- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、共通テストの問題変更が予定されています。2024年度共通テスト終了後記事も順次更新しますが、しばらくは古い情報も含まれますのでご注意ください。詳しい変更点はこちらの記事をご確認ください。
共通テストの4つの大問のうち、最も苦手とする人が多いであろう大問1の評論と大問2の小説。
「古文と漢文はある程度できるようになったけど、評論と小説が安定しない…」「現代文はセンスがないと解けないのかな…」と悩んでいる人も多いはず。
確かに現代文は難しいですが、正しい勉強法を知れば、センスが無くても高得点を安定して取ることが出来るようになるんです。
この記事では高得点が取れるようになる勉強法と解き方のコツ、そしてレベル別のオススメ参考書について解説します。
現代文の勉強法については、以下の動画でも詳しく解説しています!
*この記事は、2022年度実施の共通テストの内容を元に作成されています。
共通テスト現代文の概要
共通テスト現代文は、「大問1(評論)50点・大問2(小説)50点」の合計100点で構成されています。
大問1(評論)の問題構成
第1問(評論)の設問構成と配点は以下のようになります。
設問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 漢字問題 | 10 |
2 | 読解問題 | 7 |
3 | 読解問題 | 7 |
4 | 読解問題 | 7 |
5 | 読解問題 | 7 |
6 | 表現・構成・展開を問う問題 | 12(6×2) |
各設問ごとに問題を詳しく見ていきましょう。
漢字問題
評論でまず最初に出されるのが漢字問題です。内容は、本文に出てくるカタカナを漢字に直し、それと同じ漢字を含む選択肢を5択の中から選ぶというものになっています。漢字のレベルは高くないので全問正解を目指しましょう。
センター試験で過去に出た漢字が再度出される可能性も高いので、センター過去問に出てきた漢字は選択肢のものも含めて書けるようになっておきましょう。
読解問題
漢字問題の次に出されるのが、読解問題です。本文に引かれた傍線部に関して「どういうことか?」か「なぜか」の2通りの聞かれ方をされます。
配点が一問につき7点と非常に高いのが特徴です。1問落とすだけで全体の点数がガクッと下がりるため、後ほど紹介する解き方のコツを参考にして全問正解を狙いましょう。
表現・構成・展開を問う問題
評論の最後に出されるのが、表現・構成・展開を問う問題です。本文中のある部分についての表現方法や、本文の構成と展開についての正しい説明を選ばせる問題が出ます。
本文全体の構成や展開について聞かれた場合、問題を解くために一から文章を読み直す時間はありません。
本文を読む前に問題を読み、展開や構成を聞かた場合は、展開や構成を意識しながら本文を読むことを心がけましょう。
第2問(小説)の問題構成と配点
第2問(小説)の設問構成と配点は以下のようになります。
設問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 読解問題 | 8 |
2 | 読解問題 | 8 |
3 | 読解問題 | 8 |
4 | 読解問題 | 12(6×2) |
5 | 読解問題 | 14(6+8) |
読解問題
読解問題では、本文中の傍線部における主人公の心情や行動理由についての正しい説明を選ばせる問題が出ます。
配点は8点・12点・14点と高めなので、なるべくミスはしたくありません。
文中で根拠を見つけて選択肢を選べれば正答にたどり着けます。
語彙問題
センター試験のときから出題されていた、語彙の正しい意味を選ぶ問題は2022本試ではなくなりました。
ただし、今後出題される可能性はゼロではないので、過去問演習をするときには語彙問題も飛ばさず練習しておきたい所です。
共通テスト現代文の難易度
試行調査では、各科目の平均得点が5割程度になるように作られたと言われています。実際の共通テストでは、「2021年度66.7点・2022年度66.8点」でした。
センター試験は平均点が6割になるように作られていたので、(現状では)センターと共通テストの難易度は大きく変わらないでしょう。
大問1・2は、共通テスト国語の4つの大問の中で特に難易度が高く、得点も安定しにくいため、古文と漢文で得点を稼ぐことが重要です。
共通テスト現代文とセンター現代文の違い
次に共通テスト現代文とセンター現代文の違いについて解説します。
違いその1:ひとつの大問に複数の文章が出題される
センター試験では知識量を重視した問題が出題されることも多かったですが、共通テストでは思考力・判断力が重視されます。
そのため、センター現代文では大問ごとにひとつの文章しか出されませんでしたが、共通テストでは大問ごとに複数の文章と資料を関連付けて解く問題が出題されました。
評論では、平成29年度試行調査では「表2つ・図5つ・文章1つ」が、平成30年度試行調査では「資料2つ・表3つ・文章が1つ」が出題されました。
小説は、評論と比べると出される文章の数は減ります。平成29年度試行調査では文章が1つ出ただけ、平成30年度試行調査では文章が2つ出ただけでした。
この影響で、センターと比べて情報量が増えるだけでなく、根拠の箇所が多くの文章に散らばるため、問題を解くのに時間がかかってしまいます。
共通テスト予想問題集などで、「複数の文章を素早く処理して必要な情報を見つける力」を身につけましょう。
違いその2:評論ではより実用的な文章が題材になる
高等学校学習指導要領において「現代の社会生活で必要とされている実用的な文章を読んで内容を理解し、自分の考えを持って話すこと」が定められたことを受け、共通テスト現代文では普段の生活で実際に使用されるような文章を題材に問題が作られるようになります。
2022年度でも、「生徒が整理したノートの内容を読み解く」という形式の問題が出題されました。試行調査では、条文や掲示物も出題されています。
問題を解く際には、条文や掲示物に加えて短めの説明文を読み取る必要があるため、今まで以上に「書いてあることを正確に読み取る力」が必要です。
「法律の条文」と聞くと難しそうに感じますが、問題自体は法律の知識がなくても読解力さえあれば解けるため、心配する必要はありません。
現代文の評論については以下の動画でも解説しています!
違いその3:小説で詩やエッセイが出題される可能性がある
現時点で開催された共通テストでは、詩やエッセイの出題はありません。
しかし、平成30年度試行調査で「詩とエッセイ」が出題されたことからも、今後の共通テスト現代文で詩やエッセイが出題される可能性はあります。
小説は評論と同じように読めば点を取れますが、詩やエッセイでは通用しません。
なぜなら、詩やエッセイの解釈や表現技法についての知識が無いと、解けない問題が出るからです。
「本文に書いてあることを正確に読み取る」ことに変わりは無いのですが、「書いてあることを表現技法に照らし合わせて解釈する」力も鍛えるようにしましょう。
また、小説とは違う詩の独特の言葉遣いに戸惑う人も多いでしょう。ですが、最初は難しく感じても慣れてしまえば大したことはありません。
学校の教科書に乗っている詩を読んでみたり、予想問題集を使うなどして、できるだけ多くの詩に触れるようにしましょう。
違いその4:設問に「生徒のやりとり」が含まれる
共通テストでは生徒の会話を埋める形式の問題が出題されます。
この形式の問題は、皆さん普段のテストでは解き慣れていないことでしょう。形式に戸惑いますが、結局生徒が話しているのは、普段のテストで「〜とはどういうことか答えなさい」などと問われていた内容と同じです。
生徒の会話をきちんと読み取れれば、むしろ問題を解く際のヒントになるので、それほど難易度は高くありません。
この形式の問題は2018年度のセンター国語の大問1で出題されたこともあるので、その年の過去問を解いてみるのも良い練習になります。
共通テスト古文・漢文のセンターとの違いはこちらをチェック!

共通テスト現代文の解き方
共通テスト現代文の概要を理解したところで、次は問題の解き方について見てみましょう。
共通テスト現代文の解く順番
現代文に取り組む前に、安定して高得点を狙える古文・漢文を解いたら、評論と小説のうち自分が得意な方から解きましょう。
自分が得意な方に時間をかけることで、確実に点を稼げます。
共通テスト現代文の時間配分
共通テスト現代文のおすすめ時間配分は、以下の通りです。
- 小説 15分~20分
- 評論 20分~25分
得意不得意があるので時間配分に多少の個人差はありますが、「小説に時間をかけすぎない」「最後に残った時間は評論に集中する」の2つは必ず意識してください。
なぜなら、評論は「本文中に書かれていることかどうか」を判断する問題のため、きちんと文章を読み取れば正解がわかるためです。
評論になるべく多くの時間をかけるため、評論以外の大問はなるべく早く解き終えましょう。
共通テスト国語全体のオススメ時間配分はこちら!
共通テスト現代文の解き方のコツ
続いて、共通テスト現代文の解き方のテクニックを紹介します。
解き方のコツその1:消去法
共通テスト現代文の問題を解いていて「どの選択肢もほとんど同じにみえる…」なんて経験はありませんか?
共通テスト現代文は明らかに間違っていると分かる選択肢は少なく、どれも正しそうに見えるよう作られているので、5つの選択肢から1つの正解を見つけ出すのは苦労します。
そこで有効的なのが、「消去法」です。
5つの選択肢のうち、4つは「本文に書かれていないことが書いてある」「本文の趣旨と異なった事が書いてある」という間違った選択肢です。
選択肢の文章が一部分でも間違っていれば、その他の部分がどれだけ正しくてもその選択肢は間違いだと判断できます。
間違えた選択肢を消去し、最後に残った選択肢を選ぶことで正解を素早く見つけられます。
ここで注意すべきなのは、「本文に書かれていない」ということと「本文にない表現が使われている」ことは別だということ。
正解の選択肢では、意味をほとんど変えることのないまま、文中の語句の一部を言い換えていることがよくあります(例えば「歯止めをかける」⇔「制限する」など)。
表現や語句だけを見て判断すると、正解の選択肢も消去してしまう可能性があるので注意しましょう。
解き方のコツその2:重要そうなところに線を引く
現代文を解く際に、大事だと思った箇所に線を引いておくことで、読み返したときに大事な部分がわかるので解答時間を短縮できます。
とくに線を引くべき箇所は、「逆説の接続詞(しかしetc)」「まとめの接続詞(要するにetc)」です。
上記の接続詞の後には筆者の主張が続くことも多く、解答の根拠が含まれていることもあります。
これらの接続詞は「線を引くのではなく、四角や三角で囲ったほうが分かりやすい」という場合はその方法でも大丈夫です。
解き方のコツその3:問題文を先に読む
現代文を解く際は、本文を読む前にまずは問題文を読みしょう。問題文を先に読むことで、本文の内容を少しだけ把握でき、実際に本文を読んだ際に内容が頭に入りやすくなります。
ただし、問題の選択肢は本文を読み終わる前に見てはいけません。5つの選択肢のうち4つは誤った選択肢ですから、先入観が邪魔して本文を正しく読めなくなる可能性があります。
共通テスト現代文のレベル別勉強法とオススメ参考書
最後に具体的な勉強法と参考書についてレベル別に見ていきましょう。
共通テスト現代文で6割を目指すための勉強法と参考書
模試や予想問題で6割が取れない人は、現代文の基礎がまだ身についていないといえます。
センター現代文は小手先のテクニックだけでは解けないので、まずは現代文の基礎である「読み方」と「解き方」を参考書で身に付けましょう。
勉強法の注意点として、参考書を使った後は必ず解き直しをしてください。
解説を読んだ後でもう一度同じ文章を読み、解説で得た知識を実践に移すことで知識が定着します。
6割を目指すための参考書①:高校現代文をひとつひとつわかりやすく。
「現代文ができる人の思考回路をノウハウ化して伝える」ことをコンセプトとして書かれた参考書です。
文章の読み方、重要語句の意味、問題の解き方を一冊で丁寧に教えてくれるので、現代文が苦手な人には特におすすめ。
評論だけでなく小説についても扱っていてるので、共通テスト現代文の対策にはピッタリです。
見開き1ページで1テーマが完結するので、空いた時間に勉強がしやすいのもグッドポイント!
6割を目指すための参考書②:システム現代文バイブル編
現代文の解き方のコツや根拠の見つけ方などをわかりやすく書いています。
「システム」と名がつくように、構造をきちんと取りながら読む方法が解説されています。これを読めば、場当たり的に問題を解くのではなく構造的に捉えられるようになるので、得点を安定させることが可能です。
共通テスト現代文で8割を目指すための勉強法と参考書
模試や問題集で安定して6割以上が取れるという人は、文章の読み方の基礎は身についています。
次はひたすら問題演習を行って、問題の解き方を体に染み込ませましょう。
8割を目指すための参考書①:システム現代文センター対策編
先ほど挙げた「バイブル編」と同じシリーズの参考書です。「システム現代文」の良さである、構造を取りながら読むという部分を残しながら、よりセンター試験対策に特化した実戦的な内容を扱っています。
センター試験と共通テストでは出題される文章の数や内容は異なりますが、求められる読解力は変わりません。
そのため、この参考書でも十分に共通テスト現代文の対策を実施できます。
問題はセンター試験の過去問を使っていますが、解説が赤本などよりも充実しているうえに、試験問題のパターン別に対策法を教えてくれます。センターの過去問を解く前に、まずはこちらに取り組みましょう。
共通テスト現代文で満点を目指すための勉強法と参考書
共通テストと一般入試の現代文では、求められる能力が全く異なります。共通テストで特に求められるのは「文章を素早く理解し、問題を素早く解く」能力です。
そのためには、文章の細かいニュアンスまで正確に読み取るよりも、ある程度の理解で素早く判断できることが重要になります。
ここまで学習してきたテクニックをいくら正確に使いこなせても、時間をかけすぎて最後の問題にたどり着けなかったら、意味がありませんよね!
満点を目指す人は、以下のようなあらゆる場面で時間を意識して素早く判断できるようにしましょう。
- 制限時間内に解ききる意識
- 文章のパターンを見抜くまでの時間
- 文章を読み切るまでの時間
- 迷った問題で答えを決めるまでの時間
満点を目指すための参考書①:Z会共通テスト実戦模試
この問題集では本番の共通テストの形式に近いであろうオリジナル問題を解くことが出来ます。
共通テストで出題が予想される「複数資料」「会話形式」「実用文」の問題が盛り込まれており、本番形式の問題演習を行うのにピッタリです。
満点を目指すための参考書②:共通テスト過去問(赤本)
満点を目指すなら何といっても過去問演習が最重要です。
共通テストとセンターで求められる読解力は変わらないので、センターの過去問も共通テストの対策に有効的です。
どの過去問題集を使ってもいいですが、解説が丁寧な物を選びましょう。
共通テストの予想問題集は数が少ないので、「まずはセンター過去問で共通テストの設問形式に慣れてから、予想問題集で最後の仕上げをする」という使い方がオススメです。

まとめ
共通テスト現代文の対策方法について分かっていただけましたか?
共通テスト現代文は共通テストの全ての科目の中で、最も難しいといっても過言ではありません。しかし、今回の記事の内容を参考にしっかりと対策を行えば、必ず本番でも良い点を取れます!
とはいえ、現代文よりも古文・漢文の方が高得点を安定して取りやすいのは間違いないので、まずはしっかりと古文・漢文を対策してから現代文の対策をしましょう。
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば現代文の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!

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