古典文法といえば古典の勉強の核となる部分。古典文法ができないと、古文の入試問題はほぼ解くことができません。とはいえ、0から始めるとなると、「どうやって勉強したらいいの?」と思う人も多いはず。
この記事では、そんな受験生に向け「たった1ヶ月」で古文文法を覚えられる勉強法を解説します!


古典文法で覚えるべきポイントは3つ!
まず「古典文法の勉強」をする上で絶対にやるべきことを知っていますか?
助動詞や敬語など難しそうな内容が多いですが、実は古文の文法事項において押さえるべきポイントはハッキリしています!
なぜなら、古典文法は英語と比べて勉強すべき内容がシンプルなためです。
それでは早速、古文文法を勉強するときに押さえるべき3つのポイントを紹介しましょう!
古典文法で覚えるべきことはこの3つ!
- 識別
- 活用
- 意味
以下で1つ1つ、説明していきます。
古典文法で覚えるべきポイント①:識別
識別とは、文章中に書かれている単語が「動詞・形容詞・助動詞など他のもの」のどれであるかを判別することです。
古典では、一見同じ文字を使っていても意味が違うことがあります。そのため、どの文法事項が使われているかを区別できないと、文章の意味を捉え違えてしまいます。
正しく文章を読み解くために、きちんと識別できる力を身につけましょう。

「識別」の方法は参考書でよく紹介されるトピックなので、まずは参考書に書かれていることから覚えましょう。
具体的な参考書として、「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」をあげて解説します。
「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」では、26章から30章までの中に識別の解説が掲載されています。
その中でも注目すべきは、解説の中に書かれている『判断するポイント』です。
この部分では、識別の際に確認すべきポイントを簡潔に紹介しています。
例えば、
『「る・れ」の識別では「る・れ」のすぐ上の一字の音を見て判断する』
というように紹介されています。
この判断ポイントをしっかり覚えることは大切です。

識別をする際は、助動詞だけでなく動詞や助詞など複数の品詞から選ぶため、少なからずややこしさもあります。
しかし、「どこが識別するポイントなのか?」を理解できれば必ず識別できるようになるので安心してください!
識別の際に迷いがちな助詞と助動詞について詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしましょう。
助詞
助動詞
古典文法で覚えるべきポイント②:活用

と、思う人もいるでしょう。
そもそも「活用」とは、同じ単語でも後ろに来る言葉で語尾の形が変わることを指します。
たとえば、「書く」という動詞は、後ろに続く言葉によって次のように形が変わります。
書かず / 書きて / 書く人
このように、まったく同じ単語でも後ろに来る言葉で語尾の形が変わるため、活用を覚えていないと文章が全く読めません。
古文を読み解くために、活用もしっかり覚えましょう。
活用に関しては、以下の記事も参考にしてください。
古典文法で覚えるべきポイント③:意味
文章の意味がわからなかったら、当然内容を理解できません。
たとえば、先ほどの例で使った「書かず」の「ず」は“打ち消し”の意味を持っています。現代語に訳すと「〜ない」です。
それくらいはわかるかもしれません。
しかし、古文単語や助動詞には「1つにつき2つ以上の意味を持つ」というものが多く、すべての意味を覚えないと試験で対応できないのです。

古典文法の覚え方&勉強法
古典文法で何を勉強すればいいかわかったところで、具体的な勉強法を解説していきます。主な勉強法は、3つです。
- 「活用」は声に出して音読する
- 「接続」は歌に乗せて覚える
- 「意味」は語呂合わせで覚える
これらの勉強法を実践して、古文文法を自分のものにしていきましょう。
古文文法の覚え方①:「活用」は声に出して音読する
声に出して音読する勉強法は、動詞や助動詞などの活用を覚えるのに最適です。
動詞の四段活用を例に、実際にどうやって音読すればいいか説明しましょう。
動詞の四段活用の活用パターンは、
未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形の順に、必ず「ア・イ・ウ・ウ・エ・エ」
となります。
たとえば「書く」という四段活用の動詞は、「書か・書き・書く・書く・書け・書け」となるわけです。
この活用パターンをひたすら音読してください。おもわず口ずさんでしまうくらい何度も何度も。
この例で言うと「ア・イ・ウ・ウ・エ・エ」を何度も何度も繰り返しましょう!

古文文法の覚え方②:「接続」は歌に乗せて覚える
歌に乗せて覚える勉強法は、助動詞の見極め方の中で大事になる「接続」を覚える上で有効です。
まず「接続とは何か?」から説明します。
ある特定の助動詞の上にくる、動詞や形容詞の活用形は決まっています。
たとえば、打消の助動詞「ず」の上にくる動詞は、必ず未然形になります。
そのため、
助動詞「ず」は未然形接続の助動詞
と呼ばれます。
「ず」以外の助動詞にも同じようなルールがあります。
よって、どの助動詞が使われているか見極めるために、この「接続」は重要なヒントになるのです。
この助動詞の接続を一つ一つ覚えるのはかなり大変です。
しかし、同じ接続の助動詞をセットにして歌に合わせて覚えてしまえば、グッと楽になります!
試しに以下の動画を見てみてください。
時間に余裕があれば自分のオリジナルの歌をつくってもいいですね。自分で作った歌の方が記憶に残りやすいです!

古文文法の覚え方③:「意味」はゴロ合わせで覚える
ゴロ合わせは、助動詞の「意味」を覚えるのに最適な勉強法です。
たとえば、助動詞「む」の意味には、
意志・推量・仮定・勧誘・婉曲・適当の6つ
がありますが、これをすべて覚えるのは大変そうです……。
ですが、この6つの頭文字をとると、
「す・い・か・と・め・て」
となり、断然覚えやすくなります!

古典文法の勉強はとにかく継続が大事!
古典文法の勉強で特に大事なことは、「継続すること」です。
これまで説明した3つの勉強法は、すべて「継続」しないと意味がありません。
さらに、古典文法では「どれだけの量の知識を暗記できるか?」が勝負です。
古文の問題は、助動詞の活用や接続を覚えていないと解けない問題ばかりです。
逆に言えば、覚えてしまえば解ける問題が一気に増えます。
そのため、歌や語呂合わせを使ってとにかく覚えていきましょう。

古典文法を覚えるためのオススメ参考書

古典文法オススメ参考書①:古文文法ゴロゴ
文法のポイントや受験にとって大事なポイントが過不足なくまとめられています。
実際の古文を使って問題演習できる優れものです。重要ポイントに絞ってしっかり学習したい人にオススメです。
この参考書の詳しい使い方はこちら!
古文文法オススメ参考書②:ステップアップノート30古典文法基礎ドリル
書き込み式の参考書で、30ステップに分かれているので、体系的にコツコツ問題演習ができます。
基礎の基礎から紹介しているので、初心者にもオススメです。
この参考書の詳しい使い方はこちら!

古文文法の参考書の使い方
- Step1
- 文法の重要ポイントを確認
- Step2
- 実際の問題を解く
- Step3
- 解説を読み、わからないところ、覚えられてないところを復習
- Step4
- 間違えた問題、不安な問題をもう一度解く
1つずつみていきましょう。
Step1. 文法の重要ポイントを確認
特に勉強し始めの人は、必ず問題を解く前に「重要ポイント」を見て、頭の中で整理してから問題を解きましょう。
Step2. 実際に問題を解く
ここでのポイントは、「なぜその答えになったのかを考えながら解く」ということです。
根拠がない解き方は絶対にダメ。
受験で出題される問題には必ず正解になる根拠があります。正解の理由を説明できるように、解答のプロセスにこだわりながら問題を解きましょう。
Step3. 解説を読み、わからないところ、覚えられてないところを復習
問題を解いたら解説を読みます。このとき、Step2で考えた「なぜその答えになったのか」のプロセスが合っていたかを確認しましょう。
ただ正解するだけではダメです。正解に至るまでのプロセスがわかっていないと、違う問題や実際の入試問題を解いた時に正解までたどり着けません。

Step4. 間違えた問題、不安な問題をもう一度解く
間違えた問題をもう一度解きましょう。「正解していたがプロセスは間違っていた」という問題も解きます。
解き直しの理想は翌日です。このように、繰り返し解いて正解の理由もしっかり意識することで、どんどん理解が深まりますよ!
まとめ

- 古典文法で覚えるべき3つのポイントは、「識別」「活用」「意味」。
- 古典文法の勉強はとにかく「継続する」
- 古典文法の参考書は必ず「正解へのプロセスを考えて」「繰り返し」をしよう!