大学受験キホンのキ

勉強をやるその前に!
受験計画を立てるために
まずやるべきこととは?

受験が近づくにつれて、徐々に気持ちが切り替わる高校生も多いでしょう。場合によっては、調子が乗っている時に勉強を始めてスタートダッシュを切りたいという方もいるかもしれませんね。

もちろんやる気があること自体はとても良いことです。だからといっていきなり勉強を始めてはいけません。それは何故なのでしょうか?

受験のゴールである「合格最低点を超える」ためには計画が必須!

そもそも受験のゴールは「志望校の合格最低点を超える」ということ。これさえできれば合格です。そのため無理して高得点を獲得する必要はありません。

もちろん目指せるなら高得点を取ったほうが良いに決まっています。80点よりも90点、90点よりも100点を取っておけば安心できますよね。

しかし必要以上に高得点を狙うとなるとやるべきことがグッと増えてしまいます。英単語を1000個覚えるよりも2000個覚えた方がいいし、難しい過去問をたくさん解ける方が高得点を狙いやすくはなるでしょう。

しかしそれができるのは時間が無限にあったならの話。時間が無限にあるならいくらでも「やった方がいい勉強」に費やすことができますが、受験生には時間がありません。

約1年前後で志望校に合格する必要があります。特に平日は学校があるため、なおさら勉強時間は削られるでしょう。

こうした中であらゆる勉強に手をつけても、時間や労力がかなりかかります。しかも受験では複数科目使うことがほとんど。全ての科目を完璧にするのはかなり難しいでしょう。

そうならないためには、合格最低点を把握することが大切です!

最低点を把握することで具体的に足りない点数がわかるので、「足りない部分を埋めるためには何をすればいいのか?」が明確になります。

やるべきことが明確になれば自分にとって必要な勉強にだけ取り組めるようになるので、限られた時間を有効活用できますよね。

この「自分にとって必要な勉強」を視覚化して、試験本番までにやるべきことをまとめるためにも受験計画が必須なのです。

では具体的に計画を立てる前には何をすべきなのでしょうか?

具体的な志望校の決め方は?

まず受験計画を立てるためには、志望校を決めなくてはいけません。なぜなら目標を決めないと、それの達成に必要なことを逆算できないから。

上記でも触れましたが、受験計画では「志望校合格のために」必要なことを明確にしていきます。そのため、そもそも目標がないとそれらを決めることはできません。

志望校を決めるときに大切なのが「純粋に行きたいところを志望校にする」ということです。

志望校を決める時に意外と多いのが、「今の偏差値はこれくらいだし、まあここら辺のレベルの大学を目指すのが無難かな」ということ。

現在の成績に縛られてしまい、志望校の幅を狭めてしまうんですよね。しかしそれはもったいない!

そもそも自分が本当に行きたい大学を目指さないとモチベーションが上がりません。受験は長く孤独な戦いです。

友人と一緒に勉強しようが、最終的に試験を受けるのはあなた一人。それを考えると、「入学後に自分の学びたいことが学べる!」というモチベーションが無いと受験を乗り切ることは難しいです。

それに先ほどご説明した通り、受験では「合格最低点を取れれば合格」できます。確かに今よりもレベルが高い大学だと問題が難しいかもしれません。しかし最低点さえ取れればいいので、全てを解けるようになる必要はないのです!

しっかりとした計画を立てた上で合格に必要なことに黙々と取り組めば、志望校が求める最低限の成績に到達することは十分に可能。

だからこそまずはレベルを気にせず、自分が行きたい大学を目指すべきなのです!

では具体的にどのように志望校を決めればいいのでしょうか?もちろんやりたいことがある受験生はそれに沿った大学を選べばOK!

しかし全員がそうではありませんよね。むしろやりたいことがまだ決まっていない方が大半でしょう。

なのでまずは、なんとなく興味にある大学のHPを流し読みしたり資料請求したりすることから始めれば大丈夫です!

いきなり気合を入れてオープンキャンパスに行ったり大学の校舎に行く必要はありません。まずはざっくり情報を集めることから始めて、そこから徐々に絞っていけばいいのです。

地方受験生が情報を集めるためのコツとは?

地方の受験生が情報を集める際は、少し意識的に自分で取りに行く必要があります。なぜなら、首都圏と地方では得られる情報に格差があるから。これは物理的な距離の問題もありますし、学校側も対応していない場合が多いのです。

地方には首都圏ほど私立大学が多くなく、そもそも地元で高いレベルを目指そうと思ったら国立を目指すしかないという場合がほとんど。

首都圏であれば、早稲田・慶応・GMARCH・関関同立など、有名私立がいくつもあります。しかし地方に行くほどそうした私立の選択肢は狭くなっていくのです。

そうなると高校側としても、できれば近場の国立大学に行ってほしいというのが本音。特に地方進学校では、大学合格実績として「国立大学合格!」というのを作りたいので地元の国立を勧める傾向にあります(もちろん全てではありませんが)。

そのため必然的に学校から得られる情報の中身というのは限られてしまうのです。首都圏の難関私立大を目指したい場合は自分で情報を取りに行くしかありません。

その時に使うべきなのが、まずはインターネット。大学の公式サイトやSNSなどを駆使すれば、同じ大学を目指す高校生が何を勉強しているのかや、どういう対策を立てるべきなのかが色々と転がっています。パンフレットを取り寄せるのもいいですね。

さらに昔とは違い、塾もオンラインで受けれる時代。首都圏の塾にオンラインで通いつつ、情報収集を行うというのもいいでしょう。

基本的にはこのような形で、ネットやオンラインを駆使して情報収集するのがオススメです!

地方の人はいろいろな選択肢を知ろう

先述の通り、地方では優秀な学生ほど国立大学を目指すことが多いです。学校のコースも「国立志望」「それ以外」のように分けられていることもあります。

そのため私立を希望する受験生は個別で勉強しなくてはいけません。

もちろん受験では自学自習が大切なので当たり前のように思えますが、首都圏の高校とは違い学校からのサポートはほぼ期待できないので、さらに重要になるということですね。

それに対して首都圏の高校では、細かいコース分けで幅広い志望校に対応できる場合が多いです。そうした学校からの厚いサポートもあり、様々な選択肢を知ることができます。

なので地方受験生は、意識的に色々な選択肢を知る意識を持ちましょう!幅広い大学を見ることで自分が本当に行きたい大学に出会えるかもしれません。

保護者の方が志望校決めで協力できることって?

志望校を明確にすることで受験勉強がスムーズに行くのなら、保護者としてもできるだけの協力はしてあげたいですよね。

その気持ちは大切ですが、アドバイスをする前に意識すべき点はあります。それは「現在の受験に関する知識をつける」ということ。

当然ですが、保護者の方の時代の受験と現在の受験は形式も勉強すべき範囲も違います。そのため「現在の受験においてはどういった知識が必要なのか?」ということは把握しておかなくてはいけません。

例えば現在の入試制度について抑えたり、どういう大学があるのかということを知っておくのが大切です。間違っても、自分の世代の知識だけでアドバイスをしてはいけません。

以上を意識した上で協力するとしたら、「親だからこそわかる子供が興味を持っていたこと」について話してあげるといいでしょう。保護者は小さい時から子供を見てきています。

そのため「本人は気づいていない本人の良いところ」「昔興味を持っていたもの」など色々なことを教えてあげられるでしょう。こうした第三者からの客観的な意見が、子供の志望校選びに役立つ可能性は十分にあります。

志望校の点数を知ろう!

このような流れで志望校を決めたら、まずは合格最低ラインを調べましょう!これは「パスナビ」や各大学のHP等で調べることができます。

これを決めるべき理由は最初に触れた通りで、合格最低ラインを知っておくことで「自分がどのくらい勉強すればそこに到達できるのか?」をわかるようにしておくためです。

この合格最低点が最終的な目標になります。なので各教科ごとにしっかり出しておきましょう。

志望校までの距離を知る

目標点数がわかったら、次に自分の現在の学力を明確にします。目標がわかっても自分の現在の学力がわからなければ、「具体的にどれくらい勉強して差を埋めれば良いのか?」ということは分かりません。

では現在の学力はどのように調べればいいのでしょうか?

一番良いのは、過去問や模試を解いてみるということです!総仕上げに解こうと考えている受験生が多いと思いますが、それは間違い。確かに「試験問題を解けるかどうか?」という観点でいえば、その考えは正しいです。

しかし一番最初に過去問を解く目的は「現在の学力を把握すること」にあります。そのため、その時点で全く解けなくても問題ありません!最終的にそのレベルの問題を解けるようになれば良いのです。

受験の目的は志望校に合格した時に初めて達成されます。そこに到達できるまでにどれだけ悪い点数を取ろうが気にする必要はありません。

むしろなんとなくの感覚で現在地を定めてしまい、目標までの距離を見誤ってしまうことの方が問題です。

志望校までの計画を立てる!

「志望校目標」「現在の学力」ーーーこの2つを定めたら、いよいよ計画を立てます!

基本的には、まず年間計画でざっくりした区切りをつけながら勉強する内容を決めていきます。

例えば、

「目標は早稲田の商学部!そのためには試験日までに◯◯点伸ばす必要があるな!だから共通テストまでには、これとこれとこれを終わらせる必要がある。そのためには秋は演習問題に取り組もう!演習問題をやるためには夏休みまでに基礎を終わらせて〜〜」

という具合です。あくまでも例なのでざっくりですが、このように何かのタイミングごとに目標を定めておきましょう。

年間計画を作ったら、今度はそれを週間計画にして1週間ごとにやるべきことを決めていきます!

この週間計画では、「どの参考書を」「どのタイミングで」「どのくらいの量を」「どういう方法で」やるのかを細かく定めましょう。「とりあえず難しい参考書をやる!」というような大雑把なものにしないでください。

なぜならあまりに大雑把だと、毎日の勉強でやることに迷ってしまうから。受験計画は、いざば志望校合格までのロードマップ。

なので計画を見るだけで「自分はどういう位置にいて、何をしなければいけないのか?」がパッとわかる状態にしておく必要があります。

必要な参考書はどうやって選べばいいのか?

このように受験計画を立てる際には、取り組むべき参考書も決めていきます。選ぶ時は、その時の自分のレベルに合った参考書を選んでいきましょう。

受験計画は正しいペースで成績を上げていき、最終的に目標点数に到達するのが目的です。なので、無理をしていきなり難しい参考書ばかり取り組んでも意味がありません。むしろ自信を無くしたりすることもあるので逆効果です。

また、人によっては得意教科の参考書にばかり取り組んでしまうこともありますがそれも無意味です。その得意教科だけを勉強することで合格できるなら良いですが、ほとんどの場合そうではありません。得意・不得意に関わらず、受験に使う科目を必要な分だけ勉強する必要があります。

こうしたことを意識して、自分の今の勉強に必要な参考書に取り組んでいきましょう。