こんばんは!STRUX塾長の橋本です!
突然ですが、皆さん夏休みはどのくらいの長さになりましたか?
今年はコロナの影響もあり、夏休みが短い高校生がほとんどなのではないでしょうか。
とはいえ受験の天王山と言われる夏休みです。短いからこそ、いまから準備万端で臨みたいですよね。
今回の記事では、夏まであと1ヶ月近く、この期間でやっておくべき夏休みの前準備についてお伝えしていきます!
夏休みまでにやっておくべきこと3つ
今回は3つに分けて話していきます。この3つを夏前までにどこまで仕上げられるかで、夏の伸びが大きく変わるので要注意です!
そもそも夏休みって、どういう時期?
夏休みの役割は「基礎を完璧にして、入試問題に入れる下地を完成させておく」ことです。
夏が終わったら過去問を解くまで3ヶ月程度しかないため、その中では入試レベルの問題を解けるようにならないといけません。
その時期に苦手があったり基礎に漏れがあったりすると、入試レベルの問題を解く障壁になってしまいます。
そういった点から、夏は「基礎固めをするラストチャンス」なんです。
夏前の準備1:全範囲の理解を終わらせておく
……ということは、夏前には入試で使う全範囲を理解しておき、夏中に苦手部分の穴埋めや知識の定着に集中できるようにする必要があります。
ここからはそれぞれの科目について、簡単に「夏前までにどこまで終わっていればよいか」という目安をお伝えします。共通テスト向けの対策はまた異なってくるので、各大学の個別試験で使う科目について参考にしてみてください!
英語
英語は、単語・文法を完璧に固めて、解釈も一番基本的なレベルは出来ている状態が最低ラインです。
ターゲット1900やVintage、入門英文解釈の技術70のレベルまでは完璧にしておき、できれば長文の問題集に入れていることが望ましいです。
国語
国語の古文漢文も同様に、読解にいつでも入れる状態まで仕上げておきましょう。古文であれば単語・文法並びに品詞分解、漢文であれば「漢文ヤマのヤマ」などで句法と基本的な単語は覚えましょう。現代文も基本的な文章の読み方を「船口の現代文」や「システム現代文」シリーズを読んで理解しておくようにします。
これら英語・国語は学校でもある程度取り組むので、学校の授業がきちんと理解できていて、定期テストなどでも点が取れていればなんとかなる場合があります。
注意が必要なのが「数学」「理科」「社会」の3科目です。
この3科目は学校のペースで進むと全範囲を履修するのに秋や冬までかかる可能性が高く、夏前までに「入試で使う全範囲を理解」することが出来ないので、自分で予習を進める必要があります。
数学
数学は文系の人の場合、高1・2までにやった内容の青チャートなどを完璧にしておけば大丈夫です。最低限青チャートであればコンパスマーク3まで完璧にしておきましょう。
注意すべきなのは理系で数3が必要になる人。理系の人だと、数3が夏前までに終わらない場合もあります。
学校の進度を確認して、数3が夏前までに終わらない場合は、スタディサプリなどを使って、全範囲夏前に授業を受けて基本的な問題は解き終わるようにしましょう。
理科・社会
理科・社会も同様です。スタディサプリなどの映像授業に加え、理科であれば「セミナー」などの学校教材、社会であれば「詳説ノート」などを利用して全範囲理解をしておくことは最低限取り組みましょう。
これらを6月のこの時期からやるのは急ピッチになりますが、何より優先してぜひ取り組んでください。多少無理をしてでも取り組んでほしいです。
遅くとも8月の中旬にはすべての範囲を終え、夏の後半は演習や基礎の定着に時間を割けるようにしてください。
夏前の準備2:過去問を解いて現状を正確に把握しよう
ぜひ夏前に、過去問をいちど解いてみてください。この時期に過去問を一度解くことで、これまでに勉強してきたことがどのくらい身についているのかを把握することができます。
現状の学力がどのくらいついているのかを「センター試験の過去問」のようにオーソドックスかつシンプルな問題で確認したり、「志望校の過去問」を解いてその形式の問題がどのくらい解けるようになっているのかを確かめたりしてほしいです。
この差を正確に把握することで、夏、特に8月にやるべき勉強がはっきりしてくるので、最低限センターの過去問だけでもぜひ解いてください。
センター試験の過去問については、どの科目も目安として「時間を気にせず解いたらすべての問題が解ける」ということを基準にしてほしいです。
もちろん一度時間内に解いてみてほしいのですが、おそらく解き終わらない科目も多いと思います。そうした科目は時間外にじっくり考えて再度解いてみて、それで何点取れるかどうか確認してみてください。
時間をかければ満点に近い点数がとれて、そうでなくても「解き方の方針が少しずれていた」とか「ミスで点を落とした」という部分が多ければ、旧帝大や早慶レベルを目指す上で最低限の力はあると考えて良いです。
この場合は夏に入試レベルの演習に進みつつ、共通テストの受験が必要であれば「時間内に解く」ための練習として夏の間に週1回程度解いてみるといいでしょう。
逆に、「時間をかけても最後まで回答できない問題が多い」という場合は、夏で巻き返す必要があります。センターの過去問や志望校の過去問で解けなかった範囲をきちんとチェックして、足りない部分、間違えた部分、苦手分野を洗い出し、そこを夏で固めきる時間を取ります。
夏明けに再度センターの過去問などを解いてみて、そこが克服できている状態を目指してください。
以下、志望校のレベルごとに見た目標の点数です。参考にしてみてください。
最上位国公立(東大・京大・一橋・東工大)
- 英語:時間内に8割以上解ける
- 国語:時間内に8割以上解ける
- 数学:時間内に85点、時間をかければ満点取れる
- 理科:時間内に8割以上解ける
- 社会:時間内に8割以上解ける
最上位の国公立を目指す場合は、やはり共通テストでも高得点が必要になるため、この時点であるていど「時間内の点数」を意識しておく必要があります。センターレベルは通過点、2次試験でしっかり点を取れるためには、時間内でこのくらい解けておいて、かつ2次試験の問題も時間をかけて目を通せば理解はできる、という状態にはしておきたいところです。
旧帝大レベル国公立志望
- 英語:時間を気にしなければすべて解ける、時間内でも7割は取れる
- 国語:時間内に7割以上解ける
- 数学:時間を気にしなければすべて解ける
- 理科:時間を気にしなければすべて解ける
- 社会:時間を気にしなければすべて解ける
旧帝大レベルの国公立を目指す場合も、時間制限を気にしない状態ですべて解けるまでは持っていっておきたいところ。こちらも2次試験の問題も時間をかけて目を通せば理解はできる、という状態にはしておきたいところです。
早慶上理
- 英語:時間を気にしなければすべて解ける
- 国語:時間内に7割以上解ける
- 数学:時間を気にしなければすべて解ける
- 理科:時間を気にしなければすべて解ける
- 社会:時間を気にしなければすべて解ける
早慶レベルではそこまで共通テストの点数が関係ないですが、やはり時間を気にしない状態であればすべて解けるようにしておきたいところです。早慶レベルを目指すのであれば、その前段階のGMARCHレベルの過去問を解いてみるのもアリ。これも時間をかければすべて解ける状態にはしておきたいところです。
マーチレベル
- 英語:時間を気にしなければ8割以上解ける
- 国語:時間内に7割以上解ける
- 数学:時間を気にしなければ8割以上解ける
- 理科:時間を気にしなければ8割以上解ける
- 社会:時間を気にしなければ8割以上解ける
マーチレベルを最終的に目指す場合も、ひとつ下の過去問で時間を気にしなければすべて解ける、という状態はぜひとも目指したいところ。センターレベルであれば満点とは言いませんが、時間を気にせず8割以上は取りたいところです。
センターレベル・日東駒専レベル以下
- 英語:時間を気にしなければ7割以上解ける
- 国語:時間内に6割以上解ける
- 数学:時間を気にしなければ7割以上解ける
- 理科:時間を気にしなければ7割以上解ける
- 社会:時間を気にしなければ7割以上解ける
マーチレベル以下であればまだそこまで気にする必要はありませんが、それでもしっかり点を伸ばせるよう弱点は把握しておきたいところです。
もちろんここであげた点数は「順調に行っている状態」での点数ですから、この点数が取れていないから合格できないということではありません。点数が足りていなければ補うべき部分をしっかり分析しましょう。
特にセンターの過去問は分野ごとに設問がはっきりわかれている科目がほとんどのため、苦手分野の特定はしやすいはずです。ぜひ、実際の入試問題を解いて夏の方針を決めましょう。
夏前の準備3:夏で何をどこまでやるか決める
現状の学力を過去問で把握したら、夏でやることを確定させていきましょう。
今年の夏休みは学校によっては2週間しかないですし、そこにさらに課外があって勉強時間が取れないという人も多いはずです。だからこそ、その中で勉強をすすめるには必要な勉強をきちんと絞ることが大事になります。
前の章で触れたとおり、センターの過去問が解けて基礎が身についている状態であれば、入試レベルの演習に進み、苦手分野がある場合はそこの復習を優先します。
入試レベルの演習とは、具体的には「英語の長文読解」や「数学の入試問題演習」など。
「イチから鍛える英語長文500」など少し難しめの問題集にステップアップしたり、数学も「良問プラチカ」などのシリーズで入試問題に触れられるようにしていきます。
英作文・リスニングや社会の論述など、志望校によって対策が分かれるものも、この時期には基本的なレベルからでいいので始めておきます。
理科も「名問の森」や「化学重要問題集」などの難しめの問題集に入れるのが理想ですが、理科や社会はまだまだ基礎が固まりきっていない部分も多いと思います。その場合は夏をこれまで同様穴埋め形式のノートやセミナーなどの問題集を完璧にすることに費やすのもOKです。
苦手分野については、夏前までに使ってきた参考書を完璧にするつもりで取り組みます。
すべての問題の解法がわかるまで繰り返しを徹底することが重要です。
これを、限られた夏の期間にやりきるために、「どの参考書をやるか」そして「どこまでやるか」をリストにしておきましょう。
例えば、夏休みの2週間を使って「イチから鍛える英語長文500」「ユメサク」「頻出英文法語法問題1000」「実力をつける日本史100題」「日本史一問一答」「古文上達」をやるとしましょう。
これらをすべて2週間で何周もやるのは厳しいですから、このように「長文は毎日やって1周終わらせる」「実力をつける100題は前半1/3を終わらせる」のように目標を定めていきます。
丸1日時間が使える日が多いのであれば、多少無理をしてもいいかもしれません。いままでできなかった12時間・13時間勉強にチャレンジしてみてもいいでしょう。
ただ、長時間勉強する際は、「何時から何時まで勉強する」ということも必ず決めましょう。
このように「7時に起きて8時から12時で4時間」など区切って、どの時間で勉強するか決めておけば、あとはやるだけの状態になって実行に移しやすいです。長時間勉強する際も、必ず休憩を取りながらということは忘れないでくださいね。
こうやって具体的にやることを決めたら、あとは夏休み頑張るだけです。
短い分夏休みの前後もフル稼働で頑張る必要がありますが、これも同じように「学校の時間」を考慮に入れた目標を立てて乗り越えていきましょう。
今回は、「夏休みが始まる前にやるべきこと」について話しました。
イレギュラーな分勉強時間が取れず大変な人が多いと思います。夏休み前後ももちろん全力で勉強するつもりでいてほしいですし、そして短い夏休みを最大限有効活用するためにも、ぜひ今回話した準備を怠らないようにしてください。
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それでは!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。
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