こんばんは!STRUX塾長の橋本です!
今週も「大学入試の志望校別対策シリーズ」、今回は、「慶應義塾大学法学部」について見ていきましょう。
慶應義塾大学法学部の試験情報
慶應義塾大学法学部では個別試験を使用する一般選抜が基本になります。慶應らしく小論文を含んだ難易度の高い問題となっています。
期日 | 2月16日 |
共通テスト | 不要 |
科目 | 独自試験: ・外国語 ・論述力 ・地理歴史 (世界史B/ 日本史B) |
慶應の他学部同様、個別試験がメインとなっています。他学部同様小論文形式の問題が、法学部では「論述力」という科目で実施されます。名前は多少事なrマスが、基本的には資料・文章を読み取り、それに合わせて記述できるかどうか、自分の発想を記述できるかどうかが問われるものです。社会は日本史・世界史のみ。
併願のパターン
慶應義塾大学の小論文形式が少し特殊ですが、その中でも難易度が高い分併願は難しくはないでしょう。
慶應内での併願先:文学部、商学部、総合政策学部
入試形式でいうと文学部が一番近く、長文でも英作文は出ないため受験自体はしやすいです。商学部も英作文はなく解きやすいですが、論文テストなどで数学の素養が多少求められるため、ここは気をつけておかなければいけないでしょう。英作文を苦にしないのであれば経済学部でもOK。大学での学習内容が近い、という学部でいうと総合政策学部でしょうか(政治系ですが)。ただ入試形式には少し癖があるため、小論文の特訓は必要になります。
早稲田との併願は大変、マーチレベルだと共通テストの不要な大学を
早稲田大学の法学部は英作文なども総合的な力が求められるため、対策は少し大変かもしれません。国語も小論文で出される以上に難易度の高い問題が出るため、受ける場合はある程度対策が必要です。法学部でいえば共通テストが不要な明治大学、法政大学、また法学部が強い中央大学あたりは受験しやすいでしょう。ただ、立教大学や青学など入試形式が変わる大学から受験生が流れてくる可能性もあり、ボーダーについては注視して置かなければいけません。不安であれば成蹊大学、駒沢大学などそれより下の大学を抑えておくのがよいでしょう。
慶應義塾大学法学部の配点と目標点数
慶應義塾大学法学部の配点と目標点数については、最低点をもとに考えていくことになります。配点からどの科目で確保すべきなのか考えていきましょう。
慶應義塾大学法学部の科目・配点
外国語 | 200点 |
地理歴史 | 100点 |
論述力 | 100点 |
*選択科目は「世界史B」「日本史B」から選択
英語の配点が高く、全体の半分を占めています。英語は落とせませんね。「論述力」の試験も「外国語+地理歴史」の点数、ならびに「地理歴史」の点数が基準点を超えている場合にのみ採点されるため、やはりこれらは点を落とせないので注意が必要です。
目標点数
ここからかんたんに目標点数を確認していきます。
例年の合格最低点(法律学科)
- 2020年度:252/400点(63.0%)
- 2019年度:227/400点(56.8%)
例年の合格最低点(政治学科)
- 2020年度:258/400点(64.5%)
- 2019年度:224/400点(56.0%)
いずれの学部も最低点は大きく差はないのですが、年度によって大きく差が出ています。平均点から見ると英語で差がついているような形でしょうか。
各科目の受験者平均点(法律学科)
英語
- 2020年度:124.06/200点
- 2019年度:90.25/200点
論述力
- 2020年度:47.27/100点
- 2019年度:49.27/100点
日本史
- 2020年度:51.05/100点
- 2019年度:48.03/100点
世界史
- 2020年度:43.61/100点
- 2019年度:48.02/100点
各科目の受験者平均点(政治学科)
英語
- 2020年度:124.43/200点
- 2019年度:93.23/200点
論述力
- 2020年度:48.44/100点
- 2019年度:48.08/100点
日本史
- 2020年度:54.72/100点
- 2019年度:50.25/100点
世界史
- 2020年度:45.95/100点
- 2019年度:50.30/100点
参考:2020年度一般選抜得点状況、2019年度一般選抜得点状況
過去2年の合格最低点は57%〜65%で、例年このあたりで推移しているため参考にはしやすいでしょう。比較的最低点は低めですが、年度によってばらつきがあるため、目標としては7割近くを目指しておくのが鉄板にはなるでしょうね。
英語以外は受験者平均点がちょうど半分くらいで推移しています。平均点はあまり気にかける必要はないですが、配点が大きい英語は高得点をとり、他の科目で得意なところで押さえる事が重要になってくるでしょう。
目標点の例:合計280/400点(70%)
英語 | 150/200点 |
論述力 | 60/100点 |
地理歴史 | 70/100点 |
最低点自体は政治学部・法律学部であまり変わらないため、共通の目標としています。基本的には合格最低点+5〜10%を目標にしておくべきで、年度によって上下があることを考えると少し高めの7割台に目標を据えておくのがよいでしょう。論述力の小論文は安定しづらいため低めに見積もっておき、その分を英語・地理歴史のうち得意な方でカバーするようにします。特に英語で75%取れれば大きいですね。
慶應義塾大学法学部 科目別の勉強法と問題攻略
最後にかんたんに慶應義塾大学法学部の勉強法と傾向対策を見ていきます。
時系列・やるべき科目と対策
英語の配点の高さを考えると、圧倒的に「英語」を最優先に勉強することになります。高3の早い段階で英語の基本は固めておき、文法や語法などの細かいところを覚えていきながら、社会でも高得点を狙えるように学習を進めていくことになります。
英語
慶應義塾大学法学部の英語は例年通りであれば大問4〜5つ構成。長文が多いというわけではなく、単語の意味や「同じ意味の単語を探す」問題、「単語の特徴から当てはまる単語のペアを選ぶ問題」など、少し特殊なものがいくつかあります。「毎年同じ形式の問題」というわけでもなく、年度によって様々な問題が出されるため、過去問演習を通して出題されうる形式を把握しておくのはもちろん、文法問題や長文問題の様々なパターンに触れておき解き方を確認しておく必要があります。
社会
日本史・世界史は「語群から文中の空所補充をする」「正誤問題に答える」という慶應の王道パターンの問題。内容は難しいもの・細かいものも多いですが、基本的なところを落とさないことが最重要。一問一答などで確認していきましょう。
論述力
慶應法の「論述力」試験は、文章を読んだ上で「400字程度で議論をまとめ、考えを具体例に触れつつ論じる」というもの。法律に関わることに限られているわけではなく、社会での行動心理や政治的決定プロセスの話など、難しめの内容が問われています。普段から現代文の参考書などで様々な文章に触れておくことはもちろん、過去問はなるべく多く解き、「議論をまとめる」コツをきちんと掴んでおくことが必要でしょう。「議論をまとめる」部分でどれだけ点を安定させられるかが、論述力で点を安定させるポイントです。
テーマは以下のようなものが出されています。
- 2020:アジア諸国の近代化の評価(慶応大:石川忠雄先生)
- 2019:国際人権問題に対する日本の対応(東大:大沼保昭先生)
- 2018:リスク社会・監視社会と信頼について(東工大:今田高俊先生)
- 2017:立憲主義と愛国心について(東大:長谷部恭男先生)
憲法の長谷部先生(東大の名誉教授)や慶応大学で長年塾長を務めた石川先生など、名だたる方の著作・評論から文を使っていることが多いです。興味がある分野については文庫本を読むなどするのもいいでしょう。
まとめ
今回は2021年度以降の「慶應義塾大学法学部」の入試の傾向と対策についてお伝えしました。入試改革によって大きく傾向は変わらないと予想されますが、英語は毎年問題形式が微妙に変わっています。その英語が配点としては高いため、確実に加点できるようぜひしっかり対策をして臨みましょう!
お知らせ!
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それでは!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。
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