今回お話を聞かせてくれたのは、関西にある中高一貫のK高校に通っていたDさんです!住み慣れた地元を離れ、高い目標のために県外の学校へと進学した志の高い彼は、一体どのようにして大変な受験を乗り越えていったのでしょうか?
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- 名前
- Dさん
- 大学・科類
- 東京大学理科3類
- 出身高校
- K高校
- 高校偏差値
- 不明
- 塾
- 通塾あり
今は1年生なんですね。オンラインでやっていると思うんですが、課題とかは落ち着きましたか?
まだちょっとレポートが残っているんですけど、期限内には終わりそうかなって感じです。夏休みまではかなりきつかったですね。最近では隔週で忙しくなる感じです。今年はオンラインメインという点で評価が難しいので、課題が多いって聞きます。今は四国の実家からオンラインで授業を受けてますね。
では今は実家でひたすら授業を受けて課題をやって、っていう感じなんですね。夏休みには何をやる予定ですか?
自分の趣味とかに費やそうかなって感じですね。一応アメフト部には入ってますけど、やっぱり大学に行かないと活動はできないので。バイトも社会経験を積みたいので、落ち着いたら考えようかなあという感じですね。
「どんなことでも勝ちたい!」という気持ちで東大受験に挑む!
鉄緑会に通っていたんですね。中学から通っていましたか?
英語だけ中学から通ってました。他の科目は高校から通い始めしたね。他の塾と同じように、自分が受ける科目を自由に選択することはできたので。カリキュラムも中学からのカリキュラムと、高校からのカリキュラムで実行していました。
そうなると、東大に行くというのも結構早くに決めていたんですか?
いや、高2までは京大医学部志望だったんです。でも高3になってから東大の理IIIに変更しました。
ちなみにどうして医学系を目指そうと思ったんですか?
両親が医者というのが大きかったですね。医者としての姿をずっと見てきたので、自分もその道に行きたいなという気持ちが続いている感じです。今は感染症とかの問題もあるので、結構ピリピリしているようですね……。
やっぱりそうなんですね。では、どうして京都大学医学部から直前に志望校を東大に変えたんでしょうか?
高2の時に、鉄緑会でクラス分けの校内模試があるんです。SA・A1・A2・A3・Bっていう5種類に分かれるんですけど、その最後の模試に失敗してBに落ちちゃったんですよ。それが悔しくて、反骨精神で志望校をトップである東大に変えたのがきっかけです。特定の誰かに勝ちたいというよりも、自分よりも成績の良い人に負けたくないという気持ちがありましたね。その模試一発でクラスが変わるので。
もともと負けず嫌いなんですか?
そうですね、負けたくないっていう気持ちは人一倍強いです。
もともと京大を目指していたっていうのはどうしてなんですか?
近いというのもあるし、研究もしたいと思っていたので、その方面に強い京大が良いなと考えてました。あと、正直「さすがに東大の理IIIは厳しいかな」って思っていたのもあります。1回京大模試で全国3位を取ったことあるんですけど、東大模試では1回しかA判定を取れなかったので……。問題の形式も京大の方が得意だったので、そういった意味でもレベルの差は感じてました。
なるほど。京都大学の方が記述量は多めですよね?
そうですね、記述多めでゆっくり考えさせるような問題が多いです。東大はカツカツでゴリゴリ解くような問題ですね。勉強だけでなく、部活とかゲームでもどんなことでも「やるからには上に行きたい!」という気持ちはあります!
その性格もかなり受験には影響しているみたいですね。それはいつ頃からですか?
中3で柔道部に入った時にこういう負けず嫌いの性格になったと思います。それまでは化学部だったんですけど「運動したいな」と思ったんですよね。そのタイミングで先生に柔道部に誘われたのがきっかけです。
なるほど!僕が塾をやっているのも、自分の目標や競う相手がいて、それに立ち向かう中で成功体験を積み自信をつけてもらいたいという思いがあるので、そういう経験にはすごく共感しますね。
短期間で勉強の習慣化を行い、大量の課題をこなす!
実際に進学したのは県外にある中高一貫校のK高校ですけど、そこにはどうして進学しようと思ったんですか?
四国に住んで「四国にいては良い大学には行けないな」ということを感じたんです。やっぱりあんまり受験に関しては発達していないので、勉強できる学校も限られるんですよね。なので、中学受験を考え県外のK高校のオープンキャンパスに行き体験授業を受けたんです。その時に「この学校に通いたいな」と思い受験することに決めました。寮は無いので、逆単身赴任みたいな感じで、父親だけ四国に残り僕と母親で県外に行きました。
では受験勉強に関しては、そのK高校の授業や鉄緑会での勉強が役立ったという感じでしょうか?
そうです、良質な授業も聞きながら演習を積んでっていう感じですね。中学校まではしっかり課題を提出させられるんですけど、高校に入ってからは結構自由な感じでした。そうなるとやらない人は一定数いますね。でも課題をこなせない生徒は他と比べると少し成績が下がりますね。
鉄緑会もかなり課題が山盛りだと思うんですけど、その辺りはどうやってやりくりしていたんですか?
正直、やりくりをどうするっていうよりも「勉強するしかない」っていう状況でした。なので「この曜日にはこれをやる!」っていうルーティンを作ってしまい、いかに早く慣れるかがポイントかなと思います。これでだいたい2〜3週間勉強すれば慣れましたね。
その習慣化の中で特に意識していたことはありましたか?
普段はあまり計画とかは立てないんですが、はじめの期間に関しては1週間単位で「どの曜日でどの科目を勉強するか」っていうことを決めていました。それで厳しければ翌週は少しペースを変えてみるという感じです。こういう試行錯誤を繰り返すことで2〜3週間で勉強できるようになっていましたね。
なるほど、色々とパターンを試してみるのは大切ですね。一番最初の計画を立てる時にはどういうことを意識しながら決めているんですか?
課題量を見ていますね。僕は数学が弱いので、できるだけ余裕のある日にたくさん取り組んで、他の科目はちょっとずつ埋めて調整するという感じです。
では鉄緑会と学校の課題以外で何か勉強はしていましたか?
塾は他にも、東進と地元の進学塾、あと駿台にも通っていたのでその課題にも取り組んでいましたね。科目ごとに一番良さそうな塾に通っていたので、鉄緑会では化学を習わずにそれは地元の進学塾で勉強したりしていました。東進は物理の苑田先生の授業がとても良かったので高1から通って基礎を固めて、駿台は「エクストラ数学」っていう講座で難しい問題の演習を繰り返していましたね。
そういう科目ごとの取捨選択ってどうやっていましたか?
まず友人に聞いてみるのが良いですね。「この塾のこの先生が良いよ」っていうのが聞けるし、ネットでも評判を検索できるので。他にも友人に「勉強教えてくれ」っていう会話とかもしてました。そういう友人がいたのでライバルとしてモチベーションになってましたね。やっぱり勉強ができる人が集まっているので、彼らに勝ちたいっていう意識が強かったです。
では過去問の情報とか受け方は学校が手厚くサポートしてくれたんですか?
先生によりますね。東大受験の際の注意点を熱心に解説してくれる先生もいれば、問題を解説するだけで終わりの先生もいました。全体としてはそこまで手厚くは無いですね。鉄緑会では普段の勉強の解き方はもちろん、東大対策もかなりがっつりやっていました。特に東大講習という講習ではそういう東大メインの話をしていましたね。
直前期に振るわなくても、それをバネに努力していく!
模試の成績も教えていただいたんですけど、夏の方が良かった感じですよね?
そうですね、実戦模試がB→Dに下がり、オープン模試もA→Cになっていたので秋は壊滅的でした(笑)。これはちょっときついかなと思いましたね。
でもこれでも東大は最後まで目指されたわけですよね。その時はどうやって気持ちを切り替えたんですか?
夏の模試で理科があまりできていなかったので、秋の模試までは理科の強化に時間を使ったんです。でもその結果、今度は英語と数学にあまり時間を使えなかった上に理科もあまり成績を伸ばせていないっていう状況になってしまいこの結果になりました。でもこういう風に成績が下がった原因はしっかりわかっていたので、冷静になってそれに取り組むっていうことはできましたね。とはいえ、最後にDが出たのは多少引きずっちゃいました。でもこの悔しさを基に勉強に取り組むことができたので、モチベーションとしては良かったと思います。負けず嫌いの性格が出ましたね。それに実は、センター直前までは「東大を目指しておけば京大には受けるだろう」っていう気持ちもありました。
それは結構意外ですね。やっぱり現役のこだわりはありましたか?
そうですね、浪人はしたくないと思っていました。
なるほど。それで結果的にセンターで860点とかは取っていますもんね。本番はあまり緊張はしませんでしたか?
センターは緊張しましたね。特に国語は一問の配点が大きいので、それが頭の中にずっとありました。でも緊張にはそこまで弱くはないかなと思っているので、対処するというよりかはそのまま進んでましたね。二次はそこまで緊張しませんでした。
やっぱり一番大変だったのは、秋模試〜センターまでっていう感じですか?
そうですね、苦難の連続っていう感じです。センターまでは模試がないので、実力を確認できないっていうのが大変でした。一応過去問では合格最低点を切ったことはないのですが、不安は不安ですね。特に数学は苦手意識が強かったので、高3では一番力を入れていました。
そういうネックになる科目を克服した方法ってありましたか?
解法へのアプローチを考えるっていうのが効果的でした。「どうしてこの解法になるのか?」っていうのを言語化して理解することで次に繋げられましたね。これの演習のために過去問だけでなく鉄緑会の問題集もやっていました。
アンケートに書いてくれましたが、辛い時はその気持ちを勉強に繋げるということをやっていたんですよね。そういう風にその気持ちをそのまま勉強に繋げられる人は強いと思うんですけど、それができない場合ってどうすれば良いと思いますか?
完全に萎えちゃった場合は寝てしまってもいいと思います。結局勉強するしかないので、切り替えるために期間を取ってその後から頑張ればいいかなと。
なるほど。では最後にこれから受験する方に向けてメッセージがあればお願いします!
ごちゃごちゃ悩まずにとにかく勉強しよう!ってことですね。
それは間違いないですね。細い環境の話とかモチベーションの話など非常に参考になりました。ありがとうございました!
自分なりのモチベーションで東大受験に挑もう!
今回の方は、どんな困難な状況もモチベーションに変えていける非常に精神力の強い方でした。実際、このようにダメだった悔しさをバネにして受験勉強に取り組めるというのが大きな強みになるでしょう。
もちろんモチベーションの維持方法は、人それぞれ変わります。全員が困難な状況を上手に塗り替えれるわけではありません。だからこそ自分なりのモチベーション維持の方法を探り、大変なことも多い受験勉強を上手に乗り越えていきましょう!