青山学院大学入試・2021年一般選抜入試の変更点

青山学院大学は共通テストを入試の一部科目として積極的に採用する方針を取っています。
学部によって変更点は異なるので、自分が志望している学部の変更点は何か確実におさえておきましょう。

＊2020年3月現在の情報です。共通テストの出願・出題の詳細については2020年6月30日までに公表される予定になっています。
＊この記事で言う「2021年度入試」はすべて「2020年度に実施される、2021年度入学者向けの入試」を指します。
＊一般選抜入試の情報を中心にまとめています。総合型選抜、学校推薦型選抜については各大学のホームページを参照ください。

青山学院大学入試変更点概要

青山学院大学では共通テストを併用する学部がほとんどになります。
経済学部と、文学部、理工学部などの一部学科・方式では引き続き一般入試のみの方式もあるのでその違いを理解しておきましょう。

青山学院大学入試変更点詳細

先述の通り、青山学院大学では、共通テストを採用する方針ですが、一部学部では採用していなかったり、学部ごとに変更があったりするため、詳si
く理解する必要があります。

基本的な変更方針

変更は以下の通りです。

共通テストをほとんどの学部で採用

共通テストが経済学部、文学部、理学部の一部学科・方式以外の学部学科で必要になります。

一部学部で総合問題が出題

これまで出題されていなかった「総合問題」を一部学部で出題するように変化しています。
こちらも学部・学科・方式ごとに異なるのでしっかり整理して青山学院大学を志望する人はしっかり確認しましょう。

学部・学科ごとの変更点（共通テストの導入）

一番の変更点は、共通テストを入試の一部科目として積極的に利用する方針となっています。
共通テストがほとんどの学部で必要になりますが、共通テストなしで受けられる学部・学科は少ないです。学部学科によっては「A方式では学部独自試験のみ」「B方式では共通テストも利用」というようなパターンもあるので、定員なども参照しながら実際は出願を決めていくことになります。

共通テストが不要な学部・学科

文学部英米文学科
B方式（英語＋総合問題）、C方式（英語＋国語）
経済学部経済学科
英語＋地歴公民180名、英語＋数学100名
経済学部現代経済デザイン学科
英語＋地歴公民50名、英語＋数学25名
理工学部各学科
A方式：英語・数学・理科各150点の独自問題。B方式は共通テスト3科目＋学部独自の数学・理科

共通テストが完全に不要なのは経済学部。
英語に加えて地歴または数学を定員を分けて課しています。
文学部や理工学部の一部方式でも、共通テストを利用しない形式が課されています。共通テストを課さない方式のほうが定員は多い傾向にあるので、実際は他学部と組み合わせながら受けることになるでしょう。

学部・学科の変更点（総合問題）

もう一つの大きな変更点が総合問題です。

総合問題とは？

総合問題とは、高等学校までの学習一般を前提として、理解力や思考力、応用力、表現力、論理性などの素養を判断するものです。 ただし、問題の内容は、学校や学部・学科によって内容が異なります。

総合問題が課される学部・学科

総合問題が課される学部は以下の通りです。

文学部英米文学科
B方式で、英語による記述式問題と小論文
文学部フランス文学科
A方式は文章読解中で読解力・論理力・外国文化や社会への理解を問う総合問題。B方式は論述形式。
法学部法学科
国語または英語と「世界史」「日本史」「政治経済」の総合問題
国際政治経済学部
英語と「世界史」「日本史」「政治経済」の総合問題
文化政策学部
国語、地歴公民の総合問題
社会情報学部
D方式：日本語の文章やデータから論述等を課す

すべての入試形式が総合問題になるわけではありませんが、英米文学科やフランス文学科などは総合問題のない入試形式が課される学科もあります。
しかし、法学部は必ず総合問題を解く必要があるなど、学部ごとに細かい対策が必要になります。

問題も学部によって細かく異なりますが、サンプル問題がホームページで掲載されているため、それをきちんと参照しておきましょう。

総合問題の特徴・法学部法学科

法学部の総合問題Bは、英語、社会の複合的な問題となっています。以下、詳細を示した大学発表の資料。
総合問題B｜法学部（PDFが開きます）

基本的には「読解力、表現力及び論理的思考力」を問うものとされていて、マークシート式の選択問題に加え要約等の記述式問題を併用することになっています。
サンプル問題はまだ出ていませんが、出題の意図などからは、日本史・世界史（17世紀以降）そして政治・経済にまつわる長めの文章が出る、とされているので、資料の読み取り及び論述などを含めた出題になるのではと予想されます。今後の発表を見ていく必要がありますが、基本的には日本史・世界史・政治経済のいずれも基礎知識レベルは押さえておく必要があるでしょう。

総合問題の特徴・国際政治経済学部国際経済学科

 
国際政治経済学部国際経済学科（PDFが開きます）

慶應義塾の入試問題に近い出題をイメージするといいでしょう。
文章を読み、文章内に出てくる評価、図表の読み取りと計算が日本語ならびに英語で出題される形式です。考察を40字程度で記述する論述問題も出題される予定で、英作文も選択式問題で出題されるため、今まで以上に総合的な学力が求められるようになります。

社会情報学部

社会情報学部はD方式（募集20人）で総合問題200点が課されます。
「日本語の文章やデータを読み取り」という出題範囲です。
こちらも慶応大学でよく出るような読み取り問題がメインですが、少し分量が多い印象です。
この資料を読み取った上で、最後に論述問題を解くような設問になっています。
今までとはかなり性質の異なる出題であるため、慶応の過去問や資料読み取りの演習を重ねておく必要があります。

 
社会情報学部D方式総合問題（PDFが開きます）

そのの他の変更点

大きな変更点はお伝えしたとおりですが、これに加え国際政治経済学部は英語外部試験の成績提出が必須となりますので、志望している人は必ず覚えておきましょう。

青山学院大学の対策

青山学院大学の入試変更点への対応ですが、やはり共通テストへの対応が最も大きく変わる部分なので、一番は共通テストへの対策を怠らずに進めておくことです。

共通テストでどのくらい点が取れたかで個別試験での戦い方も変わってくるため、何よりも共通テストで安定した点数を取ることが重要になってきます。

ただ、だからといって「共通テストの勉強だけしておけばいいか」というと、それは違います。共通テストに変わるとはいえ受験者層や大学が求めている層は変わらないわけですから、しっかりと学部・学科に必要な勉強を把握して勉強する必要があります。

また、併願校を決める際にも、共通テストを導入せず今まで通り大学独自の試験を行なっている所もありますから、志望校対策は必ずしておきましょう。

今までの入試のレベルに合わせた演習はしつつ、共通テストでも9割以上の高得点を取る意識で基礎固めをしっかり固め、試験対策も必ず行なってください。

学部ごとに必要な試験など細かな変更が多いので、早めに志望校を学部学科まで決めておくことで対策を練りやすくなります。
志望校選択の時点で学部学科を絞りつつ対策を進めていくこと、そして定期的に情報収集をして対策しましょう。

総合問題への基本的な対応の仕方は「文章を読んで、重要なポイントを掴む」「適切に資料を読み取る」というところが第一なので、課題文型の小論文や記述式の現代文の対策をすることが必要になってくるでしょう。

なんどか慶応の名前が出てますが、慶應義塾大学は以前からこうした形式の問題を多く出題しているので、過去問をサンプルとして使うことで対策できるでしょう。