こんばんは!
学習塾STRUX塾長で、STRUX大学受験マガジンを監修している、橋本拓磨です。
夏も終わってしまいますね……。受験生の皆さんは、納得の行く夏にできたでしょうか?
そんなみなさんも、もう学校が始まってしまいます。
今日は、そんな人向けに、学校が始まってからの注意点を書いておければと!
昨年のSTRUX塾生で実際にあったことや、塾生によく話していることをいくつか書いてみたので、参考にしてみてください!
夏休み明けの勉強については以下の動画でも解説しています!
夏明け!燃え尽きないために気をつけること
皆さんの中には、この夏いままでで一番勉強できた!という人も多いんじゃないでしょうか?
そういう人に気をつけてほしいのが、燃え尽き症候群。Burnoutともいわれるこの症状は、うつ状態や厭世観などを引き起こしてしまいます。実際に燃え尽き症候群として診断されずとも、似たような症状になってしまうことは多かれ少なかれみられるものです。
夏は「とにかく毎日たくさん勉強する」というような生活を繰り返してきた受験生も多いはず。毎日10時間とか12時間の勉強を繰り返していると、どうしてもストレスが溜まってきます。
このストレスが慢性的なものになると、ふとしたはずみに緊張の糸が切れて脱力感、無力感に襲われることがあります。それが軽度の「燃え尽き症候群」と言われる状態です。
実際、部活も終わって夏が初めての「まとまって勉強できた期間」という人であれば、それまで「長い時間勉強する」「集中を続ける」というストレスに慣れていたわけではないので、学校が始まって環境が変わると、急にやる気を失ってしまうようなことが起こります。
すぐに回復すればいいのですが、数週間それが続くとなかなか大変ですよね。
実際、夏が終わっても勉強する時間は長いのに、その数十時間を失ってしまうのはつらいものがあります。
「燃え尽き症候群」とまではいかなくても、夏燃え尽きでしまって9月からの勉強がうまく行かない……ということはよく起こります。それを防ぐために、「9月からの勉強で起こりがちなこと」「防止策」をいくつかご紹介していきますね!
多少「あるある」っぽくなってしまってますが、どれも実際の生徒さんで起こっていることなので、「自分にも当てはまりそう……」というのは想像しながら読んでみてくださいね。
夏と生活スタイルが変わって、なんとなくやる気が出ない
学校が始まると、起きる時間や寝る時間も変わり、「学校に行く」というアクションが増えます。
「夏は塾の自習室で勉強していた……」という人でも、そこに学校という要素が入るだけで「あれ、どうやって勉強しよう」ということは起こります。
また、1ヶ月以上勉強していた環境から変わると、どうしても人間また適応し直さないといけなくなってきます。それもつらいですよね。
これをきっかけに、ずるずると生活習慣が崩れてきてしまって、「夏はスマホ禁止して勉強してたのに、夜またYouTubeを見るようになってしまった……」なんてこともよく聞く話です。
勉強時間云々ももちろんですが、単純に生活習慣が崩れる要因になります。
生活習慣が乱れないようにするには、夏終わりから少しずつ「学校」を意識したスタイルに慣らしていくことが重要です。
なるべく変わるポイントを減らすことで、スムーズに普段の勉強に移行できます。
「いや早く教えてよ……もう学校始まっちゃってるのに……」という人は、「どういうふうに1日を過ごすか」のスケジュールを再度立て直しましょう。なんとなく学校が始まってしまい、ずるずると勉強時間を修正できないまま時間が経ってしまうことが一番もったいないです。
「朝は何時に起きる」「学校に何時に行く」などを決めておき、そのとおりに生活していくというスタイルに少しずつ切り替えていきましょう。
正直切り替えてすぐ、学校始まって1週間位は多少がたついても仕方ないです。
ただ、そのくらいの期間の中では修正できるようにしたいですね。
勉強時間が減って、「勉強できてない……」と不安になる
学校が始まって意外と「時間ないなあ……」と感じることはありませんか?
それもそのはず、学校が始まる前は丸1日勉強できたことが多いですよね。
夏休みは普段と違って圧倒的に勉強量をこなしていたので、「すごく勉強が進む!」という感覚になります(し、じっさい勉強も進んでいるはずです)。
ところが、学校が始まるとなかなかそうも行きません。
朝起きたら学校に行かないといけないし、学校によっては夕方までしっかり授業、そのあと課外なんてことも。
そうなってくると、多くても6時間くらいしか勉強できない……なんてことも起こります。夏勉強していた時間の半分以下になってしまった、ということもしばしば。
受験に危機感を感じていたり、夏とても頑張っていたりした人だと、この「勉強時間が減ってしまう」ことで不安になってしまうことがあります。
それもそうですよね、今までみたいに勉強が進むわけではないのでなんとなくモヤモヤしてしまいます。
この対処法としては、もう割り切ってできることをやるしかありません。
正直、学校の授業があるなら勉強時間が減ってしまうのは仕方ないです。世の中の高校生みんなそれは同じです。
秋以降は、勉強時間やその進捗で考えていくよりは、残された時間をどれだけ勉強に割けているかを考えていきましょう。
うちの生徒にもよく「可処分時間の中での勉強の割合を最大限に」と話しています。
「可処分時間」と聞くとよくわからないですが、要は自由に使える時間のうち何%を勉強に費やせたかで成果をみましょう、ということ。
どうせ勉強できる残り時間は限られているんですし、それは仕方がないことです。
であれば、使える時間は最大限勉強に使おうという意識に切り替えていくのが一番良いです。
学校の授業に意味を見いだせなくなる
上2つのように「勉強時間が減っちゃってるな……」という思考でいると、どうしても「学校の授業、受ける意味あるのかな……」という考えになります。
いらない授業はすこしずつ内職をやる、というのも一つの選択肢として考えてOKです。
もちろん、「先生が怖い」「内職したってばれないか不安で集中できない」って人もいると思うので、そういう人は内職しないほうがよいです。
また、授業の中でもセンター演習だったり入試に近い問題演習だったりが多いものもあるでしょうし、そういったものは受けて全く損ではないです。
ただ、「入試で使わないのにずっと数学やってる……」なんて場合は、その授業時間をうまく活用するのがおすすめです。
もちろん、内職するのも一つの手。去年いた生徒は先生に理由を話して、公式に内職をしていました。
そういう戦法が取れる先生・取れない先生もちろんいるので、どうしても内職厳しいな……という科目では「この科目は休憩時間!」と割り切って、ぼーっとしているとかうとうとしているとか、そういう気持ちで受けるのもひとつです。
(ぼくはけっこうそういう感じで受けてました)
授業の活用法は、すごい昔の記事ですがこちらにもあります。
学校が騒がしくて休み時間や朝勉強できない
「少しでも勉強時間を増やすために、休み時間とか勉強しよう!」なんて人もいると思います。
でも、休憩時間はみんな喋ってたり、そもそもそういう勉強する雰囲気じゃなかったり……なんてこともあるでしょう。
ある程度そこは想定しておかないといけないです。
みんながみんな受験に熱心なわけではないですし、「休み時間は休憩!」と割り切っている人もいます。
一つの方法としては、やはり休み時間は友だちと話して気分転換する時間!というふうに割り切ってあげること。そうすれば、それ以外の時間で勉強頑張ろうというふうになれます。
もう一つの方法は、騒がしい中でも誘惑を断って、集中して勉強できるスキルを身につけるというやり方。
受験会場では知り合いはいないことが多いです。ただ、特定の学校が多く受けているとか、同じ塾の仲良しが同じ部屋で受けているとか、ノイジーな情報がたくさん入ってきます。
実際の試験中も、完全に静かなわけではなく、隣の人が鼻をすすっていたり、ハチャメチャロックな貧乏ゆすりをかましていたりします。
こういういろいろな環境で、それでも直前の確認や試験本番に集中しないといけません。
そういった状況に慣れておくことで、本番何が起こっても集中を持続することができます。
一ついいチャンスだと思って、黙々と勉強をしてみるというのもアリですね。慣れてみると案外できるようになります。
学校の友だちがみんな受験ガチ勢じゃないから、遊んでばかりで気になる
大学の附属高校などだと起こりがちなこの現象。内部進学や指定校推薦、AOなどでほとんどの生徒が進路を決めてしまうパターンは、担当している生徒で毎年見られます。
こうなると、むしろ2月まで勉強しているのが少数派。周りの子はディズニーに行く予定を立てていたり、昨日見たテレビの話をしていたり。
イライラしてしまう気持ちもものすごくよくわかります。ただ、その子たちも自分で選んだ進路。どちらがいいとか悪いとか、そういう話ではありません。
学校全体でそういう「早く受験が終わる」人が多数派だと、受験が残っている人に配慮して……なんてこともなかなかなされません。
こうなってしまったら、学校にいると集中できない、なんてことも多いはず。「自分とは違う選択をしているから、仕方ない」と割り切っておくのは重要です。
そして、それこそ休み時間は休憩や気分転換に割き、授業が終わったら即刻自習室や図書館に移動しましょう。
塾や図書館では、受験に向けて勉強している人がたくさんいます。
自分と同じ境遇で頑張っている人を見れば、自然とやる気も出てくるものです。
そういう環境がなければ、Studyplusの記録を見てほかの同じ志望校の人と比べたり、Twitterやインスタの勉強アカをチェックするのも手です。
まあ、このあたりはスマホをついついそのまま触ってしまうので、意思の堅い人にしかおすすめできませんが……
何にせよこういう形で、「自分と同じ境遇で頑張っている人がいる」というのを心の支えにしてほしいですね!
夏あんなに勉強したのに、模試の自己採点がひどい
「こんなに勉強したし、9月の模試はバッチリでしょ!点数倍くらいになってないかな……」と期待している人も多いのではないでしょうか。
もちろん、そんなふうに点数が爆上がりする人もいるんですが、大半は意外と同じような点数だったり……
人によっては、夏でしっかり基礎を固めた人も多いでしょう。そういう場合、結局模試で聞かれる力は「実践力」なので、基礎を固めただけだと直ぐに結果に結びつかない場合が多いんです。
人によって変わりますが、だいたい勉強した成果が成績に現れるのは2〜3ヶ月後だといわれています。
なので、夏の勉強成果が出るのは11月頃。
この頃にも模試はあるので、そこでしっかり点数が上がるよう、9月の模試があまりよくなくても気にせずしっかり勉強を続けましょう。
なぜか学校行事があって勉強できない
たくさんあげましたがラスト。「進学校」といわれるところに限って、秋に行事が盛りだくさん。体育祭、文化祭、球技大会……
ちなみに僕の高校は体育祭も文化祭も球技大会も全部ありました。
体育祭では仮装行列をするので、その練習や準備で夏も時間を取られましたね(震え声)。
もちろん、高校最後の楽しみだ!ということで学校行事にある程度熱を入れたい、という人も多いでしょうし、それはとても大事なこと。
ただ、今の成績からしっかり合格を目指したい、というのであれば、勉強にもしっかり時間を割いてあげてください。
どんなに勉強ができない!という日でも、3から4時間は確保したいところですね。各科目1時間これでできるかどうか。
9月以降はほんとに1分1分が惜しくなってくるので、つらいところも毎日しっかり乗り越えて、少しずつ勉強を重ねていきましょう。
最後はなかなか厳し目の話になりましたが、今回挙げた7つはどれも「あるある」です。みなさんもどれか一つはあてはまるはず……。
当てはまったときに、それでもしっかり勉強を進められるようにしましょう。
勉強に対する不安を解消するためには、勉強するしかない。
このことをお忘れなく!
Twitterでもいくつか情報発信をしているので、気になるヒトはチェック!
夏終盤。駆け込みの高3生もいる。ここからの時期の受験生は時間との戦い。学校ありで50時間/週勉強できるとしてもセンターまで1000時間くらい。この1000時間で「何をやるか」だけではなく「何を切り捨てるか」が大事。
— 橋本拓磨@STRUX塾長・高校生向けアカウント (@struxhashi) August 22, 2019
あと、前回の記事に動画を追加したので、「共通テストについて知りたい!」って人はこちらも見てね!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。