悩み「英検CBTって何?」「英検と何が違うの?」「英検CBTのメリットって何?」「CSEとCEFRがイマイチわからない…」といった悩みをお持ちではないですか?
この記事を読むと「英検CBTの特性を十分に理解することができ、自分に必要なのか必要ではないのかを判断できる」ようになります。さらに「CSEとCEFRの仕組み」もスッキリ理解できます!
ぜひ最後までご覧ください!
英検CBTとは?
英語学習を進めていく中で「英検CBT」という言葉を一度は耳にしたことはあると思います。「CBTって何?知らないから受けない」と決めつけてしまっていませんか?
実は、そんなあなたはせっかくのチャンスを逃している可能性があります。一緒にひとつひとつ見ていきましょう。
英検「CBT」とは「Computer Based Testing(コンピューターベースのテスト)」の略称です。文字通り、パソコン上で受験できる英検の事を指します。
紙ベースの英検と同様に、こちらも公益財団法人日本英語検定協会が正式に運営しています。
しかし、紙ベースの従来のテストとは違って、「4技能を1日で受験」のような様々な特徴がありますので、以下では特徴を詳しく紹介していきます!
英検CBTってどんなテスト?【1日で4技能受験可能】
紙ベースの通常の英検は1次試験合否発表の1カ月後に、合格者のみ2次試験のスピーキングを受験できます。つまり、1次試験に合格しないと4技能全ての実力は測れません。
しかし「英検CBT」は、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング全て1日で受験可能です。結果の有無に関わらず4技能全ての実力が測れます。
具体的にどのような流れで受験することになるのか説明しましょう。
受験当日の流れ
- 受付
- 試験室へ入室
- スピーキングテスト(15分)
- ライティング+リーディングテスト※1
- リスニングテスト(25分)※2
※1
級によって異なります。準1級(90分)2級(85分)準2級(75分)3級(50分)です。
※2
2〜3級は25分ですが、準1級のみ30分です。
従来の試験とは違ってスピーキングから試験が始まるのは特徴的です。
スピーキングテストではヘッドホンをしてパソコンに話しかけることになりますが、一斉に他の受験者も話し始めるため、他の受験生に圧倒されないように自分のテストに集中する事が大切になります。
以下のリンクは実際のスピーキングテストの様子がまとめられた動画です。
https://youtu.be/TBlG87dkWIk ※英検公式ホームページより引用
ライティングとリーディングのテストではパソコンの画面に問題が表示され、右上に試験の残り時間が表示されます。時間内であれば、前の問題に戻って何度も訂正することができます。
ライティングテストは、パソコンに付いているキーボードを使って入力します。以下のリンクは実際のライティングテストの様子がまとめられた動画です。
https://youtu.be/4_x6DO7XXOk ※英検公式ホームページより引用
リスニングテストでは1問ごとに音声が再生され、そのあとに10秒の解答時間があります。そして自動的に次の問題に切り替わります。以下のリンクは実際のリスニングテストの様子がまとめられた動画です。
https://youtu.be/jK3c9-JpwX4 ※英検公式ホームページより引用
ライティングとリーディングのテストと異なり、リスニングテストでは残り時間は表示されません。また、前の問題に戻って解答の訂正をすることもできません。以下のリンクは実際のリーディングテストの様子がまとめられた動画です。
https://youtu.be/CFcdmVCwimc ※英検公式ホームページより引用
英検CBTの検定料と従来の英検の検定料を比較
英検CBTは従来の紙ベースの英検と比較すると「受験料が安い」ことが特徴です。
どのくらい安いのでしょうか?比較したものがこちらになります。
※全て税込みです。また以下は全て2020年12月現在の受験料です。こちらは今後変更される可能性があるので、受験前はしっかりかとご自分で確認してください。
- 英検(紙ベース)
- 準1級 8400円
- 2級 7400円
- 準2級 6900円
- 3級 5900円
英検CBT
- 準1級 7400円(税込)
- 2級 6400円(税込)
- 準2級 5900円(税込)
- 3級 4900円(税込)
どの級も「1000円」安いことがわかりますね。この1000円で英検の単語帳や参考書を購入して学びを深めることもできます。
英検CBTのメリット・デメリット
「英検CBTを受験するべきなのかな…?」と迷っていませんか?
以下でメリットとデメリットについて詳しく説明していきますので、それぞれを比較して「受験するべきなのかどうか」を考えてみるといいでしょう。
メリット
英検CBTのメリットは以下の4個です。
- 受験のチャンスが年間6回に増える!
- 受験日候補が多い!
- 通常の英検と同じ問題構成で、通常と同じ1次試験免除・資格が手に入る!
- 申し込みから合否の発表まで全てWEB!
それぞれを詳しく説明しますね。
受験のチャンスが年間6回に増える!
紙ベースの通常の英検との併願が可能という特徴があります。
英検CBTは年に3回、そして通常の英検は年に3回あります。つまり両方受験すれば、合計6回のチャンスに増えます。
大学入試などで英検のスコアが必要になっている場合には、積極的に利用していきたいですね!
ちなみに英検CBTは各回4度ずつ実施されていますが、1つの級に対して1度のみの受験しか認められていないので要注意です。
第1回検定は4~7月、第2回検定は8~11月、第3回検定は12~3月に実施されます。
受験日候補が多い
英検CBTは受験候補日が多いです。例えば2020年第3回の英検CBTと従来の英検の受験候補日で比較してみましょう。
従来の英検は、本会場と準会場含めて12月から2月にかけて6つの日程があります。これに対し英検CBTは12月から3月にかけて毎週開催されています。
会場によって異なるので、こちらの英検公式サイトの「2020年度第3回」を参考にしてみてください。
https://www.eiken.or.jp/cbt/administration/#dayschedule
部活で忙しかったり、地方で受験会場に行くのに苦労する高校生にとって受験しやすくなっていますね。
通常の英検と同じ問題構成で通常と同じ1次試験免除・資格が手に入る!
英検CBTと英検の問題の構成は同じです。
英検CBTは上述の通り、受験自体は1日で行われますが通常の英検同様に1次試験と2次試験それぞれの合否判定が出されます。
リーディング・リスニング・ライティングの3技能のSCEスコアで1次試験の合否を出し、スピーキングのSCEスコアで2次試験の合否を出す形です。
SCEスコアについてはこの記事の後半に詳しく書いてありますので、最後までぜひチェックしてください!
1次試験に合格はしたけど、2次試験に不合格になってしまった場合は、次回の紙ベースの通常の英検で「1次試験免除」の権利が与えられます。
免除される期間は1年間です。
CBTで合格しても、通常の英検で合格しても資格は同じものが得られますので、安心して受験するといいでしょう。
申し込みから合否の発表まで全てWEB
申し込み・受験票発行・合否確認を全てWEBで行う事ができます。非常に便利なシステムなので忙しい受験生には有効的です。
デメリット
英検CBTのデメリットは以下の3個です。
- 受験可能な級が限られている
- キーボードタイピングが遅い人には不利
- 長時間モニターを見なければならない
それぞれを詳しく説明します。
受験可能な級が限られている
「英検CBT」は「3級、準2級、2級、準1級」のみしか実施されていません。
あなたが受験したい級が実施されているか確認してから申し込みましょう。
キーボードタイピングが遅い人には不利
全てタイピングで解答するため、慣れていない人は時間がかかってしまいます。
特にライティングでは数十語から百語程度の英文をタイピングで入力しなければなりません。最低限、時間に間に合うように練習する必要は出てくるでしょう。
長時間モニターを見なければならない
全ての試験をコンピューターで行うため、モニターに慣れていない人にとってストレスになります。
ほとんどの方が英検の勉強をコンピューター上ではなく、紙ベースの参考書や単語帳で学習しているはず。
そのため、試験本番のコンピューター上ではなかなか集中できなかったり、目が疲れてしまって後半にかけて正答率が下がっていくということもあり得ます。
英検CBTはこんな人におすすめ
以上のメリットとデメリットを考えると英検CBTはこんな人におすすめです。
- 大学受験に英検の資格が必要で受験回数を増やしたい!
- 4技能を1日で受験してすぐに自分の実力を知りたい!
- 通常の英検の開催日がなかなかスケジュールと合わない…
- 長時間モニターを見るのに慣れていてタイピングも苦手ではない!
あなたはどうでしょうか?
メリットが大きいという場合には受験を検討してみましょう!
英検CBTの勉強法を解説!
英検CBTはどのように勉強したら高得点が取れるのでしょうか?
形式は通常の英検と変わらないので、基本的には通常の英検と同じ勉強法で大丈夫です。
こちらの記事で詳しく説明していますので、参考にして対策してみましょう!
ただし、タイピングやモニターを見ながらテストを受けるのは慣れていないことが多いでしょうから、次のような対策が有効です。
- パソコンで練習できる参考書を使って過去問・予想問題を解く
- ライティングの勉強はパソコンでタイピングする
パソコンで練習できる参考書を使って過去問・予想問題を解く
パソコンを普段使っていない人は急に「パソコンで解答してください」なんて言われたら困りますよね。そのために日頃から練習しておきましょう。
こちらは『7日間完成 英検2級 予想問題ドリル 5訂版 (旺文社英検書)』です。
オンラインマークシートで解答できる「自動採点サービス」、ライティング力を鍛える「英作文トレーニング」、CBT形式の「スピーキングテスト対策」が実際にできる3つのWEBの特典がついています。
この特典を活用して、試験本番までにパソコンで最低3回は繰り返して解くことがおすすめです。
ライティングの勉強はパソコンでタイピングする
英検の公式ホームページには「ライティングテストは、1分間に30文字を入力できるタイプスピードがあれば、タイピングによる解答に支障はありませんが、パソコンや機械操作が苦手な方はよくご検討の上お申し込みください。」と注意書きがあります。
一見できそうですが、試験本番の緊張状態で時間制限のある中、慣れていない人がタイピングをするのはかなりハードルの高いことです。
Wordなどの「文章を打つためのソフト」を使って練習するとタイプミス・文法ミスが表示されてしまうので、タイプミスや文法ミスが表示されないメモ帳などの機能を使って練習するのがおすすめです。
スペルチェック機能をオフにできるものであれば何でも構いませんが、本番ではスペルチェック機能はありませんので、パソコンの機能に頼らず勉強する必要性があります。
紙ベースのライティングの問題を時間を計りながらメモ帳などにタイピングしてみましょう。
英検2020 1 day S-CBTとは?
「英検2020 1 day S-CBT」とは「大学入試英語成績提供システム利用型の英検」です。「英検CBT」とは異なります。
大学入試で英検のスコアが必要ならこちらもしっかり理解しておくことが重要です。
英検2020 1 day S-CBTの特徴
CBTと同じ部分がほとんどですから、違いだけを説明していきます。
月1回の開催頻度!他の全形式と併願可能!
毎月開催していますが、受験できるのは年間に3回までです。さらに紙ベースの通常の英検と英検CBTとの併願可能なので年間合計9回受験するチャンスがあります。
また、受験日は原則土日なので授業や部活動の予定と合わせやすいという特徴もあります。
コンピューターと筆記の組み合わせで解答!
リーディング・リスニング・ライティングは全て解答用紙に記入する筆記タイプです。問題は全てコンピューター上に表示され、解答を紙に記入します。
スピーキングのみコンピューターでの解答になります。問題はコンピューター上に表示されて、画面に向かって話します。
英検CBTは英語力に加えてタイピング力も試されるため、タイピング力に自信の無い場合でも受験しやすいのは「英検2020 1 day S-CBT」です。
英検CBTと英検2020 1 day S-CBTの違いはタイピングの有無と簡単に考えて大丈夫です。
CSEとは
- CSEとは「common scale for English(英語の共通尺度)」の略称で、国際的な英語力の尺度を示したものです。
今まで英検は合格・不合格の評価のみでしたが、グローバル社会になった現代において国際基準で英語のスコアを表す必要性が出てきたのでCSEスコアが導入されました。
4技能ごとにスコアが算出されるため「自分の苦手分野は何なのか」が一目瞭然です。
大きなメリットとしては、英検の級を超えて英語力が判断できるということです。
また、英検以外にもCSEスコアを導入しているTEAPなどの他の試験とも比較することもできます。
英検の級別のCSEスコア
級のレベルが上がれば上がるほど、CSEスコアの満点も上がります。ひとつひとつ見ていきましょう。
- 1級 各850点
- 準1級 各750点
- 2級 各650点
- 準2級 各600点
- 3級 各550点
- 4級 各500点
- 5級 各425点
例えば、英検2級ではリーディング650点満点、リスニング650点満点、ライティング650点満点、スピーキング650点満点の合計2600点満点です。
各級によって合格のスコアも異なるため、受験前に確認しましょう。
CSEスコアではこのように、各技能ごとにスコアが出ますので、あなたの得意技能と苦手技能が非常に分かりやすく表現されます。
CSEスコアで高得点を取る方法
コツはただひとつです。「全ての技能でバランスの良い得点を取る」ということです。
2015年までは技能全体の得点でCSEスコアが出ていました。しかし、2016年からは技能ごとの得点のバランスで評価されることとなりました。
総合的な英語力が求められているのです。
具体的な例を見てみましょう。
こちらのグラフを見てください。同じ点数であったとしても、上の得点は技能ごとのバランスが不均等の為、2016年度以降は不合格となります。
※英検公式ホームページより引用
CEFRとは
CEFRとは「Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment(ヨーロッパ言語共通参照枠:学習、教育、評価)」の略称です。
先ほどのCSEスコアはCEFRと対応しているため、国際基準で自分の英語力を客観的に知ることができます。
また、CSEスコアと同様に多くの試験で導入されているため、他の英語の試験のスコアとも比較できます。
- TEAP
- TOEIC
- GTEC
- IELTS
- TOEFL
などなど様々です。知名度が高いこれらの試験で導入しているので、試験の枠を越えて英語力が判断できます。
CEFRにはA1〜C2の6つのレベルがあります。ひとつひとつ見ていきましょう。
- A1とA2レベル 基礎段階の言語使用者
- B1とB2レベル 自立した言語使用者
- C1とC2レベル 熟達した言語使用者
上記のレベルは試験によって測定可能な範囲が異なるので受験前に自分で確認してみましょう。
※英検公式ホームページより引用
英検CBTが使える大学は?
現在、多くの大学で英語検定を大学入試に導入しています。推薦・AO入試や一般入試など導入方法は様々です。
しっかりと自分の志望校では「何級」から認められてどのような「利用方法」があるのかを確認しましょう。
こちらの記事に詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください!
まとめ
ここまで、英検CBTについてと受験後に示されるスコアについて一緒にみてきました。英検CBTを受験することに「効率的に国際基準で自分の英語力を知ることができる」とご理解頂けたかと思います。
この記事とリンクの記事を参考にして自分に英検CBTが必要なのか必要でないのかを考えてみましょう。
この記事のまとめです。
英検CBTの特徴
- 1日で4技能受験可能
- 受験のチャンスが年間6回に増える
- 受験日候補が多い
- 通常の英検と同じ問題構成で通常と同じ1次試験免除・資格が手に入る
- 申し込みから合否の発表まで全てWEB
- 受験可能な級が限られている
- キーボードタイピングが遅い人には不利
- 長時間モニターを見なければならない
英検S-CBTとCBTの違い
- 英検S-CBTは月1回の開催頻度!原則土日の開催!
- 英検S-CBTはコンピューターと筆記の組み合わせで解答!
- 英検S-CBTはパソコン入力が苦手な人におすすめ
CSEスコアとは
- 「common scale for English(英語の共通尺度)」の略称
- 国際的な英語力の尺度を示したもの。
- 級のレベルが上がれば上がるほど、満点も上がる
- 高得点の秘訣は全ての技能ごとのバランス
CEFRとは
- 「Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment(ヨーロッパ言語共通参照枠:学習、教育、評価)」の略称
- CSEスコアと対応している
- 国際基準で自分の英語力を客観的に知ることができる
- A1〜C2の6つのレベルがある