- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
看護系学部としては日本最高峰としての呼び声も高い慶応看護医療学部の生物は、最新の研究課題や生物学史にまつわる長い問題文を読み、教科書や参考書で学習した内容に基づき、標準レベルまでの考察問題を確実に正答する力が試される試験です。そんな慶応看護医療学部生物の得点力を向上させるには、試験本番での問題傾向を把握した上で、入念に対策をしていくことが必須となってきます。
この記事では、慶応看護医療学部生物の攻略に必要な情報をすべて、レベルごとにお伝えしていきます。
慶応義塾大学看護医療学部の生物出題傾向
DNAの複製やPCR法といった遺伝に関する分野と進化及び生物分類にまつわる分野、各生物の環境応答や生態系の変容といった生体に関する分野から出題される問題が多い傾向にあります。しかし、分野横断的な出題が多く、ホルモンの分泌や体内器官や各細胞の働きといった分野の要素を複合させている場合もあるので、全ての学習分野を満遍なく勉強しておく必要があります
出題される全ての問題には1500字程度のリード文が設けられており、そのリード文を読解した上で、用語穴埋め問題や記述・論述問題を解答するのが基本パターンです。また、実験考察型の設問が大問の一部に組み込まれていることが多く、事前に学習した内容のみならず、文章や図表から読み取れる情報を併用させて考える問題もときどき見られます。
慶応義塾大学看護医療学部生物の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 マーク形式及び記述式混在型設問
- 第2問 マーク形式及び記述式混在型設問
- 第3問 マーク形式及び記述式混在型設問
記述式設問としては、用語穴埋め問題の出題が多く、30字~60字程度の字数が必要となる記述・論述問題も同程度出題されています。また、受験年度によっては、計算問題が出題されることもあり、対策しておくことが好ましいでしょう。
慶応義塾大学看護医療学部生物の時間配分の例
慶応看護医療学部の生物の試験時間は80分となっており、大問ごとに求められる記述量に若干ばらつきがありますが、大問1題につき20~25分の解答時間が目安になります。出題される小問数は多いわけではなく、選択式の設問の割合もそれなりにあるので、試験時間に余裕はあると考えて大丈夫です。一部の発展的な設問において複雑な考察が求められる場合はありますが、解けなければ落ちるということはありません。試験時間にゆとりをもって、それ以外の標準レベルの設問を確実に得点しましょう。
出題される大問ごとの難度の差は大きくはないので、選択肢形式や用語穴埋め形式の小問が多く含まれる大問から着手するのがおすすめです。自分の得意分野や馴染みのある話題に関連する大問が出題されていたなら優先的に取り掛かり、自分の苦手分野や時間を要する考察問題が含まれている大問の解答は最後にすると良いでしょう。
時間配分の例
00:00 | 解答する問題の順番の目星を付ける(2) |
00:02 | 自分の得意分野で、確実に得点できそうな大問(25) |
00:27 | 選択肢形式や穴埋め形式の小問が多く、手早く解答できそうな大問(20) |
00:47 | 難解な考察問題が多く、解答に時間がかかりそうな大問(27) |
01:14 | 解答できた問題の見直し及び出来なかった問題の再挑戦(6) |
試験時間にある程度の余裕があり、選択肢形式や用語穴埋め形式の設問も多く出題されているので、ケアレスミスを防ぐためにも、解答できた問題の見直しをする時間を設けましょう。また、一度解答に悩んだ設問に関しては、試験最後の余った時間を活用して再度考えてみましょう。
学習塾STRUXではこれらの勉強計画を
□ 受験生の今の成績に合わせて
□ 受験までの日数に合わせて
□ 受験生それぞれの得意・苦手に合わせて
オーダーメイドで作成して、計画の実行・改善まで毎日の勉強を管理します。
慶応義塾大学看護医療学部生物で必要な学力レベル
慶応看護医療学部の生物を解答するあたって、多くの教科書に記載されている基礎~標準レベルまでの全分野の知識は網羅しておくと良いです。加えて、ニュースや雑誌等を活用して、話題となっている生物学関連の情報収集を日頃からしておくとより安心です。そして、計算問題や論述問題を含めて、実験考察型の問題演習の経験を積み重ね、試験本番で戸惑わず対応できる実力を身につけていきましょう。
受験年度にもよりますが、基本的には6割5分程度正答することを目標とし、生物が苦手であっても最低5割以上、逆に生物を得点源にしたいのなら8割以上の正答率を目指しましょう。知識問題や標準レベルの考察問題を確実に得点することが合格点に到達するカギとなります。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、慶応看護医療学部の生物に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
慶応看護医療学部のレーダーチャートはこのようになります。
慶応看護医療学部の生物のレーダーチャートはこのようになりました。全ての学習段階において、一般的な私大入試レベルに対応できる高い完成度が求められています。
慶応義塾大学看護医療学部生物が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、慶応看護医療学部の生物で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人は初めから進めてください。基礎に自信があって、これから慶応看護医療学部に特化していきたい!という人は途中からでもOKです。
生物の基本、教科書レベルがきちんと身についているかのチェック
学校の授業と並行して行えば、スムーズに生物の勉強をすすめることが出来ます。しかし、学習進度が遅い学校も多く、高3の冬入試ギリギリまで終わらないということもあり得ます。そのため、自発的に勉強を進めていき、高3の夏前には遅くとも一通りの学習を終えられるようにしましょう。
これまで習った範囲の復習も含め、以下の参考書で全範囲の知識の網羅と定着を並行して行います。
- 教科書理解スタディサプリ高3生物(理論編)
- 教科書理解セミナー生物・生物基礎
- 教科書理解リードα生物・生物基礎
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、教科書レベルの基本知識を盤石にしていきます。いきなり問題を解くことはできないため、まずは映像授業の視聴と付属の問題を解くことで身につけていきましょう。
「リードα」「セミナー」などは適宜学校で配布されたもので似たようなものを使っても構いません。学校で配布されない場合、中古のものの購入や市販の「エクセル生物」などを活用しましょう。問題数が多くレベルも幅広いため、知識の定着にも入試レベルへの飛躍にも最適です。
次に進むポイント
- 生物の苦手意識が少し薄れてきた
- 生物でどういう範囲があって、どんな問題が出るのか把握している
- 映像授業や学校の授業の内容はすべて理解できた
慶応看護医療学部入試を解くための「定石」を把握する問題演習
共通テストレベルやそれ以上の慶応看護医療学部入試レベルの問題を解けるようになるには、知識の習得のみならず、理解した知識を活用する力が必要となります。ここからは多くの頻出解法を体得していくことで、まずは入試問題を解くにあたっての対応力を身につけていきます。
- 教科書理解セミナー生物・生物基礎
- 教科書理解リードα生物・生物基礎
- 定石演習生物基礎問題精講
夏休み中までに標準レベルの問題演習を終えて、より難度の高い問題や過去問を用いた演習への土台を固めておきましょう。
次に進むポイント
- 「基礎問題精講」で8割以上は解ける
- センター試験の過去問で80点くらいは取れる
慶応看護医療学部入試レベルまで引き上げる!入試形式の問題で演習
定石問題の解法が身についたら、慶応看護医療学部入試を見据えたスキルアップを図りましょう。入試問題は定石問題の組み合わせで出題されることが多いので、実際の入試で出題された問題をどんどん演習していきます。
- 入試演習生物重要問題集
- 入試演習生物一問一答
基本的な参考書をやり終えたら、慶応看護医療学部の過去問や慶應看護医療学部形式に似た問題で仕上げていきます。慶応看護医療学部の生物で頻出される問題の傾向を身をもって知るためにも、過去問を多く解くことで、頻出問題の解答のコツを掴んでいきましょう。
- 過去問赤本(5〜10年分)
直近10年ほどの過去問は赤本で時間を測って取り組みましょう。10月から11月にかけてある慶大プレや早慶オープンと併せて、秋以降の仕上げに使うのがベストです。