学習塾STRUX編集部連載


【大学別入試対策シリーズ】早稲田大学商学部の入試攻略法!目標点と対策のコツ

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こんばんは!STRUX塾長の橋本です!

 

今週も「大学入試の志望校別対策シリーズ」、今回は志望者も多く人気も高い「早稲田大学商学部」の入試対策について見ていきましょう。早稲田大学商学部は2021年度入試以降大きく入試形式が変わることはありませんが、難易度は従来どおり高く、特徴を正確に理解した上で特化した対策をすることが求められます。この記事で「試験情報」「対策の仕方」について述べているので、読んで確認してください。

 
 
 

早稲田大学商学部の試験情報

今回も早稲田大学商学部の「一般選抜」に絞って解説をしていきます。

期日 2月21日
共通テスト 不要
科目 独自試験:英語・国語・選択科目
地歴・公民型:世界史B・日本史B・政治経済から選択
数学型:数学1A2B
*英語外部試験利用も可能

早稲田大学商学部の一般選抜は2021年度から大きく「地歴・公民型」「数学型」「英語4技能テスト利用型」の3つに分かれています。これまで定員が同じだったものが分かれており、注意が必要です。

  • 地歴・公民型:355名
  • 数学型:150名
  • 英語4技能型:30名

英語4技能テスト型は他の型と大きく変わりませんが、英語4技能テストで1級を取っていれば5点のか点がされるという形式、かつ準1級以上を確保していないとそもそも出願できないという形のため、出願できる人・これを利用する人は限られるでしょう。併願することもできないため、「英検1級」「TOEFL-iBTでスコア95以上」を確保している人以外は利用しないことをおすすめします。逆にこれらを持っている人、かつ第1志望ではないという人は使ってみてもいいかもしれません。

それ以外は定員が分かれたことで、数学を使う人が受験しやすくなっていることは変化でしょう。これまでは社会選択の人と競う必要があり、得点調整も考慮しながら対策していく必要がありましたが、今後は数学受験の人の中で競うことになるため、比較的目標点などを想定しやすくなっています。これまでの選択科目ごとの出願数をもとに定員が割り振られています(2020年度で社会選択75.5%、数学選択24.5%)が、数学選択のほうが例年の受験者数に対して枠が広くなっているため、多少倍率が下がることも予想されます。

 

併願のパターン

早稲田大学商学部は出題形式としてもシンプルで、文法問題なども少ないため、英語で長文問題を多く出題する&英作文などの比重が低い大学・学部との併願をおすすめします。

 

おすすめの併願先:早稲田大学社会科学部・教育学部、明治大学など

早稲田大学を併願するのであれば、文法問題+長文問題の組み合わせがメインとなる社会科学部や人間科学部、同じく長文がメインの教育学部などがおすすめです。レベルとしても商学部より少し下がるくらいなので、第一志望を商学部に据えている状態でも受験しやすいです。早稲田大学よりレベルを下げたところの併願としては、共通テスト等を利用しなくて良い明治大学・法政大学などがおすすめです。

 

共通テスト利用入試は実施されないので、最難関国立との併願は受験が必要

これまではセンター試験利用入試なども行われていましたが、2021年度以降は廃止。そのため、共通テストを利用した併願はできません。

早稲田大学商学部の配点と目標点数

早稲田大学商学部の配点と目標点数について、ここでは「地歴・公民型」「数学型」それぞれで見ていくことにしましょう。早稲田大学商学部は他の学部同様成績標準化による得点調整が行われていましたが、ここではあくまで素点で計算していきましょう。

早稲田大学商学部(地歴・公民型)の科目・配点

外国語 80点
国語 60点
社会(日本史・世界史・政経) 60点

早稲田大学商学部(数学型)の科目・配点

外国語 60点
国語 60点
数学 60点

 

「地歴・公民型」と「数学型」で大きく異なるのは、英語の配点比率です。地歴・公民型では英語の配点比率が40%であるのに対し、数学型では各1:1:1になっています。微妙に英語の配点比率が異なる文、一般的な地歴・公民型で受験するほうが英語の重要性が高くなっていることが分かるかと思います。

 
 

目標点数

例年と定員が分かれているため、従来の合格最低点がそのまま適用されるわけではありません。ただ、受験者層が大きく変わらないことを考えると、ある程度参考にはできるでしょう。例年の合格最低点をもとに考えていくことにしましょう。

例年の合格最低点

*選択科目間の得点調整:あり

  • 2020年度:127.45/200点(63.7%)
  • 2019年度:129.25/200点(64.6%)

各科目の受験者平均点

英語
  • 2020年度:44.227/80点
  • 2019年度:39.559/80点
国語
  • 2020年度:38.011/60点
  • 2019年度:37.676/60点
日本史
  • 2020年度:33.801/60点
  • 2019年度:38.029/60点
世界史
  • 2020年度:40.227/60点
  • 2019年度:40.008/60点
政治・経済
  • 2020年度:26.627/60点
  • 2019年度:22.604/60点
数学
  • 2020年度:9.504/60点
  • 2019年度:16.226/60点

参考:近年の入学試験結果

過去2年の合格最低点は、得点調整が入ることによりだいたい63〜64%になっています。ただ、科目別の平均点の素点を見てみると、最も受験者数の多い日本史、世界史が35〜40点程度であるのに対し、政治・経済は25点前後、数学は10点〜15点程度であることが多いです。あくまで「受験者全体の」平均点ではあるので実際の合格者の点数はもう少し高いですが、それでも数学型受験のほうが地歴・公民型と比べると合格最低点は低くなることが予想されます。倍率も下がることが予想されるので、この流れはほぼ確実でしょうか。ただ、平均点が低いということは難易度が高いということでもあるので、その点は注意が必要です。

目標点の例:地歴・公民型……140点

英語 55/80点
国語 40/60点
社会 45/60点

地歴・公民型の場合、社会で点を落とすと致命的になりますから、世界史・日本史の場合は45〜50点以上、政治・経済の場合も30点以上は狙いたいところです。ここをしっかり確保できるかどうかで合否が大きく左右されます。現役生の場合直前期でも比較的点を上げやすいため、ギリギリまで詰め込めるようにしたいところです。

社会の次に確保したいのはなんといっても英語でしょう。早稲田大学商学部の英語は時間制限が厳しいですが、すべて長文問題、かつ比較的問題の難易度としても高くないため、得点を安定させづらい国語と比べてもここで確実に加点していきたいところです。

目標点の例:数学型……125点

英語 55/80点
国語 40/60点
数学 30/60点

数学型でも基本的には高めの点数を目指すべきです。数学受験の平均点は低いですが、合格者にしぼるともちろんもっと平均点が高いことになりますし、大問が3つしか無い数学の問題で「0点」や「3,4点」しか取れていないという受験者も一定数いることが考えられる以上、最低でも1問完答、できればもう1問「半分は点がもらえる」状態にして、50%は点が取れるようにしたいところです。

 
 

早稲田大学商学部・科目別の勉強法と問題攻略

最後に、科目別の勉強方針を軽くまとめておきましょう。

時系列・やるべき科目と対策

「数学を使うか・使わないか」によって全体の方針は大きく変わってきます。数学を利用しない場合は、はじめから「英語」「国語」を最優先に仕上げるように高2など早い時期から勉強を始めておきます。社会は学校の授業だけだとギリギリまで終わらないことがありますから、できれば高2の冬ごろにはスタートさせて、高3の夏前には自分でひととおり全範囲を勉強し終えている状態にしたいところです。

数学を使う場合、使う可能性がある場合は、まずは高1・高2から学校の授業に合わせてきちんと数学の演習をしておきましょう。これをやっているだけでのちの勉強の進度が大きく変わってきます。もちろん並行して英語も取り組んでおきます。

 

英語

早稲田大学商学部の英語は例年通りであれば大問5つ構成。年によっては会話文が1つ出題されることもありますが、ほとんどが700語〜900語程度の長文問題です。それぞれの長文問題につき「選択肢問題が10前後、和訳または和文英訳が1問」となっているうえ、この5つの大問を全部で90分で解ききらないといけないため、非常に「短い時間」で「正確に」答える必要があります。このそれぞれの設問がさらに厄介で、細かい数字などで紛らわせてくるため、時間がないからと言ってざっくりとしか読んでいないと、出題者の思う通り引っかかってしまいます。

これを克服するためには、高1・高2からきちんと英単語・英文法、そして英文解釈をきちんと積み上げて固めておくことが必須です。単語で拾い読み、ということになると引っ掛けに惑わされてしまうので、必ず「構文に従って文法通り前から読む」ということを鍛えていきましょう。ここが高3の前半までに固まっていれば、高3の夏ごろからは長文問題で読解のスピードを上げつつ正確に読めるように訓練していけばOKです。

和訳問題はそれほど難しくないので、この長文の勉強や長文を読むための英文解釈の勉強の延長線上でOKです。和文英訳問題は少し厄介ですが、例文集でいくつか頻出の例文を覚えていけばいいでしょう。これらは夏の後半からやって、11〜12月に過去問に入れればOKです。

 

国語

商学部の国語は例年通りなら「現代文(評論)」「古文」「漢文」の3問構成。古文や漢文では読解だけではなく「助動詞の意味」「助詞の意味」なども問われるため、きちんと勉強しておきましょう。現代文では漢字も問われますが、私大特有の文学史はほぼ問われず、記述もほぼありません。

 

社会

歴史科目(日本史・世界史)は、高2の冬〜高3の春くらいには学校のペースより少し早めに「スタディサプリ」などで通史の理解を進めて、高3の夏前には一通り全範囲を終えたいです。早稲田大学の歴史科目は難しい単語がでるイメージがありますが、重要なのはあくまで「基本的な単語を、歴史の流れとセットで覚える」ことです。早くから一問一答で難しい単語を覚えても、歴史の流れがわかっていないと問題を解くことは出来ませんから、高3の9月くらいまでは「詳説ノート」など穴埋め形式の問題集で流れとセットで基本単語を押さえます。難しい単語もでるとはいえ基本単語が押さえられれば7割は取れる問題ですから、まずはそこで絶対に点を落とさないようにしていきましょう。

 

数学

早稲田大学商学部の数学は原則「小問集合の空所補充問題」が1つ、「記述問題」が2つです。大問が3つしかないため、知らない範囲・苦手な範囲が1つでもでると大きく減点されてしまうことになります。これを避けるためには全範囲きちんと学校の授業に合わせて基礎を固めておくことが必須。具体的には「青チャート」でいえばレベル3くらいの問題までは、高3になる頃には完璧に解ける状態になりたいです。出題分野は多岐にわたり山を張ることが出来ないうえ、いずれもかんたんな問題では無いですから、しっかり勉強時間を割くつもりでいましょう。

 
 

まとめ

人気の学部である早稲田大学商学部ですが、定員・入試の枠組み以外は変わりません。入試変更元年のため問題傾向に一部変化がある可能性もあるため、変化に対応できるようにしておきましょう。

 
 

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それでは!

 
 
 
 

ライター:橋本拓磨

東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。

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