こんばんは!STRUX塾長の橋本です!
今週も「大学入試の志望校別対策シリーズ」、今回も人気の高い「MARCH」の大学群の中から、「青山学院大学」をピックアップします。
青山学院大学の試験情報
青山学院大学の受験日・受験科目は学部によって、また個別学部日程か全学部統一日程かによって変わってきます。特に他の大学と比べても青山学院大学の入試システムは複雑で、一つの学部でもいくつもの入試パターンがあるため、注意が必要になっています。今回は一部学部をピックアップしてお伝えします。また、ここでは基本的に一般選抜の「一般入試」について扱います。
期日 | 2月7日(全学部日程)、2月17日(国際政治経済学部)、 19日(経済学部)、10日(理工学部A方式)など |
共通テスト | ほとんどの形式で必要 |
出願時期 | 1月6日〜(学科による) |
科目(文系・一例) | 独自試験:学科による 共通テスト:3科目(英語・国語・選択) |
科目(理工学部) | A方式 独自試験:英語・数学・理解 B方式独自試験:数学・理解 共通テスト:英語・数学・理科 |
そもそも青山学院大学には全部で11学部あり、それぞれがA方式・B方式の個別試験を用意しつつ、かつ全学部試験もあるため、選択肢がたくさんあります。青山学院大学を受験する場合は、まず「自分がどの学部・学科を受験するのか」、そして「どの方式で受験するのか」を決めていくべきです。この「A方式」「B方式」も、学部学科により「定員が大きく異なる」「日程が違う」「共通テストが不要かそうでないか」など特徴が全く異なるため、それぞれの学部については必ず受験案内を確認して慎重に決めるようにしましょう。
2021年度入試から、ほとんどの学部で試験内容に共通テストが含まれるようになりました。従来の「共通テスト利用入試」ももちろんありますが、個別学部日程の試験ではほとんどの場合で共通テストが必要となり、共通テスト無しで受験できるのは全学部日程と文学部・理工学部の一部方式と経済学部のみです。文学部英米文学科や経済学部だけを受験するという場合や、あくまで他大学との併願で第一志望にはしていない、という場合は共通テストを受けていなくても大丈夫ですが、いくつかの学部を併願する予定であれば共通テストは文系であれば3科目(英国社)、理系でも3から4科目(英数理)を必ず受験しておきましょう。
また、学部によっては科目の試験だけでなく「総合問題」が課される場合もあります。先述の文学部英米文学科では「英語による総合問題」として記述式問題及び小論文が課されるとされている他、法学部でも「国語または英語」と「日本史・世界史・政治経済の知識を使った総合問題」という形で出されます。
- 文学部英米文学科
- B方式で、英語による記述式問題と小論文
- 文学部フランス文学科
- A方式は文章読解中で読解力・論理力・外国文化や社会への理解を問う総合問題。B方式は論述形式。
- 法学部法学科
- 国語または英語と「世界史」「日本史」「政治経済」の総合問題
- 国際政治経済学部
- 英語と「世界史」「日本史」「政治経済」の総合問題
- 文化政策学部
- 国語、地歴公民の総合問題
- 社会情報学部
- D方式:日本語の文章やデータから論述等を課す
例えば法学部のサンプル問題はこちらの大学公式ページ(PDFが開きます/リンクが切れている場合はご容赦ください)から閲覧ができますが、政治経済で問われる「国際連合の仕組み」「憲法の立ち位置」などが問われているほか、近代以降の世界史・日本史の知識も必要になってきます。このように学部によって求められるものが変わってくるため、特に総合問題が出題される学部を受験する場合は要注意です。
併願のパターン
青山学院大学は共通テストの点数が必要なので、共通テストを利用する大学を併願することもできますし、共通テスト利用入試も使いやすい受験スタイルになります。
おすすめの併願先:立教大学
同じレベルの大学群で探すのであれば、雰囲気も近く都心にキャンパスがあり、かつ英語において共通テストの点数が必要な立教大学は受験しやすい候補の一つでしょう。方式や日程が複雑、かつ限られている青山学院大学に比べ、立教大学はすべて全学部日程のみで、文系歴史選択であれば4日程以上から選べるため、入試のスケジュールも組みやすくなっています。
上智大学、早稲田大学との併願で利用もしやすい
共通テストを使って受験するところが多いため、青山学院大学よりもレベルの高い上智大学・早稲田大学を目指している場合も併願先として使いやすくなりました。特に上智大学の一般入試(TEAP利用でない個別試験)も青学同様共通テストの点数も必要になっているため、併願先として使いやすいでしょう。早稲田大学の一部学部も共通テストが必要になります。
経済学部など、共通テストを使うつもりがないなら他の大学が良い
反面、共通テストが必要ない経済学部などを受験する場合は、他の併願校もなるべく共通テストを使わない明治大学や学習院大学などを選べると、効率よく受験ができるでしょう。マーチレベルより下の大学もほとんどが独自試験のみで受験可能なので、安全圏の大学・滑り止めの大学を選ぶ際にもあまり考える必要はありません。
共通テストの点数が必要なため、共通テスト利用入試で滑り止めが確保できると大きい
ほとんどの学部では共通テストの点数が必要、かつ従来の受験者層を考えるとどんなに低くても75%、できれば85%近くまで点数をとりたいところであることを考えると、このあたりの点数で共通テスト利用入試を突破できる大学は共通テスト利用入試で合格を確保するのが最も効率良いことになります。マーチレベルの共通テスト利用はほとんどの学部で8割以上、所によっては9割近く必要になるため、ここは共通テスト利用で確実に抑えるということは難しいです。ただ、それより下、日東駒専レベルであれば、例えば日大だと〜75%、駒沢大学でもそのくらいなので、こういった大学群はいくつか共通テスト利用で出願しておき、合格を掴んでおけると安心して第一志望校に臨むことができます。
青山学院大学の配点と目標点数
青山学院大学の配点は学部により大きく異なりますが、ここでは志願者数の多い&共通テストを利用しない「経済学部」と、逆に利用する「国際政治経済学部」を例に話していきましょう。
青山学院大学経済学部経済学科(個別)の科目・配点
外国語 | 独自試験150点 |
地理歴史または公民(A方式) /数学(B方式) |
独自試験100点 |
*経済学部現代経済デザイン学科も同様
青山学院大学国際政治経済学部(個別A方式)の科目・配点
外国語 | 共通テスト:50点 |
国語(現代文) | 共通テスト:25点 |
選択(地歴公民数学から) | 共通テスト:25点 |
独自試験論述 | 50点 |
独自試験総合問題 | 50点 |
*論述は「国際政治分野」「国際経済分野」「国際コミュニケーション分野」の中から学科の専門範囲を範囲とし、読解力・論述力・論理的思考力をみるもの。
*総合問題も上記範囲の組み合わせから、「学科の専門」+もう1分野を選択可能。
分野は以下のような出題範囲となっています。
- 国際政治分野:「政治・経済」・17世紀以降の「世界史」・17世紀以降の「日本史」および読解力・論理的思考力を問う
- 国際経済分野:「政治・経済」・17世紀以降の「世界史」・17世紀以降の「日本史」、数量的理解、および読解力・論理的思考力を問う
- 国際コミュニケーション分野:「英語」および読解力・論理的思考力を問う
学部によって大きく配点が異なるため、正確な情報は大学のホームページで確認するようにしましょう。文系学部ではどこでも比較的英語の配点が高く設定される傾向がありますが、独自試験では論述や小論文、総合問題が出題される学部が増えています。
目標点数
例年と入試制度が大きく変わっているため、目標点数の設定も難しくなっているのが実情です。数年実施されてくれば、それをもとにして目標点数を考えていくことになりますが、とりあえず例年の点数と受験者層、そこに共通テストの傾向を加味して予想していくことにします。
今回は「経済学部」と「国際政治経済学部」を想定して見ていきましょう。
例年の合格最低点
*選択科目間の得点調整:あり
例:青山学院大学経済学部経済学科A方式
- 2020年度:281/350点(80.2%)
- 2019年度:264/350点(75.4%)
例:青山学院大学経済学部経済学科B方式
- 2020年度:177/250点(70.8%)
- 2019年度:169/250点(67.6%)
例:青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科
- 2020年度:251/350点(71.7%)
- 2019年度:257/350点(73.4%)
過去2年の合格最低点は、3科目(英語150点満点、ほか100点満点)での結果であくまで参考値ですが、経済学部は8割に届くなど最低点が非常に高くなっています。経済学部は倍率が7〜8倍と非常に高かったことも影響していますが、それでも少し異常ではありますね。逆にB方式は数学100点・英語150点の2科目で、2021年度以降のB方式と全く同じです。こちらは最低点は同じくらいの水準になるのではないでしょうか。
目標点の例:青山学院大学経済学部経済学科A方式
英語 | 120/150点 |
社会 | 80/100点 |
目標点の例:青山学院大学経済学部経済学科B方式
英語 | 120/150点 |
数学 | 65/100点 |
社会選択・数学選択でそもそも方式・定員が異なるため、数学ー社会間での得点調整は行われません。数学を利用する例年のB方式が65〜70%の最低点なので、多めに見積もって74%を目標点としました。社会を利用するともう少し最低点は上がって70〜75%となるはずですから(2020年度は少しおかしい)、80%は確保したいところです。
目標点の例:青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科
共通テスト英語 | R85/100点+L75/100点 →40/50点 |
共通テスト現代文 | 80/100点 →20/25点 |
共通テスト選択科目 | 90/100点 →22.5/25点 |
論述 | 35/50点 |
総合問題 | 35/50点 |
今回は全体で75%あたりを目標ラインとして設定しました。共通テストが入ったことで例年より問題の難易度は下がっている(特に国語・社会)一方で、未知数の論述問題・総合問題は目標点を狙って演習するのが難しいですから、このあたりはある程度予想をしておきながら解くことになります。最初の入試からものすごく難しい問題がでる、ということはあまりないですが、サンプル問題を元にしてある程度出題範囲を分析しておく必要はあるでしょう。
青山学院大学・科目別の勉強法と問題攻略
最後に、科目別の勉強方針を軽くまとめておきましょう。
時系列・やるべき科目と対策
「私大文系」志望であれば、「英語」>「国語」>「社会」の優先順位は崩さないようにします。なるべく高校2年生までに英語の文法・単語の下地を作り、高3の夏までには解釈などもやった上で、夏休みには長文のスピード・難易度を上げていく訓練ができるようにしましょう。
一番面倒なのが「論述」「総合問題」が出題される学部の対策ですが、こればかりは情報が「サンプル問題」しかないため、このサンプル問題を元に学部ごとに対策を練っていく必要があります。国際政治経済学部や法学部の「政治経済・日本史・世界史」が出題される問題では、それらの指定された範囲をセンターレベル、もしくは世界史A・日本史Aの該当範囲レベルくらいまでは身につけておきたいのが実情で、そのためにいま1・2年生で青学国際政経・法などを目指すと決めている人はこの3科目は少し早めから取り掛かるべきです。数量的理解が求められる国際経済学科、またデータを扱うとしている社会情報学部D方式などは、グラフや統計をよく扱っている慶應義塾大学商学部の小論文試験などを参考にして練習しておくのは効果があります。
文学部やコミュニティ人間学部・地球社会共生学部では小論文の出題もあるため、小論文の練習に加えて自分が受験する専攻の基本知識・頻出テーマを押さえておきましょう。
総合問題(法学部・国際政治経済学部)・論述(国際政治経済学部)
先述の通り法学部・国際政治経済学部の総合問題・論述では「政治・経済」「日本史(17世紀以降)」「世界史(17世紀以降)」の知識を含んだ読解力・論述力が求められるとされています。サンプルをみると意外と知識も必要となるようです。「一般教養」と言ってしまえばそのとおり、な知識が多いといえば多いんですが、しっかり(浅くてもいいので)網羅しておかないと苦戦することになります。「政治・経済」分野は「共通テスト集中講義」シリーズ、日本史・世界史は学校で習っていれば教科書や一問一答をメインにざっくりと流れを入れておくようにします。本格的に演習するのは秋以降でいいですが、全体の理解と通史の流れの確認は夏休みのうちにはしておきましょう。
総合問題・論述(国際政治経済学部国際経済学科)・総合問題(社会情報学部D)
国際政治経済学部の中でも経済分野の学科、また社会情報学部のD方式では、数学というよりもいわゆる「グラフの読み取り」「統計」などの部分が重要です。これに慣れるには似た形式の慶應義塾大学商学部の問題などに触れておくのが一番です。サンプル問題を見つつ、こうした似た傾向の問題で対策しましょう。
小論文(文学部など)
小論文が出題される学部も増えています。小論文はほとんどが「課題文を読み、その内容をまとめたり、内容を元に意見を述べる」という形式だと考えられますから、大前提として現代文の勉強はしておくべきです。それに加え、自分が志望する分野のテーマに対する理解(心理学科であれば心理学、フランス文学科であればフランスに関することなど)があるとよりスムーズに意見を述べやすくなりますから、各大学のそうした学部学科が出している現代文の文章などでテーマの理解を深めておきましょう。
書いた小論文は必ず誰かに見てもらい、添削を繰り返してください。
英語(独自問題)
独自問題で英語が出題される学部学科(経済学部、理工学部、経営学部など)、また全学部日程入試を受験する場合は、例年の過去問を参考に対策をしていきます。学部によっては例年英作文(ほとんどがかんたんな和文英訳)が出題されていることもあります。
英語の配点が高い場合が多いため、なるべく早い段階で「ネクステ」レベルの文法事項、「ターゲット1900」レベルの単語は完璧にし、長文の演習に移れるようにしましょう。また、経営学部などでは「英語の長文読解を中心として基礎力・総合力を問う問題」としての出題が予定されています。こうした学部を受ける場合は例年と形式が変わる可能性が大きいため、いっそう「長文読解を早く正確にできるように」というのは大前提として夏〜秋には身につけましょう。
国語・数学・社会・理科(独自問題)
英語以外の独自問題を出題する学部学科は、例年の過去問に合わせた対策をしましょう。文系学部での数学選択は得意でなければおすすめしません。
共通テスト対策
共通テストがほとんどの学部で必要なため、これについてもきちんと身につけておくべきでしょう。夏明けには「時間を気にせず解けば目標点近くが取れる」という状態を英語・国語・数学では目指してほしいです。遅くとも11月にはセンター過去問だけでなく共通テスト形式の演習に入りましょう。
まとめ
人気も高く、かつ入試の変更点が多い青山学院大学ですが、対策すべきことは変わりません。今まで以上にサンプル問題や実際の出題範囲に注意し、なるべく早くからそれを意識した演習ができるようにしましょう。
青山学院大学の入試の2021年度の変更点は、こちらのページにも詳しくまとまっていますから、是非参考にしてください。
お知らせ!
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それでは!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。
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