学習塾STRUX編集部連載


【一橋大学】入試傾向と対策法を学部別に紹介!鍵は数学の「配点」にあり!

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橋本が教えている様子
 
 
 
 
 
 

こんばんは!STRUX塾長の橋本です!

さて、今回も大学別の分析シリーズ。今回は文系の最高峰大学「一橋大学」について見ていきましょう。

文系学部の中でも社会科学系の学部が多く、もともと商学部を中心に古くから発展してきた大学ですから、商学・経済学について深く学べる大学になっています。その他社会学部・法学部もあるため、文系でこれらの学部を目指しているという人は、ぜひ目指したい大学です。

 
 
 

一橋大学の試験情報

一橋大学の場合は基本的に「共通テストの点数+個別試験の点数」で合否が判定されます。学部によって大きく入試科目や配点が変わるため、詳しくは大学HPで最新の物を確認するようにしましょう。

一橋大学 入学情報

学部によって多少配点が異なるため、これらに触れつつ、一般選抜・前期試験の商学部・社会学部などを中心に簡単に見ていくことにしましょう。

期日(個別試験前期) 2月25日(国語数学)26日(英語社会)
共通テスト ・共テ:個別の配点例
商 250:750
経済 210:790
法 270:730
社会 180:820
・2段階選抜:3倍
科目(個別試験) 英語・数学・国語・社会(地歴・公民)または商業

科目としては「英語+国語+社会+数学」でどの学部も共通しており、共通テストも一般的な7〜8科目で受験することになります。2段階選抜は各学部3倍の定員になるまで実施されます。

ただ、学部によって配点が大きく異なるので注意が必要です。共通テストの配点を取ってみても、法学部の共通テストの割合は27%なのに対し、社会学部は18%と10%近くの開きがあります。また、各科目で比べてみても、経済学部の数学が共テ・個別合わせて300/1000点なのに対し、社会学部は150/1000点しかありません。社会学部は共通テストの理科の配点が100/1000点もあるため(他の学部は50点)、数学が苦手という場合は共通テストの理科基礎に注力したほうが点をとりやすいということもありえます。

そのため、自分が学びたい内容はもちろん、各科目の配点も踏まえた上で学部を選ぶ必要があるということは頭に入れておくべきでしょう。

 

併願のパターン

私大併願時のパターンと、国公立で志望校変更、後期受験をする場合のパターンを参考にしていきましょう。

 
 

私大はマーチレベル〜日東駒専以下を中心に

国公立受験でまず考えなくていはいけないのが、私大の併願。一橋大学合格レベルから考えると、早慶上智あたりを一番上に据えた上でマーチ・関関同立レベルを確実にしておき、近大・日東駒専〜それより下のレベルで滑り止めを確保することになるでしょう。

 

例年でも一橋大学で勝負できるレベルの人はマーチレベルには堅実に合格している人が多いため、基本的にはマーチレベルをいくつか受験しておくことになります。マーチレベルを共通テスト利用入試で確保できると一番心強いですね。逆に早慶だと傾向が大きく異なることもあり、合格できない人も多くいる印象です。不安であればもっと下のレベル、日大あたりまでを受験しておくべきでしょう。

 
 

国公立の後期と「志望校を下げる」目安

国公立志望だと「志望校を下げるべきか?」ということもよぎるはずです。もちろん「絶対一橋にチャレンジしたい!」という場合は出願してもいいです。そうでない場合でも原則として志望校変更は共通テストの結果を見て判断ということでよいでしょう。ほとんどの学部で共通テストの配点は低いため、学部の配点とにらめっこしながら学部を変更して出願するということも可能です。そのため、あらかじめ共通テストで「何点くらいならここに下げる」ということを決めておくと良いでしょう。下げるとしたら各県の国立大学、また公立大学あたりになるでしょう。

後期試験も同様に、実施している近隣の国公立を出願しておくとよいですね。

 
 
 

一橋大学の配点と目標点数

つづいて、一橋大学の配点と目標点数について確認していきましょう。学部によって大きく目標点・配点ともに異なるため、今回は「商学部」「社会学部」を例にとって見てみます。

一橋大学の科目・配点

商学部

共通テスト 250点*
外国語(個別) 250点
国語(個別) 125点
数学(個別) 250点
社会(個別) 125点

経済学部は共通テストについては「外国語・国語・数学1A2B・理科基礎2科目or基礎なし1科目・社会2科目(世界史B・日本史B・地理B・倫理政経から)」の900点満点で、国語200・英語200・数学200・社会200・理科100をそれぞれ50点に圧縮します。相対的に理科基礎の配点率が高くなることになりますね。注意すべきなのはやはり数学の配点でしょう。英語と同じ配点があるため要注意です。

 

社会学部

共通テスト 180点*
外国語(個別) 280点
国語(個別) 180点
数学(個別) 130点
社会(個別) 230点

社会学部も共通テストの科目は同じですが、配点が大きく異なります。国語・英語・数学・社会は200点→20点に圧縮されますが、理科基礎は100点のまま圧縮されません。つまり、数学の全体での配点(20+130=150点)と50点しか変わらないわけですね。他の学部に比べて全科目のバランスが良い配点になっている分、多少数学が苦手でも戦えないことはないのが社会学部です。

 
 
 

目標点数

一橋大学では2段階選抜を導入していますので、例年の2段階選抜ラインも踏まえて考えていきます。

ここでは代表としてあげた学部の「2段階選抜」「合格点」の目安を見ていきましょう。

 

合格最低点と平均点

ここでも商学部・社会学部の点数を見ていきましょう。

 

商学部の合格最低点
  • 2020年度:551/1000点(55.1%)
  • 2019年度:581/1000点(58.1%)

1段階選抜のラインは2019年で659/900点、2020年は実施されませんでした。

社会学部の合格最低点
  • 2020年度:569/1000点(56.9%)
  • 2019年度:587/1000点(58.7%)

1段階選抜のラインは2020年で651/900点、2019年で667/900点となっています。

 

参考:入試データ(志願・選抜状況、合格点等)

他の学部についても大きくは変わりませんが、必ず大学公式の点数をチェックしておくようにしましょう。

いずれの学部でも、1段階選抜(いわゆる足切り)は650点前後で、700点を超えていればまず安泰でしょう。共通テストはどんなに失敗しても8割は切らないということを念頭に置いておきましょう。

 
 

目標点の例(商学部の例):640/1000点

商学部の場合は合格最低点が550〜580点程度で推移しているため、大体1割増しの640〜650点程度を目標にしておきたいところです。共通テストで確実に8割(できれば85%以上)を狙い、それ以外の難易度の高い個別試験で取るべきところを取っていく戦略になります。

共通テスト 210/250点
外国語(個別) 150/250点
国語(個別) 60/125点
数学(個別) 140/250点
社会(個別) 80/125点

数学の得意・不得意によって目標点数のバランスは決定すべきですが、今回示した140点からどんなに下がっても120点程度までにとどめておきたいところです。というのも、国語など点数を安定させにくい科目や、英語の英作文・リスニングなど大きく失点してしまいがちな難易度の高い問題があるからで、どの科目も高得点を狙いづらい以上数学がどれだけ苦手でも最低で半分程度は点を取りたい、ということになります。もちろんよほど英語が得意で満点近く取れる、などであれば話は別ですが、そうでない限り数学も部分点を含めてしっかり確保できるようにすべきです。

 

目標点の例(社会学部の例):640/1000点

社会学部の場合も同様に合格最低点が560〜590点程度で推移しているため、大体1割増しの640〜650点程度を目標にしておきたいところです。

共通テスト 160/180点
外国語(個別) 180/280点
国語(個別) 80/180点
数学(個別) 50/130点
社会(個別) 170/230点

社会学部の配点の妙で、共通テストは「理科基礎」で絶対に失敗しないようにしたいところです。各科目85%が取れたとしても理科基礎が50/100点なら得点は118/180点になってしまいます。一方で共通テスト全科目8割でも、理科基礎が満点であれば164/180点が取れるようになります。今回も理科基礎は9割近く狙ってとってほしいというところで高めの目標点設定にしています。その分数学は商学部・経済学部ほどガチガチに固めなくても良くなるというわけです。

 
 

一橋大学・科目別の勉強法と問題攻略

最後に、科目別の勉強方針を軽くまとめておきましょう。

時系列・やるべき科目と対策

社会学部以外は数学の配点が高いため、ここの取りこぼしがないように進めていくことになります。高1・高2から英語と数学を再優先で進め、高3に入る前の「共通テスト同日」あたりでは英語・国語は8割近くを狙えるようにしたいところです。せめて、時間を気にせず解けば8割位は解けるようにしたいので、それをイメージした学習をすすめることになります。

あわせて、一橋大の場合社会の論述問題等が癖のある問題のため、社会も高3の夏前までにはきちんと全範囲を固めて単語まできちんと覚えておきたいところです。ここまで考えると1年ちょっとではなかなか点数をあげにくいため、なるべく早めの対策スタートが何より鍵になるでしょう

 

英語

一橋大学の英語は長文2題、自由英作文に加え、リスニングが実施されます。リスニングは東大レベル(場合によってはそれ以上)なので、他大学を受けるよりも早めに対策をスタートさせなければいけません。長文でも面倒な和訳問題が多くの割合を占めるため、高2のうちにはある程度の単語・文法は覚えきった状態、かつ共通テストレベルまでは長文演習をした状態にしておきたいです。ここから3年で英作文、リスニング、和訳と一橋レベルの長文まであげていくという「志望校特化」の対策を積み上げていくことで点数が取れるようになってきます。

英作文は「3つから1つ選んで答える」という形式ですが、練習の際はすべての問題を解いて演習教材にしましょう。

 

数学

一橋大学の数学は記述問題5問です。これを120分で解かなければいけないため、1問あたり24分の厳しい時間制限となります。一見解きづらい難問も含まれているため、最初に全体を俯瞰した上で、完答すべき問題・部分点を狙う問題・捨てる問題を選ぶようにしましょう。1問くらい全く手がついていない問題があっても、2問完答・2問部分点で十分合格のための最低ラインは突破できます。

このラインをクリアするには、共通テストレベルは満点近くを取れるようになることが必須条件。高3にはレベルをどんどん上げて問題を解けるように、高2までに1A2Bの全範囲の共通テストレベルまでは完璧にしておきたいところですね。

 

国語

一橋大の国語は現代文・古文が中心となります。ただ、古文は明治時代など近代のものがほとんどで、いわゆる「近代文語文」と言われるものです。そのため、二次試験レベルの古文の力というよりも、文語で書かれた文章に読み慣れておくことのほうが重要になります。あくまで共通テストレベルまでの古文・漢文の知識と演習を重ねたあとで、専用の問題集や過去問を活用していきましょう。

記述式問題がほとんどのため、点数を安定させるのは難しいです。高得点を狙いに行くというより、最低限の点数を下回らないようにするという戦略をとりましょう。

 
 

世界史・日本史

個別試験の社会は世界史・日本史・地理・倫理政経からの選択です。日本史・世界史はほとんど論述問題で、日本史は史料内の下線部をもとに問題を解く形になっています。いずれもほとんどが論述での説明問題で、まれに単語を答える問題があるという形です。一問一答にももちろん取り組んでほしいですが、重点を置くのは論述対策となります。まれに癖の強い地域史などが出題されるため、確実に取れるところを取ることが最重要。そのためにも、日本史世界史いずれにせよ、早めに過去問に取り掛かって様々なテーマを固められるように高3の夏前には全範囲の履修、できれば単語の把握まできちんとしておきたいところです。

 
 

地理・倫理政経

地理・倫理政経は選択する人も少ないためあまり二次試験でつかうのはおすすめしませんが、それでも勉強するのであればこれも夏休みにはセンター試験をフル活用して8割以上安定して取れる状態にしたいところです。これを踏まえて論述問題を秋以降対策していくことになります。過去問も早くから活用することで対応していきましょう。

 

 
 

まとめ

一橋大学は学部ごとの配点の差が大きく影響する入試です。数学が重要なのかによって勉強の方針も変わりますので、しっかり調べた上で普段の学習に臨むようにしましょう。

 
 

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それでは!

 
 
 
 

ライター:橋本拓磨

東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。

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