慶應義塾大学総合政策学部傾向と対策

私立大学の難関校の一つ、慶應義塾大学を取り上げます。今回の記事では「SFC」と呼ばれる慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスにある学部、総合政策学部の入試対策に焦点を当てます。

2025年度入学入試から、学習指導要領の変更により、一部大学で配点・科目の変更などが予定されています。順次記事を更新しておりますが、この記事は変更前のものとなりますので、配点等は必ず大学公式HPを参照してください。

Part.1 総合政策学部の試験・出願情報

慶應義塾大学総合政策学部の入試では、「小論文」が特徴的と言えます。形式も少し特殊なため、大学のホームページなど、情報をこまめにチェックしましょう。

試験日・入試形態・出願について

一般選抜
期日 2月17日
共通テスト 不要
科目 独自試験:小論文・選択科目
選択科目は、数学または情報・外国語・数学および外国語から選択

慶應義塾大学総合政策学部の一般選抜では共通テストの受験は不要となっています。独自試験では小論文と選択科目を受験しますが、選択できる科目は様々で、数学または情報・外国語・数学および外国語の3つがあります。

選択科目の出題範囲をお伝えします。数学ⅠAⅡB・確率分布、情報の範囲は「社会と情報」「情報の科学」、外国語は「英語」「英語+ドイツ語」「英語+フランス語」から選択します。

理系または国立志望で数学が得意な場合は数学、文系の場合は英語での受験がおすすめです。

Part.2 総合政策学部の配点と目標点

慶應義塾大学総合政策学部の配点と目標点は以下の通りです。

配点・科目

配点・科目
小論文 200点
数学/情報/外国語/数学及び外国語 200点

小論文と選択科目の点数配分が等しく、小論文対策を怠ることはできません。

目標点数

例年の得点状況はこのようになっています。

例年の合格最低点
2020年度:246/400点(61.5%)
2019年度:261/400点(65.3%)

参考: 2020年度一般選抜得点状況パスナビ

目標点の例
280点
小論文:130/200点
選択科目:150/200点

小論文が安定しにくい科目であることを踏まえると、目標点は合格最低点+10%が良いでしょう。科目間調整はあるものの、小論文の影響も考えられるため、合格最低点より高い点数を目指しましょう。選択科目である程度の点数を確保できることが欠かせません。

模試一覧
5月 河合全統マーク模試
9月 河合全統マーク模試
10月 河合センタープレ
駿台センタープレ
11月 河合早慶オープン

併願校・志望変更

総合政策学部の場合、受験科目が少ないため併願校に注意しましょう。慶應義塾大学総合政策学部以外の学部・他大学の場合、科目数が増えることが予測されます。

慶應内の併願
環境情報学部・法学部・商学部・経済学部

総合政策学部と同じ科目数で受験可能なのは同じ慶應義塾大学の環境情報学部。他にも、慶應の文系学部はほぼ小論文があるため、自分の興味に近い学部を受験するのが良いでしょう。ただ数学または社会が追加で受験科目となる場合が多いので、必要となる勉強に注意しましょう。

総合政策学部系他大学の併願
明治大学・青山学院大学

他大学には、明治の政治経済学部、青山学院の総合文化政策学部などがあります。青学の特徴として、共通テスト利用や独自試験など入試の形式が多様なことが挙げられます。そのため青学でも個別試験は小論文のような内容の総合試験が課される学部を受験し、他の科目は共通テストで補う、といった使い方も可能。自分に合う入試形式を選びましょう。

慶應義塾大学の受験相談事例集

STRUX受験相談

ストマガ監修者の塾長に相談に来た受験生の「志望校までの年間計画」や「参考書リスト」の超具体的な事例を公開しています。

 慶應義塾大学の受験相談事例集

Part.3 科目別の勉強法と攻略法

ここからは慶應総合政策学部入試の具体的な勉強法をみていきます。各科目で注意したいポイントだけでなく、レベル別におすすめな参考書や過去の入試傾向など詳しい内容がリンク先にあるので、自分に必要な情報をチェックしてみてくださいね。

やるべき科目と対策

基本的には英語または数学を選ぶべきでしょう。

入試のカギを握るのが小論文です。勉強を始めてすぐ点数が上がりにくい一方、対策しないと悲惨な点数になる難しさがありますが、対策をすれば一定の点数が取れるので遅くとも高3の夏前、7月頃から始めましょう。文章を書くのが苦手、構成を整理して書くのが苦手な人は5〜6月に取り掛かることをおすすめします。それゆえ、選択科目には小論文より早くから取り組む必要があります。

併願校対策で古文・漢文が必要な場合、夏以降も対策に時間を使う上、社会も直前期に叩き上げたいので、英語は高3の7月にはセンター試験・共通テストレベルを時間さえ気にしなければ満点が取れるレベルにしましょう。そのため、高2のうちに基礎を完全に固め、高3の前半に読解を仕上げるつもりで取り組むのがおすすめです。

英語

例年の構成は大問3つで、全て長文です。長文の長さは段落4つほどですが、内容一致問題と空所補充問題の出題に加え、テーマが難解な場合があるので入念な対策が欠かせません。解く際、どのテーマから解くべきか、解きやすいものはどれか確認しましょう。

そのほかは基本的に、一般的な長文読解対策をしましょう。単語レベルはそこまで難しくないので、基本からきちんと確認していけば高得点も狙えます。時間内に解ける練習も欠かせません。

小論文

「文章の読み方」や「資料の捉え方」も問題にされることがあります。他学部の場合、文章を読んだ上でその要約と自分の意見という設問が多い印象ですが、総合政策学部の小論文は一歩踏み込んで答えなければならないという特徴がみられます。特殊な出題がみられる年もあるので、入念な対策をしましょう。

SFCの小論文は1つのテーマで4〜5題出題されます。この対策には過去問対策はもちろん、早めから小論文形式に慣れ、日本語能力を養うこと、またその中で批判的思考・論理的思考を養いましょう。余裕があれば、政策系のテーマなどの頻出範囲を軽く触れておくとさらに解きやすくなります。

数学

数学はすべてマーク式問題で、数Bの「確率統計」も出題されるため、勉強すべき範囲が広いです。一般的な入試問題の数学と比べ、数と式・式と計算の分野や三角関数の分野の根本的な理解を問う問題が多く、解きづらい部分があります。問題の難易度がものすごく高いわけではないですが、幅広い対策が欠かせません。あくまで数ⅡBまでの出題なので、高2までの授業でしっかり数学1A2Bの基本レベルは完璧にしておきましょう。