古典の文法の中で一番重要になってくるのが助動詞です。助動詞がわからないとなかなか古典が読めるようになりません。
しかし、助動詞は意味がいくつもあって複雑で、「どうやったら覚えられるの?」と思う人も多いはず。この記事ではそんな人の悩みを解消するべく、「助動詞が苦手な人」でも「2週間で助動詞を完璧に身につける勉強法」をご紹介します。

- 案件04
古典の助動詞ってどうやって覚えたらいいの?

古典の助動詞ってどうやって覚えたらいいの?










戦略01
助動詞ってどれくらい覚えればいいの?




マルオ君のように「助動詞って全部必要なの?」と思う人も多いと思います。確かに量は多いものの、文章の中に登場する頻度は助動詞によりまちまちです。あまり登場しない助動詞も多くあります。
しかし結論から言うと、助動詞は必ず全種類覚えるべきです。

助動詞は古典文法の大部分を占める核となる知識です。「文章を読み解くには文法をもれなく覚えなきゃいけない」というのは、英語の勉強を思い出してもらえばわかると思います。
覚えなくてもいい、なんて助動詞はありません。全種類覚えることを目標に勉強しましょう。


参考書を開いてみると、一つの助動詞でも覚えなければいけないことがたくさんあることがわかります。ですが、活用や接続など、何を重点的に覚えたらいいのかわからない。という人もいると思います。
実は、助動詞の中で具体的に覚えなければいけないのは限られています。それは、次の3つです。
- 接続
- 活用
- 意味

助動詞の参考書を見てみると、この3つ以外にもたくさん書いてありますが、必要な知識はこの3つに集約されます。接続、活用、意味の3つを覚えれば文章を読めるようになるので、助動詞をなかなか覚えられない人はこの3つを集中的に覚えましょう。
戦略02
助動詞の効率的な覚え方を知ろう!


2-1. 短時間勝負!2週間で一気に覚えてしまおう




2-2. 具体的な覚え方
助動詞を覚える上でのオススメの勉強法は2つ。
- 小分けにする
- 歌に乗せて覚える

2-2-1. 小分けにして覚える
最初のテクニックは「小分けにして覚える」ことです。
簡単に言うと、「同じ接続、意味でまとめて覚えてしまう」ことです。小分けにしたほうが頭の中が整理されやすいです。特にこの勉強では「接続」と「意味」を覚えるのには有効です。
接続の覚え方を例に、まとめて覚えてしまうとどれほど簡単に覚えられるか、見ていきましょう。
る・らる・す・さす・しむ・ず・じ・む・むず・まし・まほし
つ・ぬ・たり・けむ・けり・たし・き
べし・まじ・らむ・めり・なり・たし
なり・たり・ごとし
り
この文字の並びを見て何かピンとこないでしょうか?

これは助動詞を接続別にまとめたものです。
上から順に未然形、連用形、終止形、連体形、已然形です。
接続を覚えるときは、「『ず』は未然形接続で、『まじ』は終止形接続で……」というように、一つ一つの助動詞ごとに接続を暗記していくのではなく、「る・らる・す・さす・しむ・ず・じ・む・むず・まし・まほしは未然形接続!」というようにまとめて覚えてしまうことがポイントです。一つ一つ覚えるのは非常に労力がかかりますし、どれがどれだかわからなくなってしまいますからね。
また、意味を覚えるときも同じように小分けにして覚えていきましょう。
たとえば、過去の助動詞と言われたら「き」と「けり」が挙げられます。この二つは細かく分別すれば「き」が体験過去で「けり」が伝聞過去です。


確かに、これら二つの使い分け方がわからなければ問題を解けないことがあります。しかし、助動詞をこれから覚える人は、とりあえず、過去の助動詞といえば「き」と「けり」だとわかるようにしましょう。
過去の意味の助動詞に限らず他の助動詞でも同じです。意味ごとにセットで覚えていきましょう。一つ一つの助動詞を細切れにして覚えるよりも、意味ごとにセットにして小分けにした方が頭が整理され、定着しやすいです。よって、まずは小分けにして頭を整理しながら覚えていきましょう。
体験過去と伝聞過去のような細かい区別はあとからつけていくものです。最初は「過去」という意味だけ覚える、というように、頭に残りやすい単純な小分けにして覚えましょう。
2-2-2. 歌に乗せて覚える
次に紹介するのは替え歌に乗せて覚える方法です。古典ではおなじみの勉強方法ですから、多くの人は学校などで一度は聞いたことあるのではないでしょうか。
歌で覚えることは、助動詞の「接続」を覚えるのに特に効果的です。


歌に乗せて何度も繰り返しましょう。繰り返す目安は、
1日10回以上 です。
暗唱できるまでは何度も繰り返しましょう。人によって差はありますが、1か月繰り返せば必ず覚えられます。好きな歌を覚える感じで楽しく覚えましょう。

たとえば、YouTubeにはこんな動画がアップされています。ぜひ、参考にしてみてください。
以上の例でもいいですし、学校で先生から教わったものでも、自分で作ったものでもなんでもいいです。歌に乗せて効率よく覚えましょう。

☆次の空欄に助動詞「ぬ」を適切な形に活用させて入れよ。
人にも、おほやけにも、失せかくれ( )たる由を知らせてあり。(2016年 学習院大学)

まず、着眼すべきは空欄の後ろです。後ろには、助動詞「たる」があります。「たる」の接続を歌から思い出してみると……。そう。「たる」は助動詞「たり」の活用形で、「たり」は歌の中で、接続は連用形だ、と覚えましたよね。
つまり、「ぬ」を連用形に直せば正しい形になります。よって、答えは「ぬ」の連用形である、「に」です。




活用の覚え方といっても、実はそんなに労力を使わなくても覚えられます。
動詞や形容動詞で活用を勉強しませんでしたか?実は、助動詞も例外なく、動詞や助動詞の活用のルールにのっとって変化していきます。
なので、「各助動詞の活用が何活用にあたるのか?」をしっかり覚えておけば、効率的に覚えることができます。

詳しい覚え方は「古典活用勉強法」の記事を参考にしてください。
戦略03
助動詞暗記にオススメの参考書








ここからは参考書を使った具体的な勉強法を紹介していきます。やはり歌などで覚えるだけでは、試験で得点できるようになりません。参考書を効果的に使って助動詞をものにしましょう。
ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル
助動詞だけではなく、文法全体を紹介してくれている参考書です。助動詞は意味ごとに小分けにして紹介してくれています。また練習ドリルで実際の古文で使いながら覚えられるところもおすすめです。
古典文法ドリル
こちらも文法全体を紹介してくれている参考書です。「覚える!」アイコンの中に覚えなければいけないことがまとめてあり、とても見やすいです。また練習問題もついているので、しっかりアウトプットできます。
上で紹介した2つの参考書のどちらも同じ使い方です。使い方としては、
- 問題を解く。(書き込まずコピーを取ること)
- 答えあわせをする。
- 文法事項がまとめられているページを見て知識を確認。
- 間違えた問題はもう一度解く。
という4つの手順をふみましょう。
これらの参考書は、1回やって終わりにするのではなく、頭に残るまで何周も繰り返すことをおすすめします。
2週間で暗記できた後も、1ヶ月に1回は参考書を使って復習しましょう。何度もやることで頭に残ります。
1ヶ月に1回の復習の時に注意すべきポイントがあります。それは、もう一度全部の問題を解き直すことです。
1ヶ月も触れていないと、忘れてしまうことがほとんどです。「できた」と思っている分野も抜け落ちていることがあるので、以前正解した問題も含めて解き直しましょう。






まとめ
・助動詞は必ず全部覚えよう。覚えるポイントは以下の3つ!
- 接続
- 活用
- 意味
・古典の助動詞は短期集中!2週間で一気に覚えきってしまおう!
・助動詞を覚える上でのオススメの勉強法は……「小分けにする」「歌に乗せて覚える」
・記憶を持続させるために、参考書を1ヶ月に1回は復習しよう!!