皆さん、共通テスト古文の対策は順調でしょうか?
- 文章が全然理解できない…
- 満点を狙ってるのにどうしても1問ミスをしてしまう
- まだ問題演習を初めてない…
など、色々な方がいらっしゃると思います。
共通テスト古文は、しっかりと対策をすれば安定して8割や満点を狙えるようになる科目です。ここで高得点を出すことで共通テスト国語全体の得点を底上げできます。
この記事では、共通テスト古文の勉強法や解き方のコツ、レベル別の参考書などについて解説します。
古文の参考書ルートについては以下の動画でも詳しく解説しています!
*この記事は2022年度実施の共通テストや試行調査、市販の予想問題集の内容を元に作成されています。
共通テスト古文の概要
まずは共通テスト古文の概要から見ていきましょう。
共通テスト古文の問題形式(2024年まで)
2024年実施までの共通テスト古文の問題形式は以下のようになっています。
設問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 語彙問題 | 15(5×3) |
2 | 文法・語彙問題 | 7 |
3 | 読解問題 | 7 |
4 | 読解問題 | 21(7×3) |
2025年実施分から国語の配点が変わり、古文は、共通テスト国語200点の内の45点分を占めることになります。
問題の内容は大きく変わりませんが、これにより問題数や配点が変わる可能性があるので注意しましょう。
問題構成を詳しく見てみましょう。
問1:語彙問題
まず問1では傍線部の現代語訳が問われます。平成29年度の試行調査では「傍線部の直後に補うのにふさわしい単語を選ばせる」形の問題が出題されました。
共通テストの開催回数自体が少ないため、今後形式が変更になる可能性もありますが、どちらの形式も基本レベルの語彙さえ知っていれば解けます。
問2:文法問題
問2では、傍線部に関する文法知識(謙譲の補助動詞・断定の助動詞など)と内容理解についての問題が出題されます。
センター試験では、問2において内容理解まで問われることはなかったので、そこがセンターとの変更点です。
問3・4:読解問題
問3以降は心情問題や理由説明など本文の内容が理解できているかが問われます。
読解には単語と文法の知識が必要不可欠であるため、問1・2問でも必要な単語力と文法力を固めることが、古文対策の基本方針となります。
共通テスト古文の難易度
試行調査では各科目の平均得点が5割程度になるように作られたと言われています。
なので、公式の声明はありませんが本番の共通テストも古文の平均点は5割(25点前後)になるでしょう。
ちなみにセンター試験は平均点が6割になるように作られているので、センター古文よりも共通テストの方が難易度は高めです。
難易度が高くなっている理由としては、単語や文法知識だけで解ける問題が減ったことが挙げられます。
共通テスト古文の出題の特徴
次に共通テスト古文で注意すべき出題の特徴について解説します。大きな特徴はこの2つです。
- 複数の文章(2つか3つ)が出される可能性がある
- 会話形式の設問がある
まず「複数の文章が出される」ことに関してですが、これまでの共通テストでは1つから3つの文章が出題され、それらをすべて読んだうえで答える形式の問題になっています。
複数の文章が出題されるため、本文の量が多いだけでなく、どこに根拠があるか、どこを読んで答えるかをしっかり把握しなければいけません。
他の入試と比べても「古文を読むスピード」が大事になるので、音読などをして古文をスラスラ読めるようになっておきましょう。
次に「会話形式の設問がある」ことについてですが、以下のような問題が出されます。
会話形式の問題と聞くと馴染みがありませんが、会話の内容自体は普段のテストで「〜とはどういうことか答えなさい」などと問われていたものと同じです。
会話をきちんと読み取れれば、むしろ問題を解く際のヒントになるので、特徴的ではありますが、問題の難易度そのものはあまり変わりません。
共通テスト古文の勉強法
共通テスト古文の概要が分かったところで、次は具体的な勉強法について見ていきましょう。勉強すべきことは主に
- 単語を覚える
- 文法を覚える
- 古文常識を覚える
の3つになります。
古文単語を暗記する
古文の勉強で一番最初にするべきなのが「単語の暗記」です。英語と同じく古文も単語を知らなければ文章を読むことができません。
単語の暗記と聞いて「めんどくさ…」と思った人もいるでしょう。しかし古文は英語と違い、覚えるべき単語数が圧倒的に少ないです。
英語だと最低でも2000語は暗記しなければなりませんが、古文で覚えければいけないのはたったの300語。これなら1日10語ずつ覚えていくだけで、1ヶ月もあれば終わります。
単語を覚えるのには単語帳を使うのが一番簡単です。筆者も使っていたオススメの単語帳は、『読んで見て覚える重要古文単語315』。
シンプルなデザインの単語帳で、品詞ごとにカテゴリーが分かれており、苦手なところをピンポイントで勉強できます。
イラストと一緒に語源についての説明も記載されているため、単語を理屈で覚えられて記憶に残りやすいです。巻末には慣用句や和歌、古典常識なども解説されています。
『読んで見て覚える重要古文単語315』の詳しい使い方はこちら!
単語帳は毎日10〜30単語ずつを暗記しましょう。何周も取り組むことが重要です。
何度も繰り返し覚えることで記憶に定着していきます。
古文単語の詳しい覚え方はこちら!
古文文法を覚える
単語と同じくらい大事になのが文法です。単語を覚えても、文法を理解していなければ文章は読めません。単語暗記と同時並行で文法知識も頭にいれていきましょう。
文法知識で覚えておく必要があるのは以下の4つです。
- 用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用と接続
- 助動詞の活用と接続
- 助詞・副詞の識別
- 敬語の種類の識別
こちらも単語と同じく大した量はありません。
単語と文法を覚えれば、どんな古文の文章もスラスラと読めます!
オススメの文法問題集は「ステップアップノート30古典文法基礎ドリル」です。
書き込み式の参考書で30ステップに分かれているため、体系的にコツコツ問題演習ができます。基礎の基礎から紹介しているので、初心者にもオススメです。
まずは一度まとめ部分を読んだら演習問題に取り組み、間違えた問題の解説を読みましょう。
翌日には間違えた問題をもう一度解き、ここでも間違えたら再び日を改めて解き直します。
このように「繰り返し解く」「なぜその正解になるのかをしっかり意識する」ということで理解が深まりますよ。
詳しい古文文法の覚え方はこちら!
古文常識を身につける
古文が書かれた時代の生活様式や常識は、同じ日本といえど大きく異なっています。
古文特有の生活様式や常識を理解しなければ、古文の内容がわからなかったり勘違いして読み進めてしまったりする原因になるため要注意です。
例えば「病人が住む家に、ある日お坊さんが呼ばれました」と言われたら、皆さんはどう思いますか?
「病人が死んでしまって、お葬式のためにお坊さんが呼ばれたんだな」と普通は考えますよね。
ですが古文を読むときは、まず「病気を治すための加持祈祷を行うためにお坊さんが呼ばれた」と考えなければいけません。勝手に「病人が死んだ」と勘違いして読み進めて内容が分からなくなるのは、よくある失敗例です。
古文は同じような話の流れになっていることも多いので、古文常識を知っていれば、完全に理解できなかった文章でも内容がなんとなく分かります。
古文常識を勉強する際のオススメ参考書は「マドンナ古文常識217」です。
イラストがたくさんのっているで、楽しく古文常識を覚えられます。
古文常識は、単語や文法と比べると暗記の重要度は下がります。そのため、時間がない人はわざわざ参考書を1冊買わなくてもかまいません。問題を解くだけでも、少しずつ古文常識は身についていきます。
時間がない場合は、問題を解くごとに解説をしっかり読み込んだり、学校で配布される国語の便覧で確認したりするといいでしょう。
共通テスト古文の解き方のコツ
勉強法を説明し終わったところで、次は共通テスト古文を解く際のコツを伝授します。
共通テスト古文を解くコツは以下の4つです。
- リード文と注釈を上手く利用する
- 問題文を先に読む
- 主語を意識する
- 設問にぶつかっても最後まで読み切る
リード文と注釈を上手く利用する
共通テスト古文を解き始める際にまずやるべきなのは、リード文と注釈の確認です。
たくさんあって読むのがメンドくさいですが、問題を解くのに必要だからわざわざリード文と注釈が書かれています。
読めば問題を解く際のヒントになるので、リード文と注釈はしっかりと確認しましょう。
問題文を先に読む
リード文と注釈を確認し終わったら、本文を読むの前に問題文を先に読みしょう。問題文を読むことで、本文の内容を少しだけ把握できます。
ただし、問題の選択肢は本文を読み終わる前に見てはいけません。5つの選択肢のうち4つは誤った読み方であるため、先入観で本文を正しく読めなくなるかもしれません。
リード文・注釈・問題文を先に読めば、本文が読めなくても内容を推測できるため、古文が苦手だという人は特にこの作業が有効となります。
主語を意識する
古文の内容がわかりくい原因のひとつに、「文の主語を理解できていから」が挙げられます。
古文では主語の省略が非常に多いです。そのため、古文を読んでいると「このセリフは誰が言ったの?」「〜したのは誰なの?」と、迷ってしまうこともあります。
主語を正しく把握するために、まずは出てきた人物名に印をつけましょう。古文は登場人物がそれ程多くないため、人物によって印を変えるのもオススメです。
助詞の読み取りも、主語を判別する際の手助けとなります。例えば「て」の前後では、現代文と同じように主語が変わらないことも多いです。(例:私は勉強し「て」、ご飯を食べ「て」、寝た)
逆に「を・に・が・ど・ば」であれば、その前後で主語が変わることが多くなります。(例:私が〜といへば、(Aさんは)笑へど、(Bさん)は笑はず)
このように、助詞によってその前後で主語が変わりやすいものと変わりにくいものがあるので、ここで紹介した2種類の助詞を覚えておくと、主語の判別で役立つことが多いです。
主語の判別の際には、敬語の見極めも有効的です。
「尊敬語は目上の人の動作・謙譲語は目下の人の動作」に対して用いられます。
この決まりを利用すると、主語が明示されてなくても、尊敬語が使用されていれば「登場人物の中で目上の人がした動作だ」と判断可能です。
逆に謙譲語が使用されていれば「登場人物の中で目下の人がした動作だ」と分かります。
このように助詞と敬語は、古文を読む上で非常に大事なポイントです。文法書を利用して丁寧に覚えましょう。
読解問題は設問にぶつかっても最後まで読み切る
読解問題には、前後の文脈を合わせて判断しないと正解がわからないものがあります。
設問にぶつかっても、少なくともその段落は全部読み切ってから問題を解きましょう。
設問ごとに解いていると、時間のロスが大きくなり内容も忘れやすくなります。
レベル別の共通テスト古文の勉強法
最後にレベル別の勉強法とオススメの参考書を紹介します。
6割を目指すための勉強法と参考書
現状6割を取れていない人は、まず古文の基本から取り組みましょう。
古文の基本は「古文単語」「古文文法」の2つ。この2つを完璧にすることで読解問題に取り組めます。
6割を目指すための参考書①:古文ヤマのヤマ
有名な「漢文ヤマのヤマ」の古文バージョン。古文の文法について「知る」には最高の参考書です。
古文でつまずきがちな助動詞・敬語や古文の読み方について丁寧に解説されています。
6割を目指すための参考書②:古文ステップアップノート
先ほど紹介した「古文ヤマのヤマ」は知識をインプットするための教材です。
インプットしただけでは問題は解けません。「古文ステップアップノート」を使って問題演習を行い、知識をアウトプットすることで、学んだ知識をテストで使えるようになります。
6割を目指すための参考書③:マドンナ古文
「マドンナ古文」は、習得した古文文法をもとに読解問題を解いたり、古文をすらすら読んだりしたりするための教材です。
3周取り組めば、基本的な古文の文章はスラスラ読めるようになります。
6割を目指すための参考書③:読んで見て覚える重要古文単語315
古文文法と並んで大事なものが、古文単語です。
「読んで見て覚える重要古文単語315」では、頻出の古文単語が厳選されて掲載されており、訳も頻出のものが選び抜かれているので、難しいことを考えずに覚えることができます。
8割を目指すための勉強法と参考書
6割は取れるけど8割は取れないという方は、「単語・文法知識は一通り身についているけど読解力が足りてない」状態にあります。
古文が読めるだけでなく、問題も解けるようになりましょう。
8割を目指すための参考書①:マドンナ入試解法
「マドンナ入試解法」は、実際に問題を解くことに重点をおいた問題集です。
さきほど紹介した「マドンナ古文」でやったことを思い出しながら、2周以上取り組みましょう。
『マドンナ入試解法』ついて、より詳しく紹介した記事はこちら!
8割を目指すための参考書②:共通テスト古文満点のコツ
共通テスト古文で高得点を狙えるコツがつまった問題集です。実戦問題を5問演習し、その中で解説されている内容を実行していけば、満点がぐっと近づきます。
『共通テスト古文 満点のコツ』について、より詳細な記事はこちら!
満点を目指すための勉強法と参考書
古文で満点を狙うのはなかなか難しいです。しかし、基本に忠実に落ち着いて解けば、必ず満点を取ることができます。
「共通テスト古文で満点を取る!」と意気込むと、難しい単語や文学史、古文の背景知識などを覚えたくなるもの。
しかし、そういった問題はセンター古文ではあまり出題されません。
満点を取るために必要なのは、基本的な事項を忘れないようにしながら、細かいミスを無くすことです。
こうした「基本が抜けていないか」「時間内に解けるか」という確認をする上で重要なのが、予想問題集を解くことです。
満点を目指すための参考書①:Z会共通テスト実践模試
この問題集では、本番の共通テストの形式に近いであろうオリジナル問題を解けます。
共通テストで出題される「複数の文章を用いた比較読解問題」「会話形式の問題」も盛り込まれており、古文の仕上げにピッタリです。
満点を目指すための参考書②:共通テスト・センター試験過去問(赤本)
共通テストとセンターで古文の問題はほとんど変わらないので、センターの過去問を共通テストの対策にもそのまま使えます。
どの過去問題集を使ってもいいですが、解説がしっかりしているものを選びましょう。
共通テストの予想問題集は数が少ないので、まずはセンターの過去問で共通テスト古文の設問形式に慣れてから、予想問題集で最後の仕上げをするという使い方がオススメです。
まとめ
古文は、単語と文法が分からないと全く読めません。逆に単語と文法さえ覚えてしまえば、簡単に読めるようになるコスパの良い科目です。
古文だけで共通テスト全体の25%の点数を占めますので、この記事を参考にしっかりと対策をしましょう!