高校3年生になったらおそらく多くの人が受けることになる「センター試験」。高校1年生や高校2年生の人はまだ「センター試験」とはどういったものなのか、いまいちイメージが湧かないと思います。
そこで、ここでは数ある科目数の中から『古文』に焦点を当てて徹底的に解説していきたいと思います。特に高3生の中には、「古文の点数がなかなか伸びない」だとか「時間配分はどうしたらよいのか?」などといった疑問を抱いていると思います。また、「そもそもどういった問題がでるのか?」や「どういった勉強をしていけばいいのか?」などの疑問を抱く高1生や高2生も多いはずです。この記事を読んでもらえればそういった悩みが解消されますので、ぜひ参考にしてみて下さい!






センター古文・各大問の構成と対策について知ろう!

センター古文の場合、年によって細かい変更がありますが基本的には語彙問題、文法問題、読解問題の3パターンです。読解問題のうち、和歌に関する問題が1問出題されることが多いのが最近の傾向です。
以下、一つ一つ特徴と解き方を見ていきましょう。
センター古文設問パターン1 語彙問題
特徴
本文中の単語に傍線が引かれ、その傍線部の意味を答える問題。センター以外でも良く見る問題形式です。
解き方
単語の意味一発で答えが出る問題もありますが、文法の知識が解答の根拠になる問題も多いです。なので単語暗記だけで解けると思うと大間違い!単語の暗記だけでなく、文法の知識も含めて解答するようにしましょう。
例えば以下のような問題です。
センター古文設問パターン2 文法問題
特徴
本文の中の文法箇所に波線が引かれて解答を選ぶ問題。例年本文の中の5箇所に波線が引かれます。この設問では各波線の意味を答えるわけではなく、各波線部で同じ意味の助動詞ごとにわけます。
またそのほかにも、単純に波線部の文法的説明(謙譲の補助動詞、断定の助動詞、など)を選ばせるものも出題されます。
解答形式はセンター試験特有ですが、一般的に「識別問題」と言われています。古典文法では頻出の問題です。
実際の問題を使ってイメージしてみましょう。
この例は典型的な文法問題です。「に」「ぬ」「ね」に傍線が引かれてあります。参考書などでよく紹介される「に」と「ぬ」の識別問題です。
解き方
この問題には消去法が有効です。解答が早い人は消去法を使っていますが、マルオのように慣れていない人は一つ一つ意味を考えて答えを出しましょう。

こうした問題でよく出るのは助動詞。助動詞はいちばんはじめにきちんと覚えきる必要があります。


こうした助動詞の識別問題で注目すべきポイントは、ずばり直前の語の活用です。たとえば例題の「ぬ」の識別だと、直前の語が未然形なら打消、連用形だと完了の意味になりますね。

助動詞を覚える際には、この「接続」に加えて、「意味」「活用」をおさえるようにしましょう。

また、文法以外にも敬語が設問になる年もあります。敬語もやはり基本的な知識が問われています。
敬語の問題では謙譲語・丁寧語・尊敬語が見分けられるかどうか?が非常に重要になります。古文の敬語では必ず「この単語は尊敬語」といったように決まっていますが、「侍り」「給ふ」のように複数の意味があるものもあるので、意味を覚えるだけでなく「誰から誰への敬意を表しているのか?」を理解する必要があります。

センター古文設問パターン3 読解問題
特徴
本文中に傍線が引かれ、それについての説明として適切なものを選べという問題です。また、本文中に登場する和歌についての説明として適切なものを選びなさいという問題も出ます。
説明として適切なものを選ぶ選択問題ですが、これは基本的な読解問題です。傍線の意味、前後の文脈をしっかり追って考えれば解くことのできる問題です。1問ごとの配点は高いですが、難易度は決して高いわけではありません。
解き方
シンプルな読解問題ですが、ポイントは2つあります。
- 設問にぶつかってもその段落は読み切る
- 先に設問は見ても、選択肢は見ない
①設問にぶつかってもその段落は読み切る
前後の文脈を合わせて判断しないと正解が出ない問題があるので、設問にぶつかってもその段落は全部読み切ってしまってから問題を解くようにしましょう。

②先に設問は見ても、選択肢は見ない
古文の本文を読む前に必ず設問に目を通しましょう。そうすることで、「この傍線でこういう問題が出るのか」「ここはこういうことに気をつけて読めばいい」ということを事前に知ることができます。
ただし、選択肢は先に見てはいけません。なぜなら、選択肢の多く(通常5つ中4つ)は間違った選択肢です。先に選択肢を見てしまうと間違った先入観を持って読解をすることになり、間違いをする原因になります。
よって、先に見るのは設問だけにしておきましょう。

センター古文にかけられる時間は?時間配分について知ろう








センター古文にどれだけ時間をかけられるの?センター国語の時間配分&解く順!
わからないマルオのためにも確認しておきましょう。
この4つを80分で解き切らなければいけません。
センター試験の国語の一番の敵は時間です。時間に対して読まなきゃいけない量が圧倒的に多いのが特徴です。なんとか工夫して、時間を作り出すしか方法はありません。
しかし均等に20分ずつで分けようとすると、分量の多い現代文で時間が足りなくなったり、見直しする時間がなくなったりします。

では、本題に入りましょう。

センター試験国語では以下の順番と時間配分で問題を解きましょう。
最初は漢文を解いてしまうのがオススメです。漢文はセンター国語の中で一番量が少なく、簡単です。
漢文はしっかり勉強していれば、一番得点しやすい科目ですので、ここでなるべく時間を使わないようにして、早く確実に解ききれるようにしましょう。表には15分と書きましたが、実際はもっと早く終わる年もあります。

漢文がおわったらいよ いよ古文に入ります。小説・評論になるべく多くの時間を回せるよう、ここも時間の意識が大事です。


センター古文を20分で解く!そのコツは?
さて、肝心の古文の話ですが、古文の目標時間は20分です。

とはいっても、この時間で解き切らないといけないわけです。


さきほど登場した助動詞や敬語は、すらすら言えるようになっておきましょう。ぱっと見ただけでその意味が思い浮かぶようになっていれば、読解のスピードも上がります。












音読をすることで、古文を必ず「前から」「速く」読むことになるので、意味をすばやくとる訓練になります。また、古文独特のリズムや品詞分解に慣れることもできるので、最終的に読むスピードは上がります。

センター古文を「時間内に・正確に」解くためには、マークミスに注意!
また、この順番で解くときには「マークミス」に注意しましょう。最初に漢文を解くことになるので、間違えがちです。


何点取ればOK?センター古文志望校別目標点数



センター古文志望校別目標点数はこれ!
あくまで目安ですが、だいたいこのくらい得点することが出来れば、各志望校の合格に近づいてきます。



あくまで志望校のレベル別に目標点を提示しましたが、この点数が取れたからといって安心してはなりません。古文が苦手であれば最低でもこれくらいの点数をとり、逆に得意であれば、満点を目指して貯金を作れように勉強していきましょう!
センター古文対策はこうする!目標点数別勉強法&参考書・問題集



センター古文目標点数別勉強法一覧


- 現在のマーク模試点数が25点未満!これから古文の勉強を頑張る!
30点(6割)をまず目指すための勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が30点!
40点(8割)をとる勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が40点以上!あと一歩頑張って満点を狙う!
国立大志望!満点を目指す勉強法を見る!
センター古文、30点(6割)をまず目指すための勉強法&参考書
6割を目指す勉強法のポイント

古文の基本は「古文単語」「古文文法」の2つ。この2つを完璧にすることで初めて、読解問題に取り組めます。

6割を目指すための参考書①:古文ヤマのヤマ
有名な「漢文ヤマのヤマ」の古文バージョン。古文の文法について「知る」には最高の参考書です。古文でつまずきがちな助動詞・敬語や古文の読み方についてていねいに解説されています。

- Step1.
- 右ページの解説を読む
- Step2.
- 例文を3回音読
- Step3.
- 左ページの問題に取り組む
- Step4.
- 答え合わせと解説を読む
6割を目指すための参考書②:古文ステップアップノート


- Step1.
- 問題に取り組む
- Step2.
- 間違えた問題の解説を読む
この参考書は、ドリル形式になっている問題集。なんどもいうように、助動詞では「接続」「意味」「活用」の3点セットを完璧に覚えるまで、なんどもやりましょう。
6割を目指すための参考書③:マドンナ古文
この「マドンナ古文」は、いままで習得した古文文法をもとに、実際に読解問題を解いていったり、古文をすらすら読んだりできるようになるための練習をする教材です。
- Step1.
- テキストを読む
- Step2.
- 問題に取り組む

6割を目指すための参考書④:マドンナ古文単語
古文文法と並んで大事なものが、古文単語。とはいえ、覚えなければならない単語はじつはそこまで多くありません。

この「マドンナ古文単語」では、頻出の古文単語が厳選されて掲載されており、しかも訳もよく出るものが選び抜かれているので、難しいことを考えずに覚えることができます。

- Step1.
- 暗記しようと意識せずにテキストを隅々まで読む
2周目以降は実際にテストをしていきましょう。指やシートで隠しながらでもよし、付属のカードを切り取って覚えるもよし。

センター古文、40点(8割)をとる勉強法&参考書
8割を目指す勉強法のポイント
古文単語・古文文法が身についたら、実際に古文読解に入っていきます。

8割を目指すための参考書①:マドンナ入試解法
「マドンナ入試解法」は、実際に問題を解くことに重点をおいた問題集になっています。

- Step1.
- 制限時間を気にせず、納得のいく解答ができるまで問題に取り組む
- Step2.
- 答え合わせを行い解説を読む
- Step3.
- 解説を読む中で、解説と自分の考え方を比較する
- Step4.
- 文章の意味を理解した上で2回音読
『マドンナ入試解法』の使い方について、より詳しく紹介した記事はこちら。
8割を目指すための参考書②:センター古文満点のコツ


名前の通り、センター古文で高得点を狙えるコツがつまった問題集です。問題量は多くないですが、実際のセンター試験から問題を選び出し、その解き方のコツを集めています。
- Step1.
- 制限時間を気にせず、納得のいく解答ができるまで問題に取り組む
- Step2.
- 答え合わせを行い解説を読む
- Step3.
- 解説を読む中で、解説と自分の考え方を比較する
- Step4.
- 文章の意味を理解した上で2回音読

『センター古文 満点のコツ』について、より詳細な記事はこちら!
国立大志望!センター古文で満点を目指す勉強法
満点を目指す勉強法のポイント
古文で満点を狙うのは、なかなか難しいことではあります。しかしきちんと基本に忠実に、落ち着いて解いていけば必ず満点を取ることができます。


「センター古文で満点を取る!」と意気込むと、どうしても難しい単語や文学史、古文の背景知識などを覚えたくなってしまうもの。しかし、そういった問題はセンター古文では出題されません。満点を取るために必要なのは、基本的な事項を忘れないようにしながら、細かいミスを無くしていくことです。

こうした基本が抜けていないか、また時間内に解ききれるか、の確認をする上で重要なのが「過去問」です。
満点を目指すための参考書①:過去問(赤本)

- Step1.
- 制限時間を気にせず、納得のいく解答ができるまで問題に取り組む
- Step1.
- 答え合わせを行い解説を読む
- Step1.
- 解説を読む中で、解説と自分の考え方を比較する
- Step1.
- 解説を閉じて、全ての問題で正解の選択肢になるまで解く
過去問の使い方については、この後で詳しく説明します。
センター古文の総仕上げ!過去問(赤本・黒本)の使い方!









センター古文は過去問で攻略!直前期に対策せよ!
過去問を徹底的にやりこむのは、古文の知識を詰め込んで、問題集などを解いて文脈がとれる(ある程度自信を持って問題を解ける)ようになったらにしましょう。
なぜならセンター古文の過去問の問題数は限られていますし、決して簡単なものではありません。仮に、なにも知識が入っていない初期段階で過去問をガンガン解いていても、あまり力がつくとは言えません。ですから、きちんとインプットをした後に取り組みましょう。そうすることで、過去問を解いていく中で、自分に足りていなかったものが見えてきます。





センター古文過去問の上手な活用法
次にセンター古文の過去問をどう活用していけばいいのかについて解説していきます。
過去問を解いていく中で必ず意識してほしいのが「時間配分」です。なぜ「時間配分」を意識してほしいのか?それは、本番で余裕を持った時間配分で臨める準備をしてほしいからです。「時間配分」を意識しようと思っている人の大半は、直前期で「時間配分」をつかみたいと思っている人だと思います。ですから、序盤で解くのではなく、直前期に時間を意識して解くようにしましょう。

センター古文過去問の使い方・解き方を確認!




学校の先生や予備校の先生から「とりあえず赤本を解いてみろ」と言われた経験はありませんか?「今解いても全然点数が取れないからやりたくない」とか「どうやって使えばいいの?」など思っていたのではないでしょうか?ここではそういった声をあげる生徒さんの悩みを解決していきたいと思います。
どの科目の過去問を解く際にも共通して言えるのが、「時間を計って問題を解くべき」ということです。特にセンター国語は時間との戦いになります。ですから本番で「時間がない!」と焦ることのないように、練習の中で、「時間」を意識して解いてみてください。






次は「問題を解きっぱなしにしないこと」です。問題を解き、解説をみて満足してしまうような生徒さんの数は意外にも多いのです。

せっかく問題を解いたのにも関わらず、何も吸収しないで終えてしまうのは、あまりにももったいないと思いませんか?



どの科目にも共通して言えますが、「復習」が重要です。初めて触れる問題を解き、中には問題の内容がすべてわかり満点をとるような生徒さんもいるかと思いますが、そういった生徒さんは少数派だと思います。
古文であれば、問題を解き終わった後に、自分に足りなかった単語・文法の知識をインプットしていきましょう。その後、本文の解釈をしたら音読をしましょう!
マーク模試・センター同日試験はこう活用する!古文マーク模試の復習のやり方!







センター古文のマーク模試、どう復習すればいいの?
古文のマーク模試も、先ほど解説したセンターの過去問の復習方法とそこまで大きく変わりませんが、微妙に異なる部分もあります。
みなさんはマーク模試をどういった目的で受験していますか?おそらく大部分は、「現状の学力を把握したいから」といった理由が多いでしょう。


「学力の把握」ももちろん大事なのですが、一番重要なことは、「自分の弱点を発見すること」と「センター試験の傾向に慣れること」です。
自分の弱点の発見
どうしても普段勉強している中では自分の弱点に気づくことは難しいでしょう。そこで定期的にマーク模試を受験することで、自分の弱点に気づくことができます。古文であれば、知らない単語や重要な文法事項などの新たな知識を、模試の復習の際にインプットしていくことができます。これで古文への苦手意識がなくなっていき、点数が上がっていきます。
また、復習の際には必ず音読をしてみて下さい。よく英語でも音読は大事だと言われていますが、古文にも同じことが言えます。ここで重要なのが、ただ読むのではなく、自分で日本語に訳しながら音読してください。頭の中で日本語で訳しながら音読するというこは、知識が身についている証拠ですし、古文の文章を読むスピードがみるみる速くなっていきます。







センター試験の傾向に慣れる
なにをするのにも敵を知らなければ、その敵に勝つための戦略を描くことができません。ここではセンター古文で自分の目標となる点数を皆さんに向けて書いているので、「センター古文で目標とする点数をとる」ということをゴールとします。

それが決まったら、みなさんはなにをしますか?ゴールさえ定めてしまえば、次は敵を分析しますよね。模試や過去問を解くことで、「どういった問題が出題されるのか」「時間配分がどうなっているのか」わかってきますよね。それさえつかめば、あとはインプットを進め、弱点をつぶしていけば、自然と古文の点数は上がっていきます。




センター同日試験・古文で気をつけることは?

センター試験が行われる全く同じ日に、センター試験と全く同じ問題を解くセンター同日試験。「何点取ればいいの?」「復習したほうがいいよね?」といった疑問に答えていきます。
目標点数は?受ける時の心構えは?
多くの人はこうしたマーク模試を初めて受験するはずです。何を気を付ければいいのか?ということはなかなかわからないでしょう。

それで大丈夫です。解けなくて当然です。「こういう問題が出るんだ!」ということを知ることが一番大事です。

解き終わったらどう復習するの?
復習は、自分が知らなかった単語や文法事項などを中心に復習を進めていきましょう。すでに演習問題にがんがんとりかかっている人は、すべての問題を復習するようにしましょう。
また、必ず自己採点の練習をしておきましょう。高校によっては授業中にすることもありますが、ない場合は自分で採点します。





自己採点を正確にできていないと、そもそも2次試験を受けれない……なんてことになってしまいます。気をつけましょう。
マーク模試は本番を想定!センター同日はモチベーションUP!
まとめ




- センター古文は20分で解く!
- 時間配分が非常に重要になる!時間内で解けるよう過去問などで対策しましょう!
- 速く読めるようになる鍵は「音読」!
- 意味を理解しながら音読を続けることで、読解力UP!
その他の国語センターについての記事はこちら!
【ストマガ限定・これだけは伝えたい】
頑張っても成績が上がらない時に
確認すべき3つのこと

大学受験において参考書や勉強法はとても重要ですが、それだけでは合格できません。
- 同じ参考書を使って「受かる人」と「落ちる人」の違い
- 合格に向けて、根拠を持って勉強を進めるために必要な〇〇とは?
- 迷いなく毎日の勉強を進める唯一の方法
について、ストマガ読者の方だけにすべてお伝えしています。
限定記事を読むこの記事を読むだけで、第一志望に向けた勉強の仕方が大きく変わり、今よりも効果的勉強を進められます。ぜひ、この記事を読んで日頃の受験勉強に役立ててください。
監修者|橋本拓磨

東京大学法学部を卒業。在学時から学習塾STRUXの立ち上げに関わり、教務主任として塾のカリキュラム開発を担当してきた。現在は塾長として学習塾STRUXの運営を行っている。勉強を頑張っている高校生に受験を通して成功体験を得て欲しいという思いから全国の高校生に勉強効率や勉強法などを届けるSTRUXマガジンの監修を務めている。