明確な理由がないまま文系選択に決定してすぐに「理系が就職に有利」という話を聞いてめちゃくちゃショックだったことを今でも覚えています。
こんばんは。
STRUX編集部の佐久間です。
あなたはどのような理由で文理選択をしましたか?
または、する予定ですか?
「学びたいことがあったから」
「憧れの大学に合わせて」
「古文は大の苦手だから理系に!」
「数学はチンプンカンプンだから文系に!」
などの理由で決めたり、決めようとしている人がいるかもしれません。
このような「教科・学問」に合わせた決め方をした人がいる一方で、全く異なる視点で文理決定をする人もいます。
それは「就職」を意識して、「理系の方が就職に有利」という理由で文理決定をするという方法。
「理系ってホントに就職に有利なの?」
「文理選択で迷っているけど、強い希望が特にないから決まらない」
「理系に決めちゃったけど、本当にそれで良かったのかどうか不安」
と思っている人はぜひ最後まで読んでみてください!
今回は「理系が就職に有利」と言われる4つの理由と、将来の夢を叶えるのに必要な今からするべき3つのワークを紹介します。
「就職」という観点から、自分の進路について一緒に考えてみましょう!
理系は就職に有利、という噂の真実。
理系学生は文系学生よりも就職に有利、と言われているんです。
この噂、一度くらい耳にしたことがあるかもしれません。
この記事を読んでいるあなたも、もしかすると、その噂を信じて理系に選択したのではないでしょうか?
確かにその噂、間違いではないのですが……
と聞かれたらこう答えます。
そう、「理系は就職に有利」という噂の真意は、あくまでも有利になる傾向があるという意味でしかなく、就職に失敗している理系学生もたくさんいます。
とはいえ、理系は就職に有利と言われるのにはちゃんとした根拠がありますし、
成功する理系学生になるために今からやるべきこともあります。
「まだ就職まで4年以上ある」なんて思っていたらあっという間にその時期に!
早い人は大学に入ってすぐに就職を意識したアルバイトや委員会活動をして、周りの学生と差をつけます。
その一方で、「まだまだ先のことだ」とボケっとしている学生は失敗します。
だから「就職」を意識して行動するのに遅すぎることはないんです!
そもそも「就職」って何なの?
そもそも「就職」が何か説明できますか?
「就職」とは「職を得て勤めること」(三省堂,大辞林 第三版)ですが
具体的に言い換えると高校や大学などを卒業して新しく企業に入社することです。
世の中にはどのような企業(会社)があるのでしょうか?
企業がどんな仕事をしているのか知って就きたい仕事が決まれば、大学で学びたいことが明確になるかもしれません。
確かに企業について調べまくるのも一つの方法ですが、今回はもっと大枠をつかむ方法、すなわち「業界」を理解するところから始めましょう。
「業界」とは、扱っている商品によって分けられた、企業の分類のことを指します。
例えば銀行は「お金」を扱っているので「金融業」に、新聞社は「情報を広めること」を扱っている「マスコミ業」に分類されています。
業界は主に次の8種類に分けられます。
1.メーカー
材料を加工してモノを生産するのが「メーカー」。例えば食品や衣服、車、機械、おもちゃ、今手に持っているスマートフォンなどの、何かを作っている会社はメーカー業界に分類されます。
2.流通・小売
メーカーが造った商品を消費者に販売するのが「流通・小売」です。例えば百貨店やコンビニエンスストアはこれにあたります。
3.商社
輸出や輸入の貿易、国内の物資の販売を行うのが「商社」。モノを動かして利益を得ます。
確かに少し想像しにくいですよね。でも実際の会社名は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
例えば三菱商事、三井物産、住友商事はこの商社業界に分類される会社です。
4.サービス
人と人が関わることを通して、個人や企業の欲求に応えるのが「サービス」。目に見えないものや形に残らないものを商品にしています。
例えばレストランやカフェ、ホテル、遊園地、美容院、介護職員などがこれにあたります。
5.金融
お金を扱うことを商売とするのが「金融」です。お金を動かして利益を得ます。
例えば資金の貸出をする「銀行」や、お客様から集めた保険料で運営を行う「保険会社」はこれにあたります。
6.マスコミ
情報を大勢の人に伝達することを仕事にしているのが「マスコミ(マスコミュニケーション)」です。新聞社や出版社、報道機関などのことです。
7.ソフトウエア・通信
情報の処理をして価値をつけて売るのが「ソフトウエア・通信」。
具体的には、コンピューターのソフトウェアの開発や、インターネット検索の仕組みの整備をする仕事などがあります。
この記事を読めるのも、「ソフトウエア・通信」業界のおかげです。
8.官公庁・公社・団体
民間では行えない公的な事業をするのが「官公庁・公社・団体」です。
学校や病院、裁判所、国会、日本銀行などがこれにあたります。
以上のように、世の中には様々な仕事があります。
ですので日頃から自分は何に興味があるのか意識して、周りの仕事に注目してみると、やりたい仕事が見つかるかもしれません。
確かに理系の学部で学んだことを活かせる仕事は少ないように思えます。
でも実は、文系学生より理系学生の方が就職の幅が広いんです。
何か矛盾している気がしませんか?
なぜそのような状況なのでしょうか?
理系が就職有利、と言われる本当の理由
理系学部で学んだ知識を活かせる仕事はあまりないように思えるのに、「理系の方が就職に有利」と言われるのはなぜでしょうか?
実際、就活では「理系歓迎」という枠がわざわざ用意されていることもあります!
そのような会社が存在するほど理系の学生は企業から求められているのです。
これには主に4つの理由があります。
1.専門知識が身についている
理系学生は大学で専門の分野について研究します。そのため就職後からすぐに知識を活かすことができます。
大前提として、文系の学生より数学と理科の知識を持っているので、就ける仕事の幅が広いんです。
2.研究によって様々な力が蓄えられている
理系学生は大学でたくさんの「研究」をします。研究の授業は2~3時間に及ぶこともありますし、研究後はレポートを書いたり実験内容を発表したりすることも。
そのため忍耐力や論理的思考能力、プレゼンテーション能力などが育つのです!
企業は理系学生のこれらの力にも魅力を感じているので、理系学生を優遇することがあります。
3.勤勉なイメージがある
理系学生は文系学生より勤勉なイメージを抱かれています。
なぜなら理系学生は文系学生より大学の時間割が忙しく、自由気ままに遊びまくっていたら卒業できないからです(理系学生は遊べない、という意味ではないのでご安心ください)。
4.別に専門的でない仕事もできちゃう
理系学生でも文系の仕事に就けます。なぜなら「文系にしかできない仕事」はほぼゼロだから(文系選択の人、ごめんなさい)。
強いて言えば、法律を扱う仕事は法学部出身に限られますが、それ以外の仕事は文系・理系問わず働けます。
文系にできて理系にできない仕事はない、と言っても過言ではないでしょう。
おっと。さすがに無職は言い過ぎですが、
残念なことに、これだけ理系は有利であるにも関わらず「理系=就職安心」ではないんです。
「就職安心!」な学生になるには、少々工夫が必要です。
それはあなたの「軸」を見つけること。
軸と言われてもよく分かりませんよね。
「軸とは何か?」と成功する理系学生になるために今からやるべきことを紹介します!
ただの理系学生、にならないために
ただの理系学生で終わらないために必要なのは、自分の「軸」を見つけること!
まず軸ってやつが何なのか説明します。
軸とはあなたの行動や発言、考え方、就職に対する自分自身の意志の根底にあるもの。
これを見つけると
「自分のやりたいことが何か分からない」
「逆にやりたいことが多くて定まらない」
といった悩みが解決します。
この軸を見つけるのに必要なのは次の2つです。
1.『自分らしさ』とは何なのかを言葉にする
2.将来何をしたいのか考える
この2つを考えることで自分の軸が見つかります。
ではこの2つを考えるには、どうすれば良いのでしょうか?
あなたの「軸」を見つけるための3つのワークを紹介します。
その1.「自分ノート」を作る
その2.「未来ノート」を作る
その3.「仕事」について調べてみる
順番に解説していきます。
その1「自分ノート」を作る
「自分ノート」を作りましょう。
「あなた図鑑」と呼んでも良いかもしれません。
あなたの経験や性格、好きなこと、嫌いなものなど、あなたに関することを何でもメモするノートです。
これは『自分らしさ』とは何なのかを言葉にするために作ります。
『自分らしさ』とは何なのかを言葉にして残しておくことであなたの頭の中が整理されます!
整理してしばらく寝かせておくと、ふとアイデアが浮かぶことがあります!
「将来こんなことをしたい!」「自分は実はこういう性格なのかもしれない」というアイデアです。
また、このノートは数年後の就活の時にも役立ちます。
就職の面接の際に「今まで頑張ったことは?」「あなたの強みは?」という質問をされることがあるからです。
「自分ノート」には次のようなことを書いてみましょう!
- 今入っている部活
- 好きな教科・授業
- 苦手な教科・授業
- 好きな本や漫画
- 好きな食べ物
- 趣味や特技
- 自分の中で流行っていること
- 尊敬できる人
- 自分の長所
- 自分の短所
- 思い出のある場所
- 頑張ったこと・やり残したこと
- 嬉しかったこと・悲しかったこと
この項目の全てを書かなければいけないわけではありません。
これらはあくまでも一例。
「自分は何が好きかな?」「自分は今までにどんなことをしてたかな?」
と考えながら書き出してあなた自身への理解を深めるのが、このノートの目的。
「自分ノート」を作る時に気を付けてほしいことがあります。
それは次の3つ!
- それぞれの項目について理由を自分なりに考えてみる
- 書いた日をメモする
- 余白を残しておく
自分なりに理由を考えることで、あなた自身への理解がグッと深まります。
また、2つ目と3つ目は今後あなたがノートを見返した時に役立ちます。
「昔の自分、こんなこと考えてたんだな」と思うのが単純に面白いですし、
「自分は実はこういう性格なのかも?」などの気づきがあった時に余白に書きこみをすることができます。
ノートの見本はこちら。
確かに手でノートに書いていく作業って少し疲れますよね。
そういう人はスマホのアプリで書いても大丈夫!
おすすめメモアプリ:Evernote
補足ですが「自分の長所が分からない!」と思う人は短所の言い換えを考える方法がオススメ。
短所と長所はほとんどの場合、言い換えることができるんです。
例えば「要領が悪い」という短所があるなら、あなたの長所の1つは「ものごとに丁寧に取り組める」であるかもしれません。
その2「未来ノート」を作る
2つ目のワークは「未来ノート」作り。
「将来何をしたいのか」を考えるために行います。
先ほど紹介した「自分ノート」はあなたの過去と現在について考えたしたのに対して、こちらは未来について考えるもの。
これから実現したいことを書いていきましょう。
夢や目標を自由に書いてください。
実現不可能なことを書いても全く問題ありません。なぜなら、叶えるのが目的ではないから。
「やりたいこと」を考える作業を通して、あなたの行動や発言、考え方の根底にあるものに気付くのがこのワークの目的。
仕事や勉強に関係のないことを書いてもOK!
また、些細なことから大胆なことまで、どんな事を書いても問題ありません。
例えば次のようなことを書いてみましょう!
- 気になっている大学
- 興味がある学問(なければ書かなくてOK!)
- カッコイイと思う職業
- 気になる職業や業界
- 「なんでもやっていいよ」と言われたらどんな仕事する?
- 1億あげる!と言われたらやりたいこと
- 出かけたい観光地
- 「こんな大人になりたい!」という理想像
- 「こんな人にはなりたくない!」という人間像
作る際には「自分ノート」とは別のノートを使いましょう!
手で書く作業が嫌いない人はスマホで作ってもOK!
ぼちぼち作るので大丈夫です!
確かにこれらの作業は少し疲れます。
疲れるのにはちゃんと意味があるので「自分は書くのが遅い」「作るのが下手だ」と落ち込まないでください!
これらの作業が疲れるのは。脳みそをフル回転させているから!
「書く」という行為は左脳を使います。
一方、「考える」という行為は右脳を使います。
つまり脳みその全てを同時に使っていることになるので疲れるのです。疲労感や飽きを感じてきたら止めましょう。
その3「仕事」について少しだけ調べてみる
あなたの軸を見つけるためにやるべきワークの3つ目は、世間の仕事について調べてみること。
色々な仕事について知ると、将来やりたいことが見つかりやすくなります!
現在、もしあなたが「理系に進学するけど具体的にやりたいことは思い浮かんでいない」と悩んでいるのであれば、
原因はズバリ仕事に関する知識がすくないことでしょう。
知っている仕事の種類が少ないために、やりたいことが見つからないのです。
余談ですが、「将来の夢ランキング」の第1位は男女ともに「教師」でした(アイデム,高校生のキャリア観に関する意識調査,2018年6月調査)。
このようなランキングになったのは、「教師」という職業は高校生にとって一番身近でイメージしやすい仕事だからではないでしょうか。
この結果から、人は既に持っている知識だけでものごとを考えてしまう性質がある、と言えます。
つまり、知っている職業が少なければ少ないほど、就きたいと思う仕事が減るのです!
だから大切なんです。世間の仕事について調べることが!
次に紹介するサイトで調べてみましょう!
でも今はまだ、ガッツリ調べる必要はありません。
「勉強に疲れたなぁ」と感じた時に少し見てみる、といった使い方で大丈夫!本格的に調べるのは大学生になってからでも充分間に合うからです。
仕事のことが分かるWEBサイト・本
- 「適職・適学チェック」(マナビジョン)
- 「職業検索」(マナビジョン)
- 「進路のミカタ」(マイナビ進学)
- 「好きから探す、じぶんの将来」(スタディサプリ進路)
- 『新 13歳のハローワーク』(村上龍,幻冬舎)
これらの3つのワークが成功する理系学生になるために今からやるべきことです。
将来やりたいことが決まれば、勉強のやる気も高まるはずです!
冬休みや春休みなどの比較的時間がある時に、これらのワークを実践してみましょう!
少し意識しながら生活してみよう!
就職がそもそもどんなものなのか、理系はなぜ有利と言われているのか、少しは理解が深まったのではないでしょうか?
「なんとなく理系!」
「就職に有利って聞いたから理系!」
と選んでしまった人、全然問題ありません!
やりたいことが決まっていなくも、好きなことが特になくても良いんです。
早く決まっている人・好きなことがハッキリしている人が偉いなんてこと、ありません。
決まらなくて悩んでいる時間はツライですよね。でもそうやってじっくり悩める人は立派です。
今から「私は何が好き?」「僕は何をしたいのかな?」を少しだけ意識しながら生活していけば、きっと見つかるはず。
そしてそれは、受験勉強のモチベーションアップにもつながります。
自分の未来にわくわくしながら、受験勉強に励んでみましょう!