皆さん、共通テスト国語の4つの大問で一番簡単なのは何かご存知ですか?実は、大問4の漢文が「断トツで」簡単なんです!どれくらい簡単かというと、直前1ヶ月の対策だけで満点を取ることも可能なほど。
この記事では、短期間で満点を狙えれるようになる勉強法や解き方のコツ、レベル別のオススメ参考書を紹介します。
*この記事は第1回、第2回試行調査と市販の予想問題集の内容を元に作成されています。
共通テスト漢文の概要
まずは共通テスト漢文の概要を見てみましょう。
共通テスト漢文の問題形式
共通テスト漢文の問題形式は以下のようになっています。
共通テスト漢文は、共通テスト国語200点の内の50点分を占めています。問題構成を詳しく見ていきましょう。
問1:漢字の読み
まず問1では、問題文の中の単語に波線が引かれて、その単語の読み方を答えるというシンプルな問題が2つ出されます。基本的な漢字についてしか問われないので、この問題は絶対に落としてはいけません。文脈が分かりさえすれば基本的には単語を覚えてなくても解くことが可能です。
もちろん単語を覚えていればより確実に正解にたどり着けます。漢文で覚えるべき単語は50語程度しか無いので、時間がある人は参考書に載っている重要単語を暗記しておきましょう。
問2:漢字の意味
次に問2では、問題文の中の漢字の読み方を問われます。問題数はこちらも2問のことが多いです。こちらも問1と同じく本文の文脈から意味をとらえることで解くことができますし、基本的な単語の意味をしっかりと暗記さえしてればより簡単に解ける問題になっています。
問3:書き下し文と解釈
問3は、傍線部の書き下し文と、その文の解釈(和訳)を問う問題です。平成29年度試行調査では、解釈の代わりに「返り点の付け方」が問われました。いずれにせよ対策としては、参考書を利用して漢文の句法を覚える以外にありません。単語と同じく句法も覚える量は少ないので安心してください。
問4~6:読解問題
問4以降は読解問題です。本文の内容をしっかりと理解できているかを問われます。たいていの場合、解答の根拠は設問の傍線部の近くにあるので、傍線部のそばに注目するようにしましょう。
共通テスト漢文の難易度
試行調査では各科目の平均得点が5割程度になるように作られたと言われています。ですので、公式の声明はありませんが本番の共通テストも漢文の平均点は5割(25点前後)になるでしょう。ちなみにセンター試験は平均点が6割になるように作られているので、センター漢文よりも共通テストの方が難易度は高めです。
ただし冒頭でも述べた通り、共通テスト国語の中で一番簡単なのが漢文です。本文が読めなくても、単語と句法の知識さえあれば解ける問 1~3を全問正解するだけで、漢文全体の5割の25点を取ることが出来ます。問4以降も問1~3を全問正解する力があれば、それほど難しいと感じる問題は出ません。
漢文ほど、少し勉強しただけで満点を狙えるようになるコスパの良い科目はありませんので、皆さんぜひ満点を目指しましょう。
センター漢文との違い
次に共通テスト漢文とセンター漢文の違いについて解説します。違いはこの2つです。
- 複数の文章(2つか3つ)が出される
- 会話形式の設問がある
まず「複数の文章が出される」ことに関してですが、第1回、第2回の共通テスト試行調査では、漢文1つとそれに関連した日本語の文章が出されました。
複数の文章が出されることにより、本文の量がセンター漢文よりも少しだけ増えます。センターよりも「漢文を読むスピード」が大事になりますので、音読などをして漢文をスラスラ読めるようになっておきましょう。
次に「会話形式の設問がある」ことについてですが、以下のような問題が出されます。
会話形式の問題と聞くと馴染みが無いように感じますが、結局会話の内容は、普段のテストで「〜とはどういうことか答えなさい」などと問われていたものと同じです。会話をきちんと読み取れれば、むしろ問題を解く際のヒントになるので、センターと問題の難易度はあまり変わりません。
共通テスト漢文の勉強法
共通テスト漢文の概要が分かったところで、次は具体的な勉強法について見ていきましょう。勉強すべきことは主に
- 返り点を覚える
- 句法を覚える
- 重要語句を覚える
の3つになります。
返り点をマスターしよう
漢文には、読み方の特殊なルールがあります。まずはその読み方のルールを覚えないと勉強が始まりません。そこで、重要になるのが返り点です。
返り点は全部で4種類あります。この4種類の返り点をまずは攻略することから漢文の勉強は始めていきましょう。
返り点をマスターするコツは、音読です。後で紹介する「漢文ヤマのヤマ」といった参考書に乗っている例文を10回ぐらい音読すれば自然と返り点のルールが頭に入ってきます。そのうち、とくに意識しなくても読めるようになってくると、漢文の返り点をマスターしたといえるでしょう。
句法を覚えよう
次に覚えるのが句法です。句法とは要するに英語でいう「文法」のこと。句法にはたとえば以下のような種類があります。
暗記すべき量は100個程度です。英文法に比べれば、圧倒的に覚えるべき量は少ないので、頑張って覚えましょう。
句法をマスターするポイントも音読です。なんどもなんども例文を音読しましょう。すると、自然と覚えてしまいます。
漢文学習のポイントは音読なのです。テキストをじっと見つめるのではなく、口をどんどん動かしていきましょう。
重要語句を覚えよう
漢文は外国語です。漢字を普段使い慣れている私たち日本人でも、意味の分からない単語があります。
例えば「為」にという漢字を見ると、まずは「ために」という意味を思いつきますよね?しかし漢文ではそれ以外にも
-
- 為す(なす) :する、行う
- 為む(おさむ):治める
といった意味も考えなければいけません。このように知っている漢字でも、日本人が普段使わないような意味で使われることがあるのが、漢文の特徴です。
とはいっても、漢文で覚えなければならない単語は非常に少なく、たったの50語程です。これなら句法と合わせてもすぐに覚えられそうですね!
そして返り点、句法、単語の3つをまとめて覚えることができる、オススメの参考書を紹介します。その参考書とは『漢文ヤマのヤマ』!
この参考書は共通テストや2次試験で出題される漢文の句法が網羅されている他、よく出題される漢字の”読み方”や”意味”についても「読みのヤマカン」「意味のヤマカン」という形でまとめられています。解説も漢文が苦手な人にも分かりやすく書かれており、演習問題付きです。
これ一冊あれば共通テスト漢文対策はバッチリ!
『漢文ヤマのヤマ』の詳しい使い方はこちら!
漢文の詳しい勉強方法はこちら!
共通テスト漢文の解き方のコツ
勉強法を説明し終わったところで、次は共通テスト漢文を解く際のコツを伝授します。共通テスト漢文を解くコツは「リード文と注釈を上手く利用する」「問題文を先に読む」「傍線部の前後に注目する」の3つです。
リード文と注釈を上手く利用する
共通テスト漢文を解き始める際にまずやらないといけないのが、リード文と注釈の確認になります。たくさんあって読むのがメンドくさいですが、リード文や注釈は読解の手助けをするためにわざわざ書かれています。なので、読解するためには必要な情報がちりばめられている可能性が高いです。リード文と注釈はしっかりと確認するようにしましょう。
問題文を先に読む
リード文と注釈を確認し終わっても、まだ本文を読んではいけません。本文の前に問題文を先に読みましょう。その理由は問題文を読むことで、本文の内容を少しだけ推測できるから。
リード文と注釈、問題文を先に読めば、本文が読めなくても内容がなんとなく推測できるようになるので、漢文が苦手だという人は必ずこの作業をしましょう。
読解問題は傍線部の前後に注目しよう
読解問題は傍線部の前後に解答の根拠が散らばっていることが多いです。まずは傍線部の前後をよく読むようにしましょう。特に理由説明問題は傍線部の前後に「故(ゆえに)」「似是(これをもって)」などの理由を表す語句があれば、その下に解答の根拠がある可能性が高いです。
レベル別の共通テスト漢文の勉強法
最後にレベル別の勉強法とオススメの参考書を紹介します。
6~8割を目指すための勉強法と参考書
まずは、そもそもこれから本格的に受験勉強を始めたり、漢文が苦手でなかなか模試で6割を取れなかったりという人向けに説明します。このレベルの人は、まだまだ漢文の基礎が身についていません。漢文の基本といえば、「句法」と「単語」。まずはこの2つを身につけるようにしましょう。
句法と単語の詳しい身につけ方はこちら!
6~8割を目指すための参考書①:漢文ヤマのヤマ
この参考書は、共通テストで高得点を取るのに必要な知識を完璧に網羅してくれています。これを一冊やれば知識不足になることはないので、 しっかり仕上げましょう。
「漢文ヤマのヤマ」の詳しい使い方はこちら!
満点を目指すための勉強法と参考書
最後に8割は取ることができるけど、どうしても満点が取れないという人向けの参考書についてご説明します。
満点を目指すための参考書①:共通テスト漢文満点のコツ
名前の通り「共通テスト漢文で満点を取るコツ」が書かれた参考書です。1章で「読み・意味」、2章で「句法」、最後に3章で「読解」についてまとめられており、共通テスト漢文で必要な知識がこれ一冊にギュッと詰め込まれています。時間なければこれをやっておくだけで大丈夫!
「共通テスト漢文で満点のコツ」の詳しい使い方はこちら
満点を目指すための参考書②:Z会共通テスト実践模試
満点を取るコツが分かったら、あとは基本的な事項を忘れないようにしながら、細かいミスを無くしていくだけです。こうした基本が抜けていないか、また時間内に解ききれるか、の確認をする上で重要なのが予想問題集を解くことです。
「Z会共通テスト実践模試」では、本番の共通テストの形式に近いであろうオリジナル問題を解くことが出来ます。 共通テストで出題が予想される複数の文章を用いた比較読解問題・会話形式の問題などが盛り込まれており、漢文の仕上げにピッタリの一冊です。
満点を目指すための参考書②:センター試験過去問(赤本)
共通テストとセンターで漢文の問題はほとんど変わらないので、センターの過去問を共通テストの対策にそのまま使うことができます。どの過去問題集を使ってもいいですが、解説がしっかりしているものを選ぶことは意識しましょう。共通テストの予想問題集は数が少ないので、まずはセンターの過去問で共通テスト漢文の設問形式に慣れてから、予想問題集で最後の仕上げをするという使い方がオススメ!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
漢文は「句法」と「単語」さえ暗記してしまえば、簡単に高得点が取れる非常にコスパの良い科目です。1ヶ月きちんと勉強すれば誰でも本番で満点を狙えるようになるので、この記事を参考にしっかりと対策をしましょう!
皆さんが良い結果を出せることを願っています。