慶應義塾大学法学部傾向と対策

難関私立大学として知られる慶應義塾大学。著名な卒業生や経済人を数多く輩出している大学です。幅広く専門的な授業に魅力を感じて入学する人が多いようです。法学部は、法律学科と政治学科があります。法の分野の専門家に講演してもらう機会が多く、将来弁護士や裁判官などの法曹になりたい人に特に向いている学部です。

Part.1 慶應義塾大学法学部の試験・出願情報

慶大は学部ごとに試験問題が異なります。この章では、法学部の入試形態について確認していきます。法学部は「論述力」という特殊な科目があるので、しっかり対策していきましょう。

法学部の試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月16日
共通テスト 不要
1次選考 あり
出願時期 12月~1月
科目 外国語(英語)・地理歴史(世界史B・日本史Bから選択)・論述力

2021年度入試より一般選抜において主体性評価などの自己評価を出願時に提出することになっています。法学部では「論述力」という小論文科目を含んだ難易度の高い問題が出題されます。基本的には資料・文章を読み取り、それに合わせて記述できるかどうか、自分の発想を記述できるかどうかが問われています。

2段階での選考になっており、英語と歴史の合計、および歴史で一定以上の点数を取れていないと不合格となってしまいます。どの問題が1次選考の対象となるかはわからず、1次選考の選抜最低点が公表されていないので、目標値を捉えずらくなっています。一般には7割取れていれば足切りはないと言われているので、7割以上を目安にしましょう。

Part.2 法学部の配点と目標点【理系】

次に、配点と目標点数をパターン別に紹介していきます。法学部では、成績標準化による得点調整が「地理歴史」に対してのみ行なわれています。

合格最低点と受験者平均点が公開されているので、それらのデータから目標点数を換算していきます。様々な得点パターンを紹介するので参考にしてみてください。

目標点数

配点は英語が200点、地理歴史と論述力が100点ずつの総合400点です。先述のように2段階選抜があるので、「外国語+地理歴史」の点数、ならびに「地理歴史」の点数が基準点を超えている場合にのみ「論述力」が採点されます。これらは点を落とすわけにはいかないので注意しましょう。例年の合格最低得点率は法律学科・政治学科ともに57%~65%を推移しており、受験者平均得点率はどの科目も50%前後を取っています。年度によってばらつきがありますが、得点は合格最低点+5〜10%を目標にすることを踏まえると、得点率は7割近くを目指しておくのが良いでしょう。

合格最低ライン目安
280点
パターン1:標準
英語 140/200点
地理歴史 70/100点
論述力 70/100点
合計 280点
パターン2:英語が得意
英語 150/200点
地理歴史 65/100点
論述力 65/100点
合計 280点
パターン3:地理歴史が得意
英語 145/200点
地理歴史 70/100点
物理 50/100点
論述力 65/100点
合計 280点

2020年度英語の受験者平均得点率が6割だったことを除くと、全科目の受験者平均得点率は5割前後を推移しています。配点が大きい英語は高得点をとり、他の科目は、得意なところでしっかり得点することが重要でしょう。特に英語で75%取ることが取ることができれば、アドバンテージになるはずです。論述力の小論文は安定しづらいため低めに見積もっておき、その分を英語・地理歴史のうち得意な方でカバーする戦略がオススメです。

模試一覧
5月 駿台atama+共通テスト模試
7月 駿台atama+共通テスト模試
8月 河合全統共通テスト模試
9月 駿台ベネッセ大学入学共通テスト模試
10月 河合全統共通テスト模試
代ゼミ慶大入試プレ
駿台ベネッセ大学入学共通テスト模試
11月 河合早慶オープン
河合全統プレ共通テスト
12月 駿台atama+プレ共通テスト

*点数推移:準備中

河合の「早慶オープン」では選択問題と全体問題があり、選択問題は志望大学・学部の問題を選べますが、全体問題では早慶の問題が混ざって出題されます。志望大学・学部以外の問題も出題される難しさもあり、例年の「早慶オープン」ではD判定の人がほとんどのようです。C判定以上を目指して挑戦しましょう。結果が悪くても、気にせずに復習をおろそかにしないことが大切です。代ゼミと駿台が共催している「慶大入試プレ」では、学部別に問題が出題され、より本番に近い形式で出題されるようです。慶應大学に特化した模試は多くありませんので、「早慶オープン」と「慶大入試プレ」は受けておきましょう。

併願校・志望変更

慶應内併願
文学部、商学部、経済学部、総合政策学部
私立大併願
明治大、法政大、中央大、成蹊大学、駒沢大学

法学部と入試形式が最も近い学部は文学部で、英作文は出題されないため比較的併願しやすいです。商学部も英作文は出題されず解きやすいですが、「論文テスト」で数学の素養が多少求められるため注意が必要です。作文を苦にしないのであれば、経済学部の併願もいいでしょう。大学での学習内容が近い学部は総合政策学部ですが、入試形式には少し癖があるため、小論文の特訓が必要になってきます。

他の私立大学との併願は、共通テストが不要な明治大学、法政大学や、法学部が強い中央大学あたりを狙っておきましょう。ただ、立教大学や青学などから受験生が流れてくる可能性もあるので注意が必要です。不安であれば成蹊大学、駒沢大学などそれより下の大学を抑えておくとよいでしょう。

ちなみに、早稲田大学の法学部は英作文など総合的な力が求められるため、併願をする場合の対策は少し大変です。早稲田法の国語は、慶應法の小論文で出される以上に難易度の高い問題が出るため、より対策が必要になります。

Part.3 科目別の勉強法と攻略法

ここからは過去問の傾向や具体的な攻略法を分析していきます。各科目のポイントだけでなく、オススメの参考書と対策時期を紹介します。受験に必要な情報を有効に活用していってください。

英語

英語の配点が50%を占めているので、「英語」を最優先に勉強しましょう。高3の春頃には英語の基礎は固めておき、夏以降から文法や語法などの細かい知識を覚得ていきます。例年大問4〜5つ構成で、様々な問題がバランスよく出題されます。長文が多い訳ではないですが、「単語の意味や同じ意味の単語を探す」問題、「単語の特徴から当てはまる単語のペアを選ぶ問題」など、少し特殊なものがいくつかあります。

年度によって形式の違う問題が出題されます。過去問演習を通して出題されうる形式を把握しておくのはもちろん、文法問題や長文問題の様々なパターンに触れて、解き方を確認しておきましょう。

世界史・日本史

世界史・日本史は「語群から文中の空所補充をする」「正誤問題に答える」という慶應の王道パターンの問題が出題されます。内容は難しいもの・専門的なものも多いですが、基本的な問題を落とさないことが最重要です。早い時期から一問一答などで確認していきましょう。

論述力

論述力は、「文章を読んで、その内容の議論を400字程度で要約し、考えを具体例を出して論じる」という形式です。普段から現代文の参考書などで様々な文章に触れることはもちろん、過去問を多く解き、「議論をまとめる」コツを掴んでおく必要があります。「議論をまとめる」部分でどれだけ点を安定させられるかが、論述力で点を安定させるポイントになります。法律に関わるテーマだけではなく、行動心理や政治的決定プロセスなど難しめの内容が出題されています。憲法の長谷部先生(東大の名誉教授)や慶應大学で長年塾長を務めた石川先生など、名だたる方の著作・評論から文を使っていることが多いので、余裕があれば興味がある分野の文庫本を読むなど見識を広げておくのも良いでしょう。