- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
慶應義塾大学看護医療学部の化学は基本~標準レベルの問題が中心で、空欄補充問題が非常に多いのが特徴です。
この記事では、慶應義塾大学看護医療学部化学の攻略に必要な情報をすべて、レベル別に解説します。
慶應義塾大学看護医療学部の化学出題傾向
大問3題構成で、理論化学・無機化学・有機化学から例年1題ずつ出題されています。理論化学は、有機化学や無機化学との複合問題として出題されることもあります。
有機化学では、有機物の構造を推定し構造式を書く問題が毎年出題されています。それに加えて化合物名や語句などの知識問題や、論述問題も出題されます。
高分子も有機化学の大問の一部で出題されることがあり、近年では糖類やアミノ酸の性質、酵素の反応性に関する問題が出題されています。
理論化学では空欄補充の知識問題が多く、近年では化学平衡・熱化学・反応速度などが出題されています。計算問題では過程の記述が求められる場合もあるため、普段の勉強で解答作りの練習もしておきましょう。
無機化学では語句や化学式・化学反応式などの知識問題が多いため、基本的な語句や化学反応式はまんべんなく押さえておきましょう。近年ではアルミニウムの反応式や無機物の工業的製法、金属元素を含む化合物の反応などが出題されています。
慶應義塾大学看護医療学部化学の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 無機化学記述式設問
- 第2問 理論化学記述式設問
- 第3問 有機化学記述式設問
どの大問でどの分野から出題されるかは、年度によって変わります。
空欄補充問題が多く、空欄の数も多いのが特徴です。空欄を埋めていかないと問題文が非常に読みづらいので、分かるところからどんどん埋めていきましょう。
論述問題も頻出です。文字数制限がある場合がほとんどなので、限られた文字数でうまく論理をまとめる力も要求されます。
実験考察問題はあまり出題がありませんが、近年では中和滴定をテーマに出題されています。教科書や参考書に出てくる典型的な実験内容は押さえておきましょう。
グラフ描画問題は近年出題がありませんが、今後出題される可能性もあるため、教科書や参考書に載っているグラフの意味はしっかり理解しておきましょう。
慶應義塾大学看護医療学部化学の時間配分の例
試験時間は80分。知識問題が多く、煩雑な計算問題などは少ないので、比較的余裕のある時間設定と言えます。
時間配分の例
00:00 | 第1問 無機化学記述式設問(25) |
00:25 | 第2問 理論化学記述式設問(25) |
00:50 | 第3問 有機化学記述式設問(25) |
01:15 | 見直し(5) |
無機化学・理論化学の方が空欄補充が多い傾向にあるので、先に解くのがおすすめです。空欄補充のような知識問題は即答し、論述問題や計算問題に時間を使いましょう。
記号の選択間違いなどがないか、最後の5分で見直しもしっかりしておきましょう。
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慶應看護医療学部化学で必要な学力レベル
慶應義塾大学看護医療学部の化学では難問はほぼ出題されず、全範囲からまんべんなく基本~標準レベルの問題が出題されます。そのため、基本的な知識をいかに幅広く正確に身につけているかが攻略の鍵になります。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、慶應義塾大学看護医療学部の化学に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
慶應義塾大学看護医療学部のレーダーチャートはこのようになります。
難問はほぼ出題されませんが、幅広い正確な知識が要求されます。空欄補充問題は非常に読みづらく特徴的なので、過去問で対策していきましょう。文字数制限のある論述問題も頻出なので、対策が必須です。頭の中で分かっていても、限られた文字数でコンパクトにまとめるのは意外に難しいので、実際に手を動かして書いてみることが重要です。
理論化学
理論化学はレベル4。理論化学としては珍しく、語句などを問う基本的な知識問題が多く出題されます。論述問題が出題されることもあるので、教科書や参考書をしっかり読み込み、定性的な理解を深めておきましょう。計算問題では過程の記述を求められることもあるので、普段の勉強から過程を分かりやすくまとめる練習をしておきましょう。
有機化学
有機化学はレベル4。物質の構造推定問題は毎年出題されるので、問題集や過去問で多くの類題を解き、自分で構造式を書けるようにしておきましょう。論述問題も出題されるため、性質や反応を丸暗記するだけの勉強法ではなく、解説を読み込んで理由や原因まで理解するように心がけましょう。
無機化学
無機化学はレベル4。基本的な内容をまんべんなく問われるため、覚えるべきことが多いです。網羅的な問題集を繰り返しやり込むことで、偏りなく幅広い知識を身につけておきましょう。教科書に載っている基本的な語句や化学反応式の他、無機物の工業的製法や金属イオンの反応などの頻出問題はしっかり押さえておきましょう。
慶應義塾大学看護医療学部化学が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、慶應義塾大学看護医療学部の化学で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、「ある程度基礎はできていて、これから慶應義塾大学看護医療学部に特化していきたい!」という人は途中から読み進めてもOKです。
まずは教科書レベルで、化学の基礎を固めよう
化学の勉強は、学校の授業や定期テストと並行して行うことでスムーズに進めることができます。ただ3年生の履修範囲は学校の進度が遅いと、入試ギリギリまで終わらない可能性があります。そのため3年生になる頃には自ら予習をスタートさせ、夏前には全範囲の教科書レベルの内容は終わらせておきましょう。
これまで習った範囲の復習も含め、以下の参考書で全範囲の知識の網羅と定着を並行して行います。
- 教科書理解スタディサプリ高3スタンダード化学(理論編)
- 教科書理解スタディサプリ高3スタンダード化学(有機編)
- 教科書理解スタディサプリ高3化学(無機編)
- 教科書理解セミナー化学・化学基礎
- 教科書理解リードα化学・化学基礎
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、教科書レベルの基本知識を完璧なものにしていきます。いきなり問題を解くことはできないため、まずは映像授業の視聴と付属の問題を解くことで、焦らず化学の基礎を身につけていきましょう。
「リードα」「セミナー」などは適宜学校で配布されたもので似たようなものを使っても構いません。学校で配布されない場合、中古のものの購入や市販の「エクセル化学」などを活用しましょう。問題数が多くレベルも幅広いため、知識の定着にも入試レベルへの飛躍にも最適です。
次に進むポイント
- 化学への苦手意識がほとんどなくなった
- 化学でどういう範囲があって、どんな問題が出るのか把握している
- 映像授業や学校の授業の内容はすべて理解できた
慶應看護医療学部入試を解くための「定石」を把握する問題演習
慶應看護医療学部の化学を解けるようになるには、身につけた知識を使いこなせることが大前提です。ここからは、入試問題を解くための武器となる「定石」を身につけていきます。
上記のテキストは、3年生の夏休みのうちに終わらせましょう。慶應義塾大学看護医療学部の化学では、基本的な知識をいかに正確に身につけているかが重要です。9割以上の問題を自力で解けるようになるまで、何度も繰り返しやり込みましょう。
次に進むポイント
- 「基礎問題精講」で9割以上解ける
慶應看護医療学部入試レベルまで引き上げる!入試形式の問題で総仕上げ
定石問題が身についたら、より実践的な問題演習に取り組んでいきます。実際の入試問題をやり込むことで、知識の量と完成度をさらに高めていきましょう。
最低でも2周は解き、間違えた問題を中心に復習することで、知識の穴を徹底的に埋めていきましょう。
一般的な問題集をやり終えたら、遅くとも3年生の11月頃には過去問演習に着手しましょう。慶應義塾大学看護医療学部の化学は空欄補充問題が特徴的なので、過去問で問題形式に慣れておきましょう。
- 過去問赤本(5〜10年分)
赤本を活用し、直近10年ほどの過去問に取り組んでいきましょう。本番の試験時間は80分とやや余裕があるため、演習では70分ほどで解けるように訓練しておくことをおすすめします。演習の際は必ず時間を計り、解く順番や優先順位、時間配分を考えながら、制限時間内で得点を最大化することを意識しましょう。