千葉大学傾向と対策

千葉大学には、国際教養学部、文学部、法政経学部、教育学部、理学部、工学部、園芸学部、医学部、薬学部、看護学部と多くの学部がそろっています。国立大学で唯一看護学部があることが特長です。 教育学部では資格を複数取得することができたり、看護学部・医学部・薬学部が連携したプログラムがあったりなどの魅力があります。研究や論文のレベルが高く、各分野の最先端で活躍していた先生が多いなど研究面も評価されています。

2025年度入学入試から、学習指導要領の変更により、一部大学で配点・科目の変更などが予定されています。順次記事を更新しておりますが、この記事は変更前のものとなりますので、配点等は必ず大学公式HPを参照してください。

Part.1 千葉大学の試験・出願情報

千葉大学は試験に必要な科目が多く、文系でも数学が必須である学部が多いことが特徴です。この項目では、前期試験の配点や入試形態について詳しく見ていきましょう。

試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月25日(教育学部・医学部・看護学部については、2月25日・26日)
共通テスト 必要
得点比率 学部により異なる
出願時期 1月(共通テスト後)
2段階選抜 学部により実施
科目 学部により異なる

共通テストで使う科目は国語、地歴公民、数学、理科、外国語の5教科7~8科目です。選択科目は学部ごとに異なるので、大学HPの募集要項をよく確認しましょう。

共通テストの得点は全ての学部学科で450点まで圧縮されます。教育学部中学校コース社会科教育分野を除いて全科目が一律で2分の1になります。教育学部中学校コース社会科教育分野では地歴公民と理科が圧縮されず、国語・数学・英語が4分の1まで圧縮されます。

共通テストの点数はどの学部も同じですが、個別試験の配点が学部学科ごとに異なるので、得点比率も異なってきます。
例えば、国際教養学部、法政経学部、理学部、工学部、園芸学部、薬学部、看護学部の個別試験の配点は900点なので共テ:個別=1:2となります。教育学部と医学部の配点は1000点で、文学部の配点はコースによって550点~900点など様々です。

Part.2 千葉大の配点と目標点数【文系】

文系で受験可能な学部は国際教養学部、文学部人文学科の全コース、法政経学部、一部のコースを除く教育学部、園芸学部食料資源経済学科です。(教育学部のうち文系が受験不可能なコースは、中学校コースの数学科教育分野・理科教育分野・技術科教育分野と養護教諭コース)

配点・科目

        

共通テストの得点はほぼ全ての学部学科で、各科目一律に450点まで圧縮されます。教育学部中学校コース社会科教育分野では地歴公民と理科が圧縮されず、国語・数学・英語が4分の1まで圧縮され450点になります。

文系の個別試験科目の組み合わせは「英語+国語+社会」または「英語+国語+数学」のどちらかが基本です。文系のみ受験可能な学部学科コースの場合は「社会」、理系も受験可能な場合は「数学」が必要になるケースが多いです。

また、教育学部の一部のコースには実技試験や面接が課されます。 国際教養学部では「国語と理科のうち1科目選択」と「 数学と地理歴史のうち1科目選択」ができます。文系の方は「国語」と「地理歴史」を選択することになるでしょう。

目標点数

パターン1:教育学部小学校コース
合格最低ライン目安 830点
共通テスト 340/450点
英語 100/200点
国語 135/300点
数学 135/300点
面接 120/200点
合計 830/1450点

教育学部小学校コースの2021年の合格最低点は684点(47%)、合格者平均点は784点(54%)でした。合格最低点の約1割増しである830点以上を目指しましょう。

パターン2:法政経学部
合格最低ライン目安 900点
共通テスト 360/450点
英語 180/300点
国語 180/300点
数学 180/300点
合計 900/1350点

法政経学部の2021年の合格最低点は765点(約57%)、合格者平均点は827点(約61%)でした。合格最低点の約1割増しである900点以上を目指しましょう。
また、法政経学部は2021年度に1次選抜が予告されていました。条件を満たしていなかったため実施されませんでしたが、倍率の3.5倍以上の受験者がいた場合には上位倍率3.5倍の人が合格者となります。

パターン3:国際教養学部
合格最低ライン目安 1000点
共通テスト 370/450点
英語 210/300点
国語 210/300点
社会 210/300点
合計 1000/1350点

国際教養学部の2021年の合格最低点は916点(約68%)、合格者平均点は986点(約73%)でした。合格最低点の約1割増しである1000点以上を目指しましょう。

模試一覧
5月 第1回駿台atama+共通テスト模試
7月 第2回駿台atama+共通テスト模試
8月 河合第2回全統共通テスト模試
9月 第1回駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試
10月 千葉大本番レベル模試(東進)
第3回駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試
11月 河合全統プレ共通テスト
12月 駿台atama+プレ共通テスト模試

東進以外の大手予備校(河合塾・駿台・代ゼミなど)では千葉大学の模試は実施していません。冠模試は自分の実力を確かめる上で重要なので、10月の千葉大本番レベル模試を積極的に受験するようにしましょう。
千葉大学では共通テストの割合が高めなので、マーク模試で演習を積んでおくべきです。本番1年前の「共通テスト同日受験」を受け、1年かけて得点率8割以上を目指して勉強していきましょう。

併願校・志望変更

共通テスト利用
MARCH、日東駒専、大東文化大、流経大、産能大
後期試験
埼玉大、宇都宮大、茨城大など
志望校変更
横浜市立大、埼玉大、宇都宮大など

千葉大学で勝負できるレベルの人は日東駒専レベルならしっかり合格している人が多い印象です。確実に日東駒専とその下の大東文化大、流経大、産能大などを抑え、MARCHに挑戦してみるのも良いでしょう。
共通テスト利用で合格できるとなおいいですが、日大レベルでも75%〜80%程度は必要になるため、必ず一般入試も併用してリスクを減らしておきましょう。

志望校を変更する場合は、原則として共通テストの結果を見てからにしましょう。あらかじめ共通テストで「何点くらいならここに下げる」ということを決めておくのが良いですね。志望校変更先は横浜市立、埼玉大、宇都宮大などをはじめとした各県の国公立大学になるでしょう。

次に後期試験の志望校を見ていきます。千葉大の後期は前期に東大・東工大・一橋大を目指していた人が流入してくるので難易度が高くなります。そのため、関東に絞るなら埼玉大、宇都宮大、茨城大などを後期受験することになるでしょう。関東圏にこだわりがないのであれば近隣の国公立大学となります。

Part.3 千葉大の配点と目標点数【理系】

理系で受験可能な学部は国際教養学部、文学部人文学科行動科学コース、理学部、工学部、医学部、薬学部、看護学部、教育学部(中学校コース社会科教育分野を除く)です。

配点・科目

        

理系の全ての学部で、共通テストの得点が全科目一律で2分の1に圧縮され、450点になります。

理系の個別試験科目の組み合わせは「英語+数学+理科」が基本です。理科は基本的に物理・化学・生物から選択することになり、地学が選択可能な学部学科コースは少数です。将来必要になるなどの特別な理由がない限り、地学は選ばない方が良いでしょう。

医学部と看護学部では、筆記試験に加えて面接が課されます。 また、看護学部は数学が不要で、園芸学部食料資源経済学科は理科が不要です。国際教養学部では「国語と理科のうち1科目選択」と「 数学と地理歴史のうち1科目選択」ができます。理系の方は「理科」と「数学」を選択することになるでしょう。

必要な科目は学部学科コースによって違います。特に、工学部と理学部物理学科は物理と化学が必須で、生物を選択することができないので注意してください。配点や必要な科目などを各自HPで確認しておきましょう。

目標点数

パターン1: 工学部(医工学コース)
合格最低ライン目安 900点
共通テスト 375/450点
英語 175/300点
数学 175/300点
理科 175/300点
合計 900/1350点

工学部は9つのコースがあり、コースごとに入学者を募集しています。2021年の得点が最も高かったコースは医工学コースで合格最低点が770点(約57%)、合格者平均点は844点(約63%)でした。
逆に最も得点が低かったコースは、合格最低点が727点(約54%)、合格者平均点が776点(約57%)であった物質科学コースです。

コースごとに目指すべき得点率が変わるので各自で計算してみましょう。目標点は、合格最低点+(1割)が目安になります。上記の例では、医工学コースを目指す場合の900点を合格最低ラインとしています。

パターン2: 医学部
合格最低ライン目安 1130点
共通テスト 410/450点
英語 220/300点
数学 220/300点
理科 220/300点
面接 60/100点
合計 1130/1450点

医学部は地域枠と一般枠がありますが、ここでは一般枠を取り上げています。2021年の医学部医学科一般枠は合格最低点が984点(約68%)、合格者平均点は1052点(約73%)でした。合格最低点 +(1割)である1130点を目標点に設定し、共通テスト90%以上、個別試験全教科70%以上、得意な科目では80%以上を取れるように勉強していきましょう。

パターン3: 看護学部
合格最低ライン目安 900点
共通テスト 370/450点
英語 180/300点
理科 290/500点
面接 60/100点
合計 900/1350点

看護学部は理系の中でも数学が不要な唯一の学部として特徴的です。2021年の合格最低点は790点(約59%)、合格者平均点は867点(約64%)でした。900点を獲得できていれば合格は安泰でしょう。

模試一覧
5月 第1回駿台atama+共通テスト模試
7月 第2回駿台atama+共通テスト模試
8月 河合第2回全統共通テスト模試
9月 第1回駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試
10月 千葉大本番レベル模試(東進)
第3回駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試
11月 河合全統プレ共通テスト
12月 駿台atama+プレ共通テスト模試

東進以外の大手予備校(河合塾・駿台・代ゼミなど)では千葉大学の模試は実施していません。冠模試は自分の実力を確かめる上で重要なので、10月の千葉大本番レベル模試を積極的に受験するようにしましょう。
千葉大学では共通テストの割合が高めなので、マーク模試で演習を積んでおくべきです。本番1年前の「共通テスト同日受験」を受け、1年かけて得点率8割以上を目指して勉強していきましょう。

千葉大学の受験相談事例集

STRUX受験相談

ストマガ監修者の塾長に相談に来た受験生の「志望校までの年間計画」や「参考書リスト」の超具体的な事例を公開しています。

 千葉大学の受験相談事例集

Part.4 科目別の勉強法と攻略法

千葉大学は受験科目が多いので、数学を再優先して終わらせておきましょう。
文系なら学校のペースに合わせて高2のうちには数1A2Bの基本が固まりきっている状態にしておくと、高3で社会や英語・国語にしっかり時間を割くことができます。 理系の場合は学校より早めの高2の夏過ぎに数1A2Bが終わる状態にすると、それ以降は数3に尽力することができます。

英語

長文問題2つと空所を複数語で補充する文法問題の大問3つで構成されます。 長文は選択肢問題だけでなく記述問題・英訳和訳問題も出題されるため、幅広い対策が必要になります。文法問題は「○○を含めて数語」というヒントのみで出題されるので、英作文に近い形式です。いろいろな表現を正確に知っておく必要があります。
高3の夏頃までに共通テストレベルの英語が「時間をかければしっかり読み切れる」くらいまで長文読解を固め、以降は過去問や参考書でレベルを上げていきましょう。

国語

現代文・古文・漢文1つずつの大問3問で構成されます。 ここ数年の現代文は文学史問題、漢字の読み(5題)と書き(5題)が出題されています。知識が必要な問題が多く出題されているので、暗記もおろそかにできません。高3夏頃からでも全く問題ないですが、漢字や文学史の対策も忘れずにしておきましょう。 現代文には空所補充型の要約問題などもあるため過去問でしっかり解き慣れておく必要があります。

古文・漢文でも「全体の趣旨を踏まえ」といった、考えなければいけない問題・整理しないといけない問題があるので読解力が重要になってきます。文章自体は難しくないので共通テストレベルまではなるべく早めに固め、しっかり演習を積みましょう。また、古文でも文学史が求められます。

文系数学

すべて記述問題で1A2Bから3問が出題され、学部によって解くべき大問が決められています。ものすごく難しい問題が多いわけではないので、2問完答もしくは1問完答・2問部分点を狙いましょう。 1つの問題にこだわるとほかで失点してしまうため、戦略的に解き始めましょう。

理系数学

すべて記述問題で1A2B3から5〜6問出題が出題され、学部によって解くべき大問が決められています。 数3ばかりでなく1A2Bからも比較的難易度の高い問題が出題されます。理系であれば3問完答・1問部分点は狙っておきたいところです。特に、医学部と理学部の数学・情報数理学科のみが選択する大問や、医学部 のみが選択する大問は難易度が高いです。

高3に入っても入試問題できちんと数1A2Bの演習は行いつつ、数3にもなるべく早めに手をつけられるようにしておきたいです。確率は毎年のように出題されているので、あらかじめ対策しておきましょう。

世界史・日本史

空所補充・単語短答の問題と論述問題がバランス良く出題されます。論述は100〜200字程度で指定語句付きの記述が多く、正確に理解をしていれば書ける問題です。 高2の中盤から予習を進め、高3の夏前にはすべての歴史の流れがつかめている状態にしましょう。歴史用語も教科書の太字はすべて覚えているとさらに良いです。 夏以降は一問一答と「段階式」などの論述用の参考書や教科書の記述を見ながら練習を繰り返し、秋から過去問に取り組むのが理想です。一問一答は確実に得点できる箇所なので、丁寧に対策しておきましょう。

理科

基本的に「物理」「化学」「生物」からの選択で、「地学」が選択可能な学部は少数なので3科目に着目して見ていきます。理科はそれぞれ大問4~6問で構成されます。

物理は描図の問題が出題される年が多いです。時間経過に伴う物体の動きなど全体像を把握できるように演習を積んでいきましょう。 化学は計算過程を記述させる形式や論述問題が複数出題されています。数値を使う計算に慣れていれば難しくないので、速く正確に解けるようにしておきましょう。 生物は単語だけではなく、20~150 字程度の記述・論述が中心が中心に出題されます。教科書の記述を読んで正確に理解しておきましょう。 理科は学校の授業のペースが遅く、進学校でも9月〜10月に終わるということが少なくありません。高3の夏前までに映像授業などですべて予習をした上で、早めに応用問題に取り組んでいくようにしましょう。