「英検2級の長文の問題ってどんな問題が出るの??」
「英検2級の長文が全然読めない。どんな対策すればいいの?」
「長文読むのが遅いから、時間が足りない。速く読むコツは?」
「文章は何となく読めるけど、問題が全然解けない。どうやって解けばいいの?」
英検2級を取るために勉強を始めてみたのは良いものの、このようにお悩みの方も多いはず。
この記事では問題傾向を把握し、その上で合格点を取るために意識すべきことを全て解説します!
この記事を読みこんでみて、あなたに足りない部分がないか探してみましょう!きっとヒントが見つかるはずです。
英検2級のリーディングの勉強については以下の動画でも解説しています。
まずは長文・リーディング問題の出題傾向を知ろう!傾向把握は英検2級合格のための最重要ポイント!
どんなテストも合格するためには、問題の傾向・構成を知ることが必須です。
速く読むためにも、正確に読むためにも、そして高得点を取るためにも必須なので最初に問題の出題傾向を頭に入れていきましょう!
英検2級のリーディングの大まかな問題の構成は以下の通りです。
- 大問2 空欄補充問題
- 大問3 内容一致問題
以下、大問ごとに詳しく説明していきます。
【英検2級リーディング】大問2 【空欄補充問題】の出題傾向は?
まず大問2から解説していきます。
大問2は2A、2Bの2つのパートに分かれていて、2A、2Bともに250語程度の長文であり、それぞれ設問が3問あります。
語彙レベルは大問1に比べるとそれほど高くはありませんが、英検準2級とは違って語注はついていません。
問題は以下のような長文中にかっこで穴抜きがされていて、そこに当てはまるものを4択の選択肢の中から選ぶ方式です。
選択肢は1単語ではなく「数語程度の語がまとまった」句が多いです。
英検2級2020年第2回より
最後の設問は、ディスコースマーカーを埋める問題が頻出です。
ディスコースマーカーというのは、HoweverやAlthoughのような前後の文章同士の関係性を表す接続詞や副詞、副詞句のことです。
以下のように出題されます。
英検2級2020年第2回より (24), (25)は省略
このタイプの問題は文章の流れを理解していないと解けない問題なので、少し難易度が高めです。
「文章の流れ」を意識するのは非常に重要なので、後半で詳しく解説します!
【英検2級リーディング】大問3 【内容一致問題】の出題傾向は?
次は、大問3について詳しく解説します。大問3は3A、3B、3Cの3問の長文になっています。詳しくは以下の通りです。
3A | 220語 | E-mail文 | 3問 |
3B | 360語 | 説明文 | 4問 |
3C | 360語 | 説明文 | 5問 |
まず大問3のパートすべてに共通することを説明して、その後、少し特殊な3Aについて説明します。
設問は以下のように短文の質問に対して、4択で短文の答えが準備されているので、その中から正しいものを選択する形式です。
英検2級2020年第2回より
各設問の順番は、おおよそ長文の段落に対応しています。つまり「1問目は第1段落を読めば解ける」ように出来てますし、「2問目は第2段落を読めば解ける」ように出来ています。
どの大問も設問の選択肢の表現は難しくありませんが、本文に書いてある通りの表現ではなく、別の表現で言い換えられていることもありますので、少し注意して読まなければなりません。
3Aの出題傾向は?
3Aは220語程度のE-mail文が出題され、設問数は3問です。
メールの文章は慣れていない受験生が多いですから、過去問で何度も練習しておくといいでしょう。
練習の際に気を付けるのは「何の要件のメールなのか」ということと、「場所・時間」です。
例えば、次の問題を見てみましょう。
出典:英検2級 2020年度 第1回
今回のメールの要件は“S7 Software Conference”(S7 ソフトウェア会議)に関することだということが分かります。
大体の場合は、メールの上の方の“Subject”(題名)という部分にメールの要件に関して書いてありますし、文章の前半の方にも書いてあることが多いです。
またメールは何かの「案内」であることが普通ですので、「時刻」や「場所」に関しても重要です。
上の文章中にも見て取れるように、場所や時間に関しては最初の方にも書いてあります。
これに関しては文章途中や後半の方にも重要になってくることが多いので、意識して読めるようになると情報の取りこぼしがなくなります。
長文が苦手で「長文が読めない」あなたが英検2級合格に向けてすべき対策とは??
英検に限らず「長文が苦手で読めない」のには以下のような理由があります。
- 単語・文法の知識に抜けがある
- 長文の論理構成が意識できていない
- 分からない単語の意味を推測できていない
以下、詳しく説明していきます。
単語・文法の学習は外せない!高校英文法と5100語の語彙力は必須!?
長文が読めない1番の原因としては、語彙力と文法の理解が不足していることが挙げられます。
解いて、全体の正答率が40%を切ってしまうようだったら、語彙、文法の知識が十分でない可能性が高いです。
その場合は先に文法・語彙パートをしっかり学習してから長文の勉強をすることをおすすめします。
特に大問1の正答率が7割を切るのであれば、英単語、英文法の勉強をしましょう。
文章全体の流れを意識して勉強するようにしよう!
文法や単語の知識があっても、長文がスムーズに読めないということがあります。
「1文1文の意味は分かるけど、文章全体では結局何を言っているのかイマイチ分からない…」
そんな経験はありませんか?
それは文章全体の流れを意識できていない証拠です。
文章には「主張」「理由」「具体例」といった段落ごとの構造があり、それらが組み合わさって文章全体の流れができています。
それらが意識できれば、より正確に文章が読めるようになり、また長文問題の正答率も大きく上がるはずです。
こういった文章、段落同士の意味のつながりが分かるようになると、ディスコースマーカーを選択する問題に関しても簡単に答えられるようになります。
たとえば“For example”の後には具体例、“but” や“although”
は前後の文章の意味が逆の意味、といった感じで、ディスコースマーカーには文章同士のつながりや、各段落が文章全体でどういう役割をしているのかハッキリさせる効果があります。
ディスコースマーカーに着目して文章を読めるように、練習をしていきましょう。
以下の例で文章全体の流れを意識する感覚を掴みましょう!
出典:英検 2019年度 第2回
1段落の3行目に“As a result” 「その結果」というディスコースマーカーがあります。このディスコースマーカーは因果関係を表します。
今回の例では、
“Today, many young people move around for education and work”
「今日、多くの若者が教育や仕事のためにあちこちを転々とする。」
の結果が
“As a result” の後ろの“they often leave their parents behind when they move to other cities ~”
「若者たちは他の都市あるいは他の国に移り住むときでも、自分の良心を起こしていくことが多いです。」
となっています。
また2段落目の“A few years ago”, “Netherlands”, “Humanitas”, “Onno Selbach” といった「時間を表す表現」「地名」「固有名詞」があるときは具体例が始まることが多いです。
今回も2段落目はオランダにある老人ホームが学生たちと老人が一緒に暮らすエピソードが書かれています。
このように文章の流れがつかめれば、文章を理解しやすくなります!
分からない単語の意味を推測するようにしよう!
最後に、分からない単語の意味を推測できているでしょうか?
英検2級レベルにもなれば長文の中に1つや2つくらいは、あなたが知らない単語が出てきます。
その単語が文意の意味つかむのに重要でなければ問題を解くのに支障は出ませんが、リーディングの核となるキーワードであるならば、その単語の意味が分からないと問題は解けません。
どうやって単語の意味を推測するのか、その方法を2つお教えします!
その方法は次の2つです。
- 品詞を意識して単語の意味を推測すること
- 文章の流れを意識して単語の意味を推測すること
以下、詳しく説明します!
品詞を意識して単語の意味を推測!
1つ目は分からない単語の【品詞】を意識することです。
その1文全体を見て動詞が入る場所であれば、とりあえず主語が「何かをする」んだろうなと考えてみます。
限定用法の形容詞であれば「~~な」物(形容詞の後ろの名詞)という風につなげてみます。
ちなみに「限定用法」という単語が分からなかったあなたは文法の勉強不足かもしれません。
名詞であれば「もの」か「こと」です。形容詞が修飾していれば、どんな「もの」なのか、どんな「こと」なのかが限定されることも多いですし、
動詞の目的語だったら「~を」とか「~に」「どうする」という形で少しだけでも限定されていきます。
以下の例で品詞を意識して読む感覚を掴んでもらいましょう。
出典:2019年 第2回 大問2A
上の文章で “instruments”の意味が分からないとしましょう。
上の文章では主語が“Many musicians”で、動詞が“carry”となっています。
また“instrument”は“carry”の目的語になっています。
これより“instrument”は「多くの音楽家が運ぶもの」だと推測できます。
ここまで行けば、そのまま続きを読み続けることも不可能ではありませんよね?
ちなみに“instrument”は「楽器」という意味です。
推測できましたか?
文法をしっかり勉強すれば、意味を知らない単語が何詞なのか推測できるようになり、分からない単語があっても文章を読み続けることが楽になります。
文法の勉強はやはりあなどれないということですね!
文章の流れを意識して単語の意味を推測!
2つ目は文章の流れを意識することです!
文章の流れを正確に把握することで大抵の単語の意味は推測できるようになります。
たとえば分からない単語の品詞が動詞と分かれば「~~する」っていう意味だから、文章の流れ的には「肯定する」だろうなとか、「決定する」だろうなとか、予想が立てやすくなります。
以下の例で文章の流れを意識して単語の意味を推測する感覚を掴んでもらいましょう。
出典:2018年度 第3回 大問3
上の文章で“ingredients”と“fat”の意味が分からないとしましょう。
上の文章では“ingredients”の後ろに “such as fat and sugar,”と書いてあります。
“ingredients”の具体例が “fat and sugar”ということであるから
“ingredients = fat and sugar”ということがわかります。
また “fat and sugar” の後ろに “which can be harmful.”と書いてあります。
ということは“fat”は体に害があるものだと推測できます。
このように文章の流れ(ここだと、抽象→具体)を意識することで、知らない単語の意味が推測できます!
ちなみに“ingredients”は「材料」“fat”は 「脂肪」という意味です。
推測できましたか?
【英検2級リーディング】時間内に終わるように長文を速く読むコツは?
せっかく長文が読めるようになったのに、試験時間内に解き終わらないという場合もあるでしょう。
その主な原因は以下の2つです。
- 時間配分を意識していない
- 文章を前から英語の語順で読んでいない
以下詳しく解説します。
英検2級の各大問にかける時間配分を意識しよう!
長文の問題を解くときに時間配分については意識しているでしょうか?
せっかく長文を読めるようになっても試験時間内に解くための作戦を意識せずに解いていては、なかなか成長しないものです。
大学入試や高校入試でも、「文法問題は10分ぐらいで解き、残りの時間を長文に回す」といった時間配分の作戦を立てる方が成功しやすいことは知っているはず。
英検でも同じように事前に時間配分を決めて、解く必要があります。
それでは、英検2級のリーディングの時間配分はどのような感じになるのでしょうか?
英検2級のリーディングの時間配分は、大問2が15分、大問3が35分が目安です。
より具体的には大問2の2Aが7分、2Bが 7~8分で、合計15分です。
大問3は、3Aが8分、3Bが12分、3Cが15分で、合計35分となります。
大問2A | 7分 |
大問2B | 7分 |
大問3A | 8分 |
大問3B | 12分 |
大問3C | 15分 |
この時間配分を意識して過去問演習を繰り返していくことで読むスピードが徐々に上がっていきます。
前から英語の語順で読めるように音読で訓練しよう!
次に「前から英語の語順で読む」ことについてです。
特に「関係詞」「文頭のIt」などが絡んでくるような長い文章を前から英語の語順で読めないと、かなりの時間のロスにつながります。
例えば、次のような文章を後ろから読んで理解していないでしょうか?
It fascinates me how differently we all speak in different circumstances.
出典:和歌山大
この文章を理解するときには次のように前から理解します。
「それは(形式主語)」「魅了する」「私を」「いかに違って」「わたしたち皆が」「話す」「~違う状況で」
これを綺麗な日本語に直すと次のようになります。
「私たちがみな、異なる状況に応じていかに違う話し方をするかということが、私にとって魅力的なのだ。」
実際に日本語に直してみると、英文の真ん中あたりで表現されていたことが和文の頭に出てきています。
並べ替えないと綺麗な日本語にならないからといって、何度も返り読みを繰り返していると、英文を読むスピードが遅くなってしまいます。
ですから、このように難しい構造の文章でも決して後ろから前に戻るような読み方をしてはいけません。
これが出来るようになるための練習方法は「英語の語順でしっかり音読すること」です。もちろん、ただ音読をするだけではダメです。
音読をしながら、英文の構造を前から順に理解し、さらに意味も理解できる必要があります。それらが無意識にできるまで音読を繰り返しましょう。
より発展的には、文章全体の構造も理解しつつ音読できるようになるとベストです。
英検2級のリーディング問題を正確に速く解くコツは?
ここまでできるようになれば、必ず長文を時間内に読めるようになります。
しかし時間内に長文が読めても、問題が正確に解けなければ意味がありません。
リーディング問題を正確に速く解くコツは、主に以下の通りとなります。
- 問題文から読む
- 各選択肢の差を意識して解答する
以下詳しく説明します。
問題文を先に読んで大事な所を意識的に読み込もう!
問題文から先に読むことで、その長文のトピックや設問で問われている内容などが把握できますので、該当部分を重点的に読めばいいわけです。
また重点的に読む箇所を見極めることで時間短縮にもなります。
例えば次のような設問が出たらどのような内容を探しつつ長文を読むのが良いでしょうか?
“What is one way the Vikings have influenced the modern world? ”
「海賊が現代にどのように影響を与えたか?」
この場合は “the Vikings”(海賊)に着目しながら本文を読みます。
他の問題でも基本的には固有名詞に着目するといいでしょう!
なぜなら問題文中の一般名詞や動詞は本文中に出てきた表現とは違う表現で言い換えられていることが多い一方で、固有名詞はそのままの表現で書かれているからです。
ちなみに上の例も本文中では“modern culture”という表現だったものが設問中では“modern world”と言い換えられています。
正解が絞り込めないときはどうする??各選択肢の差を意識して解答しよう!
「4つの選択肢の中で2つまでは絞れるんだけど、そこから先に迷ってしまって」ということが良く起こるあなたはそれぞれの選択肢の差を意識すると良いでしょう!
たとえば、以下の4択はそれぞれどのような違いがあるでしょうか?
- Therefore
- Fortunately
- Although
- However
3つ目の“Although”と4つ目の“However”で迷ったのであれば、Althoughに意識して改めて長文に戻ってみるのが良いでしょう。
“Although”は従属接続詞で“However”は副詞なので、空欄のすぐ後に 「,」があれば“However”しか入らないことがわかります。
従属接続詞のあとには基本的にはSVが続くからですね。文法の知識もやはり侮れません。
どうしても迷って選べない場合は?
どうしても迷って選べないこともあるでしょうが、この場合は迷った問題に時間をかけるよりも他の問題を正確に答えることに全力を注ぎましょう。
ある問題で迷ってしまって、そこで時間を使いすぎると、他の問題に使える時間がその分だけ減ってしまいます。
解けない問題は早々に諦めて次の問題に進むことが重要です。
時間配分の重要性については上で書いた通りです。時間配分を意識することで、分からない問題に余計な時間を使わないことにも繋がります。
まとめ
この記事では英検2級の長文・リーディングについて全て解説しました。
英検2級リーディングの問題形式は以下の通りです。
大問2 空欄補充問題
2A | 250語 | 説明文 | 3問 |
2B | 250語 | 説明文 | 3問 |
大問3 内容一致問題
3A | 220語 | E-mail文 | 3問 |
3B | 360語 | 説明文 | 4問 |
3C | 360語 | 説明文 | 5問 |
また、長文が読めない原因は以下の通りです。
- 単語・文法の知識に抜けがある
- 長文の論理構成が意識できていない
- 分からない単語の意味を推測できていない
また、時間内に読み終わるコツは、以下の通りです。
- 各大問にかける時間配分を意識すること
- 前から英語の語順で読めるように音読で訓練すること
最後に、リーディング問題を正確に速く解くコツは以下の通りです。
- 問題文を先に読んで大事な所を意識的に読み込むこと
- 正解が絞り込めないときは各選択肢の差を意識して解答すること
- 分からない問題に時間を使いすぎないこと
この記事を全て読んだあなたなら、長文読解のコツは全て理解できたはず。勉強法についても気になるという場合はこちらを参考にしてください!
以下の記事にリスニングや面接なども含めて他のパートの勉強法もまとめていますので、ぜひご覧ください!