テレビなどメディアで度々話題になる「2020教育改革」。2020年から大学入試をはじめ、日本の教育制度が大きく変わると言われています。ただ、どのように変わるのか、理解できている人はそれほど多くないのが現状です。この記事ではそんな人たちの悩みを解消するべく、「2020教育改革」について解説していきます。
2020教育改革の概要 今の教育とどう変わる?
1-1, 2020年から変わるポイント
2020年からの教育改革では実は大学入試だけでなく、教育全般について大きく変更点があります。
- 実社会で必要な「考える力」「判断力」を養う小学校カリキュラム
- 4技能を求める「英語改革」
- 大学入試改革
1-1 実社会で必要な「考える力」「判断力」を養う小学校カリキュラム
2020年から新しい学習指導要領に変わり、学校教育そのものが大きく変わります。今までは「学んだことを理解できているかどうか」といういわゆる「知識」や「技能」の定着を重視した教育方針でした。しかし2020年の教育改革では「知識」や「技能」の習得のみでなく、それをもとに「自分で考え、表現し、判断」する力が求められるようになります。いわゆる「知識偏重型」から「思考力・表現力・判断力」など実際の社会で役立てることができるようになるかどうかが求められるようになります。
1-2 4技能を求める「英語改革」
グローバル化の進展に伴い、今までの英語教育も大きく変わります。今までの英語教育ではマークシート方式のセンター試験に代表されるような、「読む力」「聞く力」の2技能の習得に偏った教育方針でした。そこで新しい英語教育では「聞く力」「読む力」「話す力」「書く力」の4技能を育てる教育方針に変わります。
この4技能を身につけるために、小学3,4年生から学校で英語の授業が開始されます。また、中学・高校の英語の授業は、日本語ではなく英語で説明や先生とのやりとりがを行われることが基本となり、今までの英語の授業とは大きく異なります。
1-3 大学入試改革
今まで紹介したふたつの変更に伴い、大学入試も大きく変更されます。センター試験が「大学入学共通テスト」に変更されます。
1.数学と国語で記述式問題を導入
今までは全問マークシート方式でしたが、数学・国語で記述式の問題が出題される予定です。知識だけでなく、思考力や判断力・表現力を試す問題に変更される予定です。
2.英語は4技能、民間資格・検定試験を活用
英検やTOEFL iBTといった民間資格を活用される予定です。現在では高校3年生の4~12月に2回までの結果を大学に提出できるなどと言われていますが、まだ具体的に細かいルールが整備されていないのが現状です。
いつから変わるの?教育改革のスタートは?
教育改革は以下のように変更していきます。
- 2018年度
- 「新学習指導要領」移行処置スタート
- 2020年度
- 「大学入学共通テスト」実施
- 「新学習指導要領」小学校で全面実施
- 2021年度
- 「新学習指導要領」中学校で全面実施
- 2022年度
- 「新学習指導要領」高校で実施
今からどんな対策をすればいいの?
3-1国語・数学
先ほどの大学入試改革の中で変更点にいかに対応できるかどうかがポイントです。まず国語と数学では、それぞれ記述問題が新しく出題されます。
国語では80~120字程度で答える問題を3問程度出題される予定です。このような形式の問題は、国立大学で出題される記述形式の問題ととても似ているので、国立入試の記述問題の対策をしているといいでしょう。また数学も3問程度記述式の問題が出題されますが、こちらも国立大学の問題と似ている形式ですので、国語と同じく国立入試の記述形式の対策をしているといいでしょう。
3-2 英語
英語では「聞く力」「読む力」「話す力」「書く力」の4技能を測る民間試験が活用されます。現時点で採用される民間試験は正式に決定していませんが、英検やTOEFLなどの対策をすることで得点を伸ばすのがいいでしょう。
まとめ
2020年の教育改革では大学入試を中心に大きく変更されます。現時点ではまだ発表されていない部分が多いですが、今のうちから情報を集め、対策をしましょう。
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監修者|橋本拓磨
東京大学法学部を卒業。在学時から学習塾STRUXの立ち上げに関わり、教務主任として塾のカリキュラム開発を担当してきた。現在は塾長として学習塾STRUXの運営を行っている。勉強を頑張っている高校生に受験を通して成功体験を得て欲しいという思いから全国の高校生に勉強効率や勉強法などを届ける「ストマガ」の監修を務めている。