慶応義塾大学薬学部傾向と対策

薬学部の中ではトップレベルの慶応義塾大学薬学部。
学科は「薬学科」と「薬科学科」の2種類あり、このうち薬剤師の免許が取れるのが薬学科です。「薬学科」は薬剤師の育成を目標とした6年制で、「薬科学科」は創薬、臨床開発、環境・生命科学など幅広い分野における卓越した科学者の育成を目標とした4年制です。

「薬学科」では4年次の後期から実務実習が始まり、研究室での研究に没頭するというよりは薬剤師として必要とされる資質の習得に励むことになります。
「薬科学科」では3年次夏から研究室に配属され、早い時期から最先端の研究に触れて学ぶことが可能です。高年次からは幅広い分野の医療関連科目を選べるため、自分の興味・関心に沿った科目を履修できます。将来的に医療系の研究・開発職に進む人が多いです。
「薬学科」から「薬科学科」へは転科が比較的容易ですが、逆は難しいようですので、薬剤師になりたい人は最初から「薬学科」を選択しましょう。

Part.1 薬学部の試験・出願情報

今回は一般選抜を中心に見ていくことにします。総合政策学部も環境情報学部も入試科目は同じです。

薬学部の試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月10日
共通テスト 不要
2次試験 なし
出願時期 12月末~1月
科目 外国語(英語)・数学1A2B・化学

他の理系学部とほぼ同様のオーソドックスな入試科目となっていますが、理科は化学(化学、化学基礎)しか選択できないということに注意しましょう。

Part.2 薬学部の配点と目標点

慶應義塾大学の配点と目標点数については、最低点をもとに考えていくことになります。配点からどの科目でどのくらい確保すべきなのか考えていきましょう。
自分の得意科目・苦手科目も考慮し、「どの科目で点をとって合格するか」の戦略を立てることで合格率を高められるので、様々なパターンを基に参考にしてみてください。

目標点数

各科目の配点は、化学150点、数学100点、外国語100点の350点満点です。入試問題の配点では珍しく、化学の配点が1番高くなっているということに注意しましょう。

合格最低ライン目安
200点
パターン1:標準
化学 100/150点
数学 外国語
合計 220点
パターン2:化学が得意
化学 130点/150点
数学 50/100点
外国語 40/100点
合計 220点
パターン3:数学が得意
化学 90/150点
数学 80/100点
外国語 50/100点
合計 220点

過去2年の合格最低点は55%〜60%です。理系の場合は往々にして設問数が少なく、最低点が大きく前後する可能性が大きいため、実際はもう少し高めの点数を目指していくことになるでしょう。 科目毎の平均点は公表されていませんが、全科目で最低点を超えるように勉強していけば問題ありません。

基本的には全科目6割を目標にして、その中で比較的得意な科目でより得点できるようにしていく、という方針が1番良いです。 化学の配点が高いため、化学を得点源にできると合格可能性を高めることができるでしょう。

模試一覧
5月 第1回駿台全国模試
9月 第2回駿台全国模試
10月 慶大プレ
11月 早慶オープン

*点数推移:準備中

慶応が第1志望であれば、慶応に特化した「慶大プレ」「早慶オープン」が問題形式も本番に近くおすすめです。「駿台全国模試」は受験者数が多く、理系の成績上位層も受けることから、受験する価値は高いでしょう。
模試でいきなりA判定を取るのは難しいと考えられるため、まずはB判定あたりを目指して徐々に判定を上げていくと良いでしょう。

併願校・志望変更

慶應内併願
理工学部、看護医療学部、総合政策学部、環境情報学部、経済学部
他大学薬学部
東京理科大、北里、明治薬科、東京薬科、昭和薬科

「慶應義塾大学に行きたい」ということであれば、他の理系学部(理工、看護など)を併願するとよいでしょう。ただ、看護だと小論文、理工だと理科で物理も必要になります。 ほかにもSFCの2学部も小論文と数学もしくは英語で受験が可能です。経済学部は文系学部ですが、こちらも国語・社会が不要(小論文は必要)となるので受験しやすいでしょう。

私大薬学部は設置されている大学が限られ倍率も高い傾向にありますから、幅広く受験することをおすすめします。 関東圏で高いレベルだと東京理科大が慶應の次に来ることになるでしょう。それ以下で北里、明治薬科、東京薬科、昭和薬科など薬科大学を幅広く受験することがおすすめです。

いずれも理科1科目+数学(+英語)で受けられるところがほとんどですから、他大学も視野に入れ幅広く対策をして薬学部に進学できるようにしておきましょう。

Part.3 科目別の勉強法と攻略法

さて、ここからは具体的な攻略法をみていきます。 科目が3つとシンプルなので、対策も立てやすいです。基本的には英語・数学を最優先して、化学は高2の冬頃から復習をスタートさせます。 化学は配点が高いため焦ってしまいがちですが、英語や数学である程度点が取れないと合格が難しくなります。点が伸びづらい英語・数学を優先して勉強し、化学は高3で一気に伸ばすという戦略が基本になるでしょう。

英語

薬学部の英語は少し特殊な形式で、大問4つの中で3つの新聞記事を読み、それぞれの問いに答える選択肢問題と、最後に3つの記事すべてに共通する要旨を1つ選ぶという問題です。
形式こそ特殊ですが、長文を正確にかつ速く読むという読解力がきちんと身に付いていれば解ける問題ですので、冷静に長文読解力を鍛えることを最優先に取り組みましょう。

語彙のレベル云々というよりも、文の構造が厄介なものがいくつかあるため、英文解釈も怠らず勉強した上で速読できるようにしていくことが重要です。

数学

数学は全てマーク式問題ですが、一部記述が必要な問題も出題されます。 2020年には「箱ひげ図を作図しなさい」といった問題も出るなど、出題範囲は一般的な入試にありがちな確率、微積、図形、方程式といった範囲にとどまらないため、幅広い領域をまんべんなく勉強しておく必要があります。

問題数も少なく1つ間違うだけでも大きく減点される可能性があるため、気をつけましょう。

化学

化学は大問5つ構成で、空所補充・記号問題がほとんどで、一部化学式を完成させる問題などがこれに加わります。計算量が多く記述問題もあるため、制限時間内に全て解答することは難しいでしょう。
そのため、自分の得意分野や難易度の低い問題を確実に取り、点を稼ぐ必要があります。参考書等で様々な問題を解く練習をしておくと良いでしょう。