「数学わけわからない……。」「中学までは得意だったのに……。」そんな思いでこのページにたどりついた人も多いのでは。この記事では、数学の基礎の基礎、教科書レベルの問題を解く力を身につけることができる、最強の勉強黄金サイクルを紹介します。実は、教科書レベルを完璧にするだけでも、センター試験の数学は7割ほどとれてしまうんです。この記事を読んで、「数学なんて意味わからない!」を脱却しましょう!

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数学が教科書からわかりません。

数学が教科書からわかりません。








戦略01苦手な人はまずは教科書レベルから!
数学の勉強は、大きく3つにわけられます。
- インプット:教科書理解
- 定着:定石理解、問題演習
- アウトプット:過去問
この記事では、最初のステップである「インプット」を扱います。

……と思う人もいるでしょう。数学で言う「インプット」とは、
基本事項と公式を覚え、公式をそのまま使って解ける単純な問題を解くこと
を意味します。当然、この段階がクリアできないと、その次の「定着」や「アウトプット」に進むことはできません。
よって、サキサキのように、数学が苦手でなんのことかさっぱり、という人は、公式を覚え、教科書レベルの問題を解けるようにする、「インプット」から取り組んでいきましょう。


戦略02数学の教科書の基本構造
数学の教科書を開くと、どの教科書にも共通して、以下の4つが載っています。
- 基本事項
- 例題
- 例題の類題
- 章末問題
それぞれがどんな特徴を持つか、見ていきましょう。
基本事項
これは、各分野の最も基本となる考え方や数学の用語、あるいは覚えるべき基本的な公式について取り上げている部分です。たとえば、確率の分野で「独立」という言葉が出てきますが、その言葉の意味を解説していたり、数学Ⅱの図形と方程式の分野なら、円の方程式の基本形を提示してくれていたりします。
ex. $点(a, b)を中心とし、半径がrの円の方程式は、(x-a)^2+(y-b)^2 = r^2$
例題
基本事項のすぐ後についている、基本的な問題です。基本事項で習った公式や考え方を実際の問題にあてはめて理解する、というわけですね。教科書によっては、一部の例題に「応用例題」という名前がついていて、多少レベルが高い例題も存在します。
ex. $中心が(1, 3)、半径が2の円の方程式を求めよ。$
例題の類題
多くの教科書では、「練習」や「問」というタイトルがつけられているのがこの類題。例題のすぐ後についている問題で、例題の問題の数値や設定を多少変えたものがほとんどです。よって、レベルとしては例題と同じくらいです。
章末問題
その章でやった内容を踏まえ、応用レベルの問題が載っています。当然、応用問題ですから、その章の基本事項や例題をマスターしたうえで取り組まないと、手も足も出ない問題もあります。



戦略03教科書をフルに生かす!黄金サイクル


教科書は、多くの大学の教授や高校の先生が、知恵を絞って作ったいわば“最高の参考書”です。教科書の構造に沿ってきちんと勉強していくだけで、数学の基礎力をつけることができるようになっているんですね。

でも、このサイクルに加えて、もう1つ重要な点があります。

それは、学校の授業と並行して進めていく、ということ。よく、英語や古文では、授業で扱う文章を予習してきなさい、と言われることがありますね。これは理にかなっています。なぜなら、英語や古文は、単語や文法の積み重ねなので、前に覚えた知識が、段階を進んでも文章中に出てくる可能性が高いからです。
一方の数学は、なかなかそうはいきません。たとえば、数学Ⅰの教科書を開いてみてください。

パラパラ、っとめくるだけでも、放物線が出てきたり、sinやcosが出てきたり、分散や標準偏差といった謎の言葉が登場したりと、1冊の数学の教科書は、まったく違う分野の集合体であることがわかると思います。
要は、進めば進むほど、新しい概念や公式がどんどん出てくるわけです。なので、自力でどんどん先に進めていくのはおすすめできません。数学に苦手意識がある人であればなおさらです。






黄金サイクルのすすめかた!
では各ステップでどのように取り組むか、詳しくみていきましょう。ここでは、
① 学校の授業と並行して進めるやり方(主に高1・高2生向け)
② 学校の授業が終わってしまった、でも教科書を理解できていないので独学で進めるやり方(主に数学が苦手な高3・浪人生向け)
の2パターンを紹介します。
とはいえ、やはり先ほど紹介したこのサイクルは、どちらにも共通します。
学校の授業と並行するかどうかという人と、独学で進める人の違いは、学校の授業があるかないか、くらいです。ですので、以下に示すステップのうち、Step3からはどちらにも共通します。
学校の授業で並行して進める人はStep1から、独学で進める人はStep3からはじめましょう。
- Step1.
- 教科書を軽く予習! → 学校の授業と並行して進める人はここから!
- Step2.
- 授業を聞く
- Step3.
- 基本事項の確認&例題を解く → 独学で進める人はここから!
- Step4.
- 例題の類題を解く
- Step5.
- 章末問題を解く
では、各ステップの詳細を見ていきましょう。
Step1. 教科書を軽く予習!
せっかく授業を受けるのですから、自分がわからない部分を明確にしてから授業にのぞんだ方がいいですね。
まずは、次の授業で扱われるはずの範囲を、教科書でざっと読みます。本当にざっと、1ページ1分くらいでかまいません。問題も解かなくていいです。内容を理解し、問題を解くのはあとでたっぷりやります。
教科書は、誰もが最初に使うものなので、説明は相当ていねいに書いてあります。それでも、やはりただ読んだだけではよくわからないところがあるものです。
そこで、ざっと読んだ中でもよくわからないところに、軽くマークをつけておきましょう。これが、次のStepで役立ちます。
Step2. 授業を聞く
実際に授業を聞きましょう。ポイントは、Step1でマークをつけた場所、つまり読んだだけではよくわからなかった場所をよく聞いて、納得することです。
また、教科書には書いていないことでも先生が話すことがあるでしょう。それは、教科書の空いているスペースやノートにメモをとりましょう。
Step3. 基本事項の確認&例題を解く
授業を終えて家に帰ってきたら、必ずその日のうちに授業中扱った基本事項をもう一度確認します。
独学で進める人は、このステップからスタートですね。1日に例題3つ解くことを目安に、基本事項の確認と例題を進めていきましょう。

公式が出てきた場合は、それもその場で暗記するように努めましょう。紙に書く、口に出して唱えるなどなんでもいいです。
ところで、多くの数学の公式は、$a$や$x$などの文字を使った式で書かれています。そのため、このときに注意すべきことがあります。それは、「公式の中の文字が何を表しているのか」まできちんと覚える、ということです。
たとえば、数学Ⅰで習う正弦定理なら、教科書にはこんな公式が書かれています。
これだけをお経のように書いたり読んだりしても意味はありません。あなたはこの式中の$R$が何を意味しているかすぐに言えますか?

この$R$は「三角形ABCの外接円の半径」を表しています。このように、公式の中の文字が何を表しているのかがわからないと、結局問題を解くときに使えないわけです。
以上のようなことに注意をして基本事項の確認と公式暗記をしたら、それに関連する例題を解きます。まだこの段階では基礎事項や公式を見ながら解いてもかまいません。もし間違えた場合には、例題の問題番号の横にチェックを入れておきましょう。

Step4. 例題の類題を解く
Step3を行った次の日に、例題の下にある類題を解きましょう。前日に例題そのものを間違えていた場合は、例題も合わせて解き直します。
ここでのポイントは、基本事項や公式の説明を見ずに解くこと。前日にしっかり暗記ができていれば、その基本事項や公式を使って簡単に問題が解けるはず。もし解けなければ、もう一度基本事項や公式を読み直し、覚え直します。
ここまでで、とりあえずひと区切り。先に進みながら、学校の授業と並行して進める人はStep1~4を繰り返し、独学で進める人はStep3・4を繰り返していきます。
このとき、進めていく中でも、前に覚えた公式はその都度見直すようにしましょう。特に図形と方程式やデータと分析、数列、三角関数などの分野では、1つの分野あたりの公式が多く、かつ覚えたものをその都度別の例題で使うことがよくあるからです。


Step5. 章末問題を解く
公式と例題を一通り終え、1章分の内容が終わったら、最後に章末にある問題を解きます。教科書によってはかなり問題量があるので、1日あたり3~4問を目安に解いていきましょう。
この章末問題は、先ほども言った通り、主に応用問題であるため、なかなか難しく、1回目ですべて解けるなんてことはおそらくないでしょう。最初に間違えた、あるいはわからなかったものに関しては、その翌日に必ず解き直しをしましょう。そこで合っていたとしても、3日あけてさらにもう一度解き直します。つまり、1回目で間違えたものについては、最低3回は解き直すということです。

教科書の唯一の欠点





教科書は、もっとも基本的な、そしてもっとも内容がくわしくまとまっているものなのですが、すべての問題に対する詳細な解説が載っているとは限らない、という点が唯一の欠点です。
例題ならまだしも、章末問題レベルになると、解説なしではなかなか大変。この対処法として、2つ考えられます。
① 学校の先生に質問に行く
② 教科書ガイドを購入する
①が一番手っ取り早いですね。ですが、わからない問題が何問もある場合、なかなか先生に質問するのも気がひける……、という人もいるのでは。
そういう場合には、教科書ガイドを使いましょう。これは本屋さんに行けば売っています。値段は2000円ほどが相場で少々値がはりますが、教科書の問題の詳細な説明が書かれているため、特に独学で進める人は買っても損はないでしょう。






戦略04数学の教科書にまつわるあれこれQ&A
ここでは、高校生のみなさんが数学の教科書に対してもつよくある疑問を、サキサキが代表して赤神先生にぶつけます。
質問その1


質問その2


質問その3


まとめ

・数学はインプット・定着・アウトプットの3ステップ!苦手な人はまずはインプットから!
・インプットとは、基本事項と公式を覚え、公式をそのまま使って解ける単純な問題を解くこと。
・数学の教科書は、基本事項・例題・例題の類題・章末問題の4つをサイクルでまわしていこう!学校のプリントを併用してももちろんOK!
・公式を覚えるときには、文字が何を表しているのかまで覚える!
・答えがないものについては、先生に質問or教科書ガイドを買う!
・教科書は、定期テストごとに完璧にするのが理想。遅くても受験の10カ月前までには完璧に!