こんばんは!
学習塾STRUX塾長で、ストマガを監修している、橋本拓磨です。
今週は、つい先日今年度の入試が終わったばかりの上智大学について、これまで通り2021年度入試からの変更点をお伝えしていければと思います。
いままでは「立教大学」「早稲田大学」「首都大学東京」について書いていきましたが、今週も例にもれず大きく入試形態が変わるので、特に上智大学志望の人はしっかり確認しておいてくださいね!
上智大学の入試変更点を徹底解説!
上智大学のこれまでの入試をまずは見ておきましょう。
そもそも上智大学はTEAP利用入試など他の大学とも一線を画した特色ある入試を利用しています。
TEAP(ティープ)は、上智大学と英検協会が開発した英語テストです。他大学の外部試験利用入試でも使えるところが多いですし、先駆けて上智大学はTEAP利用メインの入試を実施しています。
全学部方式のTEAP利用入試は、TEAPの点数+国語・選択科目の2科目の独自試験の点数で点数を測るものでした。
この方式と、学部独自の試験(3科目)を課す個別試験の2種類が、これまで大きく分けて実施されていた入試です(学科によっては試問、面接などが実施されます)。
科目数などは大きく変わらないのですが、受験しなければいけないテストや出願に必要なテストが変わってくるので要注意です。
これによって科目の対策の仕方も大きく変わってくるので気をつけるようにしましょう。
上智大学入試の変更点1:個別試験での共通テスト利用を開始、独自試験を大幅に廃止
ここが一番大きく、かつ複雑な変更です。学部・学科によって必要な科目、独自試験が課される科目が違うので注意してください。
細かい学部・学科ごとの変更点は以下の資料を見てもらえればと思います(大学公式)。ここでは全体での変更点と、代表的な学部学科の変更点の紹介にとどめます。
学部学科試験・共通テスト併用型 試験科目(PDFが開きます)
そもそもどう変わるのか?
簡単に説明すると、これまで実施されていた「個別学部試験(学部学科試験)」が「共通テスト併用型」に切り替わり、学部個別の試験1〜2科目と共通テスト3科目(理系は3〜4科目)が求められるようになるというものです。
具体的な例をだして説明した方がわかりやすいですね。
例1:経済学部経営学科
上智大学経済学部経営学科では、以下のような入試形態になります。
共通テスト | 個別試験 |
---|---|
・英語 (独・仏でもOK) ・国語 ・選択 地歴・公民・数1Aから1 |
英語または数学 |
共通テストで従来のような3科目が必要になります。英語、国語は必須ですが、そこに地歴公民または数学(1・A)から選択するという形です。個別試験は英語または数学から選んで1つを使う形。
同じ経済学部でも経済学科の個別試験は数学のみなので、注意が必要です。
例2:総合人間科学部心理学科
共通テスト | 個別試験 |
---|---|
・英語 (独・仏でもOK) ・国語 ・選択 地歴・公民・数1Aから1 |
心理学のための 理解力と思考力 を問う試験 |
*これに面接を実施
心理学科は個別試験で出題される内容があまり読めません。「心理学のための理解力と思考力を問う試験」としか書かれていないので、英語・日本語の文章等を読んできちんと理解し、解答できるかといったような小論文形式の問題になることが予想されますが、これはさらなる確認が必要になります。
心理学科以外にも、文学部や総合人間科学部はこうしたテーマを絞った特色ある試験が多く出題される傾向にあり、「上智大学のために対策をする」必要が出てくるので注意しておきましょう。
例3:外国語学部イスパニア語学科
共通テスト | 個別試験 |
---|---|
・英語 (独・仏でもOK) ・国語 ・選択 地歴・公民・数1Aから1 |
注 |
注:外国語学部は共通で、「①高度なレベルの外国語学習に対する適正を測る試験(マーク式)②外国研究に必要な基礎的知識・日本語の読解力・論理力・思考力を測る試験(記述式)」とされています。
外国語学部は個別試験が2種類・各60分実施されます。内容としてはどちらかと言うと以前までの「英語」の試験に近い①と、今までの国語に近いであろう②に分かれるようです。
TEAP利用型は変わらない
TEAPを利用した全学部統一日程入試は、これまでと大きく仕組みは変わりません。ただ細かく受験科目等変更がないかは確認しておきましょう。
TEAPスコア利用型(全学統一日程入試)試験科目(PDFが開きます)
上智大学入試の変更点2:共通テストのみ利用の入試を導入
上智大学はこれまで「センター試験利用入試」を実施していませんでしたが、このタイミングで「共通テストのみを利用した試験」を導入します。ただ、こちらは「数学1・A」が比較的どの学部でも必須となるため、受験の際には注意が必要です。
ちなみに、英語外部試験のスコアは共通テストを利用するすべての入試で可算得点として扱うことができ、英語の共通テストの点数に加算されます(上限は共通テストの満点)。
上智対策の勉強の仕方・対策の仕方はどう変わる?
これだけ大きく各学部の内容が変わってくると、きちんと対策の仕方を練っておかないといけません。どういうふうに対策をしていけばいいのか?いままで通りでいいのか?というところを最後にお伝えできればと思います。
どの日程を使うか&併願校によって決まる!
まず、そもそも「どの形式・どの学部学科を受験するか」によって「どの科目をどの深さまで勉強するか」が変わってきます。
先程あげた経済学部経営学科を「個別試験」で受験するのであれば、一見社会・国語は共通テストレベルまで勉強していれば良さそうですが、受験生全員が共通テストの点数で比べられるため、共通テストで求められる得点も高いものになります。しかも、TEAP利用の全学部入試や他大学の入試を併願するのであればいずれにせよ社会・国語の一般試験対策も必要になってきます。
併願校も共通テストだけで受けられる大学にして極力勉強をへらす、という選択肢もなくはないです(上智の全学部試験+立教とか、早稲田の国際教養+上智の個別学部試験、とか)。
ただ、そうなると選択肢が減ってしまい、押さえの大学などを選ぶときに苦労することになるため、「絶対上智にしか行かない」というように決めているのでなければ、いずれの科目も高いレベルまで勉強する前提で進めておくべきでしょう。
このあたりは最終的な過去問演習の際に、併願校の決め方や出願学部によって左右されるので、注意しておきましょう。
外部試験をきちんと受けよう!
上智大学はそこまで大きなメリットはないですが、志望するのであればTEAPはしっかり受験しておくのがよいでしょう。それだけでなく、英検などの外部試験は加算対象になるので、保険をかけて受験できる人は受験してなるべく良い結果を残しておくことをおすすめします。
過去2〜3年分の成績は利用できる学部がほとんどなので、早めに受験しておいて何度もチャレンジしておくようにしましょう。
情報をきちんと確認&志望学部学科を決めよう!
ただ、正直個別試験に関しては情報はそこまで多くないです。出題されるテーマ・ジャンルなどが指定されていますが、科目で指定されているわけではないため、何が出題されるかは未知数です。
だからこそ、どの科目も例年通りきちんと対策をしておき、どんな問題にも対応できるようにしておくこと、そして出願要項を見て問われる知識(「ジャーナリズムの理解」「心理学の理解」など学部学科により異なる)を少しでも幅広く見ておくだけでも、大きく変わってきます。
早い段階に勉強するべきこと(英単語、英文法など)は変わらないので、今まで通り一つずつ勉強を進めていきつつ、最新の情報を常に確認しておくようにしましょう。
そしてそのためには、なるべく早く第一志望を決めておくことも重要です。なるべく早い段階で志望学部・志望学科を決めておくことで、適切な対策ができるようになりますから、今まで以上に「早めに志望校を決める」ことが合格への近道です。
今回は「上智大学」の入試変更について見ていきました。こちらの上智大学「2021年度学部一般選抜制度のご案内」ページに元情報は掲載されているので、ご参考までに。「この大学調べて!」というのがあったら調べるので、どしどしTwitterなどで教えて下さい!
それでは!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。
詳しいプロフィール・サイトにかける思いはこちらから!
他の連載記事を見る!
Twitterはこちら
STRUXマガジンのYouTubeチャンネルはこちら