中央大学傾向と対策

関東の難関私立大学、GMARCHのCにあたる中央大学。その中でも、今回は看板学部ともいえる法学部を中心に見ていきたいと思います。
中央大学法学部は、GMARCHの中では司法試験の合格者数はトップクラスです。

学科は3つあり、法律学科と政治学科では学生一人ひとりのキャリアデザインと関心に応じて選択できるコース制が導入されています。国際企業関係法学科は国際系、企業系科目を体系的に学び、国際的に活躍する法律家を育成するためのカリキュラムとなっているのが特徴です。
3学科共通して、1年次~4年次まで少人数制演習科目(ゼミ)が履修できます。 テーマは250以上もあり、自分の興味に応じて積極的な学びが実現できます。また、OB・OGのネットワークを活用して、実務家による講義が積極的に行われることで、生きた法・政治を学べるのも特徴です。

また、司法試験をはじめとした国家資格取得のサポートも充実しており、将来専門家としての活躍を目指す人にも向いているでしょう。

2025年度入学入試から、学習指導要領の変更により、一部大学で配点・科目の変更などが予定されています。順次記事を更新しておりますが、この記事は変更前のものとなりますので、配点等は必ず大学公式HPを参照してください。

Part.1 中央大学の試験・出願情報

中央大学には「統一試験」と一般入試の各学部個別試験、また共通テスト併用・単独方式の入試形式があります。今回はこの中でも一般的といえる、一般入試の個別試験について見ていきます。
法学部の場合は「4教科型」「3教科型」がありますが、こちらも一般的に受験者が多い「3教科型」を見ていくことにしましょう。

試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月12日
共通テスト 不要
2段階選抜 なし
出願時期 1月
科目 独自試験:
外国語(英語など)・国語・選択科目 (地歴・公民・数学)

科目としてはオーソドックスなもので、選択科目としては「日本史B」「世界史B」「政治・経済」「数学1A2B」のいずれかから1つ選択することになります。社会の科目の中でも、「地理B」は選択できないので気をつけましょう。

Part.2 中央大の配点と目標点

中央大学の配点と目標点数については、最低点をもとに考えていくことになります。配点からどの科目でどの程度確保すべきなのか考えていきましょう。こちらも「法学部一般入試・3教科型」を見ていきます。

配点・科目

独自試験
英語 150点
国語 100点
社・数 100点

配点は、英語150点、国語100点、社会・数学100点の350点満点です。試験時間は英語90分、その他60分となっています。国際企業関係法学科のみ、英語の配点が200点になっています。

選択科目は得意な科目を選ぶと良いですが、比較的得点しやすい社会、その中でも日本史・世界史を選択するのがおすすめです。

目標点数

合格最低ライン目安
240/350点
パターン1:標準
英語 110/150点
国語 60/100点
選択科目 70/100点
合計 240点
パターン2:英語が得意
英語 130点/150点
国語 50/100点
選択科目 60/100点
合計 240点
パターン3:選択科目が得意
英語 100/150点
国語 60/100点
選択科目 80/100点
合計 240点

点数はいずれの教科も偏差点(偏差値をもとに得点調整が実施される)となっています。過去2年の合格最低点は、どの学科も55%〜60%前後となっています。偏差値換算が入っていることも踏まえると、合格点を狙う上ではまず7割を目標にはしておきたいところです。

基本的には「全科目まんべんなく65〜70%の得点を目指す」という方針で良いでしょう。比較的オーソドックスな問題が多いですが、英作文や和訳、国語の記述問題も出題されるため、早めに問題の傾向を把握した上で、着実に正答率を挙げていきたいところです。

模試一覧
5月 全統記述模試
8月 全統記述模試
10月 全統記述模試
河合全統共通テスト模試
11月 全国有名国公私大模試

中央大学、特に法学部は私大の中でも記述式解答が多いのが特徴です。そのため、記述問題に慣れるためにも、「全統記述模試」を受けて対策しましょう。「共通テスト利用」での受験も考えている場合は、「全統共通テスト模試」や「大学入学共通テスト入試プレ」、入試1年前の「共通テスト同日試験」なども受験しておきましょう。

模試ではA判定を狙っていきたいところではありますが、良い判定が出なかったとしても見直しや復習を重ね、本番までに合格可能性をあげていきましょう。

併願校・志望変更

中央大学内
経済学部、総合政策学部
他大学の法学部
成蹊大学・成城大学・MARCH・学習院

中央大学内での併願を目指す場合は、「統一入試」も合わせて受験するとよいでしょう。統一入試では学部を問わず最大8つ出願できるようになっています。また、一般入試でも法学部の複数学科に出願することは可能です。

中央大学では、原則として、同一学科であっても「一般入試」「統一入試」「共通テスト利用」で1回ずつ受験することが可能なので、複数の方式で受験した場合、その中の1つで十分得点が取れれば合格できます。
原則としては「一般入試」で法学部を目指すことになりますが、中央大の志望度合いが高い場合は、チャンスを増やすために「統一入試」も合わせて受験することをおすすめします。
併願する学部としては、比較的学問領域が近い経済学部、総合政策学部が良いでしょう。

関東圏で他大学の法学部を併願する場合は同レベルから少し下の大学、具体的には成蹊大学・成城大学などがおすすめです。法学部を志願する場合は他のMARCHレベル(明治、法政など)や学習院などを選択肢に入れてもいいでしょう。
日東駒専レベルの大学で安全圏、東海や大東文化大などを押さえとして視野に入れておくと万全です。

共通テスト利用入試は概して最低点が高いため、注意が必要です。国公立大の法学部を志望している場合は、得意な科目数で出願して中央大学を併願にする、という使い方が良いでしょう。共通テスト「併用」入試は共通テストの点数に加え、個別試験の英語も必要になります。

中央大学の受験相談事例集

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Part.3 科目別の勉強法と攻略法

最後に中央大学の勉強法と傾向対策を見ていきます。

勉強の手順としてはあくまで「英語」→「国語」→「社会」となります。数学を選択する場合は少し変わってきますが、まずはこの3つの手順で進めましょう。

全体

中央大学は学部によって出題形式が異なりますが、法学部は私大の中でも記述問題量が多いのが特徴。
英語では英作文と和訳、国語も60字程度の記述問題が出題されます。日本史・世界史でも15〜30字程度の短文論述問題が出題されますから、「段階式論述」などの該当レベルを活用していくと良いでしょう。英作文や和訳などは対策を怠っていると細かいところで点を落として合格を遠ざけてしまうので、注意しておきましょう。

英語

法学部の英語は和訳2つ、和文英訳2つと長文2つ程度、残りは文法問題という構成になっており、設問数も多くなっています。

90分の中で解くには長文以外をなるべく短い時間でスムーズに解き進める必要がありますから、文法問題は時間をかけなくて済むよう早めに固めておくべきです。長文のレベル自体はものすごく難易度が高いというわけではないので、丁寧に解いていけるように演習をこなしておきましょう。

他学部では英作文や和訳はほとんどなく、代わりに会話文や3語程度の空所を埋める形での簡単な和文英訳が多くなっています。いずれも受験する学部の問題の傾向を過去問を見て把握しておきましょう。

国語

中央大学では、ほとんどの学部で「現代文2つ+古文」という形式ですが、文学部では現代文・古文・漢文の3つ、国際経営学部では現代文3つ、国際情報学部では現代文2つと漢字、知識問題といった形式になっています。

法学部ではベーシックな現代文2つと古文1つの問題形式で、難易度自体はそこまで高くありません。現代文の配点比率が高いため得点が安定しづらく、記述問題もあるので少々対策が面倒ですが、過去問演習を欠かさず行い少しでも点数を安定させられるようにしましょう。

学部によっては文学史や漢字・慣用句をしっかり身につける必要がありますが、これらは入試直前に取り組めば問題ないでしょう。

日本史・世界史

日本史・世界史は他の大学同様「高3の夏前には全範囲を履修する」ことを目標にしましょう。学校の授業スピードが遅い場合は、教科書と参考書を活用し、授業に先駆けて予習しておくと良いです。

それ以降一問一答と私大向けの問題集で対策を進めていくのですが、先述の通り法学部では30字までの短文論述が課されます。それほど難しい内容ではないので、10月ごろから過去問や「段階式論述のトレーニング」などで同じ字数の論述訓練をしておくと良いでしょう。

数学

数学は記述式問題で、意外と難しい問題が多くなっているため注意が必要です。時間は1問20分程度かけられることが多いですが、それでも解答時間に余裕があるとはいえません。そのため、数学受験をする場合は高3の夏には入試問題の演習を繰り返せるように基礎を固めておきましょう。