大学受験を成功させる
併願校の決め方とは?
志望校の受験日や大学入学共通テストが近づくにつれて、焦り始めたり模試の結果に一喜一憂したりすることが増えてしまっている人もいるでしょう。
「周りの友達は何校併願するのか?」
「そもそもどうやって併願校を決めればいいのか?」
「模試の結果が悪かったから併願校のレベルも下げるべきか?」
第一志望校を目指しつつ、安全に受験するためには併願校の存在は必須です。
しかし、併願校の決め方によっては選択肢を狭めてしまったり、受験した大学すべてにおちてしまったりするなどがおこってしまいかねません。
今回は、「併願校の決め方」についてしっかり考えていきましょう。
併願校を決めるときの大原則をまず知ろう
具体的にどのような基準で併願校を決めればいいのでしょうか。
併願校を決める上での基準や注意するべきことをまとめました。
併願校を選ぶときに絶対に押さえてほしい「4段階」
併願校を選ぶ際に最も考慮されるのは偏差値です。
自分の実力以上の大学やどうしても入学したい大学とは別に、滑り止めとして志望校よりも偏差値が低い大学を併願するのが一般的です。
偏差値を考慮して併願校を選ぶ場合、大学を4つの段階に分けましょう。
チャレンジ校(1校)
模試判定がE、目標点に2割以上足りない。現状でC判定以上が出ている大学より偏差値として5以上離れているくらいが目安。第一志望はここに入ることが多い。
合格圏校(1〜2校)
模試判定がC〜D。もう少し頑張ればor現段階で「勝負できる」レベルにできるとよく表現する。人によっては第一志望がここに入る。
安全圏校(3〜4校)
模試でB判定以上。このまま行けばしっかり合格できるレベルの大学。
滑り止め校(2校)
基準としては「本番ミスしまくっても合格できる」「本番風邪を引いても受かる」「今の実力でも合格点をしっかり超えられる」といったところ。。
併願せずに実力以上の大学(チャレンジ校・合格圏校)しか受験しないと、すべて不合格になる可能性があります。
保険をかける意味でも、志望校より偏差値が低い大学は必ず併願しましょう。
ただ、併願校の偏差値は下げても第一志望校はあまり偏差値を考慮する必要はないと思っています。
どうしてもいきたくて挑戦したい場合は、どんなにレベルが高くても是非挑戦するべきです。
第一志望校に安心して挑戦するために、合格圏内の併願校を受験しましょう。
選抜方式
大学受験は「一般選抜」だけではありません。
「学校型推薦選抜」や「総合型選抜」など、他の選抜方式をうまく活用して併願校を決めることで選択肢が広がる場合もあります。
学校推薦型選抜・総合型選抜を利用した併願
志望校に「総合型選抜」「学校推薦型選抜」など複数の選抜方式があれば、「一般選抜」以外で併願することも考えましょう。
上手く進めば一般選抜で受験する前に合格するなど、早期に大学受験を終わらせられます。
選択肢を広げるためにも、一般選抜で受験する方も他の選抜方式に視野を広げてみてください。
ただし、これらの選抜形式はいわゆる「専願」で、合格したらその大学に行かないといけないという場合も多いため注意が必要です。
大学入学共通テストを利用した併願
「大学入学共通テスト」の得点は、一般選抜や総合型選抜、学校推薦型選抜とすべての選抜方式で利用できます。
共通テストの得点は主に以下のように利用されます。
・独自試験+大学入学共通テストの得点
・「大学入学共通テスト」の得点のみ
「大学入学共通テスト利用入試」は、複数の大学に同時に併願できるため、地方の学生にとっては遠方まで移動しないで効率良く受験できます。負担をかけすぎずに併願校を増やす上で非常に有効ですが、目標点は高くなりがちなので「滑り止め〜安全圏」の大学受験に使うと有効でしょう。
併願するときは日程調整がカギ
多くの人は少なくとも1〜3校、多いと10校近くの大学を受験します。
先程あげた4段階を1校ずつ+滑り止め・安全圏でもう2つずつ受けても8校になります。上手く日程をずらして、より多くの併願校を受験できるようにしましょう。
多くの大学では、1回の試験で同じ大学内で複数の学部・学科に受験できる「全学部統一入試」や、同じ大学の試験日が複数ある「試験日自由選択制度」があり、上手く活用すればより多くの大学に出願できます。
また、遠方から受験する場合、何度も遠方に向かって受験をすることになると交通費がかさんでしまいますし、体力的にも大変です。
なるべく1回〜2回の遠征で複数校受験できるように日程調整ができるとよりよいでしょう。
併願校選びで意外と忘れがちな「入試科目」や「出題傾向」
偏差値や日程のことにばかり気を取られていると、入試科目や出題傾向についてついつい見落としてしまいます。受験する大学ごとであまりにも入試科目や出題傾向が違うと苦労することになります。
「チャレンジ校」と「滑り止め校」のように大きくレベルが離れている場合はあまり影響はありませんが、第一志望校と併願校で対策が大きく異なると、併願校の対策に偏ってしまい、第一志望校の対策がおろそかになる可能性があります。
それぞれの志望校に向けて計画的に勉強できていれば良いですが、第一志望校と併願校の入試科目は同じ、または「併願校のほうが必要な科目数が少ない」という状態で揃えた方が無駄な勉強に時間を取られずに済みます。
ただ、出題傾向はどうしても各大学ごとに違うため、併願校をあえて絞って受験するのも手でしょう。なるべく共通テスト利用入試を活用して、大学ごとの傾向の対策は第一志望校に絞るということもできます。
併願校を選ぶ上での「私立大学」「国公立大学」の違い
私立・国公立大学ともに併願できますが、入試制度の違いなどいくつか注意するべきことがあります。
ここからは、私立・国公立大学を併願する上での違いをまとめていきます。
私立大学
私立大学では、同じ大学内の学部・学科の試験日を複数選べる「試験日自由選択制入試」という入試制度を導入している大学があります。
日程調整次第では、5校以上の大学を受験できます。
さらに、学部学科共通の出題を同じ日程で実施する「全学部統一入試」で受験すれば、さらに選択肢は広がります。
国公立大学
国公立大学は、前期・中期・後期と日程が分かれており、併願校と日程調整次第では最大3回受験できます。
しかし、前期日程で合格して入学手続きを済ませてしまうと、残りの中期・後期日程を受けても合格することは出来なくなります。
中期・後期試験は定員が少なく、倍率も高いために前期日程で第一志望校を受験する人が多いです。
そのため、私立大学の併願校とは違い、中期・後期試験「だけ」を受験しても滑り止めとしては活用しにくいのです。
国公立大学を第一志望として受験する人の多くは、私立大学を併願しつつ、後期試験でもチャンスを狙うというふうに受験します。
併願校は「行きたくない大学」を選ばない
併願校を選ぶ上で注意するべき点は、「適当に選ばずに行きたい大学や興味ある分野を学べる大学」を受験すべき、ということです。
もちろん滑り止め校という意味で、「入学するかわからないけど一応受けておく」ことも大事ですが、合格した後に後悔して結局浪人する受験生は一定数います。
合格した後に辞退して浪人するならまだマシですが、入学後に「やっぱり違うかも……」と後悔してしまうと時間もお金ももったいないですよね?
興味のない学部・学科に入学しても本人が苦しくなるだけですし、せっかく入学したのに途中でやめてしまうということも起こります。
そうならないためも、併願校を決める上で「いってもいいと思える大学か」「興味ある分野は学べるか」などを考慮した上で選びましょう。
まとめ
より多くの大学に併願できるように、日程調整や入試制度の活用は重要です。
併願校の入試傾向や偏差値などを考慮して、バランスよく併願校を選びましょう。