得意かどうかで大きく変わります。文系と違い点数が国語以上に安定する数学の配点が高いため、文系よりも目標点が組みやすいのが特徴です。

文系と比べても「理科系科目が強いから、ある程度英語ができなくても合格している」という人が多い印象です。英語の配点が低い学部も多いので、理系科目をしっかり得意にして勝負するつもりで学習を進めましょう。

模試一覧
5月 河合全統共通テスト模試
8月 河合全統記述模試
9月 河合全統共通テスト模試
10月 河合全統記述模試
11月 河合全統共通テストプレ

大阪公立大を受験する人であれば、マストで「マーク模試」と「全統記述模試」を受けていきましょう。これに加え、入試1年前の「共通テスト同日試験」などを受験できるとよりよいです。A判定を狙うのは大変ですので、10月、11月の「全統記述模試h」「全統プレ共通テスト」でAがでたらラッキーくらいのつもりで、狙う判定としてはBあたりを目指し徐々にあげていければOKです。夏の模試ではD判定〜E判定で十分ですが、マーク模試は夏あたりでは6割すでに取れている状態にはしておきたいところです。

併願校・志望校変更
共通テスト利用:関西大学・関西学院大学・立命館大学・近畿大学
後期試験:大阪教育大学・京都府立大学など
志望校変更:京都府立大学など

私大の併願をする際は、関西学院大学や立命館大学などを志望する場合が多いです。立命館大学は受験方式が多種多様なため大阪公立大学と相性がいいです。

共通テスト利用入試を利用すれば、関関同立レベルの大学は4科目以上利用する形式で8割弱で突破できるため比較的出願しやすい傾向にあります。こちらも共通テストの得点率に自信があり、9割以上取れるのであれば、同志社・関西大学の共通テスト利用なども出しておくとよいでしょう。

後期試験で併願する場合や志望校を下げる場合には、京都など近隣の公立大学が選択肢に入ってきます。

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