立命館大学傾向と対策

立命館大学は関西の名門私立大学群・関関同立のひとつとして根強い人気を誇っています。今回はそんな立命館大学の多様な入試のうち、一般選抜を中心に入試制度や対策を考えていきましょう。なお入試形式は学部によって異なりますので、文系の「経営学部」・理系の「理工学部」を例にご紹介します。

2025年度入学入試から、学習指導要領の変更により、一部大学で配点・科目の変更などが予定されています。順次記事を更新しておりますが、この記事は変更前のものとなりますので、配点等は必ず大学公式HPを参照してください。

Part.1 立命館大学の試験・出願情報

立命館大学の入試は一般的な私立大学と同様に、全学統一方式と学部個別配点方式に大きく分かれています。今回は学部ごとの配点方式を見ていきます。

試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月1日~9日のいずれか
共通テスト 必必須ではない
(一部の学部・日程では利用可能)
得点比率 共通:二次=教育 900:400
経済・理工 900:1200
出願時期 1月(共通テスト後)
科目 文系:英語・国語・選択科目(公民/地理歴史/数学)
理系:英語・理科・数学

全学統一方式は文系と理系に大きく分かれており、学部個別配点方式も同様です。なおスポーツ健康科学部と食マネジメント学部は理系の学部ですが、理系型3教科方式といって数学Ⅲが出題されない入試形式も用意されています。さらに薬学部では薬学方式という入試形式が最もよく利用されており、こちらも数学Ⅲを出題範囲に含みません。

学部個別配点方式は全学統一方式と変わりません。この点は立命館大学の特徴のひとつです。こちらも文系型・理系1科目型・理系2科目型と分かれており、学部によって利用する受験型や科目ごとの配点が異なります。学部による問題の違いも少ないため、複数学部を受ける場合でも対策が立てやすいといえます。

一般的な私立大学では全学統一方式のほうが学部個別方式に比べて定員が少ない傾向にありますが、立命館大学は各日程でほぼ同じ定員が設けられているため、全学部入試も安心して受験できます。

学部ごとの配点や入試方式に関する詳しい情報は大学HP(立命館大学入試案内)にわかりやすくまとまっています。

Part.2 立命館大学の配点と目標点数【文系】

Part2では立命館大学の文系学部について、最低点をもとに配点と目標点数を考えていきましょう。配点は非常に重要で、どの科目で何点確保すべきかという戦略を立てる判断材料となります。ここでは文系学部の得点パターン例として、経営学部を受験する場合の全学統一方式と学部個別配点方式を分析しましょう。

配点・科目

        

どの学部を受けるにしても、全学統一方式は同一の配点です。

学部個別配点方式は、全学統一方式と比べ選択科目(地歴/公民/数学)の配点が高くなっています。社会や数学が英語よりも得意な場合は学部個別配点方式を重点的に対策するのもよいでしょう。
なお、経営学部のなかでも国際経営学科は英語200点、その他100点ずつのように英語重視の配点となります。英語が得意な人はぜひ参考にしてください。

目標点数

合格最低点(経営学部経営学科)
全学統一方式文系
2020年度:228/320点(71.3%), 2019年度:220/320点(68.8%)
個別配点方式
2020年度:253/370点(68.4%), 2019年度:259/370点(70.0%)
パターン1:全学統一方式文系
英語 90/120点
国語 70/100点
選択科目 80/100点
合計 240/320点
目標パターン2:個別配点方式
英語 85/120点
国語 70/100点
選択科目 120/150点
合計 275/370点

文系学部の合格最低点は、過去2年間いずれも70%となっています。

基本的にはどの科目も満遍なく75%を目指すのがよいでしょう。75%を取れなくても合格は可能ですが、目標としてはこれくらいが適切です。選択科目(地歴/公民/数学)は個別配点方式になると全学統一方式よりも配点が大きくなるため、少し高めに点を取れるよう十分に問題演習を積んでおきましょう。

模試一覧
5月 河合全統マーク模試
8月 河合全統マーク模試
10月 河合全統マーク模試

マーク模試は必ず受験して試験慣れしていきましょう。夏あたりでは6〜7割は取れている状態にはしておきたいところです。

併願校・志望変更

公募推薦
京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学
志望校変更
京都産業大学、龍谷大学など

全学統一方式は複数日程受験できます。文系であれば全学統一方式だけで最大4回受験できるので、学部個別配点方式と合わせて5回の受験チャンスがあります。また受験学部はすべて同じである必要はありません。立命館大学を強く志望する場合、全学統一方式を複数日程受験して合格可能性を少しでも高めておきましょう。

関西圏で立命館大学と似たようなレベルの私大であればどこでもよい場合、同志社大学などがオススメです。あるいは立命館へのこだわりが強く他の大学はどこでもよい場合、ひとつレベルを下げて産近甲龍(京都産業大学・近畿大学・甲南大学・龍谷大学)のうち1~2校に出願しておけば安全に受験できるでしょう。産近甲龍であれば公募推薦(11~12月ごろ実施)を利用できる場合も多いため、立命館大学の一般入試の邪魔にもならず滑り止めを確保でき、本命の受験にも少し精神的な余裕をもって臨めます。経済的事情などにより絶対に浪人できない場合は現実的な戦略になるでしょう。

Part.3 立命館大学の配点と目標点数【理系】

Part3では立命館大学の理系学部について得点パターンについて。配点と目標点数については、例年の合格最低点をもとに考えていきます。受験方式によって、各科目の配点が異なるので、各方式の配点からどの科目で確保すべきなのか考えていきましょう。ここでは理工学部の電気電子工学科について、全学統一方式と学部個別配点方式を取り上げました。

配点・科目

        

理系の場合、全学統一方式は3科目受験になっています。特定の科目を重視する傾向は見られません。

理工学部個別配点方式・電気電子工学科は英語100点・物理150点・数学150点といった配点になっています。さらに理工学部は上記配点のほかにも2科目型といって、英語100・数学150・理科200(物理化学生物から2科目)といった形式もあります。理工学部では多くの学科において物理が必須となりますが、学部によっては必須科目が化学の場合もありますので、必ず確認しておきましょう。

目標点数

合格最低点(理工学部電気電子工学科)
全学統一方式
2020年度:168/300点(56.0%), 2019年度:184/300点(61.3%)
個別配点方式1科目型
2020年度:201/400点(50.3%), 2019年度:221/400点(55.3%)

理系学部の合格最低点は過去2年とも50〜60%となっており、文系に比べかなり低いことが分かります。立命館大学に合格するレベルの受験生でもこれだけしか得点できていないことから、一筋縄ではいかない問題が多いと分析できます。

パターン1:全学統一方式理系
英語 60/100点
物理 70/100点
数学 70/100点
合計 200/300点
パターン2:別配点方式1科目型
英語 60/100点
物理 100/150点
数学 100/150点
合計 260/400点

理系の場合は理科も科目が指定されることが多いため、科目間の調整はほとんどありません。合格最低点も文系に比べ低めですが、65%程度は目指したいところ。

このくらいの目標点数であれば、英語よりも理系科目をしっかり対策するほうが早く到達できるでしょう。

模試一覧
5月 河合全統マーク模試
8月 河合全統マーク模試
10月 河合全統マーク模試

マーク模試は必ず受験して試験慣れしていきましょう。夏あたりでは6〜7割は取れている状態にはしておきたいところです。

併願校・志望変更

公募推薦
京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学
志望校変更
京都産業大学、近畿大学など

立命館を第一志望とする場合、理系学部でも併願パターンは文系とほぼ変わりません。

全学統一方式は複数日程受験できます。理系は全学・個別あわせて3日程まで受験が可能です。他大学が第一志望で、立命館が第一志望でない場合は個別方式の日程確認に加え、試験日の選択肢が多い全学統一方式を活用して負担を減らしましょう。

関西圏で立命館大学と似たようなレベルの私大であればどこでもよい場合、同志社大学などがオススメです。あるいは立命館へのこだわりが強く他の大学はどこでもよい場合、ひとつレベルを下げて産近甲龍(京都産業大学・近畿大学・甲南大学・龍谷大学)のうち1~2校に出願しておけば安全に受験できるでしょう。産近甲龍であれば公募推薦(11~12月ごろ実施)を利用できる場合も多いため、立命館大学の一般入試の邪魔にもならず滑り止めを確保でき、本命の受験にも少し精神的な余裕をもって臨めます。経済的事情などにより絶対に浪人できない場合は現実的な戦略になるでしょう。

立命館大学の受験相談事例集

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Part.4 科目別の勉強法と攻略法

立命館大学では入試傾向が学部によって変わることはないため、複数学部を受験する場合も対策が立てやすいといえます。全学統一方式と学部個別配点方式どちらも文系なら英語>>>社会>国語、理系なら数学>理科>英語という優先順位になるでしょう。ただし、文系の国語や、理系の英語は入試が近づくと対策できる時間も限られてしまうため、高1~高2のうちに固めておきたいところです。

英語

英語の問題は文学部を例にとると長文2題と文法2題、会話文1題の5題構成です。文法は下線部の意味を問う問題もあり、語彙力と文法力が総合的に求められるため、ある程度の難易度まで押さえておくべきです。長文も1つの文章あたり700語以上と長くなっているため、時間配分は非常に重要です。

国語

立命館大学の国語は現代文2題と古文、漢文の構成で、どれも文章が長く手強い問題です。漢字の読み書き以外はすべて記号問題なので、「システム現代文」などで根拠を正確に拾いながら読んでいく練習を重ねていけば自分で文章を書く必要はありません。なお文学史は難易度が高い割に配点が低く、正解できても労力に見合わないため無視して構いません。

文系数学

立命館大学の数学は記述問題5問(理系)です。3完+部分点を目標に勉強を進めたいところです。理系の場合は高2の10月〜11月頃には少しずつ数3を予習できるようにしたいですね。

社会

社会は他の大学と同様に、高3の夏前には全範囲を履修することが目標です。それ以降は一問一答と私大向けの問題集で対策をしていきます。細かい知識を問われる問題もありますが、基本的な知識をしっかりと身につけておけば十分7割以上を狙えます

物理・化学・生物

理科も社会と同様、高3の夏前までに全範囲を履修することが目標です。1科目に絞れる場合は夏で共通テストやセンター試験、そこから応用問題という形でステップアップしていけば立命館大学の入試でも十分7割以上を狙えます。