こんばんは!
学習塾STRUX塾長で、ストマガを監修している、橋本拓磨です。
遅ばせながら、センター英語2020年第4問Bの解説を公開しています!ぜひ見てみてください!
前回の記事では、立教大学の入試変更についてお伝えしました!立教大学のように、入試内容や方式を大幅に変更する大学は他にもあるので、今回も見ていければと思います!
今回取り上げるのは、立教大学以上にレベルが高く、それでいて人気の「早稲田大学」。
早稲田大学も立教大学も、入試改革の流れを積極的に取り入れており、今回の共通テストへの変更などの流れに合わせ、記述式を増やしたり幅広い科目を見ることにしたりしています。今年の入試が終われば、サンプル問題等も出るのでなおのこと分析しやすくなるはずです。
定期的に情報を確認しておくようにしましょう!
それではさっそく、見ていきましょう。
立教大学についてはこちらから!
今回のピックアップ:早稲田大学の入試変更点
今回お話していくのは、早稲田大学の入試改革情報。立教大学以上にいろいろな変化があり、普段の対策にも大きく影響してくるので注意が必要です。
早稲田大学を受験する高2生以下は、こちらのページ(早稲田大学ホームページ)にすべてまとまっているので、気になる人はこちらを見てください。本記事で全ては解説できませんが、大幅に変わる部分はしっかり触れていきたいと思います。
そもそも早稲田大学では多くの学部で入試の狙い・方向性が変わります。「自分の学部では大丈夫だろう……」とおもわず、今のうちから必ず要項を見て、変更点を確認しておくようにしましょう。「気づかないうちに勉強していない科目が必要になっていた……」ということも十分ありえますよ!
そもそもどう変わるの?どの学部が変わるの?
まずは簡単に、どの学部が大幅に変わり、どの学部はあまり変わらないのか見ていきましょう。自分が志望している学部は特に!注意して見てください。
一般試験以外では少し変わるところもあるので、詳しくはやはり公式ホームページで確認しましょう。
大幅な内容変更:政治経済学部、国際教養学部、スポーツ科学部
特に政治経済学部、国際教養学部は共通テストが必要になったり入試科目が変わったりと、大きな変更がある学部です。
政治経済学部
早稲田大学の政治経済学部では、これまでの3科目型入試を廃し、共通テスト100点+「総合問題」100点の200点で合否を決定することになっています。
総合問題とは、
⽇英両⾔語による⻑⽂を読み解いたうえで解答する形式とし、記述解答を含むもの
出典:『大学入試英語成績提供システム』の稼働延期に伴う当学部の対応について
というふうになっていて、2018年段階でのサンプル問題では、
- 第1問:現代文
- 第2問:英語長文
という問題構成。これまでの入試と異なり記述式試験が織り交ぜられることは決定的で、最後には
あなたは、日本において英語を話せることの重要性は、将来増していくと思いますか、減っていくと思いますか、それとも現状のままだと思いますか。問題文を踏まえ、理由とともに記述解答用紙に300字以内の日本語で論ぜよ。
出典:サンプル問題
というような小論文形式の問題も出題されています。
外部試験利用をやめたことで、2020年3月に改めて公表されるサンプル問題では英語のWritingも盛り込まれることが予想されていて、より難易度は高くなるでしょう。
これまでも政治経済学部では英作文など出題されていたため、求められる能力自体は変わりません。しかし小論文形式のものや国語パートとの時間配分などが難しくなるので、戦略が今まで以上に重要になると予想されます。
「総合問題」の影に隠れていますが、これまでなかった「共通テスト」の点数が必須になるところもポイントです。
しかも、私大文系志望でよくあるような3科目(国・英・社)ではなく、「英語」「国語」「数学1A」「選択科目」の4科目(25点ずつ)が求められます。
英語 | 25点 |
国語 | 25点 |
数学1・A | 25点 |
選択 ・数学2・B ・地歴公民 ・理科基礎(2科目) ・理科 から1科目 |
25点 |
数学1Aは必須となるため、他の学部志望では気軽に併願できないようになっている一方、最上位国公立志望の人は併願にしやすくなっています。
政治経済学部を志望するのであれば、「数学1・A」を共通テストレベルだけでも勉強しておくようにしましょう。
国際教養学部
政治経済学部と同様、「共通テスト」が必要になるのが国際教養学部。こちらは従来どおりの英語外部試験による加点は引き続き行われますが、それ以外が大きく変更に。
変更前 | 変更後 |
---|---|
独自問題 ・英語85点 ・国語50点 ・歴史50点 |
独自問題 ・英語80点 |
センター ・なし |
共通テスト ・国語50点 ・地歴/数学/理科50点 |
外部試験 ・最大15点加算 |
外部試験 ・最大20点加算 |
上記のように、満点は変わりませんが細かく配点・入試内容が変化しています。これにより
- 漢文の学習が必須になる
- 共通テスト受験が必須になる
- 選択科目の幅は広がる
など、細かい影響がででてきます。政治経済学部のように数学が必要になるなど大きく学習時間が増えることはなく、問題の難易度も共通テストになることで下がりますが、競う受験者層そのものは変わらないため、より高い点数を追う必要があります。
さらに、英語の独自試験も問題を刷新し、これまでひとまとめになっていた”Reading”と”Writing”を時間を分けて実施することになっています。これにより「時間が足りなくて得点源の分野で取れない」というリスクは抑えられます。こちらもサンプル問題が出ているため確認してみると良いでしょう(大きな問題傾向は変わらない予想です)。
変わらず外部試験は加点対象になります。これまでより配点が高くなっているので、確実に「準1級」はとっておきたいところです。
スポーツ科学部
スポーツ科学部もすでに挙げた2学部のように共通テストを導入。入試の枠組みを変更し、一般入試において従来の学部個別の試験ではなく共通テストが利用されます。
共通テストになったぶん対策はしやすくなっていると見ていいでしょう。配点も微妙に変えられているので、注意が必要です。
変更前 | 変更後 |
---|---|
独自問題 ・英語75点 ・国or数75点 |
独自問題 ・なし |
センター ・なし |
共通テスト ・英語100点 ・国or数1A100点 |
小論文 ・33点 |
小論文 ・50点 |
科目変更や一部廃止:文学部、文化構想学部、商学部、社会科学部、人間科学部
これまで挙げた3学部は、共通テストを組み込み独自試験を切り替える、規模の大きな改革をすすめる代表例でした。その他の学部もそこまででは有りませんが、細かい科目変更や入試制度の廃止が予定されています。
文学部 文化構想学部 |
①センター利用の見直し |
商学部 | ①センター利用の見直し ③定員区分の見直し |
社会科学部 | ②受験科目の見直し |
人間科学部 | ②受験科目の見直し |
ひとつひとつ、変更内容ごとに見ていきましょう。
①センター利用入試の見直し
表にあげたうち文学部、文化構想学部、商学部では、センター試験利用入試のうち「センター試験の点数のみを利用する型」の募集を停止する予定です。従来からある「センター試験+学部独自試験」の併用型については引き続き、センター試験を共通テストに切り替えて実施されます。
センター試験利用でこれまで併願に利用していた人はどちらかというと上位国公立志望組が多かったため、この変更はそこまで大きな影響はないでしょう(そもそも6〜7科目で9割近くの得点が必要になるため、受験者層も限られていました)。
②受験科目の見直し
社会科学部・人間科学部では、これまで選択科目として「日本史B・世界史B・政治経済・数学」のうちから1つを選ぶ事になっていました(残り2科目は英語・国語)。しかし、来年度以降はこのうち「政治・経済」については受験科目から外されることになっています。
そもそも「政治・経済」で2次試験を受験できる大学・学部は限られていたため、「早稲田の社学を政経で第1志望にして、それ以下は明治など」というパターンがありえたのですが、これが潰えることになります(明治大学商・政経では引き続き実施予定)。「政経で早稲田をうけよう!」と思っていた人は、科目を変更するか志望校を変更する必要が出てきました。
③定員区分の見直し
商学部のところにだけ書きました。商学部では従来から「数学」「地歴」を選択の科目としていましたが、これを「数学型入試」「地歴型入試」「英語4技能型入試」と分けて定員募集することになりました。これまでは数学と地歴での点数差を補正して合否を出していたので、大きな変化です。枠としては地歴枠355人、数学枠150人であり、人数としては地歴枠が倍以上ですが、これまでの数学受験者・地歴受験者の比率が地歴70%、数学25%ほどであったため、政治経済のぶんの枠を数学枠に回したイメージでしょう。
これらの変化は入試形態の変化なので過度に気にしすぎる必要はないですが、学部によっては大きく受験者のレベルや性質が変わってくるため、情報は気にしておきましょう。
現状大きな変更はない:法学部、教育学部、理工学部
法学部・教育学部と理工学部(基幹理工、創造理工、先進理工)は入試形式に大きな変化はないと発表されています。ただ、発表されていないから全く変わらないというわけではなく、傾向が変化したり、他学部からの受験者の流入などで受験者層が変化したりすることは十分に考えられますので、引き続き細かい情報に注視していく必要があります。
指定校推薦も要注意?共通テスト必須
高校によっては早稲田大学の指定校推薦枠で受験する人もいるでしょう。指定校推薦の際も、共通テストの点数提出が出願要件として必須になりましたので、指定校の入試が終わった後もきちんと学習を進めておきましょう。
これは入試改革に置ける総合型選抜(現行の推薦入試の類)の改革の一環でなされている部分です。共通テストの点数が合否に関わることはしばらくはありませんが、入学後の指導などに活用するとされているので、きちんと勉強をしておくようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?書いていると意外と分量が多かったですね……。大きな変更がなされる学部も多いので、引き続き注意して見ておくようにしましょう。この連載記事でも引き続き発信していきますね!
直近どこかでは政府の方針変更にも悩まされている「東京都立大学」あたりも触れられればと思います!
それでは!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。
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