古典文学史の勉強と聞いてどんな勉強を思い浮かべますか?多くの人は「覚える量多い」「複雑だし分かりづらい」と思いがちです。「そもそも必要あるの?」なんて思う人も少なくないはず。
この記事ではそんな悩める受験生のために、古典文学史の勉強法をご紹介します。
そもそも古典文学史って覚える必要あるの?
この記事を読んでいる人は、マルオ君を含めて「そもそも古典の文学史は必要なのか」を疑問に思っていると思います。
まず、結論から言うと「最低限の知識は絶対必要」です。
入試の問題として採用されている以上、必要と考えるべきです。必要ないなら設問にしないはずですね。
じゃあ「どれくらい必要なのか?」というのが疑問になってくると思いますが、これは志望大学によります。
例えば、ほとんどの受験生が受ける「共通テスト」では、文学史はほとんど出ません。数年に一度、基本的な知識を問う問題が出る程度で、例年文学史の勉強をしていなくても解ける問題で構成されています。
よって、共通テストだけを受けるのであれば、文学史の勉強はほとんど必要ないのが実情です。
逆に、毎年のように文学史の問題が問われる大学もあります。たとえば早稲田大学の文学部などはそのいい一例です。
毎年文学史の問題が出題されていることがわかっているなら、しっかり文学史対策をしましょう。文学部などを受ける場合はしっかり対策しておくべきです。数年に一回出題されるのであれば、必要最低限の知識だけ覚えて他の重要な科目の勉強に専念しましょう。
ここで1つ注意点があります。いわゆるMARCH以上の難関大学を狙う文系の人は、たとえ文学史がほとんど出ない入試問題であっても、「必要最低限の知識」は必ず押さえておきましょう。
なぜなら、MARCH以上のレベルになってくると、たとえ読解問題でも、作問者は「受験生は最低限の文学知識を持っているだろう」と考えて問題を作ることがあります。そのため最低限の文学知識を備えていないと、読解問題でつまずくことがあるのです。
よって、たとえ文学史があまり出題されていなくても、必要最低限な知識は覚えましょう。
古典文学史の覚え方のポイント
文学史の勉強でまず気をつけてほしいことがあります。それは「必要以上に時間をかけすぎないこと」です。
古典文学史の覚え方には重要なポイントがあります。それは以下の2つです。
①必要な分だけ勉強したら、得点の高い他の科目の勉強をする
②直前に一気にやってしまう
古典文学史の覚え方のポイント①: 必要な分だけ勉強したら、得点の高い他の科目の勉強をする
文学史を覚えるときの1つ目のポイントは「必要以上に時間をかけすぎないこと」です。
実は、文学史の問題は配点が高くないのです。そのため、たくさん勉強しても古文全体の得点はそれ程変わりません。
あまり合格に直結しない配点が低い問題なので、必要な分だけ覚えたらさっさと別の配点が高い勉強をやりましょう。
配点の高い勉強としてオススメなのが、古典でいうと助動詞や読解練習です。これらは必ず出題されますし、入試問題でも高配点です。他の科目であれば英語などがオススメです。
古典文学史の覚え方のポイント②: 直前に一気にやってしまう
文学史の問題は「知っているかどうか」で決まります。一部頭を使って考えなければ解けない問題もありますが、それでも文学史の知識そのものを覚えていないと正解にたどりつけないことがほとんどです。
よって、「暗記しているかどうか」が勝負を分けます。しかし、先ほど言った通り、配点は高くないので、暗記に時間をかけてもさほど合格には影響しません。
じゃあどうすればいいのかというと、「直前に一気にやってしまう」のです。知っているかどうかの勝負なので試験の直前に集中して覚えてしまいましょう。
あまり合格に直結しない分野だからこそ、何ヶ月もかけてやるのではなく、直前に集中して覚えきってしまうのが得策です。
古典文学史のオススメ覚え方
1. 語呂合わせ
2. ジャンル・時代別に暗記
古典文学史のオススメ覚え方①:語呂合わせ
暗記ものの定番と言ってもいい勉強法です。古典では、似た名前のものが多いので語呂合わせで一気に覚えてしまいましょう。
歴史物語の「四鏡」を例に、語呂合わせの威力を見てみましょう。
四鏡というのは、平安時代後期から室町時代前期までに成立した「鏡物」と呼ばれる『大鏡』『今鏡』『水鏡』『増鏡』の4つの歴史物語です。
この4作品の成立順を問う問題はよく出ますが、4つの名前がほとんど一緒なので、順番がごちゃごちゃになってしまうことがよく起こります。
そんな時は以下のように語呂合わせで覚えてしまいましょう。
(「四鏡」の最初の漢字をとって、)大(だい)→今(こん)→水(みず)→増(まし)
順番を問われたとき、「だいこんみずまし」だけ覚えていれば、簡単に答えを出すことができます。
①三大随筆の語呂合わせ
(成立順に)
枕(枕草子)の方(方丈記)へつれ(徒然草)てって②作り物語の語呂合わせ
(成立順に)
竹とって(竹取物語)うっかり(宇津保物語)落ちる(落窪物語)③歌物語の語呂合わせ
(成立順に)
伊勢(伊勢物語)の大和(大和物語)でヘイヘイヘイ(平中物語)
古典文学史のオススメ覚え方②: ジャンル・時代別に暗記
次にオススメなのが「ジャンル、時代別に分類すること」です。ただ漠然と暗記するのではなく、「時代ごと」「ジャンルごと」に細かく分類して覚えるのです。
文学史はあまりの知識がたくさんありすぎて、一つ一つしっかり頭に刻み込むのはすごく時間がかかります。
ですので、「ジャンル」や「時代」ごとに小分けにして覚えることをおすすめします。
具体例として平安、鎌倉時代の文学史をジャンル分けして考えてみましょう。ジャンル分けせずにあげてみると……。
枕草子、土佐日記、蜻蛉日記、和泉式部日記、紫式部日記、更級日記、十六夜日記、竹取物語、宇津保物語、落窪物語、伊勢物語、大和物語、平中物語、源氏物語、今昔物語、古本説話集、日本霊異記、発心集、宇治拾遺物語、古今著聞集などなど
しかし、分類分けすると、一気に覚えやすくなります。
随筆 | 日記 | 作り物語 | 歌物語 | 説話 | |
平安 | 枕草子 | 土佐日記 蜻蛉日記 和泉式部日記 紫式部日記 更級日記 |
竹取物語 宇津保物語 落窪物語 源氏物語 |
伊勢物語 大和物語 平中物語 |
日本霊異記 今昔物語 古本説話集 |
鎌倉 | 方丈記 徒然草 |
十六夜日記 | 特になし | 特になし | 発心集 宇治拾遺物語 古今著聞集 |
このように分類すると、1つの分類に入るのはせいぜい5個前後です。1か所につき5つなら暗記する作業が一気に簡単になります。
たくさん暗記しなければいけないなら、このように細かく分類分けをして覚えてみると、一つ一つの分野で覚える分量が減り、覚えやすいです。
古典文学史を覚えるのにオススメの参考書
古典文学史おすすめ参考書①:国語便覧
国語便覧は高校の授業でほとんどの人が配られるのではないでしょうか?文学史をはじめ、平安時代の生活など紹介されている分厚い本です。
文学史の勉強はわざわざ新しく参考書を買わなくても、便覧を使って勉強すれば十分です。知識量としても豊富ですし、ほとんどの便覧では各作品の解説まで載っています。
国語便覧の使い方
まずはざっと文学作品の紹介を読んでみましょう。この時、各作品の特徴は大体でいいのでつかみましょう。「どんなジャンル」の本で」「どの時代に書かれたか」「作者は誰だったか」を覚えていれば十分です。
次に、便覧には必ずジャンルや時代ごとに分けられている表が掲載されているはずなので、それを使って、「どの時代に書かれたのか」「どんなジャンルなのか」「書かれた順番」を押さえましょう。
ここまで覚え切れれば十分です。スキマ時間などを使って地道に復習しながら覚えていきましょう。
古典文学史おすすめ参考書②:みんなのゴロゴ 古文出典
「便覧を見ても、情報量多すぎてどれ見ればいいかわからない!」という人におすすめです。
この参考書では、文学作品を「試験に出やすい順」で解説してくれます。ですので、「どの作品がよく試験で聞かれるのか」を把握できますし、頻出順が高いものを優先的に覚えることができるというメリットがあります。
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば古文の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!
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・文学史勉強のポイント
① 直前に一気にやってしまおう
② 必要な分だけ勉強したら、得点の高い他の科目の勉強をしよう
・古典文学史オススメ勉強法
①語呂合わせ
② ジャンル・時代別に暗記