- この記事は「センター試験対策用記事」です。共通テストの漢文で満点を狙うための勉強法はこちらの記事をチェック!
高校3年生になったらおそらく多くの人が受けることになる「センター試験」。高校1年生や高校2年生の人はまだ「センター試験」とはどういったものなのか、はっきりとイメージが湧かない人が大半であると思います。
ここでは、数ある科目の中から『漢文』に焦点を当てて徹底的に解説していきたいと思います。
特に高3生の中には、「漢文の点数がなかなか伸びない…」だとか「時間配分はどうすればいいのか?」などといった疑問を抱いているのではないでしょうか?また、「そもそもどういった問題がでるのか?」だとか「どういった勉強をしていけばいいのか?」などといった疑問を抱く高1生や高2生もいるのではないでしょうか?
この記事を読んでもらえればそういった悩みが解消されますのでぜひ参考にしてみて下さい!
センター漢文・各大問の構成と対策
センター漢文過去問の出題形式
出題される順番などは多少変わりますが、例年このような出題形式です。そのため、基本的にはこのような出題形式の問題を対策すればバッチリです。以下、各設問の特徴を紹介します。ひとつひとつ見ていきましょう。
センター漢文設問1 語句の読み方問題
こちらは問題文の中の単語に波線が引かれて、その単語の読み方を答えるというとてもシンプルな問題です。問題数は例年2問出されることが多いです。
例えば以下のような問題です。
2017年センター試験漢文本試験より
この問題の正解は⑤の「けだし」です。この漢字はよく再読文字で「なんぞ」と読まれますが、単独だと「けだし」と読む副詞です。
よく考えてみれば当然のことですが、この設問で問題にされる漢字はほとんどが普通の日本語とは違う読み方をされたり、複数の読み方がある漢字です。なので、センター試験によく出る単語をしっかり対策しているかが勝負のわかれめです。
センター漢文設問2 語句の意味問題
こちらも設問1と似ている問題です。問題文の中の一節に傍線が引かれ、その傍線部の意味を答える問題です。
例えば以下のような問題です。
2017年センター試験漢文本試験より
こちらは設問1のように、「知っていれば一発で答えが出る」というほど単純ではありません。しかし、重要単語の意味をおさえていれば、選択肢をかなり絞りこむことができます。
「千載」は四字熟語の「千載一遇」(千年に一度あるかないという絶好の機会)の千載と同じ意味で「千年くらい遠いこと」を表しています。
このことがわかると選択肢は「②遠い過去」か「⑤はるかな未来」に絞ることができます。ここから先は文脈判断で解きますが、単語の知識で5択から2択まで絞ることができます。
なので、設問1同様、よく聞かれる単語をしっかり勉強してきているかが勝負のポイントです。
センター漢文設問3,4,6 内容説明問題、理由説明問題
この3問は本文を読み解く読解問題です。内容説明問題では「〜とはどういうことか説明せよ」、理由説明問題では「〜である理由は何か」と聞かれます。例えば以下のような問題です。
2017年センター試験漢文本試験より
センター試験の漢文を解く場合、選択肢と本文の内容合致問題であることがほとんどです。ということは、たいていの場合、解答の根拠は設問の傍線部の近くにあります。解答の根拠を見つけて、合致する選択肢を選びましょう。
センター漢文設問5 返り点、書き下し文問題
2017年センター試験漢文本試験より
これは返り点などが書かれていない文章に返り点をつけて、正しい読み方を問う問題です。この問題では
- 正しい返り点のつけ方がされているか
- 正しく書き下されているか
の二つに注意する必要があります。
実は、
センター漢文・設問ごとの対策をチェック!
各設問の特徴を理解したら、次は対策を考えましょう。
とはいってもセンター漢文は問題が大きく2パターンしかありません。その問題パターンに応じた対策をしていれば、漢文は攻略できます。
センター漢文対策|パターンA.知識暗記型問題
このパターンは先ほどの特徴の解説の中では
- 設問1 漢字の読み方問題
- 設問2 語句の意味問題
- 設問5 返り点、書き下し文問題
にあたります。
これらの問題は端的に言って「知っているかどうかが勝負」となる問題です。漢文にはセンター試験でよく問われる語句、句法がありますが、それらの知識を使えば一気に答えが絞り込めます。
なので、「重要句法、語句」をしっかり勉強しきれば一気に点数を伸ばすことができます。
しかも、漢文は古文などと比べても覚えるべき知識量が圧倒的に少ないです。「重要句法、語句をまだ覚えきれていない」という人は、漢文句法勉強法のページを参照してください。
センター漢文対策|パターンB 読解型問題
このパターンは先ほどの特徴の解説の中では
- 設問3 内容説明
- 設問4 理由説明問題
- 設問6 理由説明問題
にあたります。
当たり前ですが、これらの問題はしっかり文章を読めないと解けません。ですが、この読解問題は現代文や古文と同様、内容と理由を問う、非常にオーソドックスな問題が出されます。
内容説明問題は傍線部を説明している選択肢を選ぶこと、それだけです。
理由説明問題は「故(ゆえに)」「似是(これをもって)」などの理由を表す語句に注目しましょう。英語でいう「ディスコスマーカー」(話の変わり目に使われる単語)などと同じ役割をする単語がありますので、それらの単語に注目しましょう。
また、リード文(問題の最初に書かれている文章)や注釈にも注目です。なぜなら、リード文や注釈の中に物語のあらすじが書かれているからです。
リード文や注釈も読解の手助けをするためにわざわざ書かれています。なので、読解するためには必要な情報がちりばめられている可能性が高いです。
このようにパターンごとにポイントをおさえながら、勉強していきましょう。
センター漢文の時間配分はこう考える!
ではセンター国語の時間配分について解説していきましょう。
センター国語の試験時間は80分です。この80分の中で現代文2問、古文1問、漢文1問を解かなければいけません。
センター国語はセンター試験の中でも特に時間的にタイトです。ですのでしっかり時間配分をすることが大切です。
ここからは、赤神先生オススメの時間配分と、なぜそうしたほうがいいのか?の理由を紹介します。
センター漢文の時間配分!センター漢文は「はじめに」解く!?
漢文はいちばんはじめに解いてしまうのがオススメです。
漢文はセンター国語の中で一番量が少なく、簡単です。句法など覚える量も少なく、他の科目・国語の他の分野と比べても圧倒的に解きやすいので、ここで早く確実に解ききれるようにしましょう。表には15分と書きましたが、実際はもっと早く終わる年もあります。
国語全体のセンター試験の解き方やコツについては、こちらの記事でもっと詳しく解説しています。
センター漢文の解く順番攻略!
センター漢文の解く順番ですが、出題されている通りに解いていってください。基本的に本文の流れにそって出題されているので、問題に沿って解いていくのがもっとも解きやすいです。
センター漢文おすすめ時間配分
センター漢文に関しては、かかっても15分程度を目標として解いていきましょう。
その中で、各問題にどれくらいの時間をかけて解いていけばいいのか?それについて解説していきます。
漢文を15分で解く!その時間配分は?
- 本文を読む:5分
- 問題を解く:10分
基本的には本文を読むのに5分程度で読み、残った10分で問題を解いていけば、15分に収まります。しかし、慣れるまでは5分で本文を読むのは難しいと思います。
句法などの基礎的な知識をしっかりと固めたら、速読をできるよう音読を繰り返しする癖をつけていきましょう。
漢文はスピード勝負!音読で速読力をつけよう
何点取ればOK?センター漢文志望校別目標点数
ここでは志望校に合格するためのセンター漢文の目標点数をお教えします。ただし、この目標はあくまで目安です。そもそもセンター試験の点数は合否に関係せず、大学の作る入試の点数で合否が決まる大学は早慶をはじめ多くありますし、他の科目でカバーすれば、合格することはもちろんあります。
ですが、センターで何割とればいいかわからない人やGMARCH以上の難関大を目指したい人は、ぜひこの目標を超えられるよう、勉強に励んでみて下さい。
センター漢文志望校別目標はこれだ!
もちろん2次試験や一般入試で漢文が出題されないのであれば、漢文に力を入れる必要はありません。しかし漢文が出題される大学を受験するのであれば、基本的な問題であるセンター試験では高得点を目指しましょう。
センター試験は基本!難関大志望者は高得点を目指そう!
センター漢文対策はこうする!目標点数別勉強法&参考書・問題集
センター漢文目標点数別勉強法一覧
- 現在のマーク模試点数が20点未満!漢文はたいして勉強していない!
30〜40点を目指して漢文の基礎を身につける勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が30点!
40〜50点を目指して国立大を目指す!得点源にする勉強法を見る!
センター漢文、30〜40点を目指して漢文の基礎を身につける勉強法&参考書
そもそもこれから本格的に受験勉強を始めたり、漢文が苦手でなかなか点数が上がらなかったりする人は、まずここを読みましょう!
30〜40点を目指す勉強法のポイント
マーク模試などの漢文のセンター形式試験で半分くらいしか取れていない…という人は、まだまだ漢文の基礎が身についていません。というのも、センター試験はあくまで「基本」を問う試験。漢文の基本といえば、「句法」。つまり、センター漢文でなかなか点数が伸びない人は、圧倒的に基本的な知識のインプットが足りていないのです。
30〜40点を目指すための参考書①:漢文ヤマのヤマ
この参考書は、センター試験で高得点を取るのに必要な知識を完璧に網羅してくれています。これを一冊やれば知識不足になることはないので、 しっかり仕上げましょう。
- Step1.
- 右ページの解説を読む
- Step2.
- 例文を3回音読
- Step3.
- 左ページの問題に取り組む
- Step4.
- 答え合わせと解説を読む
詳しい使い方はこちらの記事にも掲載されています。
30〜40点を目指すための参考書②:漢文早覚え速答法
こちらも漢文を解く上で重要なエッセンスが詰まった参考書。掲載されている知識や句形は少なめなので、理系の人やセンターでしか漢文を使わない人、漢文の勉強に時間をかけられない人におすすめです。
- Step1.
- まずは解説(句法ルール)を読む
- Step2.
- 例文を3回音読
- Step3.
- 練習問題に取り組む
- Step4.
- 答え合わせと解説を読む
40〜50点を目指して国立大を目指す!得点源にする勉強法
40〜50点を目指す勉強法のポイント
40〜50点を目指すための参考書①:センター漢文満点のコツ
名前の通り「センター漢文で満点を取るコツ」がみっちり書かれた、センター特化型の参考書です。しっかり句形をインプットできたらさっそく取り組みましょう。
- Step1.
- 制限時間は気にせず、納得のいく解答ができるまで問題に取り組む
- Step2.
- 答え合わせを行い解説を読む
- Step3.
- 解説を読む中で、解説と自分の考え方を比較する
- Step4.
- 文章の意味を理解した上で2回音読
40〜50点を目指すための参考書②:センター試験過去問(赤本)
- Step1.
- 問題を制限なしで解く
- Step2.
- 丸付けを行い、自身の考え方と模範解答の考え方を比べる
- Step3.
- 問題文を2回音読する
過去問の使い方についてはこのあとの章でも触れています。
音読を必ずする!レベル別に自分にあった参考書を使おう!
センター漢文の総仕上げ!過去問(赤本・黒本)の使い方!
赤本?黒本?どっちがいいの?過去問題集の選び方
過去問を選ぶときに鍵になるのが、
- 10年分以上掲載されているか?
- 解説が詳しいか?
の2点です。ただ、分厚い過去問であれば基本的に10年分以上は掲載されているので、解説が詳しいか、本屋でぱらぱらとめくってみてしっくりくる方を選べば問題ありません。
センター漢文は過去問で攻略!直前期に対策せよ!
ここではセンターの過去問を本格的に対策していくタイミングについて解説していきます。
過去問を本格的に解説していくタイミングは、「漢文の句法と文法の知識を詰め込んで、問題集などを解いて文脈がとれる(ある程度自信を持って問題を解ける)ようになったら」です!
なぜならなにも知識が入っていない状態で問題演習を行っても、あまり意味がないからです。必ず段階を踏んでからやっていきましょう。
センター漢文過去問の上手な活用法
次にセンター漢文の過去問をどう活用していけばいいのかについて解説していきます。
まず、過去問を解いていく中で必ず意識してほしいのが「時間配分」です。なぜ「時間配分」を意識してほしいのか?それは、本番で余裕を持った時間配分で臨める準備をしてほしいからです。「時間配分」を意識しようと思っている人の大半は、直前期で「時間配分」をつかみたいと思っている人だと思います。ですから、序盤で解くのではなく、直前期に時間を意識して解くようにしましょう!
次に「解く時期」についてです。先ほども説明しましたが、過去問を解く時期に関しては、直前期です。過去問はあくまで時間配分を立てたり、傾向をつかんだりなど、戦略を立てるための道具なのです。ですから、実力のついていない序盤に解くのではなく、実力がつき、センターに向けての戦略を立てる直前期に解きましょう!
センター試験は「時間配分」と「解く時期」に気を付けよう!
マーク模試・センター同日試験はこう活用する!漢文マーク模試の復習のやり方!
センター漢文のマーク模試、点数のとらえ方
マーク模試で悲惨な点数をとってしまったからといって、悲観する必要はありません。何のために模試を受けるのか?を確認しておきましょう。
- 自分の現在地を知る!
- 目標との差を知る!
- 時間配分などのシミュレーションをする!
自分の現在地を知る
模試はあくまで、「自分が今どこにいるのか」を確かめるためのものです。「どの分野がでいていないのか?」「不安なところはなかったのか?」などを模試ごとに確認していきましょう。
目標との差を知る
模試を受けると必ず判定がでます。
この判定ですが、気にしなくて大丈夫です。
あくまで「今回の模試ではこのくらいできた」という目安でしかありませんし、本番の受験者はもっと多いので、マーク模試で判定を見るのはナンセンスです。
それよりも、本番で必要な科目や能力と比べて足りないところを補う、といった風に、自分に今足りていないが、志望校で必要とされる能力を把握するために使いましょう。
時間配分などのシミュレーションをする!
特に、高1、2年生のうちは、なかなかセンター試験を解く機会がありません。模試のタイミングでどういう問題が出るのか、どのくらい時間が足りないのか実感しましょう。
模試会場では適度な緊張感が味わえるので、本番に近い状況で時間配分のシミュレーションができます。
センター漢文のマーク模試、復習の仕方は?
マーク模試の復習をする時に気をつけることは、学年によって異なります。
高校1・2年生:文法問題を中心に!
高校1・2年生のうちは、まだまだ基礎が身についておらず、本文の内容がつかめなかった…。というケースが非常に多いです。よく読めなかった問題を答えを見ながら復習することは、時間がもったいないですし、意味がありません。
高校3年生・受験生:すべて見直す
これに当てはまる人には、間違えた問題を中心にすべての問題を見直してほしいです。毎回の模試で自分の出来なかった弱点をつぶしていくことで、点数アップにつながります。
センター同日試験で気をつけることは?
目標点数は?受ける時の心構えは?
高校2年生でも多くの人がセンター形式の問題は初めて解くことになるでしょう。何に気を付ければいいのか?ということはなかなかわからないと思います。
でも、それで大丈夫です。そもそもまだ解けない問題が多いはずなので、点数などをむやみに気にする必要はありません。
一方、難関大を志望している人は、本番このくらいとりたい!という点数を意識しながら解きましょう。本番にとりたい点数の7割以上を目標点数にするのが目安です。
解き終わったらどう復習するの?
復習は、先ほども説明した通り「句法」と「文法」を中心に進めましょう。すでに読解問題をある程度できている人は、全ての問題を復習するようにしましょう。
また、必ず自己採点の練習をしましょう。高校によっては授業中にすることもありますが、ない場合は自分で採点をします。
自己採点ができるように、センターでは必ず選択肢に〇をつけます。その答えを元に自己採点を進めないといけないので、メモを忘れないようにしましょう。
模試は必ず復習しよう
まとめ
- 漢文は15分で解く!
- 国語全体の中でも簡単!短い時間で解けるようになろう。
- 速く読めるように音読が必須!
- 漢文は音読がカギ!すらすら書き下し文にできるようにしよう!』
その他の国語センターについての記事はこちら!