大学受験キホンのキ

選抜方式をどう使い分けるか?
使い分けて受験の
チャンスを増やそう!

大学受験の選抜方式はさまざまな種類があり、適切に組み合わせることによって大学の選択肢が増えたり、合格する確率が高まったりします。

もちろん、「一般選抜」でも複数校受験できますが、それ以外の選抜方式を使い分けると更に選択肢が広がります。

最適な選抜方式で受験することで併願できる幅が増えたり、年内に受験を終わらせられたり、他の人より少ない勉強量で合格できる可能性があるのです。

当記事では、戦略的に受験を乗り越えるために選抜方式の使い分け方を紹介します。

選抜方式のおさらい

一般選抜 大学別に課せられる学力テストで合否判定を行う選抜方式です。大学入学共通テストも一般選抜にあたります。
総合型選抜 各大学が「求める人物像」に合った受験生を採用する受験方式です。
学力テストだけではなく、小論文や面接など様々な選考方法があります。
学校推薦型選抜学校の成績や課外活動の実績や、小論文や面接などで選抜する形式を指します。

大きく分けて公募制推薦と指定校推薦があります。

選抜方式の使い分けについて紹介する前に、上記の図にて各選抜方式のおさらいをします。

入試改革の影響もあり、「一般選抜」だけでなく他の選抜方式でも学力テストや共通テストの結果など学力がより重視されるようになりました。

各選抜方式について詳細は以下の記事も参考にしてみてください。

入試形式はこんなに沢山。選抜方式の種類を解説!

自分はどの選抜方式を使うのがいい?選抜方式の使い分けをチェック

各選抜方式についておさらいしましたが、志望校に合格するためにはどの選抜方式を使うのがいいのでしょうか?

下記にて、志望校に合格するための選抜方式の使い分けについてまとめました。

いちばん「行ける大学の選択肢」が多いのは一般選抜!

行ける大学の選択肢」が多いのは一般選抜です。

なぜなら、募集定員は私立大学で全体の約5割、国公立大学ではなんと全体の8割を占める選抜方式になるからです。

推薦を考えている人も万が一落ちてしまうことを考えて、必ず一般選抜の対策を行いましょう。

一般選抜は複数校受験する

「一般選抜」で第1志望に一発合格できればいいですが、落ちたリスクを考えると第2、第3志望と併願して受験した方が安全です。

私立大学では、試験日自由選択制が取り入れられてることも多いので、受験日を上手くずらして複数校出願しましょう。

また、国公立大学は前期・中期・後期と日程が分かれており、一見併願しやすそうに見えます。

しかし、前期に定員が集中しており、中期後期の倍率が高いため、第1志望校は前期で受験することになります。中期・後期は募集定員が少ないため、併願できたとしても狭き門になるので注意してください。

また、大学によっては同じ大学内でも異なる学部学科や、異なる選抜方式で出願できる学内併願もできます。

行きたい大学に「総合型選抜」「学校推薦型選抜」があるか?

同じ大学の学部・学科でも「一般選抜」以外に選抜方式を設けている大学は多いです。

夏から12月までにかけて選抜が行われるので、「一般選抜」よりも早く合格が決めるのがメリットです。

志望校に「総合型選抜」「学校推薦型選抜」など複数の選抜方式がある場合、それだけでも選択肢が広がるので、各選抜方式に合わせて対策しましょう。

通う高校の「指定校」に行きたい大学があるか?

通う高校の「指定校」の枠に行きたい大学がある場合は指定校制推薦も狙いましょう。

校内選考さえ通過すればほとんどの確率で合格すると言われている選抜方式です。評定平均が高い人はその分選べる大学は多いです。

しかし、「指定校制推薦」で特定の大学に受験する人が複数いた場合、評定平均が高い人から選ばれてしまうので、倍率とライバルの存在には注意する必要があります。

過去の指定校の実績や校内選考の基準は確認しましょう。

これまでの学校での評定はどうか?

「学校推薦型選抜」で志望校を目指す場合、特に評定平均は重要になります。

なぜなら校内選考の評価基準に評定平均があることがほとんどだからです。

さらに指定校ごとに最低限必要な評定平均が定められていることが多く、基準を満たせなければ出願すらできません。

行きたい指定校の評定平均に達しているか?」「今から勉強して各大学の合格水準を目指せるか?」を考慮して推薦で受験するか決めましょう。

内部進学はできるか?

内部進学とは、試験を受けずに系列校に進学することです。はじめから内部進学を前提に大学付属校に入学する人も増えています。

これをエスカレーターに例えて「エスカレーター方式」と呼ばれています。

他の受験生からはずるいと思われるかもしれませんが、志望校に合格するためのやり方としては非常に合理的です。

もし志望校に内部進学できるなら周りの目は気にせず自信を持って進学しましょう。

どの選抜方式でも大学入学共通テストの結果を活用できる

「大学入学共通テスト」は、一般選抜だけでなく総合型選抜や学校推薦型選抜でも利用できます。

主に二つパターンで利用されることが多く、
・独自試験+大学入学共通テストの得点
・「大学入学共通テスト」の得点のみ

「大学入学共通テスト」を利用するだけでも複数校に出願できるので、地方で大学受験を進める学生にとっては移動の手間が省けるので助かりますね。

結果次第では、大学別の独自試験を免除してくれる大学もあるため、対策はしっかり行いましょう。

また、大学によっては独自試験と英検などの外部試験の結果も含めて合否判定する場合もあります。

志望する大学によって、共通テストと外部試験の結果が具体的にどのぐらい配点されるかは違います。各大学の入試情報ページで配点は必ずチェックしましょう。

共通テストの点数はこれまでは一般選抜で求められることが多かったのですが、2021年度以降は総合型選抜や学校推薦型選抜でも求められることが増えてきていますので、こうした選抜方式でも活用できるようにしておきましょう。

選抜方式の利用例

では、具体的に各選抜方式はどのように利用されているのでしょうか?

Aさん:国公立大学に一般選抜で

総合型選抜もあるけど倍率も高いし、「目立った実績」もないので受かる見込みは低いと思っている。それなら一般選抜にしっかり集中したい。前期で受けて、後期は少し下のランクの国公立。他にも私大を3つほど受けるつもり。全部一般選抜

Aさんは国公立大学を目指す受験生。

行きたい大学に「総合型選抜」の枠もあるが倍率も高く、過去の合格者に共通する「数学オリンピック出場」や「課外活動での自主的なボランティア」などの「目立った実績」もないため、受かる見込みは低い状態。

それなら「一般選抜」に絞って集中して受験勉強したいと思い、国公立大学の第一志望校を前期で受けて、後期は少し下のランクの国公立に出願。他にも私大を3つほど受ける予定です。

ーーー

全て一般選抜で出願していますが、国公立大学と私立大学合わせて5校併願しており、複数日程を活用して選択肢を広げています。

また、志望校のレベルと少し下のランクのレベルを併願して、第一志望校に落ちた時の保険として滑り止めを確保しています。

Bさん:学校推薦型選抜+もしものために一般選抜の対策も

Bさんは志望校が「学校推薦型選抜」の公募制を出しているので、11月頃に受験する予定です。

合否は12月に出ますが、倍率的に2倍程度と不合格の可能性も十分あるため一般選抜も受けるつもりで勉強を続けるつもりです。
ーーー

「学校推薦型選抜」など推薦で合格を狙う場合、受験勉強がおろそかにならないように注意しましょう。

評定平均が良いなど「自分は合格できる」と過信してしまうと、万が一不合格になった場合のリスクがあります。

そうなると本来勉強していれば行けたはずの志望校の合格圏内にも満たず、大幅に受験する大学のレベルを落とす人が後を絶ちません。

もしものためにもどの選抜方式で受けるにしても、「一般選抜」の対策をしましょう。

ーーーー

上記はあくまでも一例ですが、各選抜方式の特性と複数の方式を掛け合わせることで効率的に大学受験を進めています。

選抜方式を使い分けて志望校に合格する確率を高めましょう!