大学の学費っていくらかかるの?
かかるお金の種類と
大学・学部別の目安を徹底解説
大学進学後にかかってくる費用として思いつくものといえば「学費」でしょう。
「入学金」や「授業料」など、大学によって金額は異なりますが、ある程度の相場感を知っておくことで事前に予算を準備することができます。
この記事では大学入学・入学後にかかる費用の種類と大学・学部別の目安について詳しく解説していきます。
大学進学後にかかる学費の種類
まずは大学進学後にかかる学費にはどんなものがあるのかお教えします。
学費の種類①:入学金
国公立大学では、入学金282,000円(出典:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令)、私立大学では入学料252,030円(出典:私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について)の入学料がかかってきます。併願校に入学金を支払う場合は、返還されない場合もあるので必ず前もって受験する大学のHPで確認しておきましょう。
学費の種類②:授業料
学費で大きく差が出る部分は「授業料」です。
国公立大学と私立大学でもかなりの差があり、「文系」「理系」でも費用に差が出てきます。
国立大学の授業料の相場はは535,800円、私立大学の授業料の相場は877,735円です。(出典:国公私立大学の授業料等の推移)
ここまで金額に違いが出てくるのは、国立大学は研究費や施設の利用料など国から資金の援助がでているため比較的安価になっています。
対して、私立大学はその大学の運営資金の中から研究費や施設費用をまかなっているため、国立大学に比べるとどうしても授業料は高くなってしまいます。
さらに同じ私立でも理系や医科歯科系の授業料は高額です。実際にどれだけかかるのかみていきましょう。
私立理系の授業料
私立理系の場合の授業料は年間1,068,849円かかります。
理系は,実験や実習などの授業科目が多くなります。実験や実習では,教員一人あたりが面倒を見ることができる生徒の数が限らるので多くの教員が必要になります。そういった点で、人件費がかかるので費用が文系よりも高くなります。
その分1つ1つの授業の質は高く、少人数の研究室で講師とのコミュニケーションも多くとることができるため質の高い学習環境が整っているでしょう。
(出典:平成29年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金
平均額(定員1人当たり)の調査結果について)
医科歯科系の授業料
医学部は特に授業料が高い傾向にあります。2,667,583円になります。
なぜ他の系統に比べ授業料が高いかというと、「人件費」「設備費」「実験費用」「研究費」の4つの点が理由になります。
理系においてもこの4つの点は同じなのに、なぜここまで費用が高いのかと不思議に思う人も多いかもしれません。それは、学生の人数が少ない医学部ではそもそも教員の人件費を分担しても費用が高くなってしまうからです。また教員も特殊技能を持っているため、他の学部よりも給与が高くまた人数も多く、研究に使う病院施設や実験に使う機材などが高額という点から医科歯科系の大学の学費は高額になります。
(出典:平成29年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金
平均額(定員1人当たり)の調査結果について)
学費の種類③:施設設備費用
こちらは特に私立大学の学費に含まれます。先述の通り私立大学は実験のための費用や研究費用などを大学の運営費用から出すことが多く、生徒から徴収することになります。国立大学は国の補助金で賄うことも多くその分学費が安くなります。
学費の種類④:教科書・教材費
大学では、授業の教科書は高校のように配布されるのではなく、受ける授業がきまったあとから購入する場合が多いです。さらに、大学の教科書は専門書であり高校の教科書などより単価が高い事が多いです。
1年に10数コマ授業を受けると、その都度教科書を買うことになるため、一定の額がかかることになります。大学生への調査では4年間で約10万~30万円もの金額がかかってきていることがわかります。(出典)「第39回大学生の消費生活に関する実態調査」(2003.10)
結局大学に通うのにはいくらかかるの?
大学進学後の学費とは「入学金」「授業料」「施設整備費用」「教材費」の4つの費用を合計したものです。
ここでは国立大・私立大の初年度の学費の目安をお教えします。
国立大学
入学金 | ¥282,000 | 授業料 | ¥535,800 | 合計 | ¥817,800 |
国立大学は、国からの支援金などがあるため入学者が負担する「施設整備費用」や「研究費用」が私立大学に比べ圧倒的に安いです。ここでは「施設整備費用」などは記載していませんが、大学によっては支払う場合もあるのでだいたいの目安として理解しておきましょう。
私立大学文系
入学金 | ¥229,997 | 授業料 | ¥785,581 | 施設整備費用 | ¥151,344 | 教材費 | ¥200,000 | 合計 | ¥1,366,922 |
国立大学と比べると研究などの少ない私立大学文系であっても「授業料」、「入学料」などを合わせるとかなり費用が跳ね上がります。入学金は私立大学の方が安価ですが、毎年の授業料は国立と比べると高額であるということをしっかり理解しておきましょう。
私立大学理系
入学金 | ¥254,309 | 授業料 | ¥1,105,616 | 施設整備費用 | ¥185,038 | 教材費 | ¥200,000 | 合計 | ¥1,744,963 |
私立大学文系よりもさらに高額になってくるのが、私立大学の理系です。
文系は広い講義室で座学の授業などが多いですが、理系は小規模の教室で実験や研究などを行う授業が多いため、文系に比べるとどうしても講師の人数が必要だったり、機材などの費用がかかってきてしまいます。
国立大学と比べると約2倍以上もの金額になります。
私立大学医科歯科系
入学金 | ¥1,073,083 | 授業料 | ¥2,867,802 | 施設整備費用 | ¥881,509 | 合計 | ¥4,822,394 |
私立大学の医科歯科系は大学の学費のなかで一番高額でしょう。
私立理系に比べても研究や実験に使う機材などが高額であることや、教授など講師が専門の知識や技能を有することから入学料、授業料共に高額になってきます。
国立大学と比べると約6倍高い学費になります。これも受験の際には必ず前もって確認し、家族と話し合って志望大学を決めましょう。
学費についてのまとめ
ここまで様々なタイプの学費について紹介してきました。志望する大学が国立なのか私立なのかによっても、また学部系統によっても大きく異なります。
保護者の方としては、なるべく子どもが行きたい大学に行かせてあげたい、と思う方も多いはずです。そのためお子さんが志望する大学に進学後どれだけの費用がかかってくるのかを事前に調べて、計画的に受験できるようにしておきましょう。