子どもの併願校決めを
どのようにサポートするべき?
子どもの第一志望校が決まれば、次は併願校を決める必要があります。
併願校を上手く活用することで、大学の選択肢が増えたり、受験のリスクを減らしたりすることができます。
この記事では、大学受験を成功するための併願校の決め方や、子どもに併願校を決めさせる上で保護者はどのようにサポートするべきかを紹介します。
併願校を決める基準とは?
以下では、まずかんたんに併願校を決める基準を紹介します。
偏差値を基準に決める
併願する大学はまずは偏差値を基準にして選ぶことが多いです。
自分の実力以上の志望校とは別に、滑り止めとして志望校よりも偏差値が低い大学を併願するのが一般的ですね。
偏差値を基準にして併願校を選ぶ場合、大学を4つの段階に分けるといいでしょう。
チャレンジ校(1校)
模試判定がE、目標点に2割以上足りない。現状でC判定以上が出ている大学より偏差値として5以上離れているくらいが目安。第一志望はここに入ることが多い。
合格圏校(1〜2校)
模試判定がC〜D。もう少し頑張ればor現段階で「勝負できる」レベルにできるとよく表現する。人によっては第一志望がここに入る。
安全圏校(3〜4校)
模試でB判定以上。このまま行けばしっかり合格できるレベルの大学。
滑り止め校(2校)
基準としては「本番ミスしまくっても合格できる」「本番風邪を引いても受かる」「今の実力でも合格点をしっかり超えられる」といったところ。。
子どもがどうしてもいきたい大学は、たとえ自分の実力以上であっても挑戦させてあげるべきです。
しかし、安全圏・滑り止め校を併願せずに実力以上の大学(チャレンジ校・合格圏校)しか受験しないと、すべて不合格になるリスクがあります。
実力以上の志望校を安全に受けるためにも、志望校より偏差値の低い大学は必ず併願しましょう。
一般選抜以外の選抜方式も活用しよう!
「一般選抜」以外の選抜方式で併願することによって、子どもの受験のリスクを減らしつつ選択肢を広げることができます。
他の選抜方式で合格すれば、各大学の一般入試を受けずに入学できるため、年内に大学受験を終わらせられることも可能です。
選択肢を広げるために他の選抜方式を上手く活用しましょう!
学校推薦型選抜・総合型選抜を利用した併願
「総合型選抜」「学校推薦型選抜」は、早ければ高校3年生の夏から12月にかけて実施されるため、合格すれば年内に大学受験を終わらせられます。
ただし、高校3年生の早い時期から開始される選抜方式のため、早くから対策が必要です。
その場合は、保護者が大学の情報を集めて志望校決めのサポートをしたり、「総合型選抜」「学校推薦型選抜」という選択肢があることを伝えるなどして、早いうちから受験モードにさせる後押しをしましょう。
大学入学共通テストを利用した併願
「大学入学共通テスト」の結果は、一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜とすべての選抜方式で以下のように利用できます。
・独自試験+大学入学共通テストの得点
・「大学入学共通テスト」の得点のみ
複数の大学に同時に併願できるため、地方の受験生にとっては遠方まで移動せずに効率良く受験できます。なので、交通費や宿泊費が浮くために資金的にも余裕ができ、その分併願校を増やすことができます。
ただし、募集人数は少なく高倍率になるために合格最低点は一般入試よりも高くなります。
子どもを安全に受験させるためにも「滑り止め〜安全圏」の大学受験に使うといいでしょう。
上手く受験日を調整してより多くの併願校を受けよう
受験生の多くは1〜3校、多いと10校以上の大学を併願します。
より多くの併願校を受験するためには日程調整が重要になります。
各大学には併願校を増やすための制度があり、1回の試験で同じ大学内で複数の学部・学科に受験できる「全学部統一入試」や、同じ大学の試験日が複数ある「試験日自由選択制度」を利用すれば大学の選択肢を広げられます。
また、共通テスト利用入試を利用すれば各大学の試験会場に行かなくても複数校同時に併願することが可能です。
遠方から受験する場合は交通費や宿泊費の負担をなるべく減らすために、1回の遠方で複数校受験できるように日程調整をすると無駄なく受験できます。
子どもにとって交通費や宿泊費はどうしても抜けやすい視点なので、無駄な費用をかけずに効率良く受験するためにも日程調整は保護者の方も一緒に決めるといいでしょう。
併願校を決める時に注意するべきこと
ここからは、保護者が子供と一緒に併願校を決める時に注意するべきことを把握し、併願に失敗しないようにしましょう。
受験料を考慮して併願校を決めているか
併願校を決める時は必ず受験料を考慮して決める必要があります。
なぜなら各大学の試験を受けるためには必ず受験料がかかるからです。
私立大学
・平均3万5000円
国公立大学
・平均1万7000円
センター試験
・3教科以上 1万8000円
・2教科以下 1万2000円
※成績通知希望者は追加費用800円がかかります
大学に合格した後も入学金を支払う必要があるため、経済面を考慮して無理なく併願する大学の数を決めてください。
ただし、経済面を理由にして受験生の選択肢を狭めるのはもったいないので、なるべく早いうちから受験費を貯めておきましょう。
また、奨学金や教育ローンなどもあるため、併願校を増やすための手段の一つとして検討してもいいでしょう。
子どもにとって「行きたくない大学」を選ばない
併願校を決める時は子どもにとって「行きたくない大学」を選ばないようにしましょう。
特に滑り止め校の場合、「行くか分からないけどとりあえず受けておこう」という気持ちで受験することが多いです。
仮に滑り止め校に入学したとしても「こんなはずではなかった…」と後悔して、退学後にまた浪人してしまう受験生も中にはいます。
せっかく入学金を払ったのにすぐ辞められてしまうと保護者からしても困ると思います。
「行きたいと思える大学か?」「実際に入学しても後悔しない大学か?」を基準に併願校を決めましょう。
子どもと一緒に大学を調べたり、実際にオープンキャンパスに足を運ぶことで入学後のイメージを膨らませましょう。行きたい大学がわからなければ学校や塾の先生に頼るとよりイメージが湧きやすいでしょう。
まとめ
子どもの選択肢を広げるためにできるだけ多くの併願校を選ぶ必要があります。
ただし、併願校を増やすと受験料がかさむため、事前に受験料や入学金を貯めておきましょう。
また、滑り止めだからといって子どもにとって「行きたくない大学」を併願校に選んでしまうと、入学後後悔してしまう可能性があります。
併願校は「行きたいと思える大学か?」「実際に入学しても後悔しない大学か?」を基準に選びましょう。