- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
神戸大学の化学は標準的な問題がほとんどで、やや難しい問題がときどき出題されます。そのため出題傾向をしっかりつかんで、標準的な問題を確実に正解することが重要になります。
この記事では、神戸大学化学の出題傾向からレベル別勉強法まで、攻略に必要な情報をまとめて解説します。
神戸大学の化学出題傾向
大問4題構成となっており、例年有機化学・高分子・理論化学・無機化学の分野からそれぞれ1題ずつ出題されています。無機化学と理論化学は、同じ大問で出題されることもあります。
有機化学では物質の構造推定問題が毎年出題されているため、有機物の性質や反応性について深く理解しておく必要があります。高分子も毎年出題されており、近年では酵素・アミノ酸・タンパク質の性質や反応、デンプンの加水分解が出題されています。
無機化学では出題内容に偏りはなく、幅広い範囲から出題されています。近年では金属イオンの反応、ダイヤモンドの結晶格子、ハーバー・ボッシュ法などが出題されています。
理論化学でも幅広い内容がまんべんなく出題されており、近年では浸透圧、反応速度、熱化学、酸・塩基や酸化・還元などが出題されています。
神戸大学化学の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 理論化学記述式設問
- 第2問 理論化学+無機化学記述式設問
- 第3問 有機化学記述式設問
- 第4問 有機化学記述式設問
大問4題構成となっています。一般的な計算問題や知識問題の他、論述問題やグラフ描画問題も出題されます。計算問題では、計算過程の記述を求められることもあります。
特に文字数制限のある論述問題は頻出なので、問題集や過去問を活用し、限られた文字数で過不足なく論述する訓練を十分に積んでおきましょう。
中和滴定や沈殿滴定をテーマにした実験考察問題も近年出題されているため、教科書や問題集に載っているような典型的な実験の内容については、しっかり理解しておきましょう。
神戸大学化学の時間配分の例
試験時間は、2科目で120分。1科目60分とすると、単純計算で1題あたりに15分しかなく、厳しい時間設定となっています。特定の問題に時間をかけすぎると致命的なので、時間配分を常に意識し、速く正確に解く必要があります。
時間配分の例
00:00 | 第1問 理論化学記述式設問(15) |
00:15 | 第2問 理論化学+無機化学記述式設問(15) |
00:30 | 第4問 有機化学記述式設問(15) |
00:45 | 第3問 有機化学記述式設問(15) |
解く順番は目安です。最初にざっと全体を見て、得意分野や、問題集で見たことがあるような問題があれば優先して解きましょう。第4問の高分子は知識だけで即答できる問題がやや多いため、第3問より先に解くのも手です。とにかく時間設定が厳しいため、分からない問題は後回しにしつつ、解ける問題を確実に解き、得点を最大化することを意識しましょう。
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神大化学で必要な学力レベル
神大化学では難問を解けるかよりも、基本~標準レベルの問題をいかに速く正確に解けるかが重要です。そのため、教科書や標準レベルの問題集をいかに丁寧にやり込んだかが合否の分かれ目になるでしょう。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、神戸大学の化学に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
神戸大学のレーダーチャートはこのようになります。
全体的に難易度があまり高くないため、高得点での争いになり、ケアレスミスが合否を左右しかねません。時間設定も厳しいため、スピードと正確さの両方が求められます。基本~標準レベルの問題集を何度も繰り返しやり込み、典型問題は見た瞬間に解答が頭に浮かぶくらいまで完成度を高めておきましょう。
理論化学
理論化学はレベル3。全範囲から幅広く出題されるため、基本~標準レベルの問題を中心に、問題集をしっかりやり込んでおく必要があります。計算過程を求められる場合もあるため、普段の勉強から解答作りも意識しておきましょう。グラフ描画問題が出題されることもあるため、教科書や参考書に出てきたグラフの意味はしっかり理解しておきましょう。
有機化学
有機化学はレベル4。高分子を含め毎年大問2題分出題されているため、化学で高得点を狙う人は重点的な対策が求められます。毎年出題されている構造推定問題を中心に、問題集や過去問で類題を繰り返し解き、有機物について幅広く正確な知識を身につけておきましょう。高分子からも毎年出題されているため、対策が手薄になりがちな分野ですが、基本的な問題は確実に解けるようにしておく必要があります。
無機化学
無機化学はレベル3。難易度は高くないですが、全範囲からまんべんなく出題されるため、覚えるべきことは非常に多いです。網羅的な問題集を繰り返しやり込むことで、幅広い知識を蓄えていきましょう。基本的な語句や化学反応式などは、自分の手で書けるくらい正確に記憶しておきましょう。
神戸大学化学が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、神戸大学の化学で合格点をとれるようになるための勉強内容について解説します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、「ある程度基礎はできている!これから神戸大学に特化していきたい!」という人は途中から読み進めてもOKです。
まずは教科書レベルで、化学の基本を身につけよう
化学の勉強は、1~2年生のうちは学校の授業と並行して行うことをおすすめします。しかし3年生の履修範囲については、学校の進度が遅いと入試対策が間に合わなくなってしまうため、予習が必須です。3年生になる頃には予習をスタートさせ、夏前までには全範囲において教科書レベルの知識を身につけておきましょう。
これまで習った範囲の復習も含め、以下の参考書で全範囲の知識の網羅と定着を並行して行います。
- 教科書理解スタディサプリ高3スタンダード化学(理論編)
- 教科書理解スタディサプリ高3スタンダード化学(有機編)
- 教科書理解スタディサプリ高3化学(無機編)
- 教科書理解セミナー化学・化学基礎
- 教科書理解リードα化学・化学基礎
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、教科書レベルの基本知識を盤石にしていきます。いきなり問題を解くことはできないため、まずは映像授業の視聴と付属の問題を解くことで、基礎をしっかり身につけていきましょう。
「リードα」「セミナー」などは適宜学校で配布されたもので似たようなものを使っても構いません。学校で配布されない場合、中古のものの購入や市販の「エクセル化学」などを活用しましょう。問題数が多くレベルも幅広いため、知識の定着にも入試レベルへの飛躍にも最適です。
次に進むポイント
- 化学の苦手意識が少し薄れてきた
- 化学でどういう範囲があって、どんな問題が出るのか把握している
- 教科書レベルの内容はすべて理解できた
神大入試を解くための「定石」を把握する問題演習
神大入試や共通テストでは、基本~標準レベルの問題をいかに速く正確に解けるかが重要です。
ここからは頻出の解法を固めていくことで、まずは入試問題を解くための「武器」を身につけていきます。
上記の問題集は、3年生の夏休みには終わらせておきましょう。
同時期に、センター試験・共通テストの過去問にも時間を計って取り組んでおきましょう。全範囲の基本~標準レベルの内容をざっと復習でき、苦手分野があれば早めに気づくことができます。同時に、初見の問題を制限時間内に優先順位をつけて解く練習にもなります。間違えた問題や時間がかかった問題は、しっかり復習しておきましょう。
次に進むポイント
- 「基礎問題精講」の問題は9割以上解ける
- センター試験・共通テストの過去問で8割くらいは取れる
神大入試レベルまで引き上げる!入試形式の問題で演習
定石問題は身についたので、あとは神大入試に向けて絞り込んでいくだけ。実際の入試問題にどんどん取り組むことで、さらに知識の完成度を高めていきます。
以上の問題集をやり終えたら、過去問演習で総仕上げを行います。特に文字数制限のある論述問題は頻出なので、過去問をやり込んで慣れておきましょう。
- 過去問赤本(5〜10年分)
直近10年ほどの過去問に時間を計って取り組みましょう。神大化学は時間設定が厳しいため、問題に優先順位をつけながら、速く正確に解く力が要求されます。本番で焦らないよう、時間配分をしっかりシミュレーションしておきましょう。