古典の「活用」と聞いてピンと来ますか?「こんなの重要なの?」なんて思っている人も多いのではないでしょうか?意外と意識せずに忘れがちな人が多い分野でもあります。しかし侮ることなかれ。活用がわからないと全然古文は上達しないです。そこでこの記事では「活用を全く勉強していない人」でも「1週間で暗記できる」勉強法をご紹介します。

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古文の活用が覚えられません

古文の活用が覚えられません









戦略01
そもそもこんなの必要?古典の活用を覚えなきゃいけないの?
勉強法を解説する前にマルオ君も感じていた疑問に答えていきましょう。
「そもそも活用なんか覚える必要なのか」
確かに地味だし、あんまり使わないくせに覚えることはめちゃくちゃ多い。日本語だから、「日本人ならわざわざ覚え直さなくても大丈夫なんじゃないか」と思う人が多いのも無理はないです。
しかし活用は絶対に覚えなければいけません。

ではどうして覚えなきゃいけないのか、解説していきましょう。
活用が必要な理由
古典に限らず、現代語でも活用は普段から使われています。
例えば普段から私たちが使っている動詞「言う」を例に考えてみましょう。
辞書に載っているのは「言う」ですが、話し言葉の中で「言わない」とか、「言いました」「言えば」などの形でも使われますね。
このように一つの動詞が色々と形を変えることを「活用する」と言います。古典では形容詞や形容動詞、助動詞にも活用がありますが、「活用」は現代の話し言葉(口語訳)でも古典の書き言葉(文語)でも同じように起こります。
私たちは幼い頃から現代の話し言葉で喋っているので、口語訳のルールは勝手に身についています。そのため、活用なんてわざわざ学ばなくても自然とできてしまうものなのです。

現代語では自然とできてしまうので「活用なんかわざわざ覚えたくない」と思う人も多いかもしれませんが、古典になると覚えないわけにはいきません。
例えば、
「桜の木があった」
は文語で書くと
「桜の木ありき」
ですが、
「桜の木があった頃」
は
「桜の木ありし頃」
となります。
「き」と「し」はともに過去を意味し、「き」は文末の場合(終止形)、「し」は後ろに名詞が来る場合(連体形)に使います。
このように現代語とは違う形になってしまいます。現代語と同じ感覚で解くと当然間違えてしまうことになります。
似ているようで違うものが多いので、改めて覚えてください。






戦略02
赤神先生おすすめ!より頭に残る活用の覚え方3選
ここから古典活用を暗記する上でおすすめの覚え方を紹介します。
- 1、分別して覚える
- 2、歌
- 3、繰り返し音読

2-1、分別して覚える
分別して覚えるとはどういう意味でしょうか?
結論から言うと、
- (1)属する語、活用表で覚えるべきもの
- (2)法則で理解して覚えるもの
に分別して覚えたほうが頭の中が整理されて覚えられるということです。
主に「動詞」「形容詞」「形容動詞」の活用を覚えるのに有効です。
ではどのように分別していくかを解説していきます。
(1)属する語、活用表で覚えるべきもの
この(1)に当てはまる活用は下の6個です。
- 上一段活用
- 下二段活用
- カ行変格活用
- サ行変格活用
- ナ行変格活用
- ラ行変格活用
これら6個の活用形に共通していることがあります。それは
当てはまる語が少ないこと
です。
例えば、下一段活用は「蹴る」の一単語のみです。「蹴る」以外で下一段活用を使うことはありません。
なので活用は「け・け・ける・ける・けれ・けよ」です。
他にも、ナ行変格活用なら「死ぬ」「往ぬ」の二単語のみです。
詳しく何が当てはまるのかは現在持っている文法参考書をみてください。必ず書かれているはずです。

一つ一つの活用で覚えるべき語数が少ないので、(1)に当てはまる活用は属する語と合わせて活用まで丸暗記してしまうことがオススメです。
(1)に関しては覚えているかいないかの差です。一つ一つ頭の中で整理しておけば、覚える量は少ないので、丸暗記してしまいましょう。
具体的な覚え方としては、「繰り返し音読してしまうこと」が一番効果的です。音読での覚え方は「2-3 繰り返し音読する」で詳しく紹介しているので、その章をもとに勉強しましょう。
(2)法則で理解して覚えるもの
この(2)に当てはまる活用は下の5個です。
- 四段活用
- 上二段活用
- 下二段活用
- 形容詞の活用
- 形容動詞の活用
これら5個に共通していることが2つあります。
- ①当てはまる単語が多い
- ②規則的に覚えられる
動詞において四段、上二段、下二段活用をするものは無数にあります。形容詞はク活用・シク活用、形容動詞はナリ活用・タリ活用しかないので、ほぼ全部です。

マルオのように思ってしまう人もいるかもしれないですが、逆に(2)では嬉しい法則があります。それが②規則的に覚えられることです。
例えば四段活用で解説していきます。
四段活用では活用語尾が「a・i・u・u・e・e」と「aiue」音で変化します。
「書く」だと「書か・書き・書く・書く・書け・書け」と変化するようになります。
つまりアルファベットで書かれた部分にその単語の活用語尾の音が入るということです。「書く」なら「カ行」、「思ふ」なら「ハ行」というふうに入ります。
(2)は「a・i・u・u・e・e」の部分だけ覚えて活用を当てはめるだけでいいのです。もちろんどの活用を使うべきか判断した上でですが。
先ほどの例で解説すると、四段活用は「a・i・u・u・e・e」と変化するだけ覚えれば活用は完璧です。
(1)も(2)も両方混ぜて覚えようとすると頭の中が整理できず、実践できなくなってしまいます。
活用を覚えるときは「丸暗記してしまったほうが楽なのか」「活用の変化の仕方だけ覚えればいいのか」を区別して覚えるようにしましょう。
2−2、歌
さて次に紹介するのは「歌」です。
活用を何かの歌に乗せて暗記してしまおうというものです。
助動詞の意味を覚えるために「歌」に乗せて覚える人も多いと思いますが、活用の暗記でも応用してやってみると効果的です。
一つ例があるので、聞いてみてください。
歌に乗せて覚えていると、試験本番の時に役立ちます。
試験本番だと、緊張や普段と違うなれない空気感のせいで、せっかく暗記した活用をど忘れしてしまうことがあります。
しかし歌に乗せてリズムで覚えていると、自然と頭の中に残るので思い出せることがあります。
それだけリズムで覚えると忘れにくくなります。
また、「歌」で覚えるときに一つポイントがあります。
それは自分で作ってみることです。
確かに、つい先ほど紹介した替え歌で覚えてしまってもいいのですが、自分で作ったほうがより忘れないです。
自分自身の好きな歌に合わせて替え歌を作って覚えてみましょう。
2−3、繰り返し音読する
最後に紹介するのが一番効果的な方法です。
活用は工夫して覚えることができますが、「活用表を何度も繰り返し音読して丸暗記してしまうこと」が一番強力です。
ですが、マルオのように繰り返し音読することに飽きてしまう人がいるのも事実。
そこで今回は活用形が確実に覚えられる音読法を教えます。
手順は以下の3つです。
- Step.1
- 活用表を見て5回音読する
- Step.2
- 活用表を見ないで5回音読
- Step.3
- 1週間同じ動作を繰り返す。
各手順でのポイントとより詳細なやり方を解説します。
Step.1 活用表を見て5回音読する
まず、活用表を見てブツブツ音読してください。
この時に1つポイントがあります。
この「せ・○・き・し・しか・○」の○まで音読しましょう。
つまり、「せ・まる・き・し・しか・まる」となります。
なぜこのように○まで言う方がいいのでしょうか。
○を飛ばして読むと、「せ・き・し・しか」のように、普段は3番目に来る「終止形」が2番目に来てしまいます。そうすると、「いつも、2番目は連用形だけど、今回は2番目は終止形だ」みたいにわかりづらくなります。
そのため○を入れて「未然形・連用系・終止形・連体形・已然形・命令形」の順番を崩さずに覚えたほうが、シンプルで覚えやすいです。

Step.2 活用表を見ないで5回音読する
今度は見ないで暗唱しましょう。この時も同じく、一息で言い切りましょう。
この時5回連続で見ないで言えなかったら、それは頭の中に残っていないということなので、もう一度、活用表を見て覚えなおしましょう。
Step.3 1週間同じ動作を繰り返す
最後にStep.1,Step.2を1週間欠かさずやり切りましょう。
Step.3でのポイントは、欠かさず継続することです。
活用は一つ一つ覚える量も少ないし、活用がシンプルに並んでいるだけなので忘れやすいです。そのため毎日かかさずやることで、自分の頭の中に残っているかどうか点検しましょう。

また、繰り返し音読するときには最初に「どのくらい音読するか」回数を決めておくことが大事です。5回ずつだと物足りない、なんとなく不安という人は回数を変えて自分にとって最適な音読量をこなせばいいです。
先に決めておくことで、それを目標に頑張ろうと思って、やる気が維持されます。



まとめ
活用は必ず勉強しましょう。現代文と同じ感覚で試験に臨むと必ず間違えます。
活用の覚え方
- 丸暗記するもの、規則的に覚えるものを分別して覚えよう
- 歌に乗せて覚えよう
- 繰り返し音読することで覚えよう