- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、共通テストの問題変更が予定されています。2024年度共通テスト終了後記事も順次更新しますが、しばらくは古い情報も含まれますのでご注意ください。詳しい変更点はこちらの記事をご確認ください。
皆さん共通テスト国語の第2問の対策は順調ですか?
「評論は本文に答えが書いてあるけど、小説は主人公の気持ちが本文のどこにも書いてなから苦手….」
「詩やエッセイってどうやって対策すればいいの….」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
この記事ではそんな悩める受験生のために、大問2(小説・詩・エッセイ)の対策を徹底解説します。
*この記事は第1回、第2回試行調査と市販の予想問題集の内容を元に作成されています。
小説の読解については下記の動画も参考にしてみてください!
共通テスト大問2(小説)の出題内容
共通テスト国語では、大問2で小説以外にも詩やエッセイが出題される可能性があります。エッセイとは筆者が心に思い浮かんだことや、見聞きしたことの感想などを自由に書いた文章で、随筆とも言います。
平成29年度試行調査では小説が1題出されただけですが、平成30年度試行調査では小説は出されず、詩とエッセイのみが出題されました。
小説が出るのか詩やエッセイが出るのかは本番になるまで分からないので、どれが出ても大丈夫なように対策しましょう。具体的な対策方法は後ほどご紹介します。
共通テスト大問2(小説)の問題構成
続いて設問構成を確認しましょう。第2問の設問構成と配点は以下のようになります。
語句の意味を問う問題
まず最初に出されるのが、本文中の語句の意味を問う問題です。基本的には一般的な慣用表現に傍線が引かれていて、その慣用表現の意味について聞かれます。
平成29年度試行調査ではこの問題は出題されなかったので、本番も出題されない可能性があります。対策しなくても何問かは解けるはずですし、対策しようとすると時間がかかりますので、わざわざ参考書を買って勉強する必要はありません。
読解問題
小説の場合は、本文中の傍線部における、主人公の心情や行動理由についての正しい説明を選ばせる問題が出ます。詩やエッセイの場合は文章中の表現について「なぜ」や「どういうことか」といった問われ方をします。
配点は1問につき7点または8点と高めの点数設定がなされているので、なるべくミスはしたくありません。自分の勝手な想像ではなく、文中にしっかりと根拠を見つけて選択肢を選べるようになれば、正答にたどり着きやすくなります。
文章中の表現について問う問題
最後に出されるのが、文章中の表現について問う問題です。本文における表現技法についての正しい説明を選ぶ必要があります。難しい問題ですので、2問のうち1問を正解出来れば良いでしょう。本文の内容とずれていないものを消去法で選ぶと正解にたどり着きやすくなります。
共通テスト国語全体の設問構成や配点について知りたい方はこちら!
共通テスト大問2(小説・詩・エッセイ)の対策
続いて具体的な対策方法を考えていきます。今回は小説と詩・エッセイの解き方を分けて考えてみましょう。
小説は「心情表現」に着目しよう
小説の問題では、登場人物の心情に注目しながら問題を解いていくのが鉄則です。「ある行動をとったのはどういう心情からだったのか」「いま主人公はどんな気持ちなのだろうか」、ということを常に考えながら文章を読むようにしましょう。
もちろん考えるといっても、勝手に想像するのではなくて、文章の中からその心情の根拠となるところをしっかり見つけるのが重要になります。小説を読んでいると面白くてつい勝手に色々と想像してしまうこともあると思いますが、テストの際はそういったことはせずに、必ず本文中の手掛かりからのみ心情を推測するようにしましょう。
心情に注目するのが大事だと説明したところで、心情の掴み方のコツを解説します。
心情の掴み方その1:人の心情は、「行動・表情・発言」に表れる
人の心情というものは、その人の行動や表情に出るものです。あなたも怒っているときはついムッとした表情をしてしまいますよね。そして小説では人物の心情を直接書かずに、表情や発言で暗示させているだけのことがよくあります。
たとえば「彼は黙っていた…」と書いてあるときは、「怒りを我慢している」「衝撃を受けて呆然としている」「恥ずかしくて喋れない」などといった心情が読み取れます。この中のどの心情が正しいかは前後の文脈を参考にすれば分かるはずです。
心情の掴み方その2:情景描写は、登場人物の心情を表すことがある
小説ではよく情景描写が出てきます。小説の作者というのは無駄な文章は入れません。情景描写は多くの場合、「主人公の気持ちを暗示する」ためか「物語の先行きを暗示する」ために書かれています。
例えば「雨が降っている」みたいな描写がある時は、主人公が落ち込んでいたり、その先の展開でよくないことが起きることが多いです。
情景描写が出てきたときは、そこから何か読み取れないかを考えるクセをつけましょう。
心情の掴み方その3:登場人物たちの人間関係をしっかりと把握しよう
小説ではたくさんの登場人物が出てきます。人間関係をしっかりと把握した上で読まないとストーリーが全くつかめなくなるので、新しい登場人物が現れるたびに人間関係の整理を行うようにしましょう。
心情の掴み方その4:人の心は、時間とともに変わる
人の心は、時間とともに変わります。物語の序盤では何か悩みを抱えていた主人公が、何らかのキッカケによって前向きな気持ちに変わる、といったストーリなどは小説問題の定番です。主人公の心情が変わる部分は物語の中心部分で問題にもなりやすいので心情変化を見逃さないようにしましょう。
詩・エッセイは必ずに文中に根拠がある
エッセイも詩も基本的には評論や小説と同じように、自分の主張や心情を文章に入れ込まずに、文章内にある根拠からのみ正誤を判断するのが、問題を解く上で最も重要なポイントです。その正誤の判断には消去法を用います。
消去法のやり方は、まず明らかに違う選択肢を弾くことからスタートします。主語や述語が他の選択肢と明らかに違うものがあったら、誤っている可能性が高いです。
続いて選択肢と本文を照らし合わせ、「本文に書かれていないことが書いてある」か、「本文の趣旨と異なった事が書いてある」選択肢を消去していきます。
ただしここで注意しなければならないのは、「本文に書かれていない」ということと「本文にない表現が使われている」ことは別だということ。正解の選択肢では、意味をほとんど変えることのないまま、文中の語句の一部を言い換えていることがよくあります(「歯止めをかける」⇔「制限する」など)。表現や語句だけを見て判断すると、正解の選択肢も消去してしまう可能性があるので注意しましょう。
基本的には消去法を使えば、ほとんどの問題は特別な知識がなくても解けますが、詩が出題された場合は最後に純粋な知識問題がでる可能性があります。最後の設問で詩の表現技法を問われた場合は知識がないと解けませんので、「倒置法、直喩法、隠喩法、擬人法」といった基本的な表現技法は一通り覚えておくようにしましょう。
「どういうことか」と問われたら傍線部を要素分解しよう
詩やエッセイの問題では、「どういうことか」や「〜とあるがその説明として正しいものは」という問われ方をすることがよくあります。このタイプの問題は普段なんとなくで解いてしまっている人も多いかもしれませんが、実は出来る人はみんなやっている解き方があるんです。
その解き方とは「傍線部を要素分解して、それぞれの要素と対応している箇所を本文で見つけ、その内容が書かれている選択肢を選ぶ」というもの。
例えば「「これをつくる」とはどういうことか」という設問があった場合は、まず問題文を「これ」と「つくる」の2つの要素に分けます。その上で各要素に対応した本文中の表現(例えば「これ」→「いつかは消えてしまう運命にある作品」、「つくる」→「自身の魂を込めて生み出す」)を見つけ、それが書かれた選択肢(例えば「いつかは壊れてしまう作品を、作成者の魂をこめながら作り出す」)を選べばOK。
「なぜか」と問われたら傍線部の理由説明をしよう
詩やエッセイの問題では「なぜか」という問われ方をすることもよくあります。この問題は、「傍線部を組み合わせたら、しっかりと論理的な文章が出来上がる選択肢を選ぶ」のがポイントです。
どの選択肢を選んでも論理的になるように思える場合は「本文に書かれていないことが書いてある」か、「本文の趣旨と異なった事が書いてある」ことが多いので、先ほど説明した消去法を使うようにしてみてください!
まとめ
第2問は本番になるまで「小説・エッセイ・詩」のどれが出るのか正直わかりません。ただ、どれが出されたとしても大事なことは「自分の主観的な意見を入れ込まずに、文章中の根拠のみを使って解答を判断する」ことです。これさえ忘れなければ、どんな問題にも対応可能ですので本番も頑張ってください!
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