2025年度の共通テストから実施される「情報I」。浪人を考えている方の中には「浪人の自分も情報の勉強をしないといけないの?」「移行措置ってないの?」と不安を抱えている方もいらっしゃると思います。今回はそんな「旧課程を履修してきた浪人生」に向けて、情報科目についての疑問を解決していければと思います。
- 共通テスト「情報I」については2024年段階で試作問題のみ公開されています。参考書等も限られているため、新しい参考書が出版されたり、実際に入試が実施されたりするごとに記事を更新いたします。「記事更新日時点」での情報を掲載していますので、最新の情報に随時ご注意ください。
共通テストの「情報I」は浪人生も勉強が必要!
2025年度入学の入試から新しい学習指導要領に沿った入試になり、大学入学共通テストで「情報」教科が出題されるようになります。
科目「情報I」が共通テストで100点ぶん出題され、ほとんどの国公立大学で入試の配点に加わることになります。
浪人生でも「情報」は免除にならない
「浪人する自分は旧課程で情報の勉強なんてしてないし、使わないで受験することもできるのかな?」と思っている方もいるかもしれませんが、旧課程を履修した人でも「情報」教科の受験は必要であることに注意が必要です。
旧課程でも、高1や高2の頃に「情報」の授業があったことを覚えていないでしょうか?
コンピュータを使ったデータの活用の仕方や、表計算ソフトを使った計算などをした覚えがある人もいるかもしれません。
学習指導要領上は旧課程でも「情報」という教科を履修しているので、入試でも免除になることはなく、情報の試験も対策したうえで受験しなければいけないということになります。
浪人生のために「移行措置」問題が準備される
古い学習指導要領でも「情報」教科は履修していますが、新しい学習指導要領と比べて狭い範囲しか授業を実施していないということがほとんどです。
旧課程では「社会と情報」「情報の科学」のどちらかが必修という形になっていましたが、新課程ではこの内容を編集し直して「情報I」「情報II」という科目に変更になっています。
今回共通テストで新たに出題されるのは「情報I」なのですが、旧課程の「社会と情報」「情報の科学」を合わせて幅広く習う内容になるため、旧課程の学習内容を仮に覚えていたとしても「情報I」すべてを解くことはできなくなります。
旧課程 | 新課程 |
---|---|
「社会と情報」 「情報の科学」 |
「情報I」「情報II」 |
これに対応するため、2025年度入試に限り、旧課程での受験生は「社会と情報」「情報の科学」の2つの範囲から問題を選択できるような移行措置がなされます。一部「情報I」と共通の問題ですが、いくつかの問題は「社会と情報」「情報の科学」のいずれかを選択して解く形になるので、どちらかしか履修していない旧課程学習者でも対策できることになります。
共通テスト「情報I」、浪人生は移行措置問題を選ぶべき?
とはいえ、
という人のほうが多いのではないでしょうか。
「どうせ覚えていないんだし、新課程の問題を解いても、旧課程の問題を解いても同じなのでは?」と思っている人もいるかもしれません。
ここからはそんな方に向けて「新課程と旧課程のどちらを対策すべきか?」についてお伝えしていきます。
浪人生でも新課程の「情報I」を選べる
もちろん、浪人生でも旧課程だけではなく「新課程」の科目を選ぶことが可能です。浪人生だから旧課程を選ばなければいけない、ということはないですし、「社会と数学は旧課程の問題を解くけど、情報は新課程の問題を解こう」といったバラバラの組み合わせも可能になります。
そのため、情報教科に限らず「社会」「数学」についてもですが、新課程・旧課程どちらの問題を解くか決めておく必要があるということです。
新課程の「情報I」を選ぶほうが勉強しやすい?
新課程・旧課程いずれも選択できる、ということを考えると、浪人生でも「新課程」の情報教科を選ぶほうが対策しやすいという可能性が高いです。
情報教科自体、あまり時間をかけて対策したことがない科目なはずで、新課程の内容にしろ旧課程の内容にしろ初めて勉強することには変わりありません。その一方で、市販される共通テスト向けの教材は新課程の「情報I」に合わせたものがほとんどなので、対策のしやすさでいえば現役生に合わせた新課程の情報教科のほうが高いということになります。
このような理由から、基本的には新課程の「情報I」の選択をおすすめします。
旧課程の「情報I」を選んだほうがいいパターン
ただ、旧課程とはいっても、半分以上の問題は新課程の問題と共通になっているので、対策自体がものすごく大きく変わるわけではありません。
その上、出題範囲で言えば微妙に旧課程のほうが狭いのも事実です。
たとえば選択問題になっている「プログラミング系の思考が問われる問題」や、旧課程では出題範囲から除外されている「データの分析・活用」の問題などを解かないために、あえて旧課程の問題を解くという選択肢もあります。
プログラミング、数学的思考に苦手意識がある場合は「旧課程」を選択するのも有効な選択肢かもしれません。
共通テスト「情報I」の勉強法を確認!
ここまでで浪人生向けの「情報」科目の選び方をお伝えしましたので、最後に簡単に情報教科の勉強法を整理しておきましょう。
現役生より早めに対策を始めておきたい
浪人生の場合「共通テストで失敗できない」という人も増えるのではないかと思います。
その上、情報教科はほかの科目と比べても勉強の積み重ねが浅いため、いちばんの不安要素になってしまいます。
もちろん他の配点が高い科目が仕上がっていないのであれば、それらの科目が優先になりますが、現役時に一通り共通テスト対策もしているという場合は、情報の勉強を4〜5月くらいにはスタートしておきたいところです。
「情報I」を早く始めるならインプットから!
情報の勉強は他の理科や社会の勉強と同じく、映像授業や参考書でインプット→問題演習という流れで取り組むことになります。とくに勉強をスタートしたい4月から5月のうちは、まだ情報教科の参考書も出揃っていない可能性が高いため、「スタディサプリ」の映像授業等を使って取り組むのがおすすめです。
高1・高2向けの「ベーシックレベル情報I」は、全9講、約15時間ほどの授業で全範囲を網羅することができるため、基本的な内容だけ確認しておきたい、という人にはおすすめです。
勉強法のポイントとしては、動画を見て必ず問題に取り組むことと、わからないところで悩みすぎないことです。あくまで基本のインプットなので、悩んで先に進まないよりも「とりあえず終わらせる」という意識が重要です。
勉強法としては次のような手順になります。
- Step1
- テキストを印刷して講義を視聴する
- Step2
- 問題に取り組む
- Step3
- 間違えた部分の動画を再度視聴する
問題演習の参考書はまだ少ない
2024年前半時点で出版されている参考書はほとんどが基本のインプット向けで、共通テスト形式に合わせた問題集はほとんどありません。おそらく6月ごろから出版されるようになるため、それを待って購入するのがおすすめです。
より詳しい情報科目の対策や、具体的な勉強法については以下の記事も参考にして勉強を進めてみてください。
まとめ
今回は共通テスト「情報I」について、浪人生の学習のポイントをお伝えしました。
- 浪人生も「情報」の勉強が必要
- 浪人生も新たに「情報」の勉強が必要になるので、早めに勉強を始めておこう
- 浪人生でも「新課程」を選べるが、新・旧共通問題がほとんど
- 教材が少ないので新課程入試をそのまま受験することも可能、数学・プログラミングが苦手なら旧課程でも
大前提として情報の配点が高くなる大学は多くないですが、浪人生であれば失敗は避けたいところですよね。
5月くらいから早めにインプットを始めて、得点を安定させられるように調整してみてください。
学習塾STRUXでも、もちろん情報科目の対策、他の科目とのバランスについて計画を立てて指導しているので、気になる方はぜひ活用してみてください!