受験生の悩みのタネのひとつ、「センター試験の現代文」。センター試験で高得点を取らないといけないのに、「国語の中でも評論・小説が足を引っ張ってしまって……」という経験がある人は多いはず。この記事ではそんなあなたのために、「センター現代文はどうとけばいいのか?」「どういった勉強をすべき?」といった疑問に答えていきます。
- この記事は「センター試験対策用記事」です。共通テストの現代文を勉強するコツはこちらの記事をチェック!
センター現代文対策に過去問はたしかに大事ですが、そもそも読み方・解き方の基礎ができていない場合には、いくら過去問を解いても点数アップは見込めません。前回受けたマーク模試の成績と、自分の志望校に合わせた目標点数を参考に、自分の実力に合った勉強計画を立てましょう。
センター現代文の問題構成!どんな問題が出るの?
センター現代文 第1問:評論
センター現代文の第1問は、評論問題。
漢字問題で10点分出題されるのがポイントです。
センター現代文 第2問:小説
小説では読解問題以外に、語句の意味を問う問題が出題されます。知らないと解けない問題もありますが、非常に難しいというわけではないので、ここもぜひ点を取りたいところです。
センター現代文の時間配分はこう考える!センター現代文の解き方!
センター試験国語全体の「解く順」「時間配分」はどうする?
センター国語全体の時間配分は、以下の順番・解く順序がベスト!
センター国語の中でも「漢文」>「古文」の順で非常に得点をとりやすくなっています。特に漢文は、覚えることも少なく、基本的な問題が出されるので高得点を狙いたいところです。高得点を狙いやすいところから先に解くことで、「漢文の方が点が取れるのに時間がなくなった!」ということがなくなります。
センター現代文の点数配分
センター現代文の点数配分は〈評論50点〉、〈小説50点〉です。評論も小説も同じ点数なら、じっくり考えれば解ける問題、勉強の成果が出やすい問題に時間をかけた方がいいですよね。
センター現代文の解く順番攻略!
解く順番は、まずは古文・漢文を先に解き終えてしまえばOK。あとは自分のタイプに合わせて、評論を先に解くか、小説を先に解くかを決めましょう。
小説を先に解くべき人のタイプはこちら。
- 小説を速く読めて、20分以内に確実に解ききれる人
- 他の問題を解くのにそれほど時間がかからず、時間さえ残っていれば評論で確実に満点が取れる自信のある人
いっぽう、評論を先に解くべき人のタイプはこちら。
- 評論が得意でなく、いくら時間をかけても文章が理解できない人
- どんなに速く解こうとしても、小説に25分以上かかってしまう人
センター現代文おすすめ時間配分
センター現代文のおすすめ時間配分は、
- 小説 15分~20分
- 評論 20分~25分
です。それぞれ得意不得意があるので、時間配分に多少の個人差はありますが、「小説に時間をかけすぎないこと」「最後に残った時間は評論に集中すること」の二つはいつも意識してください。
センター現代文は、確実に点を取れる大問に集中すべし!
一見、どれが正解かわかりにくいセンター現代文の問題。複数の選択肢がほとんど同じにみえてしまう、なんてこともよくありますよね。しかし、「本文に書かれていないこと」が含まれている選択肢を丁寧に消去していけば、実はほとんどの問題で正解にたどり着けるのです。一発で正解にたどり着こうとするのではなく、すべての選択肢を十分に吟味したうえで解答を選びましょう。
ただしここで注意しなければならないのは、「本文に書かれていない」ということと「本文にない表現が使われている」ことは別だということ。正解の選択肢では、意味をほとんど変えることのないまま、文中の語句の一部を言い換えていることがよくあります。(「歯止めをかける」⇔「制限する」など。)表現や語句だけを見て判断すると、正解の選択肢も消去してしまう可能性があるので注意しましょう。
何点取ればOK?センター現代文志望校別目標点数
国公立大志望やセンター利用入試を受ける人はもちろんのこと、私大専願などでセンター試験を利用しない人にとっても、センター現代文の得点は自分の実力を測る良いものさしになります。ここで示す志望校別目標点が安定して取れるよう、読解力を鍛えましょう。
センター現代文志望校別目標点数はこれ!
ズバリ、センター現代文の目標点数はこちら。
センター現代文、特に評論は難易度が比較的安定しており、解答の根拠がしっかりしている良問が多いです。ここで確実に得点を重ね、小説で一問間違えても目標点に届く状態を作りましょう。
センター国語評論は良問!高得点を狙え!
センター現代文対策はこうする!目標点数別勉強法&参考書・問題集
センター現代文目標点数別勉強法一覧
- 現在のマーク模試点数が50点未満!これから現代文の勉強を頑張る!
60点(6割)をまず目指すための勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が60点!
80点(8割)をとる勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が80点以上!あと一歩頑張って満点を狙う!
国立大志望!満点を目指す勉強法を見る!
センター現代文の基礎!まず60点(6割)を目指すための勉強法&参考書
6割を目指す勉強法のポイント
マーク模試やセンター過去問でまだ60点が取れていない場合には、現代文の基礎がまだ身についていないといえるでしょう。まずは現代文の基礎である「読み方」と「解き方」を他の参考書で身に付けます。
6割を目指すための参考書①:高校現代文をひとつひとつわかりやすく。
「現代文が(勉強しなくても)できる人の思考回路をノウハウ化して伝える」ことをコンセプトとして書かれた参考書です。文章の読み方、重要語句の意味、問題の解き方を一冊で丁寧に教えてくれるので、現代文が苦手な人には特におすすめ。
さらに、この参考書は見開き1ページで1テーマが完結するので、空いた時間に勉強がしやすいです。はじめはどうしても苦手でなかなか進まない……という人も多いので、非常にありがたい参考書です。
6割を目指すための参考書②:システム現代文バイブル編
「バイブル編」の名前の通り、現代文の解き方のコツや根拠の拾い方などをわかりやすく書いてくれています。「システム」と名がつくように構造をきちんと取りながら読むので、問題によって点数がばらつくことが少なくなる、まさにバイブルとして何度も参照したい参考書です。
現代文の勉強は、復習に意味がないと思われがちです。同じ文章は二度と出ないから、答えがわかってしまった状態で復習しても仕方がないと考えられているのでしょう。
まだ読み方の基礎が身についていないうちは、一度「解説」を読んだ後で、そのアドバイスを踏まえてもう一度問題文を読むようにしてください。
センター現代文で80点(8割)をとる勉強法&参考書
8割を目指す勉強法のポイント
文章の読み方の基礎を身に着け、安定して6割が取れるようになったら、いよいよ問題演習に入っていきましょう。
8割を目指すための参考書①:システム現代文センター対策編
先ほど挙げた「バイブル編」と同じシリーズの参考書。「システム現代文」の構造をとりながら読んでいく良さを残しながら、よりセンター試験対策に特化した実戦的な内容を扱っています。
問題はセンター試験の過去問を使っていますが、解説が赤本などよりも充実しているだけでなく、試験問題のパターン別に対策法を教えてくれます。こちらの問題集も繰り返し解き、どんな問題を見てもすぐにパターンを見抜いて、それに沿った対策が取れるようになることを目指しましょう。
全く同じ文章が出ないからといて、場当たり的に文章を読むことをやめれば、過去問演習の効果はさらに高まるでしょう。
国立大志望!センター現代文で 満点を目指す勉強法
満点を目指すための参考書①:センター試験過去問(赤本)
センター試験と一般入試の国語では、求められる能力が全く異なります。センター試験で特に高い水準が求められるのは「文章を素早く読み、問題を素早く解く」能力です。
そのためには文章を細かいニュアンスで正確に読み取ろうとするよりも、ある程度の理解で素早く判断することが必要になります。ここまで学習してきたテクニックをいくら正確に使いこなせても、時間をかけすぎては最後まで問題を解ききれないからです。
センター試験過去問演習でいちばんに鍛えるべきは、この「素早く判断する」力です。制限時間内に解ききる意識はもちろんのこと、文章のパターンを見抜くまでの時間、文章を読み切るまでの時間、迷った問題で答えを決めるまでの時間など、あらゆる場面で「時間」を意識し、素早く判断する力を身に付けましょう。
なお、使う過去問題集は、「解説が詳しく」「収録年度数が多い」ものであれば、どれを使っても(赤本でも黒本でも青本でも)かまいません。
センター現代文の総仕上げ!過去問(赤本・黒本)の使い方!
センター現代文は過去問で攻略!直前期に対策せよ!
先ほども書きましたが、センター現代文対策の総仕上げはやはり過去問。ここまで学んできたことを素早くアウトプットできるようになることを目指し、細かく時間を意識しながら解き進めていきます。
ここで一番やってはいけないのは、時間がないからといって、読み方や解き方を意識せず、やみくもに問題を解いてしまうこと。それではせっかく文章の読み方を学んだり、センター現代文の文章の型を理解してきた努力が無駄になってしまいます。
過去問とはいえ練習ですから、慣れない解き方で一度点数が下がってしまったとしても、気にする必要はありません。あくまでも、本番で高い点数を取ることを目標にしましょう。
センター現代文過去問の上手な活用法
使用する過去問題集は、解説がしっかりしていて、収録年数が多いものなら、どれを使ってもかまいません。何度も言いますが、ただやみくもに過去問を解いて、答え合わせをして終わりではだめです。過去問を全て終わらせることは点数アップには直結しません。むしろ、「限られた数の過去問をどう使うか?」ということを常に意識しましょう。
なお、「システム現代文センター編」までの勉強が終わり次第、すぐに過去問演習は初めてもらってかまいませんが、最新5年分は直前対策のために残しておくようにしてください。
マーク模試・センター同日試験はこう活用する!現代文マーク模試の復習のやり方!
マーク模試・センター同日試験は、センター試験にとてもよく似た環境で予行演習ができる貴重な機会。やはり積極的に活用していきたいところですよね。ここでは、マーク模試の受験の心構え、成績の捉え方、そして復習の仕方について説明します。
センター現代文のマーク模試、点数のとらえ方
模試を受ける時期にもよりますが、高3秋までのマーク模試は「自分の実力を測り、対策のスケジュールを立てる」ために活用しましょう。具体的には、
- 得点が6割以下の場合
→「6割を目指す勉強法」をすぐに始めましょう。 - 得点が6割以上8割未満の場合
→高3の夏までの模試なら、まだ対策を始めなくても大丈夫。高3の秋以降の模試なら対策を始めたほうがいいでしょう。 - 得点が8割以上の場合
→高3の秋までの模試なら、まだ対策を始めなくても大丈夫。直前模試で満点に届いていなければ対策をしましょう。
上のように点数を目安として使うとよいです。
上のスケジュールは、その科目をセンター試験でしか使わないという前提の下で書いています。私大・二次試験でもその科目を使う場合には、そちらに照準を合わせたその科目の勉強を着実に進めておきましょう。
時間配分については、少しずつ意識できるようになればOKです。直前になるにつれて時間配分を細かく決め、忠実に守って問題をときましょう。
センター現代文のマーク模試、復習の仕方は?
復習のタイミングは3回。それぞれ、「模試を受けた日」「成績返却の日」「センター直前」です。
復習①模試を受けたその日
記憶が鮮明なうちに解答・解説を熟読し、抜けていた知識を補いましょう。
復習②成績返却の日
模試が返却されると他の受験生がどのくらい解けていたのかがわかります。他の受験生が解けているような、落としてはいけない基礎的な問題だった場合には特に力を入れて復習しましょう。
自分が間違えた問題の復習をするのはもちろんのこと、自己採点と実際の得点が一致しているかどうかもチェックしておく必要があります。
復習③センター直前
センター直前は、2回目の復習でもなかなか解けなかった問題に的を絞って勉強します。
評論・小説ともに、最後の設問は解答の比較的解答のパターンが固定されていますから、ここが苦手な人は重点的に復習をしておくとよいでしょう。
センター同日試験で気をつけることは?
センター本番の1年前、または2年前に受ける同日試験は、これから受験勉強が本格化しようというときに、自分のスタートラインを図るための試験です。ここでほとんど手も足も出なくても、不必要にがっかりするのではなく、これからの自分の勉強計画を立てるのに役立てましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。センター現代文対策は、きちんと「読み方・解き方」を学んでから過去問を解くことで、さらに成果が上がることを理解していただけましたか?
最大のポイントは、
- ①文章の正しい読み方を理解し、実践する
- ②センター形式の問題の解き方のコツを習得する
- ③過去問練習を通じて、①②の成果を素早く発揮できるようになる
という、勉強のプロセスを正しく踏むことです。
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